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【陸上競技】第98回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 事後インタビュー①坪田智夫駅伝監督・鎌田航生・清家陸・守角隼

第98回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
2021年10月23日(土)
事後取材

毎年1月2日・3日に行われる東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)の予選会が10月23日に行われた。総合6位で見事箱根本戦の出場権をを勝ち取った法大。今回は、坪田智夫駅伝監督と4年生の鎌田航生選手・清家陸選手・守角隼選手のインタビューをお届けする。(取材はオンラインで行いました)

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写真提供:法政大学体育会陸上競技部

 

インタビュー

坪田智夫 駅伝監督

- 予選会通過おめでとうございます
まずは、予選会を通過出来てとてもよかったと思います。選手たちとも、まずは10番を確保しようという話はしていました。総合6位という形で、予選会を通ることが出来たのは良かったと思います。

- 他大学の動向は
いろいろな戦略があると思って見ていました。やはり、明治大学さんは戦力的にもとても高いなと思って見ていたので、その力通りだと感じました。箱根でも上位に絡んでくるという印象です。

- エースの鎌田航生選手については
本当は日本人トップ争いをさせる予定でした。本人とも戦い方の打ち合わせはしてきていましたし、状態も良かったです。いい練習もできていましたし、日本人トップ争いや、チームとしてタイムを稼ぐことも十分できると思っていました。
ただ、スタートで出遅れて転倒ということで、レース内容や結果はエースらしからぬ、よくない結果でした。

- 学内2位は1年生の小泉樹選手でした
1年生の武田(和馬)と共に、2人は夏も非常によく練習できていました。状態もよく、ハーフは十分対応できるだろうと思っていました。ただ、はじめてのハーフということで、あえて後ろから余裕をもって進めていく戦略をとりました。
後半あれだけペースアップできたのは力の証明になると思います。この後の全日本駅伝や箱根でも、ぜひ主要区間で投入していきたいと考えています。

- 以前、チームの底上げが課題とおっしゃっていました
今回は、準エースの河田(太一平)が当日朝に変更せざるを得ない状況でした、また、2年生の稲毛(崇斗)も故障してしまっていて、エントリーできませんでした。その抜けをカバーできるかは非常に心配でしたが、当日エントリーの高須賀(大勢)や3年生を超えてきてくれた宗像(直輝)や1年生二人が、上級生以上の走りを見せてくれました。ぎりぎりで厳しい戦いではありましたが、彼らが台頭してきたおかげで、戦力的に厚みが出てきたと思っています。

- 全日本駅伝について、予選会では3位通過でした
予選会3位通過は出来すぎかなと思っています。練習を見ていても、ボーダー争いは出来るかなと思っていました。松本康汰が走れなかったこともあり、厳しい戦いになるかとは思っていましたが、1組目・2組目の選手たちが非常に頑張ってくれました。秒差であありますが3位ということで、予選会についてはできすぎでした。

- 現在のチームの雰囲気は
箱根予選会では、選手たちは自信をもって望んでいました。落ちるほど甘い練習はしていません。夏もしっかり練習はできていましたし、秋もぐっと調子を上げてきていました。明治大学さんの背中を追うくらいの手ごたえを持って臨めていました。
その中で総合6位ということで、表情などを見ていると、力を出し切れなかった雰囲気を感じました。
下を向くわけではないですが、「自分たちはまだまだこんなもんじゃない」という思いが出ているのではないかと思います。今回の結果を受けて、課題を自分たちで見つけて修正していこうという話はしました。
ただ、決して暗い雰囲気ということではなく、自分たちの力はもっと上だという自信を上につなげられるように、という風になっています。これから箱根を戦う上で、非常に価値のある予選会でした。

- 全日本駅伝のエントリーメンバーは3年生が多くいらっしゃいます
今年の3年生は、ポテンシャルがとても高く、チームの主軸になる選手たちが非常に多いです。箱根予選会では1,2年生に負けてしまったということもありますが、我々が一つでも上の順位を目指すためにも、彼らの奮起が重要であると考えています。

-全日本駅伝でのキーパーソンは
やはり鎌田です。箱根予選会では、走り方のミスなどがあり、内容・結果共に良くなかったです。流れを変えたり、勢いをつけたりできる選手ですので、彼にはぜひ、エースらしい走りをしてほしいと思っています。

- 箱根予選会から全日本駅伝までの調整は
練習はもう十分つめていますので、疲労を抜くことが重要になってきます。故障などに気を付けながら、しっかり調整していければ、十分戦えると思います。

- 全日本駅伝にむけて一言お願いいたします
出場するだけでは終わりたくないですし、箱根につながる大会になってくると思います。シードを見据えながら、いろいろなチャレンジをして、結果を残していきたいです。

鎌田航生(総合33位・学内1位)記録:1時間03分27秒

- 足の状態はいかがですか
すり傷と軽い打ち身がありますが、今のところは大きな影響はないです

- チームとしては全体6位での通過になりました
去年と違って悔しさが残る予選会になりました。今回は自分の転倒であったり、最終エントリーで河田(太一平)が抜けたりと、チームとして細かいミスが目立った印象です。

- 予選会に向けてのチームの状態は
去年と違って、夏合宿ができたということでチームとしては非常に良い状態で臨めたと思います。

- 鎌田選手ご自身の走りについては、どのように評価していますか
スタートでいきなり転倒してしまって、慌てた部分がありました。すぐ前に行こうとしましたが、集団が壁となって前に出ることができませんでした。そのまま良いところを見せられず、ずるすると走ってしまった感じです。

- レース前の自信のほどは
前半落ち着いて体力を溜めつつ、後半で仕掛けることができれば(日本人トップは)行けるのかなという自信はありました。ですが、スタートで接触があり転倒したことで、今回はレースの流れに乗ることができませんでした。

- 昨年と比べてレベルアップして臨むことはできましたか
夏合宿ができたことは一番大きいと感じています。トータルで見ても、昨年よりも距離が踏めていて、練習の質も上がっています。

- 転倒してからはどのようなことを考えてレースをしていましたか
少しでも自分が前に行かないといけない状況だったので、とにかく前に行くことを意識して走っていました。

- タイムについてはどのように感じてますか
気候のコンディションに左右されるので、自分としてはタイムよりも順位を意識して走っていました。ただ、その中でもタイムについてはあまりいいものではなかったです。

- 前期のトラックシーズンでは、自己ベストを更新しました
3月の学生ハーフで優勝して、その勢いで臨んだトラックシーズンでした。元々自分はあまりスピードのある選手ではないので、トラックシーズンは苦戦したという感想です。ただ、トラックが苦手ながらも関東インカレでは10000mで入賞できたり、全日本の予選会でもしっかり勝負していくことができたので、スピードの面でもある程度は自信が出てきました。

- 夏合宿では、どういったことを意識して練習しましたか
今まで以上に質、量共に上げて練習をし、充実した夏合宿にしようと考えて取り組んでいました。けがをしないように、食事の面でも量を食べることを意識したり、練習では無理のない範囲で上げることを意識していました。夏合宿で手応えをつかんだ分、予選会で試したい気持ちがありましたが、今回はそれが叶いませんでした。

- 夏合宿の練習内容については
走り込みというか追い込む練習が多かったです。

- これからはどのような練習が入ってきますか
スピード練習がこれからは入ってくると思います。全日本が終わってから箱根まで2ヶ月弱ありますが、レースペースを意識したスピード練習が増えてくると思います。箱根ではハーフマラソンの距離を走るので、距離を絞り過ぎず、いかに20kmを速く走れるかという部分に重点を置いていくと思います。

- 今季は10000mで多くの選手が自己ベストを更新しました
先程言ったように、去年よりもチームの状態は良いと思います。自分以外にも内田(隼太)選手が28分台を出したり、夏合宿を越えて、他の選手も伸びてきているので、駅伝シーズンは期待できると思います。

- 内田選手の成長については
自分と違ってスピードのある選手で、スピードで押していけるのが彼の強みだと思います。最近の長距離のレースはスピード化が進んでいるので、駅伝でも期待できると思います。今までは長い距離がネックでしたが、ここ最近は長い距離にもある程度対応できるようになってきて、伸びてきていると感じています。

- 箱根本戦では何区を走りたいですか
希望は2区です。ですが、どの区間を任されたとしても、エースとしての役割をしっかり果たしたいと思っています。

- 本戦に向けて強化していきたい部分は
もう本戦まで3ヶ月もないので、ここから実力を上げるというよりは、いかにレースで実力を出し切るかが大切だと思っています。なのでこれからは、ベストな状態で本戦を迎えられるように意識して練習していきたいです。

- 全日本大学駅伝に向けては
今回の予選会が不完全燃焼で終わってしまったので、リベンジを果たしたいと考えています。まだ区間が決まっていないので何とも言えませんが、どの区間になっても仕事を果たせるように頑張りたいです。

 清家 陸(総合56位、学内3位) 結果:1時間03分50秒

- 予選会を終えていかがですか
チームとしては、予選会3位以内で通過するという目標がありました。そして今回は6位で悔しい結果ということに加え、課題が多く見つかった試合でした。個人としても風があったにせよ自分の力を出し切れずに、チームへの申し訳なさはあります。

- その課題とは
ピーキング面です。直前まで皆、調子が良かったんですけど、当日いざ走ってみるとほとんどの選手が納得のいく走りができませんでした。そのためチームとしては試合に合わせるという所が今回の課題だと思います。

- 一方で、良かった点は
1年の小泉であったり、当日変更だった2年の高須賀だったりなど、下級生が今回は積極的に走って踏ん張ってくれたおかげで、通過できたと思っています。なので下級生の頑張りということに対しては評価できると思います。

- 河田太一平選手が欠場したことの影響は
河田はエース級の選手なので、欠けるということはチームとしては痛かったです。ただ河田や鎌田がいなくても勝てるチーム作りをしてきたと思っていましたし、力は十分に夏につけてきたと思っていたので、予選会に関しては心配していませんでした。河田はこの後の全日本・箱根でしっかり走ってほしいという想いがあったので、今回休んでしっかり治しほしいなと思っています。

- 以前、清家選手が期待する選手として挙げていた稲毛崇斗選手も欠場されました
稲毛ももうすぐ復帰するので、箱根には間に合うかなと思います。彼は1年の時から、怪我さえなければ、箱根でも十分戦える選手なので、箱根には必ず合わせられると思います。

- 事前に坪田監督からはどのような言葉が
事前にある程度の設定ペースを設けられていたので、その中で自分たちで組み立てて走れと言われていたので、当日は色々ありましたが自分たちのペースで走れました。

- 鎌田選手が転倒したことについては
監督やマネージャーからの掛け声で「鎌田が遅れている」という話は聞いていたので、自分たちがやらないといけないというのは強くなりました。

- そのことで焦りは
チームとして多少焦りはあったと思います。ただその中でも自分たちのペースを刻めば通過はできると信じていたので、あまりそこまで動揺することはなく走れました。

- 5km通過地点では、25位でした
最初の順位は伝えられていなくて、自分たちが25位ということも把握していなかったです。ただ前半鎌田が遅れているなど、稼ぐべき選手が前にいなかったということで、5kmに関してそういう順位になってしまったと思います。

- 昨年のように、前半抑えて後半上げるというプランも影響していたのでしょうか
今年は去年の反省を生かして、前半からある程度のペースで回すというレースプランでした。稼がないといけない鎌田が遅れたということと、自分たちも序盤は集団で詰まってしまったので、かなり後ろの方からのスタートでペースが遅くなってしまったので、チームとして最初の5kmはスロー過ぎたという所はあります。

- ご自身はレース中にどのような声掛けをしましたか
ラストまで自分の走りに集中しようと思っていたんですけど、一緒に走っていた内田や近くにいた選手には自分から少し声をかけたり、最後に小泉が追い上げてきたときも「行ってくれ」という声を掛けさせてもらいました。

- チームとして地力の強さを強く感じました
課題はたくさんあるんですけど、鎌田や河田が先ほど述べたような状態になってもとりあえず通過できたという所で、しっかり通過はできたという所で、少しづつではあるんですけど、総合力や地力はついてきていると思います。

- 全日本大学駅伝に向けて今回アクシデントがあったメンバーの調整は
とりあえず、この1週間は状態を見ながらということになってくると思うんですけど、一回予選会で強い刺激を入れているので、焦ることなく次の週で全日本にピークを持って行けたらと思います。

- 本戦でシードを取るためには
1人1人の地力はついてきているので、ここから先は全日本も箱根も同じなんですけど試合に合わせる部分を磨いて、選手が一番良い状態で試合に挑めれば、必ず目標を達成できると思うので、調整力を磨いていきたいです。

- 本戦に向けての意気込みをお願いします
今年1年間『箱根総合5位以内』という目標をチームで立てて、最後は最終目標を達成して笑顔で終われれば良いと思います。

 守角 隼(総合286位、学内12位) 記録:1時間07分15秒

- 本戦出場が決まりましたが今のお気持ちは
正直、本戦に出場することはチームとしても一つの通過点としてやってきたので、本戦出場が決まって安心しているというのが一番かなと思います。

- 6位での通過となりましたがこの結果に関しては
チーム発足当初に予選会は3位通過という目標を掲げていたので、結果発表の時のみんなの表情を見てもらえれば分かる通り、喜べるような結果ではなかったと思います。

- 直前の日体大記録会では自己ベストを更新されましたが、予選会に向けての状態は
自分自身、去年の秋から今年の6月くらいまで故障してしまって、なかなか走れない時期が続きました。その中で、夏合宿をどう乗り越えるかという計画を自分の中で立てていました。あらかじめ日体大記録に出ることもわかっていたので、そこに向けて練習をしながら調子を上げることができたからこそ、あのような結果が出ましたし、調子は上がっていたと思います。

- レースプランや監督からのご指示は
あらかじめ4つのグループにある程度分かれた中でレースに臨むということだったので、自分のグループの設定ペースを守ることを意識していました。監督は夏合宿からしっかり練習ができているところや日体でタイムが出たことを評価してくれていて、自信を持ってレースに臨んでほしいとレース前に言われました。

- どういった気持ちを持ってレースに臨みましたか
本当に久しぶりに走って貢献できるチャンスをいただいたので、自分の走りをしてチームに貢献したいと思ってレースに臨みました。

- ご自身の走りを振り返って
点数で表すなら0点に等しいくらいかなと思っています。下級生に頼ってしまって情けないですし、チャンスをいただいたのにこういう形で自分の力を発揮することができず、チャンスを無駄にしてしまったことは後悔しています。

- 当日のコンディションも走りに影響しましたか
当日のコンディションに関してはやはり全員が平等なので、風が強かったということはそこまで関係ないです。自分自身がレースに臨むにあたって準備、主に心構えという気持ちの部分で硬くなってしまったのが一つの原因かなと思います。

- 2週間後には全日本が控えています
どうやったら自分のパフォーマンスを最大限発揮できるかというところを今回の失敗から反省し、次に生かしていかなければならないと思っています。調整やレースへの持っていき方などをもう一度見直して、試合に臨みたいです。

- 本戦に向けて必要になってくることは
4年生の活躍が大事になってくると思っています。年間を通してチームのために走っているのは鎌田(航生)と清家(陸)の2人だけなので、他の4年生もメンバーに入ったり、一緒に走ることによってチームの層も厚くなると思います。4年生のここからの台頭というのがシード権獲得、総合5位という目標に必要不可欠になってくると感じています。

- 今後に向けて
次の試合が自分自身何になるかわかっていないんですけど、今回良くも悪くも非常にいい経験をさせてもらいました。自分自身の陸上人生も残り2か月ほどで終わりになってしまうので、今回の経験を無駄にすることなく、あと2か月間がむしゃらに突っ走っていきたいなと思っています。

 

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