【自転車】インカレ直前寮取材~2・3年生~
2015年8月11日(火)
自転車競技部寮
まだ薄暗く朝もやが立ち込める中、選手たちの声と風を切るタイヤの音が聞こえる。自転車部の練習は早朝5時から始まる。今年は長野県松本市で第71回学生選手権自転車競技大会(インカレ)が行われ、各大学が意地とプライドをかけて戦う。そんな学生選手権最高峰の戦いに挑む選手たちの意気込みをうかがった。
選手コメント
青野将大 (法3)
―これまでのシーズンを振りかえって
今まで全日本トラックから入って、自分的には良い成績残せていないなと思っているので、インカレで残すしかないと思ってます。
―インカレまで1か月きったことで心境に変化は
今までの練習の成果が出ると思っているので、調整というよりはどんどん追い込んで走れるようになっていきたいです。
―インカレではチームパーシュート(団抜き)に出場されますが、全日本トラックで出場されていたインディヴィジュアルパーシュート(団抜き)でおっしゃっていたペース配分は共通するものですか
団抜きは、個抜きと違って他の3人に合わせて走っていくものなので、また違った感じにはなっていくと思います。
―チームパーシュートではどんな練習を
もうメンバーが決まったので、そのメンバー固定でトラック練習がほとんどです。ロードはもうほとんど行ってないんですけど、団抜きを想定した、2000メートルや3000メートルのフライングを練習してます。
―練習はトラックのみですか、他にローラーは
午前中もう終わったんですけど、5~8時休憩して自身の調子見て倉庫にローラーやパワーマックスっていう機械があるので練習してますね。
―団抜きのメンバーに選ばれて
去年けがで最後メンバーに入ってたんですけど、出れなくて悔しい思いをしたので、今新村先輩と寺崎先輩という強い先輩がいて良い順位を狙えると思うので。新村先輩と寺崎先輩は強いのはもう分かっているので、あとは自分ともう1人今のところ鈴木で。現時点で自分が1番遅いので、自分にかかっているって感じだと思ってます。
―まだメンバーが代わる可能性はありますか
そうですね、補欠に靏と荒井が入っているので、自分が走れなかったら全然変わります。
―寺崎選手と新村選手と走るのもこれが最後のレースとなりますね
そうですね、最後気合入れていきたいと思います。
―その4人で何か話し合ったりは
話し合ったりはしてないですけど、優勝狙ってこうとは。
―寺崎選手と新村選手はどんな方ですか
自分からしたら、走りで引っ張って行ってもらっているというか、目標ですね。
―青野選手個人の仕上がり具合は
前回の全日本個人戦7月のやつでて、タイムはもうちょっと出したかったと思うんですけど、それは走り方の問題で足自体はなんか結構走れてるなと自信がついたので、それからも結構練習してきてはいるので、調子は上がってきていると思います。
―体調の方は
大丈夫だと思います(笑)。今なんか寮で感染性胃腸炎、食中毒みたいのが流行ってて。まあ大丈夫かなと。
―トラック班全体の仕上がり具合は
去年と比べると、1年生も増えて人数も増えて良い練習できてるなと切磋琢磨して。自分も3年生になって、後輩も増えてしっかりと走りを見せられるようにしたいです。
―同期の方の印象は
菊山は今も部屋が一緒で仲良くやってます。練習もまあまあ(笑)。鈴木もジュニアの頃から同じ種目って程ではなくて違うんですけど、まだ全然負けているので目標ですね。
―下級生の印象は
そうですね、1年生はやっぱり寮の仕事とかもあって、調子なかなか上がってこないなっていう人もいるんですけど、2年生は全然走れます、荒井とか(笑)。荒井にはポイント(レース)も期待してます。
―個人としての目標は
今回は、ポイント(レース)の補欠と団抜きですね。他は補欠入ってないのでもうほとんど団抜きだけになると思うんですけど、団抜き優勝することと9月からはもうチームを引っ張ってかないといけないんで、何とかは走るしかないですね!
―チームとしての目標は
総合優勝がやっぱり目標ではあるんですけど、ちょっと他の大学も強くて、一つでも個人種目でも団体種目でも優勝できるようにだったり、自分の出ない種目も全力でサポートしていけるように頑張りたいです。
―インカレに向けて意気込みを
団抜き、先輩方と走るのも最後なので、優勝目指します!
優勝の期待がかかるTPで結果を残せるか
鈴木康平 (スポ健3)
―今年も去年と同じくインディヴィデュアルパーシュート(IP)とチームパーシュート(TP)にエントリーされましたが
IPは前回の大会(全日本学生選手権)で勝てたので出れることになったみたいです(笑)。
―インカレまで3週間を切りましたが調子の方は
個人では割とコンディションはいいんですけど、TPは寺崎先輩、新村先輩と差があるのでうまくいかなくて気を使わせてしまわないかが心配です。
―IPの目標は
まず表彰台ですね。去年は4位だったので。
―去年の取材では橋本英也選手(鹿屋体大)と決勝で戦いたいとおっしゃていましたが
橋本選手と戦いたかったんですけど今年は出ないみたいで、負けるより(勝負できないことが)悔しいです。今乗っている自転車が以前橋本選手が乗っていた自転車で、売ってくれた方が橋本選手に売った方と同じで、自分と橋本選手の対決が見たいと言ってくれていたので特に気合が入っていたんですけど。
―ライバルが一人減ったことで表彰台も近くなりましたか
他にも朝日大や日大の強い選手もいるので気は抜けないです。橋本選手の代わりに入った原田選手も強いので。そこにどうついていけるかですね。
―TPの目標は(去年インカレ3位)
朝日大が調子いいんですけど、それでも勝てなくはないと思っているので優勝は狙いたいですね。鹿屋や中央も怖いんですけど、一番恐れているのは朝日ですね。
―インカレまではどのような練習をしていきますか
団抜きメインでやっていこうと思っています。自然に個抜きの練習にも繋がるので。
―最後に意気込みをお願いします
個人はコンディションはいい方なんで最低でも3位、最高で1位です。TPは先輩に迷惑かけないように最後は笑ってゴールしたいです。良い結果で4年生を送り出したいです。
IPで悲願の表彰台を狙う
菊山将志 (人3)
―昨年出場されたタンデム(昨年インカレ4位)には出られないんですか
自分は荒井がいないと走れないので。荒井はポイントレースに出るのでそれを考慮して今年はやめました。結構インカレはハードなんで。
―今年はケイリンとチームスプリントに出場されますが
ケイリンでは頭を使ってずる賢く勝ち上がって、最後はどさくさに紛れて表彰台に上りたいです。
―残りの3週間はどのように詰めていきますか
ちょっと間に合わないかもしれないですね(笑)。タンデムやケイリンは残り600mから500mで動き出すので、最後のもがきまで我慢して最後にさすっていう練習を短距離班の皆でやれば強くなるんじゃないかなと思います。
―チームスプリントの目標は
自分の予想では3位にはなれるんじゃないかなと思ってます。なれなかったら走りません(笑)。
―最後に今年のインカレの意気込みを
けがなく帰ります。具体的な順位を言って取れなかったら恥ずかしいのでやめときます。もう3年生なので力を出し切りたいです。
課題の短距離で上位を目指す
堀川裕輝 (営3)
―全日本(自転車選手権大会ロードレース)を振り返って
自分は10kmくらいしか走ってないんです。最初の1周目の終わりくらいに落車に巻き込まれて、自転車がそこで壊れちゃってレースを降りました。悔しかったんですけど、チャリが壊れてしまったので…。
―アジアロード選手権を振り返って
初めての国際試合だったので緊張したんですけど、楽しくアジアのレースを経験できました。
―何を目標に臨まれましたか
どれだけ自分がやれるのか分からないので、腕試しというか。勿論上位にいければよかったんですけど、チームとして動くっていうのを意識して。自分が勝つというよりもチームを勝たせたりとか、チームのために動きができればいいなって思いながら走りました。
―海外と日本では特にどんな違いがありましたか
レースの展開ですね。日本だと強い人がいって、最初は逃げを見送ったりとかするんですけど、海外は強い奴だけが前でずっと走り続けて、力でねじ伏せるというようなレースだったので、終始きつかったです。
―この大会はクリテリウム、TT、ロードで行われたということですが、3つの中ではどれが得意ですか
やっぱりロードですかね。
―白馬クリテリウムを振り返って
自分を勝たせるためにチームの後輩たちが動いてくれたんですけど、勝つことができなくて申し訳なかったです。
―今シーズン前半を振り返って
出た試合では何かしら反省というか、考えができたので、それを生かしてインカレも頑張ろうと思いました。
―現段階でご自身の仕上がりは
悪くないです。
―暑さ対策などは
レース中は自分で水被ったりとか、補給のみんなが水をかけてくれたりとかして、体を冷やしたりします。
―今回のコースについて
きついですね。あんまり得意ではないです。去年走ったんですけど、走り方が悪くて苦手意識がついちゃって。まあ、きついですね。
―上りが多いのでしょうか
そうですね。2か所大きい上りがあるので、2個めの上りが勝負どころになると思います。
―上りは得意ですか
強くはないですけど、割と上りの方がいいですね。
―取り組んでいる練習はどんなものですか
短い時間、2分間とかを全力で走るような、それを何回も繰り返すような練習をしています。
―合宿はいかがでしたか
つらいです。合宿はつらいです。
―どんなことをされましたか
標高が高いので、高地トレーニング的な。酸素の薄いところに行って、みたいな感じです。
―先輩の印象は
相変わらず強いですね。
―特に相本選手についてはいかがですか
今怪我しててまだ乗り始めてないのでどうなるか分からないんですけど。今乗ってないとしても1年生とかよりは強いと思うので、しっかり治してもらってインカレに間に合うように。インカレで一緒に走りたいです。
―では寺崎選手についてはいかがですか
寺崎先輩は絶対的に強いんで。多分調子とか関係ないですよ、常に強いので。
―後輩の印象
自分より走れている後輩もいるので。負けないように。励みになりますね。
―特に期待できる後輩は
今年は北條が結構仕上がっているので、このままの調子でインカレに臨んでほしいですね。
―個人での目標は
10位以内、一桁を目指して。
―チームとしての目標は
チームとしては勿論総合優勝を目指します。
―意気込みをお願いします
自分にできることをしっかりこなして、チームに貢献できるように頑張ります。
ロードの総合優勝に期待がかかる
荒井佑太 (営2)
―アジアロード選手権を振り返って
初めての海外試合で慣れない点もあったんですけど、いい形で試合には臨めて、最初のクリテリウムで4位という結果でした。初めての海外試合にしては自分の力が出せたんじゃないかなと思います。やっぱりロードレースだったりで、海外選手の積極性だったり、良い面も見れたので、自分にとってはこれから成長していく上ですごく大きなきっかけになりました。
―具体的な目標はありましたか
順位とかというよりは、走り方で積極的にというか。海外の試合だと試合の展開がはやいので、その展開で乗り遅れないということは、目標というより意識はしていました。
―やはり海外のほうが日本より走り方が速いのでしょうか
そうですね。海外の選手は前前って姿勢が日本の選手よりも強くて、何もしないでいるとレースから遅れてしまうので、それに負けないように自分も前前っていう姿勢を出していきました。
―クリテリウムでは4位という結果でしたが、作戦や意識して臨んだことはありましたか
試合前に、監督さんに自分で勝負するっていうことを言っていただいたので、あまり深いことは考えずに、地元の韓国の選手が飛び出したらそれについていって、良い結果になればいいかなと思っていました。試合でもその通りにして逃げることができたので。試合前から積極的にってことは考えていましたね。
―白馬クリテリウムを振り返って
会場を最初試走で走ってみて、あまり自分向きのコースではないなと思いました。コーナーが少し多いので、不安要素があっての試合で。気温も高くて、レース展開も自分の思った通りに動かすことができなくて、今までのレースの中でもとてもきついレースでした。
―そんな中で得たものはありましたか
韓国と比べて試合内容的には消極的な動きが見られたので、その中で自分が勝つということよりも、試合を動かすという意味でどんどんアタックをかけることができたと思うので、勝利とはまた別の意味での、自分のアピールはできたと思います。
―インカレについてお聞きします。メンバーは都甲監督による指名で決められるのですか
そうですね。監督と、新村先輩だったり、寺崎先輩だったり。部のこの人がいいんじゃないかっていう推薦の意見も多分少しは入っていると思います。
―ポイントレースに出場すると決まって
ポイントレースは今すごくレベルが高いので。東日本や新人戦で優勝しているので、自信がない訳ではないんですけど、自分がどこまで通用するかっていうのが楽しみですね。
―ポイントレースは高校の時からの得意種目なのですか
いや、高校生のときはまったくやっていないです。
―高校の時の得意種目は
今は4km個人追い抜きを鈴木先輩がやっていらっしゃるんですけど、あれの3kmの種目があって、それをずっとやっていましたね。
―ポイントレースを走るうえで心がけていること
逃げが発生した時点で、逃げに乗るべきか、乗らないべきかっていうのはすごく悩むときがあるので、迷ったら行かない、行くと思ったら行くっていう風に、判断を早くするっていうことはいつも心がけていますね。その判断が一瞬でも遅れてしまうと、逃げに乗れなかったり、足を使うだけになってしまうので、気をつけています。
―特に取り組んでいる練習は
回転力が足りないので。軽いギアで足を回したときに、体が暴れないように上手く抑えるために、回転力を鍛える練習をしています。
―美鈴湖競輪場の走り具合はいかがでしたか
バンク自体は狭いので、位置取りだったり、仕掛けどころが難しいなって思いました。あとは標高が高いので、長い距離になるときついかなっていうふうな印象がありました。
―個人の仕上がり具合は
練習などで上がっていているとは思うんですけど、調子いいなあって自分で思うようなことはあまりないですね。本番でそう思えるように頑張っていきたいと思います。
―先輩の印象は
4年生の先輩方は今まで長い間競技に取り組んでいるので、合わせ方っていうのは見ててもうまいなって思いますし、自分もそのいい流れに乗って行けたらなと思います。チーム全体は良い雰囲気でインカレに向かえていると思います。
―後輩の印象は
湾岸(クリテリウム)だったり、最近の試合でも成績を残しているので、入部した時より自信に満ち溢れているっていうのは見ていて思いますし、練習に対してもみんなまじめに取り組んでいるのでいい流れではないかなと思います。
―個人の目標は
アジアチャンピオンもいる中で自分がどう食らいついていけるかなっていう。不安な部分もありますけど、やはり表彰台は狙っていきたいなと思います。
―チームとしての目標は
去年鹿屋や朝日と全然勝負できていなかったので、ロード、トラック共に鹿屋、朝日にどれだけ勝負できるかっていうところがカギになると思います。チーム総合は狙っていきたいなと思います。
―意気込みをお願いします
2年目で、インカレも2回目で出させていただくことになったので、個人種目も、団抜きももし出るチャンスがあれば精一杯頑張りたいと思いますし、最高の舞台で自分がどれだけ成長しているかっていうのを試せると思うので、思い切って頑張りたいと思います。
強敵ひしめくポイントレースに挑む
白垣良祐 (人2)
―白馬クリテリウムを振り返って
入賞したかったんですけど、だめでしたね。体温調節が全然できてなかったです。
―これまでの前半シーズンを振り返って
冬場はまあまあ調子が良かったんですけど、暑くなってきて上がらなくなってしまったので、夏場の対応などをしっかり考えていかなければいけないと改めて実感しました。
―タンデム出場に至った経緯は
菊山先輩が乗ろうと思ってたらしいんですけど、先輩は単車も乗るので、それに集中するために自分がタンデムに乗る感じになりました。
―高橋選手がペアになった理由は
一応タイムを計って、自分と高橋綜一郎が選ばれて、組むことになりました。一応鈴木陸来もいたんですけど、また別の種目があるのでそっちに集中したいということで。
―相性はいかがですか
合ってると自分では思います。
―練習中何度もお二人で掛け声を合わせていましたが、主にどのような目的があるのでしょうか
踏み出す瞬間とかを合わせないとスピードが出ないので、あれで掛け声を合わせて、息を合わせることによってスピードを最大限に出せるようにしています。
―タンデムの経験は
試合は出たことはないですけど、何回か走ったことはあります。
―個人としての仕上がり具合はいかがですか
まだ乗り始めなんですけど、乗り始めにしてはすごくいい感じだと思うので、これからもしっかり乗り込んで息を合わせていけば良い結果が出るんじゃないかなと思います。
―特にどんな練習をされていますか
基本はタイムを計る感じで。息を合わせるために長い距離も乗ったりして。自分たちはきつくなったらどういう癖が出るとかを考えて、もっとよく合わせていくような練習をしています。
―チームとしての仕上がり具合は
最近ロード班は合宿をやっていて同期からいろいろ聞いたんですけど、みんないい感じに仕上がっていて。バンク班もいいと思います。
―その中でも先輩の印象は
前の成績からしても上がって来ていて、普通にその種目で1位を取れるような力を見せてくれているので、それを最後まで出せるように自分もしっかりサポートしたいと思います。
―個人の目標は
去年菊山先輩と荒井が4位を取っているので、それ以上ですね。
―チームの目標
去年以上ですね。多分いけると思うので。
―意気込みをお願いします
初めて試合(インカレ)に出るんですけど、(高橋)綜一郎としっかり息を合わせて最大限の力を発揮できるようにこれからもっと練習していきたいと思います。
初のインカレで表彰台を狙う
(取材:竹内大将、梶山麗、野口愛優)
フォトギャラリー
- 大切なメンテナンス
- 時折笑顔を見せる選手たち
- 新コンビのタンデム(前:白垣、後:高橋)
- 朝陽が昇る中練習は始まる