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【硬式野球】東京六大学野球2021秋季フレッシュトーナメント決勝 早大戦 早大投手陣に苦戦し、28年ぶりの快挙はならず

東京六大学野球2021秋季フレッシュトーナメント決勝 早大戦
2021年11月4日(木)
神宮球場

立大を破り、良い流れで迎えた全勝・早大との決勝戦。春秋通じてでのフレッシュトーナメント連覇なれば、実に28年ぶり。先発は先日の明大戦で好投を見せた吉鶴翔瑛(営1=木更津総合)だったが、この日は序盤から制球を乱す苦しい投球に。それでも5回まで早大打線を2点に抑える。奮起したい攻撃陣は、2回に鈴木大照(文1=明徳義塾)の犠飛、7回には暴投で2点目を奪う。しかしその裏に連投となった塙雄裕(法2=常総学院)が得点を奪われ、2-3で敗戦。連覇にあと一歩及ばなかった。

28年ぶりの快挙はならなかった

試合結果

トータル試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
法 大 0 1 0 0 0 0 1 0 0 2 6 1
早 大 1 1 0 0 0 0 1 0 × 3 8 0

(法大)吉鶴、●塙ー久保田
(早大)齋藤正、○澤村、茂、加藤ー篠原
[本塁打]なし

 

打撃成績

打順 位置 選手 打率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (6) 中津 4 2 0 .500 右安 三安 三振 中飛
2 (7) 秋丸 1 0 0 .000 三振
H 飛騨野 1 0 0 .000 三振
7 五明 2 0 0 .000 左飛 二ゴ
3 (3) 真鍋 3 0 0 .000 四球 中飛 二飛 二ゴ
4 (4) 内海貴 4 0 0 .000 遊飛 左飛 二ゴ 三振
5 (D) 内海壮 4 1 0 .250 三ゴ 右安 投飛 三振
6 (8) 伊藤 4 0 0 .000 投ゴ 三振 右飛 三飛
7 (9) 福岡 4 2 0 .500 左二 左飛 左安 右飛
8 (2) 久保田 2 1 0 .500 左安 三振 投犠
9 (5) 鈴木照 2 0 1 .000 右犠① 三振 三ゴ
31 6 1 .194

 

投手成績

球数 打者 防御率
吉鶴 5 73 23 4 4 4 2 3.60
3 47 14 4 2 1 1 3.00
8 120 37 8 6 5 3 3.37

 

ベンチ入りメンバー

11 阿部巧雅(文1=上田西) 20 吉安遼哉(法1=大阪桐蔭) 37 内海壮太(法1=御殿場西)
14 山根滉太(文2=小松大谷) 27 田所宗大(キャ1=いなべ総合) 1 秋丸大成(スポ2=横浜隼人)
16 塙雄裕(キャ2=常総学院) 32 久保田碧月(営2=高川学園) 3 伊藤勝仁(文2=常葉大菊川)
17 山城航太朗(キャ1=福岡大大濠) 4 内海貴斗(人2=横浜) 9 福岡大真(法2=筑陽学園)
18 安達壮汰(営1=桐光学園) 5 真鍋駿(文2=広島商) 23 中村航太(営2=成田)
19 一栁大地(人2=星槎国際湘南) 6 中津大和(営1=小松大谷) 38 古本隆二(法2=法政二)
21 吉鶴翔瑛(営1=木更津総合) 24 武川廉(人1=滋賀学園) 39 五明寛太(社2=法政二)
2 鈴木大照(文1=明徳義塾) 26 木部翔太(法2=清水東)
12 飛弾野慎之介(経2=掛川西) 35 山口颯太(社1=聖隷クリストファー)

戦評

1勝1敗ながら大会規定により決勝へ進出した法大。フレッシュトーナメント2季連続の優勝をかけ、全勝で勝ち上がってきた早大との一戦に挑んだ。

大一番で先発を任されたのは吉鶴翔瑛(営1=木更津総合)。前回登板の明大戦では負け投手となったものの7回を2失点に抑え、高校の先輩でもある山下輝(営4=木更津総合)の背番号『21』に恥じないピッチングを披露した。今日の吉鶴は立ち上がりから制球に苦しむ。初回、2死から走者を出すと、続く打者も四球で出塁を許す。一、二塁とピンチを広げると5番・篠原優に中前適時打を浴び先制を許してしまう。

同点に追いつきたい法大は2回表。好調の7番・福岡大真(法2=筑陽学園)がレフトへ二塁打、続く8番・久保田碧月(営2=高川学園)も安打で続き1死一、三塁のチャンスを作る。すると9番・鈴木大照(文1=明徳義塾)が犠飛を放ち、すぐさま同点に追いつく。
同点犠飛の鈴木照

しかしその裏、二つの四球などでピンチを招くと、1番・中村敢晴に3球目を左翼前に運ばれ再びリードを許してしまう。その後吉鶴は走者を出すも要所を締める投球を披露。5回を2失点にまとめ上げ、マウンドを降りた。

吉鶴の好投に応えたい打線であったが、早大先発の齋藤正貴をなかなか打ち崩すことが出来ない。切れ味鋭い変化球に苦しみ、4回から6回まで三者凡退に抑えられてしまう。しかし7回、二番手の澤村栄太郎から先頭の福岡が左前安打を放つ。続く久保田の犠打、さらに内野ゴロの間に三塁まで走者を進めると、1番・中津大和(営1=小松大谷)の打席の間に相手投手が暴投。三塁走者が生還し、思わぬ形で同点に追いつく。

同点のホームを踏んだ福岡

流れが法大に傾むいたかと思われたその裏。前の回からマウンドに上がった二番手・塙雄裕(法2=常総学院)が早大打線に捕まる。1死から3番・生沼に塙のグラブをはじく内野安打で出塁を許すと、2死から5番・篠原に左中間を破る適時二塁打を放たれ再び勝ち越しを許してしまう。

痛恨の失点を喫した

なんとか追いつきたい法大打線であったが、早大の投手陣の前に沈黙。最後まで1点が遠く2-3で試合終了。投手陣の粘りに打線が応えることが出来ず、準優勝という形で今大会に幕を下ろした。

惜しくもフレッシュトーナメント春秋連覇を逃した法大であったが、投手陣では吉鶴や塙、野手陣では福岡など春からの成長を見せた収穫の多い大会となった。この悔しさをバネとし、鍛錬を積み、一皮も二皮も向けた彼らが来春神宮で躍動する姿が待ち遠しい。

(記事:二瓶堅太、写真:五嶋健)

クローズアップ:中津大和

将来有望な新たな守備職人の誕生か。1年生ながら秋季フレッシュトーナメント全ての試合で1番・遊撃手として出場し、期待をかけられている中津大和(営1=小松大谷)。

今回のフレッシュトーナメントでは、その期待を上回る活躍を見せてくれた。決勝戦では、初回の1打席目に右中間に打球を放ち出塁。その次の回では、惜しくも得点にはつながらなかったが、ファールで粘った後、捉えた打球は内野安打となった。思えば、中津は全試合で安打が出ている。特に、初戦の明大戦では中津の二塁打によって先制点を得た。今大会では1年生ながら1番打者としての役割を全うしているように思える。また、守備に関しても落ち着いてプレーをし、遊撃手として守備からチームを引っ張っていった。西武ライオンズの源田(壮亮)選手の守備を参考にしているという中津は、180㎝と遊撃手としては大柄ながらも滑らかなプレーを意識し、同世代の中でもトップクラスの守備力を誇る。

そして、足の速さも彼の持ち味である。守備の面でも打撃の面でも走力を活かしたプレーが期待される。秋季リーグ戦での出場はなかったが、今大会で守備や打撃などで期待以上の働きを見せ、法大には欠かせない戦力としてリーグ戦出場に向けて着実にアピールすることができた。一冬超えてさらにレベルアップした中津を春季リーグ戦で見ることができるかもしれない。
(今井夏美)

選手インタビュー

近藤皓介 新人監督

ーフレッシュトーナメントを振り返って
初戦で敗戦しましたが、選手たちが気持ちを切らさずよく今日の決勝戦までつなげてくれました。今日の試合を含め、全体的に苦しい展開でした。野球の難しさを感じた3試合でした。

ー惜しくも春秋連覇を逃し、2位でしたがその結果について
春秋連覇は高野(歩夢)ともずっと目標にしていて、選手たちも同じように春秋連覇を目指していたので2位に終わり悔しい気持ちでいっぱいです。ですが、クラスター発生によって、リーグ戦やフレッシュトーナメント参加が叶うかどうかという時期もあった中で、目標に挑戦できたこと、最終日までその目標に挑戦できたことを幸せに思います。ご尽力いただいた関係者の方々に感謝申し上げます。

ー自身2度目となる新人監督でしたが、意識したことは
春より打てないことは予想できていたので、一点をどう取るか、一点をどう守るのかといった緊迫した場面は常に想定していました。バント等は多く使っていこうと思っていました。

ー同じくベンチに入っている高野学生コーチとはどのようなお話を
優勝を目標にしながら、「フレッシュらしく」、「学生野球らしく」というのはよく選手に話していたつもりです。一年間フレッシュチームを担当させていただいて、寮でも2人でフレッシュの話をずっとしていました。試合中、攻守交代の際などに選手交代を話し合ったり、守備中にはシフトの相談をしたり、今はもうほとんどアイコンタクトです。

ー今大会で出た課題は
やはり一番は打力、決定打に欠ける部分だと思います。今大会を通しても、しっかり繋いでくるチームは恐怖を感じましたし、私たちは適時打がほとんど出ていないので、勝負所でどんな打撃ができるのかというのが課題です。守備は全体的にはミスもあった中でよく踏ん張ったという印象ですが、取れるアウトをとれなかったり、投手の四死球からピンチを招いたりというのもあったので、そこも課題だと思います。

ーオフシーズンにはどのような練習を
全体的な体力強化は必要になってくると思います。リーグ戦を通して下半身を中心にしっかりと動き続けられることが重要だと思いますので、チーム全体で取り組むことは必要かと思います。新体制がまだ始まっておらず、色々模索している中ですが、来春をレベルアップしたチームで迎えられるよう、頑張ります。

吉鶴翔瑛 選手

ー今日の投球を振り返って
悔しいの一言です。勝ちにこだわってやってきたので負けたことが悔しいです。最後まで粘りきれなかったことが敗因だと思います。

ー勝てば優勝という中での先発でしたが、どのような気持ちで望みましたか
春に続いて優勝するという気持ちしかありませんでした。

ー走者を背負っても粘りのピッチングを続けていたように思いますが、意識していたことはありますか
ピンチでこそ強気でいくのが持ち味なので3回以降はその持ち味が出せたと思います。

ー今回の早大の選手の方で特に警戒したバッターはいますか
印出選手と吉納選手は1年生でリーグ戦にもベンチ入りしているので警戒していました。

福岡大真 選手

ー今日の試合を振り返って
勝ったら優勝といったなか、ほどよい緊張感のなか、試合に臨むことができました。悔しい結果となりましたがこれを糧に頑張っていきたいと思います。

ー1打席目の二塁打を振り返って
1点を先制され、とりあえず出塁することだけを考えてたら良い結果につながってよかったです。

ー2安打2得点とチームに貢献しましたが好調の要因は
悔しい思いもたくさんしてきたなかで、挫けず練習に取り組んだところだと思います。

ー来季に向けて一言お願いします
この冬、真摯に野球に取り組んでいきたいと思います。

中津大和 選手

ー今日の試合を振り返ってみて
接戦になって緊張感のある試合の中、自分達のやるべき野球をすることができたと思います。結果は負けてしまいましたが、これを機に頑張っていきたいと思いました。

ー2本ヒットが出たことについて
先輩方に少しでも繋ごうとする思いが結果につながったのかなと思います。

ー試合の中で意識していたことは
投手への声かけや試合を楽しんでやることです。

ー決勝戦ということで緊張などは
緊張はしましたが、いい緊張で自分のプレーをすることができました。

ー全試合遊撃手で1番バッターというポジションで起用されたことについて
期待されていた分、指導者の期待に応えられるように頑張りました。

鈴木大照 選手

ー今日の試合を振り返って
試合中は楽しかったですが、負けてしまったのでとても悔しい試合となりました。自分自身もあまりチームに貢献する事ができず悔しい気持ちでいっぱいの試合となりました。

ー一時は同点となる犠飛を放ちましたがあの場面を振り返って
初球から思い切って行こうと思っていました。自分自身あまり調子が良くなかったので最低限、犠牲フライは打って点を取りたいと思って打席に立ちました。

ー本職ではない三塁手としてのプレーとなりましたが
内野手として試合に出た事があまりなかったので、慣れないところもありましたが、元気を出して思い切ってやろうと思っていました。

ー来季に向けて一言お願いします
優勝をする事ができず、とても悔しい思いをしたので来季は絶対優勝できるようにこれからの練習に取り組んでいきたいと思います。

フォトギャラリー

試合の写真は、スポーツ法政新聞会の公式ツイッター、また公式インスタグラムに掲載いたします。

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