監督、選手インタビュー
井手峻 監督
ー昨年を振り返って
何とか勝ちたかったんですけど、勝つことができなくて残念でした。
ーコロナ禍で苦労した点は
学校がなかなか開かなかったんですけど、マネージャーが練習場所を手配してくれたりしたので、練習場は遠くなりはしましたけど、ちゃんと(個人で)練習出来ていたと思います。
ー昨季は立大1回戦で引き分けでした
あと一歩のところでしたけど、最後に勝ち切ることができないというところですね。
ー東大の野球とは
そんなに特別なことではないんですけど、六つの中で入れ替え戦がないので、ものすごくレベルの高いところと戦わないといけないところが大変ですね。
ー緊急事態宣言によって東大グラウンドで練習の出来ない日々が続いていました
昨年と同じで、グラウンドは何とかいろいろな方の努力で(個人で練習出来るように)用意してもらったんですけど、距離があったりと大変でした。でも、トレーニングのメニューなどはしっかりと(個人で)出来たと思うのでその点は良かったと思います。
ー今季の投手陣の軸は
去年から投げだした井澤(駿介)、西山(慧)、あと上級生の小宗(創)、奥野(雄介)、柳川(貴宏)の5人に頑張ってもらいたいと思っています。
ー井澤選手の昨季の防御率は4.60。監督の掲げるQS(クオリティースタート)にかなり近い数字です
今年のオープン戦でも安定した投球を続けていますので、去年からもう一歩進化した姿を見せてくれると勝ちにつながるのではないかな、と期待しています。
ー野手陣の軸は
軸はやはり最上級生、主将、副将ですね。キャプテンは大音(周平)。副将は井上(慶秀)、水越(健太)。この辺りがクリーンアップを務めてくれると期待しています。
ー法大の印象は
法政というチームは私が学生の時から勝ったことがないので、あのユニフォームを見ると強いチームだなという感じがします。それを克服しないといけないな、という感じはします。
ー今季の意気込みは
去年残しております「勝つ」ということですね。私なんかは一つ勝つと喜んでいましたけど、「勝ち」を貪欲に求めていきたいなと思っております。
(取材:五嶋健)
井手 峻(いで・たかし)
1944年2月13日生まれ
東京都出身・新宿高→東大→中日
『東大では投手としてプレー。通算4勝を記録した。1966年に中日からドラフト指名を受け10年間プレーし、76年に引退。78〜86年、92〜95年に中日コーチ、二軍監督を務めた。2019年11月から東大の監督に就任』
大音周平 主将
一昨年を振り返って
春と秋ともに投手陣がよく投げてくれたのですが、打者陣がなかなかそこに応えられなかったのかなと思っていて、打撃面であと1本が出なかったなというシーズンだったなと思います。
一春のリーグ戦では慶大相手に9回までリードしていましたが、チームの雰囲気は
序盤から中盤にかけては粘って点を取ったという感じでチームに勢いがあり、終盤にかけても相手の攻撃が淡白というのもあって、意外とすぐ終わってしまい拍子抜けに感じていました。しかし9回になって相手がもっと強いのではないかと感じるところがあって、こちらが引かなくて良いところで引いてしまったという雰囲気がありました。
一昨年は終盤にかけての粘り強さがありました
昨年のチームは守備に自信があって、終盤に追いついて逆転するというのが練習試合の時から勝利のパターンとして多かったので、勝つパターンというのはこういう形なのかなとは思っていました。ただ相手投手のギアがピンチで上がったりして、なかなかあと1本が出ずというところだったので、もっと中盤から終盤にかけて点を取って勝ちたかったところではあります。
一オフに取り組んだことは
昨年はチャンスであと1本が出せていれば勝てていたのではないかという話もあったのですが、逆にあと1本が出ていればとならないように点の入りやすい状況を作りたいというか、長打であったり盗塁などの走塁であったり、ヒット1本だけに拘らないような点の取り方を模索してきたつもりでいます。
一コロナの影響は
大学から活動が禁止されていたので全体的な活動が遅れてしまって、全体で合わせるような動きが少し出遅れたかなと感じています。
一昨年のクリーンアップを担っていた4年生が卒業されましたが、今年のチームは
野手の4年の先輩が多く抜けてしまってはいるのですが、まだリーグ戦に出たことがない新4年生の選手や下級生もオフにはフィジカルの面であったり行動しているので、昨年のチームと同様、それ以上の働きをしてくれると思っています。
一今年の東大のスローガンは『変革』ですが
今年の新4年生全体の雰囲気として、新しい技術や考え方を取り入れようという意識がすごくあって、それを野球の戦術であったり点の取り方というところから見つめ直して『変革』と名付けました。新しく出る選手も多くいるので、そういう意味でも自分たちから変わっていこうということでこのスローガンにしました。
一ご自身としては主将に就任されましたが
周りの選手がすごく信頼できる選手ばかりで、練習面での自己処理能力であったり、新しい考え方を持ってくる力、応用する力というのはみんな優れているので、とにかく信頼して自分は仕事を任せて振って仕事をやってもらい、チーム一丸となって戦っていきたいと思っています。
一オープン戦での調子は
今年からキャッチャーだけではなくサードも守るようになったのですが守備の方は安定してきたかなと感じています。打撃の方はヒットだけではなく長打の方にも拘っているのでそこで結果が出ないことも多いのですが、なんとか春のリーグ戦中でも成長していければ良いなと思っています。
一井手監督の掲げる野球はミスの少ない投手中心のチームですが、捕手として意識することは
ミスの起きやすい状況というか1点を競る場面であったり、自分たちが焦ってしまう悪い状況を事前に避けられるようにというふうにキャッチャーの時はリードしています。
一昨年はエラーが続いてサヨナラ負けという試合もありましたが、そこから取り組んだことは
特に投手周りの練習はチーム全体としてやっています。またメンタルトレーニングの本だったりで勉強もしていて、どういう状態が一番自分のパフォーマンスができるかというのをみんなに伝えるようにもしています。
一今年のチームで期待の選手は
僕は新4年生の小宗に期待しています。ずっと前から投げてきている投手ではあるのですが、今年からは練習からも目つきや態度が変わってきて、より一層責任感を持ってやってくれているので、彼の力で勝利を手繰り寄せることができるのではないかなと思っています。
一法大の印象は
毎年最上級生が新しく出てくるイメージがあって、個々の実力がすごく高いので新しく出てきた4年生であっても春のリーグ戦から結果を残していて、フレッシュさがあるのでこっちとしては少し対策がしづらいかなと思っています。
一捕手として対戦する時に特に意識する打者は
岡田(悠希、人4=龍谷大平安)選手と大柿(廉太郎、法3=健大高崎)選手ですね。岡田選手は身体能力が高くてものすごい打球を飛ばされるので、そこは丁寧にいきたいなと思っています。大柿選手は同じキャッチャーなので意識するところがあって、肩も強かったり羨ましいところが多い選手なのでなるべく抑えたいなと思っています。
一個人の目標、チームの目標は
個人の目標としてはチームの勝利に直結するような活躍をしないといけないと思っているので、出塁率4割と長打率が5割というところを目標に掲げています。チームとしては目の前の1戦1戦を戦っていく中でまず1勝を目標に、そこからどんどん勝っていきたいなと思っています。
一ラストイヤーとなる今年への意気込みをお願いします
2年の時から試合には出ているのですが、自分の力で勝利を手繰り寄せることができなかったので、最上級生になった今としてはもっと自分の力だけではなく、みんなを引っ張ってチームで勝てれば良いなと思っています。
(取材:吉本侑樹)
大音 周平(おおと・しゅうへい)
理学部4年
1998年4月9日生まれ
神奈川県出身・湘南高
173cm80kg・右投右打
『今季からは主将も務めるチームの大黒柱。7季ぶりの白星へ投手陣をリードし、悲願の1勝を手繰り寄せる』