【空手】第58回関東大学空手道選手権大会 目標には届かず涙・・・ 日大に食らいつくもベスト8で敗れる
第58回関東大学空手道選手権大会
2015年10月12日(月)
日本武道館
決勝進出を目標に大会に臨んだ法大空手部男子団体は1,2回戦を順当に突破。日大戦では先鋒戦、次鋒戦、中堅戦で引き分け接戦に持ち込む。しかし、副将戦で山﨑主将が敗れると、大将・小野田もわずかに勝ち切れなかった。目標には届かずベスト8で敗退。それでも「全日本4強」へ向けて課題を見つめなおすとともに、可能性を感じさせる大会となった。
試合結果
総合成績
回戦 | 対戦校 | 結果 | 成績 |
---|---|---|---|
一回戦 | 東京都市大学 | ○5-0 |
先鋒 福岡 ○3-0 |
二回戦 | 青山学院大学 | ○4-1 |
先鋒 花車 ○3-0 |
三回戦 | 日本大学 | ●0-1 |
先鋒 花車 △1-1
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戦評
初戦は東京都市大を圧倒。先鋒、次鋒にそれぞれ1年の福岡、2年の岡本という若い選手が起用されたが、盤石の試合運びで1ポイントも落とすこと無く無傷の5連勝。現在のチームの層の厚さを感じさせた。
続く2回戦は青学大との一戦。先鋒の花車は安定感を見せポイントを重ねていく。3-0と幸先良く次につなげた。次鋒の伊藤が反則負けとなってしまうが、その後は中堅 林、副将 山本が落ち着いて突きからポイントを奪い、大将戦を待つことなく3回戦へと駒を進める。
3回戦は日大との対戦となった。全員が強豪相手に互角以上の戦いを見せる。しかし、最後の粘りが効かず花車、岡本、林が引き分けに。そんな中、副将 山﨑はポイントを奪うことができず0-1とされてしまう。苦しい展開で登場したのは「自分まで回してくれると信じていた」と語った大将 小野田。つなげてくれた他の選手の期待に応えるように中段蹴りで2ポイントを先制。その後の互いに相手の様子を探りながらの展開に代表戦へつながるかと思われた終盤、相打ちから相手に2連続でポイントを奪われ2-2となり試合終了。1ポイントの差に涙をのんだ。
大将戦、わずかに勝ち切ることができなかった小野田
この結果昨年と同じベスト8に終わった。目標としていた決勝進出はならなかったものの、全日本大会出場を決めた法大。「決勝に行ける力は十分あったと思う」と監督が自信をのぞかせるように、全日本へ向け期待の持てる戦いが見られたことは今大会の大きな収穫だろう。4年生と戦う最後の舞台でどれだけの飛躍を見せてくれるのか。日々成長を続ける選手たちに期待したい。(向井知優)
日大を相手に敗れ、ベスト8敗退となった(左から花車、岡本、林、山﨑、小野田)
監督・選手のコメント
手嶋重忠監督
―今大会を振り返って
確実に強くなって決勝まで行ける力はついてきたと思いました。その中で最後の日大戦で1ポイント差で負けたのは残念でしたね。去年は出来るだけ上を、という感じでやってきたけども今年は優勝を目指すチームになってきたと思うんです。だから最後はやはり執念ですよね。何がなんでも勝つんだという気持ち、それがうちには欠けていたかなと思います。日大はずっと上で戦っているので精神的な強さが違いました。ただ本当にそれだけの差だったと思いますよ。技そのものは日大と比較しても五分ですからね。
―試合後に選手たちに伝えたことは
やはり普段の練習から「最後の1秒でひっくり返すんだ」という気持ちで練習からやっていかないといけないということです。今までも良い練習はしてきているのでね。あとは執念を持ってトレーニングすることが足りないのでそこですよね。ずっと言ってきたことは同じなんです。帝京大とやったときも1ポイント差で今日もそう。実力は五分なんですから。今日は選手も執念の大切さが良く分かったと思うので、悔しいけど負けて良い勉強をしたかなと思いますよ。
―結果は昨年と同じベスト8ですが、意味は全く違うということでしょうか
全然違いますね。だって泣いてますから。去年までは「残念だったけど良くやったな」という感じでしたけど、今年は勝てるところまで来てたから負けて悔しいって泣いてる訳ですよね。そういうところで本人たちも今の段階をちゃんと分かってるんだなと思いました。
―今大会で成長を感じた選手は
みんな少しずつ成長してますね。小野田は去年まで出してなくて東日本もあまりよく無かったんだけど、今日は落ち着いてたし、試合運びで狙っていることも見てて分かったので良かったと思います。林、花車、山﨑とかはもう去年から安定してるしトップの選手とも戦える力が十分にあると思いましたね。あとは岡本、小野田を育成して次に向けてやっていきたいですね。
ー夏に取り組んできたことは
夏はこの大会の決勝を見据えてスタミナをつけることと、一人ひとりの技のチェックを選手を中心にしました。だから技は良くなってきてますね。
―全日本に向けて
優勝目指してトレーニングしていきます。関東でも決勝に行けるくらいの力は持ってるので、全日本も一緒ですよ。選手層が厚くなったので来年も見据えつつやっていきたいですね。
山﨑祐樹主将
―今日の試合を振り返って
後輩がつないでくれて、キャプテンである自分があそこは勝たないといけない場面だったんですけど、それを決めきれず自分の弱さが出たかなというのが今日の反省です。後輩には何も責任はないので、今日の試合の敗因は全て僕に責任があると感じました。
―弱さが出たということですが、どのようなところですか
ひとつ取られた後に追いつけなかったというところと、最後にチャンスがあったんですけど、焦ってしまい冷静になれなかったというところです。日頃の練習が甘かったのかなと思います。
―昨年も3回戦敗退でした
今年はメンバーのレベルが結構高く、ベスト4に進むチャンスがあって、それでも負けたことについては凄く悔しさもあるし、応援に来てくださったOB、先輩や、監督、コーチにも申し訳ないです。これをどのように今後につなげていくかというのが凄く大事になってくると思います。凄く悔しいですけどまだ終わった訳では無いので、次の全日本に向けてまた1から、自分が強くならないといけないなと思います。
―今大会の目標は決勝進出とのことでしたが、目標達成に何か足りなかったと思われますか
突きとか蹴りとか、そういった技の正確性は上がってきているとは思うんですけど、みんなポイントを取られたのが残り10秒前、5秒前とか試合終盤だったので、その終盤にポイントを取られない粘り強さであったり、気持ちを切らさない集中力であったり、そのような勝ち切るという点でまだ弱いなと思います。そこが課題です。
―監督が夏以降に山崎選手がとても成長し、チーム面でも力が伸びたとお話しされていましたが、そうなったきっかけはありましたか
自分がキャプテンになってチームを作り始めて春先くらいまでは、自分のやりたいように練習して、自分のやりたいチームを作ってるつもりでした。それは自分の中学、高校の経験があったからなんですけど、後輩は何でこの練習をするのかが疑問だったらしくて。チームミーティングを開いて、「俺はこう考えてやっているんだけど、みんなはどう思うか」というのをチームひとりひとりに聞いて意見を吸い取り、それを練習でやるということを始めました。そして、春は帝京に負けて凄く悔しかっし、その悔しい思いはみんなしているので、後期は負けたくないからということで話をしました。そうしたら、ひとりひとり目の色が変わり、自分もキャプテンなんだから人一倍努力しなくちゃいけないなと感じました。そういった心の変化というのはありました。
―全日本選手権の出場権を得ましたが、全日本ではどのように戦いたいですか
今日やったことをまず繰り返さないこと、それからOBや先輩たちに言われたんですけど、慎重になりすぎていたので、もっとリスクを背負って飛び込むことだったり、思い切りがまだ足りないと思います。全日本は最後の大会なので思い切り試合を楽しむというのを心掛けていきたいと思います。
小野田守徒
―今日の試合を振り返って
今日は1回戦から調子良くて体も良く動かせました。最後の試合は相手に合わせて後手に回ってやられてしまったので、今後の反省点ですね。
―3回戦では苦しい場面での登場になりましたが
準備はできていて、前の4人が回してくれると分かっていたので自分的には絶対に勝ちたいところだったんですけど、最後の守りに入ったところがすべての敗因だったかなと思います。1ポイントの差があって自分が2-1にしたら代表戦だったので、先に2ポイント取ったあとは無理にいくよりは確実にいけばいいかなという気持ちでした。ただ、そこから守りに入ってしまったので、そこでもっと自分から仕掛けていければ違う展開になったかもしれないなと思いますね。
―監督からは
最後に同点にされる前に相手と打ち合ってしまったことを言われました。あのまま耐えていれば代表戦だったので。あそこで自分が相打ちで取られてしまったので、しっかりさばいて攻撃しなければ良かったのかなと思いました。今日は監督に喝を入れられて、本当にてっぺん狙って優勝するという気持ちでやってるのにベスト8止まりじゃ口だけだぞ、と。最後の残りあと少しというところで負けてしまったので、もっと頑張らなきゃいけないなと思いました。
―今年から試合に出られるようになりましたが
やっと試合に出れてうれしいですね。ずっと出られるようにするためには、練習から真剣に取り組んで勝ちきれるように頑張らなきゃいけないと思います。
―夏に取り組んだことは
夏はとにかく基礎を詰めて下半身を強化しました。あとはこの大会に照準を合わせてきたので技の精度を上げたり。夏合宿では長時間の練習をしてスタミナをつけたり、精神面を鍛えたりする中で体力的にきつくなってからが勝負だと言われたので、これからに向けてもっと強化したいですね。
―全日本に向けて
全日本が4年生とやる最後の大会なので必ず決勝に行って今回の借りを返せるように頑張りたいと思います。
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