【フェンシング】第67回関東学生選手権~男子エペ・女子サーブル個人~女子サーブル福島が勝負強さ見せつけタイトル獲得!男子エペ中村は頂点にあと一歩及ばずも準V!
第67回関東学生選手権
2015年10月26日(月)
駒沢オリンピック公園体育館
男子エペと女子サーブルの個人戦が行われた4日目、二人の2年が猛然とトーナメントを勝ち進んだ。女子サーブルの福島は決勝で一本勝負を制し、見事優勝。男子エペの中村は決勝で惜しくも敗れるも準優勝を果たした。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子エペ | 中村豪 | 人2 | 準優勝 |
村越優希 | 文4 | ベスト8 | |
藤倉陸 | 社4 | ベスト16 | |
伊藤寛高 | 営2 | 〃 | |
塩原智輝 | 生1 | 〃 | |
澤宏尭 | 法1 | 〃 | |
東哲平 | 営4 | 2回戦敗退 | |
女子サーブル | 福島史帆実 | 法2 | 優勝 |
栗本ひかる | 社4 | ベスト4 | |
真田玲菜 | キャ3 | ベスト16 | |
奥田彩野 | 文1 | 〃 |
男子エペ戦評
男子エペ個人戦本戦には法大から8人の選手が出場機会を得た。そのうちの6人がベスト32入りを果たす。世界を経験した中村豪(人2)や4年として最後の関カレに挑む村越優希(文4)ら男子エペ陣が力を発揮した。
ベスト16をかけた試合では澤宏尭(法1)、塩原智輝(生命1)、伊藤寛高(営2)らが強敵相手に健闘するも、あと一つのところで敗北を喫する。藤倉陸(社4)も16を懸けた試合へ駒を進めるものの今回の関カレ優勝者小野(早大)と相まみえることとなった。序盤はペースをつかまれ5点差まで引き離されるが、粘り強さを見せ13—14までもつれ込む。あと一本で勝敗が分かれる大切な場面。藤倉と小野の剣がお互いに両者を突き赤と緑のランプが同時に灯る。14—15とあと一歩で勝利できた悔しい勝負となった。村越は早大の三好と最後まで互角の戦いを繰り広げ、一本勝負へ。15秒過ぎたあたりで村越が決着をつけ、中村も早いペースで試合を繰り広げ、終始主導権を握り危なげなく勝利。この試合に勝利したことで2人のベスト8入りが決定した。
準々決勝で村越は藤倉が敗北した小野と対決。中盤まではお互い点を取り合うシーソーゲームであったが、後半は3連取、4連取と点を取られ、ベスト8の入賞となった。準々決勝の中村の相手は同じく早大の津江。先制点は奪われたものの、相手のスキをついて点を連取する。15—7と快勝し準決勝へ駒を進める。日大の成田との対決では第1ピリオドまでは点を取ったり取られたりの攻防戦が続く。しかし休憩をはさみ第2ピリオドが開始した直後中村が先制点を取り、その後も勢いそのまま6点連取で勝利。観客を沸かせるとともにいざ決勝の舞台へ。
決勝戦では法大藤倉・村越に勝ち星を上げた小野との決戦。いきなり相手に4点連取され出鼻をくじかれるものの、中村も負けじと4連取し試合が均衡状態に。その後も力が平行線を保つが、小野の鋭い突きでじわじわと点差が広がり、最終的に12—15となる。
インカレでのリベンジを誓った準V中村
けががありながらベスト8入りの村越
今回の準優勝に納得していない中村。彼の飽くなき向上心と勝利への貪欲さ。筋力面を課題にしていたが、その課題を乗り越えた彼を誰が止められるのだろうか。そして下級生ながらベスト32まで登ってきた塩原や伊藤の今後の活躍、優勝者小野には敗れたものの、4年生として最後のシーズンを藤倉や村越は何をしてくれるのだろうか。彼らの成長から目が離せない。(和多慎之介)
女子サーブル戦評
昨年3位入賞を果たした女子サーブルキャプテンの栗本ひかる(社4)をはじめ、真田玲菜(キャ3)、福島史帆実(法2)、奥田彩野(文1)という4人の選手が出場。4人全員が初戦を突破したものの、2回戦で真田、奥田が敗退となった。
法大からベスト8に残ったのは、団体でも中心となって活躍する栗本、福島の二人。準々決勝はともに安定した戦いぶりで勝ち上がり、福島は続く準決勝も盤石の試合運びを見せ、悠々と決勝進出を決めた。一方栗本の準決勝は波乱となる。序盤は一進一退の攻防を続けるが、相手の5連続得点から主導権を渡してしまう。しかし、相手が王手をかけたところから気迫で追いつき一本勝負へ。互いの攻撃が無効の判定となり緊張の場面が続いたが、結局この勝負をものにすることはできず、福島と決勝での同校対決はならなかった。
栗本が回った3位決定戦では、奥田が2回戦で敗れた小栗(日大)との対戦となった。栗本が先制点を取ると、交互に得点を積んでいく。だが、準決勝と同じように、一度連続得点を許すと、ここで均衡が崩れてしまう。再び1点ずつ得点していくが、中盤に生まれてしまった3点の差を埋めることができないまま試合終了。逆転は叶わず、昨年と同じ3位入賞も果たせなかった。
福島が進んだ決勝戦は、いきなり5点を連取されてしまう痛い幕開け。その後は冷静に得点を重ね11-12と1点差まで迫るも、先に優勝に手をかけたのは相手だった。だが「下がったら負けると思った」と積極的に攻めると見事にその戦略が当たり、14-14と一本勝負に持ち込むことに成功。追い上げた勢いからこの勝負も制し、関カレ女王の座をつかみ取った。
劇的な優勝を決めた福島は、初出場となるインカレでも制覇を意気込む。若い力が良い流れを呼び込んだ個人戦は、明日の団体戦に向け、チームにとっても有意義なものとなったことだろう。(向井知優)
選手のコメント
福島史帆実
―優勝おめでとうございます
ありがとうございます。とてもうれしいです。
―個人戦を振り返って
決勝までは良い感じで進めたと思います。決勝は最初に5点取られてしまって、14-12までなったところで最後に捲れたというのは良かったです。ただ、最初が0-5だったので、そこをもっとちゃんと頑張って離されないようにしていれば良かったかなと思いました。
―決勝で最初に5得点を先制された原因は
色々と簡単にし過ぎてしまったと思います。しっかり狙っていなくて、ただやっているだけというか。そういうところで、やっぱりひとつひとつしっかり狙っていければ良かったのかなと思いますね。
―決勝は最後の1点を争う試合となりましたが
あのときは絶対に1本取ろうと思いました。14-12になったところで下がったら負けるなと思ったのでひたすら前に行こうと考えてました。
―インカレは初出場となりますが
インカレは初めてなんですけど、しっかり優勝を狙って頑張っていきたいと思います。
―この大会まではどんなことをされましたか
U-23に行って、そのあとシニアのランク戦がありました。
―団体戦に向けて
団体戦の方が勝ったときにうれしいと思うので、団体も優勝できるように頑張りたいと思います。
中村豪
-準優勝おめでとうございます。今のお気持ちは
ありがとうございます。去年がベスト64だったので2位という結果は率直な気持ちとしては嬉しいです。ただ、試合でリードする場面があったなかで、それを守りきれなかったというのが今後の課題かなと思います。
-準決勝までの勝因と決勝での敗因は
去年は1試合目緊張してしまって、うまく自分のプレーができなくてそれが負けに繋がったのですが、今回はそこでしっかり勝ち切れました。自分の中で流れが掴めたというのが勝ち上がっていけた勝因かなと思います。最後は足がつりかけたというのもあるのですが、それを言い分けにしたら駄目なので。下がり遅れが向こうのペースにさせてしまったのだと思います。
-去年はベスト64でしたが、今年までにどういうことをやってきましたか
関カレ期間中もポイントの正確性をメインに練習をして、去年のアンダーやアジアでのジュニア大会でメダルを獲れたので、去年に比べて良い流れで関カレに挑めました。
-そのなかで印象に残った試合は
一番はベスト4をかけた早稲田の津江先輩との試合で、最近2度あたってどちらも接戦でした。勝ててはいたのですけど今回相手のリズムをしっかり分析し、相手のタイミングに対して上手く入って点差を広げて勝てたので、今後も同じようにいけたらいいかなと思います。
-課題は見つかりましたか
どうしても試合の最後の方になると足をつることが多いので筋力面をもっと向上していかないとベストパフォーマンスで勝ち続けるにはまだ足りないかなと思います。
-苦手なことは
相手がずっと待っているとき、我慢比べがちょっと苦手です。相手が待っていたら、どうしても出ちゃってそこで失点してしまうことが多かったので、そこが一番苦手なところです。
基本ジュニアの試合でも1セットで終わることが多いので、今回は時間を使って有利な状態で次のセットに繋げていけたので良かったかなと思います。
-法政の選手たちの関カレの成績を見てどんな気持ちですか
藤倉先輩はインカレでも2年連続でベスト4に入っているしもっと上を狙えると思います。関カレはあくまでもインカレに行くための予選でもあり、結果は良かったのでそれは素直に受け止めていいと思うのですが、インカレで結果を出さないといけません。でも今回は2位だったからと喜ぶのではなく、やっぱりインカレで結果を出したいです。
-今季の個人の目標は
団体メンバーの先輩が2人とも今年で引退してしまうので、今年しっかり自分が団体を引っ張っていくということを考えながら個人戦も戦えたらいいなと思います。
-最後にインカレへの抱負は
今回関カレでは2位だったのでインカレではリベンジします。
村越優希
-最後の関カレはベスト8という成績でした
ベスト8入れて良かったんですけど、欲を言えば優勝したかったですね。
-試合内容はいかがでしたか
親指の靭帯をけがをしてしまって、結構無理をして試合に出ていました。剣の接触が多いと指が耐えられなくなってくるので、距離感を意識して戦おうと思っていました。でも、そういう戦術のせいか一本勝負を2回やることになったり、危うい試合が多くなってしまって、もう少しうまくできたことがあるんじゃないかと思っています。
-ベスト8で敗れた小野選手(早大)にはどのようなイメージがありましたか
小野選手とは同じ千葉県で、国体を一緒に戦ったりもしました。どういうことをしてくるかというのはある程度予想できていたんですけど、今日はあっちの調子が良かったのか、自分の指も限界にきていて、結構やられてしまいましたね。身長も向こうの方が上で、剣を触らずに勝つということは難しかったです。仕方ないと言えば仕方ない負けでしたね。
-3回戦、4回戦と連続で一本勝負をものにしました
一本勝負になった時に(自分がポイントを)落さない自信がありました。あの二つの試合に関しては自信を持って臨めました。
-インカレ個人の目標
より上のベスト4、優勝を目指していきたいですね。
-明日の団体戦に向けて
やっぱり優勝して勢いに乗りたいので、優勝目指して頑張りたいです。