【ラグビー】「頑張らなあかん」法大一のハードワーカー・宮下晃毅は高みを目指し続ける
現在、関東大学リーグ戦で3勝1敗の勝ち点17で3位の法大ラグビー部。好調なチームのFWの核として、必要不可欠な存在となっているのが、NO8宮下晃毅(経3=報徳学園)だ。
リーグ戦未出場の悔しさ
報徳学園高出身で、高校日本代表候補でもあった宮下は多くの期待を背負い法大に進学。1年次は、春季大会の慶大戦で途中出場しデビューを果たした。順調なスタートを切ったように見えたが、夏に扁桃腺の手術で入院。その復帰後には骨折で戦線離脱を余儀なくされた。その後はジュニア戦の出場にとどまり、ルーキーイヤーは不本意なシーズンとなった。そんな中でも「うちのチームには留学生がいないので、彼がFWの核になってくれればいい」と新宮孝行監督は宮下に大きな期待を寄せていた。
U20での経験
宮下にとって大きな転機となったのは昨年のU20日本代表での活動だろう。リーグ戦未出場ながらもフィジカルや力強いボールキャリーなどが評価され、3月のTIDキャンプに招集された。その後もU20での活動に参加するようになった。5月27日秩父宮ラグビー場で行われたNZUとの強化試合では、NO8で先発出場。トライにつながるプレーを見せ大活躍。試合後には相手チームの監督、主将からも高い評価を受けた。『ワールドラグビーU20チャンピオンシップ』では3試合に先発出場。日本は全敗に終わり、世界のレベルを痛感することになった。しかし同世代のトップレベルの選手たちと日の丸を背負い戦った経験は、宮下にとって大きな財産になったに違いない。
フィジカルの強化
外国人との対戦を通じて、宮下はフィジカルの強化に励むことに決めた。高校時代は183cm92kgだった体格も現在は、186cm110kgへと大幅にサイズアップ。ベンチプレスも165kgを挙げられるようになった。特に目立ったのが今秋の立正大戦。自陣でパスをもらった宮下は、ダイナミックなランで相手をかわし、敵陣22メートルライン付近まで前進した。その活躍が高く評価され試合後にはPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)にも選出。しかし「自分の中ではまだまだ。もっといいキャリーができるように頑張りたい」と宮下は振り返った。今後は、食事の質の改善にも着手するようだ。
元チームメイトたちの活躍
宮下の母校である報徳学園高出身の選手たちが各地で活躍を見せている。1個上の植田和磨(近大)は7人制ラグビーでパリオリンピック2024に出場。また1個下の海老澤琥珀(明大)、村田大和(京産大)はトップチームの日本代表に選出。他にもリーチマイケル2世との呼び声高い石橋チューカ(京産大)などがいる。そんな彼らの活躍に「頑張らなあかん」と宮下は刺激を受けているようだ。自身の目標であるトップチームの日本代表に選出されるべく、高みを目指し続ける。
兄の存在
宮下には目標とする選手がいる。それは4歳上の兄、宮下大輝(花園近鉄ライナーズ)だ。同じバックローの選手で、ラグビーを始めたきっかけにもなった選手だ。立正大戦の2週間前に二人で一緒にご飯に行ったという。「リーグワンの話などをいろいろ相談して、いつもお世話になっている」と兄への感謝を口にした。
さらなる飛躍へ
宮下は今秋のリーグ戦では4試合全試合にフル出場し、2トライを挙げる大活躍を見せている。法大を2年連続の大学選手権へと導けるか。FWの核・宮下晃毅のさらなる『超戦』に注目だ。
(記事:盛岡惟吹)