【陸上競技】「箱根駅伝直前特集 シード権奪取へ―」 第4回 チームの中核を担う3年生 足羽、坂田、城越、岡田、篠村
2015年12月13日(日)
法大多摩キャンパス体育館
いよいよ箱根駅伝も間近に迫ってきた。今回は2年ぶりに出場する法大の監督、選手に箱根への意気込みや思いを語っていただいた。
第4回は足羽純実、坂田昌駿、城越洸星、岡田悠、篠村政寛。法大の主軸を担い、箱根での戦いの鍵を握る3年生にお話を伺った。
※この取材は12月13日に行ったものです。
選手コメント
足羽純実
―箱根駅伝まであと3週間となりましたが、現在の心境は
あまり緊張などはしていなくて、いつも通りやればいいかなという気持ちです。
―現在のご自身のコンディションは
今は少し調子が上がってきて、このまま順調に合わせていけば、戦えると思います。
―合宿ではどのようなことを中心に練習していましたか
とりあえず疲労取りをしっかりやっていこうということで、速いスピードの練習はやらずにゆっくりのスピードで長い距離をひたすら走っていました。走り込みと疲労抜き、2つやるという合宿にしました。
―現在のチームの雰囲気はいかがですか
今はみんな一丸となって箱根駅伝に向かっているので、ムードはすごく良くなっていると思います。
―今季ご自身が成長したと感じる部分はありますか
今季は5000m、1万メートル、ハーフマラソンでベストを更新できたりして、順調に力がついているというのがわかった1年になったので、すごく良かったです。
―足羽選手にとって箱根駅伝とはどのような大会なのでしょうか
正直あまり箱根駅伝に興味があまりなくて、お正月にやるテレビ番組くらいにしか思ってないですね。
―その箱根駅伝に実際走ることになりますが
自分が走るんだーくらいの感覚なのですが、大きい大会で見てくれている人も多いので良い結果出して、格好良くテレビ映りたいなくらいにしか思ってないです。
―陸上を始めたきっかけは
父が陸上をやっていて、本気の市民ランナーみたいな感じでやっている人でした。子どもにずっとやらせたかったみたいで、勉強はいいから走れみたいな感じで、ひたすら走らされていて、気がついたら法政にいました。
―お父様から、箱根駅伝を目指してほしいなどという言葉をかけられたことはありましたか
あまりそういうのはなかったですね。僕の競技に対しての考えにつながっているのですが、決して○○を目指せなどは言わずに全力で走りきってベストを更新していけとしかあまり言ってなかったです。なので、僕も箱根駅伝に関してもそんなに大きい大会って思ってないのだと思います。
―4年生は箱根駅伝で最後の大会となりますが、足羽選手にとって4年生はどんな存在ですか
ずっと1年生のころから、寮の仕事を色々と教えてくださっていて、一番長くいる先輩方なので、その先輩方に最後、良い思いをさせられるように頑張っていきたいと思います。
―箱根駅伝のエントリーが発表されましたが、他大で今意識している選手はいますか
あまり選手のことが詳しくないので、そういう意識もしていないですね。ただ自己記録更新だけを見てずっと突っ走ってきたのであまり周りは気にせず、自分の記録を超えるということだけを考えてやっていきたいと思います。
―休みの日の過ごし方は
友達とご飯食べに行くこともありますが、読書と映画鑑賞が趣味なので、基本休みはそれに全てを費やしています。
―仲の良い選手は
同期はみんな仲が良いです。特にここ1年で1番遊びに行っているのはたぶん城越とずっと遊んでいます。
―チームとしての目標は
シード権獲得なので、10番目指して頑張っていきたいと思います。
―個人としての目標は
2区は1番強い選手がそろうということなので、2区を走ってその中でどれだけ自分が通用するのかというのを確認していきたいです。
―改めて、最後に意気込みをお願いします
シード権獲得に1番貢献できるように頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
(取材:羽根田萌)
足羽純実(あしわ・あつみ)
1995年2月2日生まれ。177cm・62kg。鳥取・米子松蔭高出身。現代福祉学部3年。
自己記録:5000m、14分01秒85。1万メートル、29分09秒66。ハーフマラソン、1時間3分37秒。
法大のエース。予選会では個人12位の好走。今季は5000m、1万メートル、ハーフマラソンで自己ベスト。また、1万メートルとハーフマラソンで法大トップタイムを誇る。
坂田昌駿
―今の心境は
もうやるぞという気持ちだけです。あとは調子を合わせていくだけなので、全力を出し切りたいという気持ちです。
―今のご自身の状態、調子は
少し足に違和感があるのですが、だいぶ良くなってきていて、来週からはちゃんと練習が積めるので、良いほうだと思います。
―箱根本戦に影響があるようなものではないということですか
はい、影響はないと思います。
―今季は5000m、1万メートルの自己ベストを更新されて、予選会でも活躍されました。今季を振り返っていかがですか
予選会は設定タイムよりは上で走れたので良かったのですが、自分では60分30秒を目標にしていたので、それに届きませんでした。5000mと1万メートルのベストも自分はそれほど良い記録だとは思っていなくて、もっと出せると思っているので、まだまだこれからだなと思っています。箱根でしっかり走って来シーズンに備えたいです。
―箱根駅伝は初めてとなりますが、箱根駅伝をどのようなものだと思っていますか
箱根駅伝は大学生にとって目標の場となるので、しっかりと自分のペースで走って結果を残せればなと思っています。
―やはり大学には箱根を目指して入ってきたということですか
そうですね。三大駅伝を目標にしていました。
―出身校の伊賀白鳳高の選手は駒大の西山選手を始め大学でも活躍しています。元チームメイトの活躍は意識されていますか
やっぱり刺激になりますね。たまにご飯とかも食べに行くのですが、その時にも刺激になる話をされるので。先輩でも明治とか神大に強い選手がいるので、目標にしています。違う大学ですが、自分は意識してそれをモチベーションにやってきた部分はあります。
―箱根でもやはり元チームメイトは気になりますか
そうですね。後輩にも強い選手がいるので、一緒に走ったら負けないぞという気持ちが強いですね。
―大学に入って1年次は箱根を走れず、2年次は予選落ちということで、箱根を目指す道のりは苦しいものだったと思いますが
1年のときは16人のメンバーには入ったのですが、1区の付き添いで、2年の時は箱根駅伝の1区の走路員でした。自分では駅伝を走れない日々が続いていました。2年の走路員は屈辱的な思いをしたので、今年は絶対に走るぞという思いが強いです。
―箱根駅伝で走りたい区間はありますか
1区を希望しています。1年の時に付き添いをさせていただいて、2年の時は1区の走路員として携わったのですが、そこで1区を目の前で見ながら走れないという悔しい思いをしたので、1区に懸ける思いはチーム内では強いと思います。
―1区はどういったイメージがありますか
他大学も主力を入れてくる区間だと思います。箱根の序盤の流れを決めるのが1区なので、シード権を狙える位置で繋いでいきたいと思います。
―1区は他大学のエース格の選手が揃うことが多いですが、そういった中でどんな走りをしたいですか
集団になると思うのですが、ずっと強い選手に着いていくというのは、まだそこまでの力はないと思っているので、1歩引けるところは引いて、落ちてくる選手を拾っていく走りができたらいいなと思います。六郷橋がポイントになると思うので、そこからスパートできればなと思います。
―改めて箱根駅伝での個人、チームとしての目標を
個人では1区でシード権を狙える良い位置で渡すのが目標で、チームとしてはシード権を全員で獲得して来年につながる走りをしたいと思います。
―2年ぶりの出場で注目も高まっていますが、法大を応援しているファンにむけて
陸上競技、特に長距離というのは周りの応援がすごく力になるので、応援を力に変えて走りたいです。
(取材:佐々木岳)
坂田昌駿(さかた・まさとし)
1994年8月17日生まれ。176cm・57kg。三重・伊賀白鳳高出身。スポーツ健康学部3年。
自己記録:5000m、14分15秒76、1万メートル、29分47秒99、ハーフマラソン、1時間5分17秒。
坪田監督が「2番手」とも評価する選手。予選会ではチーム内3位で60分台を記録。秋には5000m、1万メートルで自己ベストを更新した。
城越洸星
―初の箱根路の意気込みを
初めてなので、自分の任された区間をしっかり走り切りたいと思います。より良いタイム、良い順位を狙いたいです。
―合宿も経た上で走りたいなと思った区間は
特にはないですが、3,4,9,10区を走ってみたいです。
―それはどうしてですか
自分の力としても、その区間が適していると思うからです。
―先月は1万メートルで自己ベストも更新しましたが調子の程は
調子は良いと思います。自己ベストも出ているので上がっている感じではあります。
―合宿ではどのようなことに取り組みましたか
合宿で左膝を故障してしまいました。でも、もう練習できるまでには回復しています。
―スタミナ面の課題はまだ解決していないのでしょうか
けがをしてしまったので、ジョグで距離は踏んだのですが、思ったような練習ができずじまいです。
―目標の粘りの走りという意味では最近の練習はどうですか
今は調子の悪いところはないので、自分の体調と合わせて練習をやっています。このまま今の状態をキープしていきたいです。
―今のチームの雰囲気は
普通ですね。上がってきているとは思います。
―城越選手にとっての箱根駅伝とは
憧れの舞台です。
―その舞台での目標は
活躍できるように頑張りたいです。任された区間を区間一桁で走り抜いて次の人に託したいです。
―意識している選手はいらっしゃいますか
全然考えたことないです。自分のペースでという感じですね。
―箱根で見てほしいポイントは
粘り強さです。自分の強みなので。
―チーム全体としての目標は
シード権獲得です。
―最後に駅伝ファンへひとこと
応援に応えられるように頑張っていきたいです。
(取材:原口大輝)
城越洸星(しろこし・こうせい)
1994年10月8日生まれ。176cm・59kg。京都・立命館出身。社会学部3年。
自己記録:5000m、14分34秒46、1万メートル、29分29秒10秒、ハーフマラソン、1時間5分01秒。
今季急成長を遂げた。全日本、箱根予選では共に出場を果たした。11月の10000m記録挑戦会ではベストを大幅に更新。箱根でも主要区間を担いたい。
岡田悠
法政のチームの代表なのでしっかりと自分の力を発揮できたらなと思っています。
少しけがしていた時期もあったのですが、合宿前くらいから少しずつ練習を始めて、今大分体の状態も上がってきて、少しずつ良い状態になってきています。このまま本番に合わせて調子を上げていきたいと思っています。
8割くらいまで上がってきているので、残り3週間、本番で最高のパフォーマンスできるように頑張っていきたいと思っています。
小さい頃から箱根駅伝を見ていて、小さい頃は夢であり、憧れでもありました。それが大学に入って、目標になって、今は手の届くところにきているので、何が何でもつかみとって最高の走りができたらなと思っています。
一応、希望区間は8区なのですが任された区間どこでも走りたいと思っています。
予選会終わってから、故障者も出たりしているのですが、チームの状態としては全員箱根に向かっているので、良い状態できていると思っています。
チームの代表として選ばれたので、走れなかった人たちのためにも、しっかりと結果を出さなくてはいけないなと思っています。
特に変わったことはせず、いつも通りやっていきたいと思います。
去年予選会落ちてから、箱根のためだけにやってきたので、しっかりと自分の力発揮できるように頑張っていきたいと思います。
岡田悠(おかだ・ゆう)
予選会ではチーム内11位ではあるが、個人137位と安定感ある走りを見せた。小金井キャンパスから箱根出場を目指したい。
篠村政寛
―箱根駅伝まで1カ月を切りました
調子は徐々に良くなってきていて、悪くはない状態できています。
―どんな点に重きを置いて練習していますか
自分は監督の方からメンバーの中では16人中16番目って指摘されていて、自分も実力的にも16番目っていうのは自覚していました。ですが、16番目だからといってこのまま16番目の位置で甘んじるのではなく、可能性としては10人に入るというのは難しい部分ではあるんですけど、だからと言って引くのではなく、自分はまだ3年生なので、まずはチーム全員で戦うということを考えたいです。その上で、しっかり1人でも多くの選手に勝って10人に絡めるようにしていこうと思っています。チーム内で上に這い上がっていくことに重きを置いていますね。
―自分に足りないと思うところは
単純に実力がまだ足りないなというのは感じています。タイムも1万メートルでも20キロのタイムを見ても、やはり他の15人の選手に比べて自分はまだ全然力が足りないなと思うので、そういうところの弱さを感じています。
―その弱さを克服するためには
まずはどんなコンディションでも、悪い時でも自分の力を発揮できる走りというのが改善点としても必要だと思います。
―合宿ではどんなことに取り組みましたか
5キロ3発と16キロ単独走のこの2本は箱根に直結する練習で、特に自分は1人で走ることがあまり得意な方ではないので、16キロの単独走は自分にとって当然箱根のメンバーに入るためのアピールポイントになることが前々から自覚はしていました。16キロの単独走は合宿をやる前から少しずつ取り組んでいたことだったので、少しずつ集団を引っ張ったり、普段のつなぎのジョグなどで1人で走るイメージを自分の頭の中で作ったりして、16キロ単独走に臨みました。16キロの単独走はラスト5キロのタイムが上がらなかったんですけど、自分がイメージしていた単独走ができたのかなという手応えはありました。
―チーム全体としての仕上がりはいかがですか
予選会前と同じように一人一人が自分の役割というのを果たせているのかなと思います。
―篠村選手ご自身の役割はどんなところだと思いますか
自分は他の選手に比べてスポーツ推薦ではなく一般入試で入った身なので、やっぱり他のスポーツ選手と比べると実力に差はありますが、自分のような力のない選手が一人でも多くの実力ある選手に勝っていけばチームの士気が上がるのかなと考えています。自分の役割としては、メンバーの中で一番下の実力でも引くのではなくて、しっかり勝負して勝っていけばチームの雰囲気が上がる自信があるのでそういうところを意識しています。
―篠村選手ご自身は先日の記録会でチーム内2位の結果を残しましたが
目標としていたタイムには届かなかったので、そこが1つの課題かなと思います。振り返ってみて、積極的なレースができたのかなと思いますし、きつい場面でしっかり前に出て、他の選手と勝負できたので自分としては成長できたのかなと思います。手応えは感じられました。
―走る上で大切にしていることは
走る上で大切なのは、自分は精神力かなと思っています。どんな大きい大会でもどんな状況でもしっかり自分の力を出せる精神力というのは必要かなと思いますし、自分が走る上でも大切にしています。
―箱根で挑戦したいことは
自分の実力的に難しいところではありますが、上位やシード権を毎年取っている常連校に一校でも多く勝負して勝ちたいなという思いがあります。
―自分のアピールポイントは
自分は突発的なスピードがあるわけでもなく、速いタイムがあるわけでもないので、きつくなった時に粘り強い走りが自分の中でのアピールポイントかなと思いますし。
―今回法大は2年ぶりの出場するとなりますが、2年前はどんなお気持ちで先輩方の姿をご覧になっていましたか
2年前見て感じたのは先輩方は一言でいうと実力も精神面も強い方ばかりで、どんな状況でも自分の力を発揮できて走っている最中でも自信を持った顔でした。不安とか動揺とか全く感じさせず、自分の走りに集中してそういった部分の表情であれ走り方であれ、本当に強い選手たちばかりだなというのを感じていました。
―ご自身にとって箱根駅伝とは
憧れの舞台ですね。
―全国の法大ファンにむけて
2年ぶりの出場ということで、チーム目標はシード権10位以内なので、自分たち全員はシード権獲得に向けて全力を尽くしてまいりますので応援よろしくお願いいたします。
―大勢の法大生も箱根駅伝を楽しみにしています。注目してみて欲しいところは
中継点での各大学の秒差や、優勝争いシード権争いが見ものだと思うので注目してみたら面白いと思います。法大なら2年もそうでしたけど、選手たちは一年間死ぬ思いでやってきているので、力強い走りを見せる姿を見てもらいたいです。
―最後に意気込みをお願いします
まだ自分は正直走れるかわからない状況なんですけど、限られたチャンスの中で出るだけではなく走って10位以内に入るということを目標としてやっていきたいです。
(取材:望月千草)
篠村政寛(しのむら・まさひろ)
1994年6月20生まれ。174cm・57kg。神奈川・法政二高出身。社会学部3年。
自己ベスト:5000m、14分32秒95。1万メートル、30分5秒90。ハーフマラソン、1時間6分5秒。
予選会には出場しなかったが、法大競技会では自己ベストでチーム内2位。メンバー唯一の付属校出身選手でもある。
フォトギャラリー
- 「克己」を目標とする足羽
- 取材に応じる足羽
- エースとして期待される
- 主要区間を担う坂田
- 今季はベストを更新してきた
- 今季飛躍を遂げた城越
- 粘りの走りを見せれるか
- 「楽しんで走る」ことが目標の岡田
- 取材に応じる岡田
- 予選会にも出場した岡田
- メンバー入りを果たした篠村
- 唯一の付属校出身でもある