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【テニス】2021年度関東学生テニス選手権大会(夏関)本戦1~3回戦 新体制で臨む最初の大会が開幕。シングルスは新主将の矢島、ダブルスは男子3ペアがベスト8に進出を決めた!

2021年度関東学生テニス選手権大会(夏関)本戦
11月15日,17~19日, 21~23日
大宮けんぽグラウンド

矢島新主将の下、新体制でリスタートして最初の大会である夏関の本戦が始まった。主軸となるのは3年生以下の選手であるが、先日の団体戦で引退した4年生も後輩とペアを組み、従来とは異なったペアでダブルスに出場する。19日までに3回戦が行われ、シングルスは矢島、ダブルスは男子3ペアがベスト8に進出した。


男子の新主将・矢島はシングルスで唯一ベスト8進出を果たした

男子シングルス1回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
矢島淳揮(スポ3) 2-0(6-1,6-1) 藤川悠(明大)
大田空(スポ2) 2-0(6-4,6-2) 岩本尚起(青学大)
佐藤太耀(現福2) 2-1(6-2,6-7(0),10-2) 脇坂留衣(慶大)
加藤木塁(経2) 0-2(5-7,3-6) 倉持英希(中大)
平井健太郎(経1) 0-2(4-6,4-6) 山口柚希(早大)

男子ダブルス1回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
中川舜祐(社4)・村田雄飛(社3) 2-0(6-4,6-4)  田中瑛大・渡部将伍(早大)
佐野有佑(経4)・加藤木塁 2-0(6-1,6-3) 末吉鼓太郎・内田涼太郎(駒大)
高清水研人(経4)・矢島淳揮 2-1(6-7(4),6-4,10-7) 山田知宙・森健太郎(日体大)
守屋達貴(人3)・大田空 2-1(6-4,1-6,10-6) 八郷克・三角理旺(駒大)
田中諒弥(経4)・佐藤太耀 1-2(6-4,1-6,10-6) 古藤崇大・権藤卓巳(亜大)

女子シングルス1回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
猪川結花(社3) 2-0(6-4,6-2) 角田唯(立大)
鵜飼日南乃(スポ2) 0-2(3-6,4-6) 宗和南波(立大)
上伊倉理子(社1) 0-2(5-7,3-6) 山田悠理(立大)

女子ダブルス1回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
山﨑京花(経3)・鵜飼日南乃 0-2(1-6,2-6) 小林彩夕里・淺野汐香(立大)
猪川結花・上伊倉理子 0-2(4-6,2-6) 吉田華菜子・南口亜美(明大)

佐藤太耀

佐藤のサーブから始まったこの試合。第1ゲームは相手が粘りを見せて長いラリーにもつれ込む場面も見られたが、着実にポイントにつなげてしっかりキープする。3ゲーム目には、うまくサーブがはまらないこともあったが、冷静に対応。その後は、相手のリーチ外を狙った絶妙なショットを軽快に打ち返し、4-1とリードを見せる。そのまま流れを渡さず、6-2でファーストセットを奪う。セカンドセットは相手の攻撃に苦しめられ、ラインアウトなどのミスを連発。サーブミスも重なり、0-3とリードを許してしまう。徐々に持ち直し、持ち前の粘り強さを見せ3-4まで差を詰めると、連続ポイントを決めるなどして6-5と逆転に成功するも、相手の攻撃を捌ききれず、6-7で惜しくも敗れセットカウントは1-1に。ファイナルセットでは、しっかり持ち直すと、流れを渡さず10-2で快勝。激闘を制し、見事勝利を収めた。

加藤木塁

ファーストセット序盤は攻撃が冴えわたった加藤木。強烈なサーブから相手のミスを誘うなど、5-2と大きくリードする。しかし、その後は流れが一変。ラインアウトなどミスが目立つようになると、修正ができず5-6と逆転を許すし、そのままファーストセットを落とした。流れを変えたいセカンドセット。サーブで攻めの姿勢を見せる加藤木は、コートぎりぎりを狙ったショットを決める。しかし、徐々に決めきれないもどかしい場面が続き2-3。逆転を許してしまう。ストロークで粘りを見せるも、その後も相手のボールを捌ききれずセットカウント0-2で敗北を喫した。佐野とのダブルスで巻き返しなるか、今後の活躍を心待ちにしたい。

平井健太郎

相手は同学年ながらインカレに出場した早大の山口。強敵との一戦となった。ファーストセットはお互いサービスゲームで苦戦し接戦に。相手のストロークに苦戦し、第8ゲームでブレイクを許し、4-6でファーストセットを落とす。続くセカンドセット。第1ゲームではミスが続きブレイクされるも、すかさず第2ゲームで奪い返すなど、またも接戦に。しかし、本人が「サーブミスでの失点が多かった」と語るよう、セカンドセットでもサービスゲームに課題を残し4-6で惜敗となった。

守屋達貴・大田空ペア

ファーストセットは序盤から巧みな連携プレーで相手を翻弄すると、幾度となくブレイクを奪い6-4。続くセカンドセット。流れを掴み損ね、3ゲーム連続で落としてしまう苦しい展開に。その後も果敢に攻めるも、相手の勢いに押され1-6でこのセットを落とした。勝負のファイナルセット。粘り強く相手に食らいつき、着実にポイントを重ねていく2人。最後まで攻めの姿勢を貫き、10-6で勝利。見事2回戦進出を決めた。試合後「次は自分たちらしく強気に、気合を入れてやりたいです」と語る守屋・大田。今後の2人の活躍から目が離せない。


3年生以下の組み合わせで奮闘する大田(左)・守屋ペア

猪川結花

主将の猪川結花が1回戦に登場。ファーストセットは互いに一歩も譲らずキープを続ける。しかし、その後は力強いショットを武器に徐々に相手を追い詰め、第10ゲームをブレイク。6-4でこのセットをものにした。続くセカンドセット。第1ゲームをブレイクされるも、すぐにブレイクバック。相手に隙を与えない猪川。1ポイントも与えずに第4ゲームをブレイクすると、そのままの勢いで4ゲームを連取し快勝。2回戦へ危なげなく駒を進めた。

山﨑京花・鵜飼日南乃ペア

今大会が初の組み合わせとなるペアでの出場となった山﨑・鵜飼ペア。ファーストセットでは、サーブミスなどで失点し0-2。続く第3ゲームでは山﨑の力強いストロークで相手を翻弄し反撃に出るも、その後はネットプレーでのミスなどが目立ち、得点を重ねられずファーストセットを落とす。続くセカンドセット。序盤から相手の隅を作プレーに粘ることができず、0-3とされる。しかし、第4ゲーム、第5ゲームではネットプレーや鵜飼のサーブで得点を重ね2-3。この勢いのまま流れをつかみたかったが、その後は連続でスマッシュを決められるなど失点を重ね2-6で敗戦した。

猪川結花・上伊倉理子ペア

猪川・上伊倉は終始接戦となる苦しい試合を強いられた。ファーストセット。猪川の強いストロークなどで得点を重ね2-0に。このまま優位に試合を運ぶと思われた。しかし、第3ゲーム以降、本人たちも「ポーチに出ることができなかった」と語るように、長いラリーの末に相手に仕掛けられポイントを許し、2-3と逆転される。その後も、相手の堅い守りにゲームを取り切れず、4-6でファーストセットを落とす。続くセカンドセット。猪川が隅をつくストロークを積極的に放つも、相手も粘りを見せる。ここでも長いラリーになるが、あと一歩のところで取り切れないゲームが続く。その後、健闘するも流れを引き戻せず4-6で惜敗となった。インカレに出場した猪川・上伊倉ペアにとって悔しい夏関となった。

選手コメント

平井健太郎

―今日の試合を振り返って
相手が、インカレでベスト32と強い人だったので、思い切ってやろうと思いました。頑張ってボールを拾ったのですが、相手の方が強かったので、最終的に負けてしまいました。

―対戦相手の印象は
バックがあまりうまくなくて、フォアが強いイメージがありました。なので、今日もバックを狙って戦いました。

―勝ちきれなかった要因は
ゲームカウントが4-4など、競った時に相手の方が仕掛けてきていたので、自分が積極的に攻められなかったところです。

―今試合で得た課題は
サーブのミスでの失点が多かったので、サーブを練習しようと思いました。

―今後どのような練習をしていきたいか
ストロークが得意なので、もっと練習したいのと、サーブの制度を上げて自分から攻撃できるようにしたいです。

守屋・大田ペア

ー試合を振り返って
守屋: 試合の入りは少し不安でしたが、そんな中でファーストを取ることができ安心してしまった部分がありました。ですが最後はしっかり気合を入れて次につなげる試合ができたので、結果オーライという感じです。

大田: 試合を通して良い場面がなく、良いところは最後のファイナルの入りが良かったことくらいだと思います。僕らのテニスは特殊なので、ファーストはこっちが何もできない状態でも相手がミスとか落としてくれました。ですが、ファーストを取れて慢心してしまい、セカンドセットが悪い方へ行ってしまったので、試合としてはひどい試合だったと思います。

ー特殊なテニスとは
大田: 学生のテニスはストロークでガンガン押すものが多いですが、僕たちはボレーで勝負する感じです。全体的に見て、あまり2人とも前でやるペアは少ないと思うので、僕たちの強みなのかなと。

ーペアを組んでみて手応えは
守屋: とても楽しいですね。あと頼もしいです。僕が構えてても、僕より前で取ってくるんですよ。だから少し危ない時も「空と組んでたら大丈夫って」思わせてくれます。

大田: 前のペアである中川さんはストロークでガンガンやるパワー系。守屋さんは前でやるネット系。タイプが全然違うので楽しいです。あと守屋さんはボレーもうまいし、上も強いし、前もうまいし。いろいろな発見があって楽しいです。昔はどちらかというと、軟式テニスみたいに役割が決まっているテニスでしたが、最近は2人でポイントを取っている感じなので、そこも楽しいです。

ー2人で組む上で調整したこと
守屋: 2人とも前で戦うとストロークをガツガツ打ってこられたときに、ブロックすると球が浮いてしまいます。なのでそうなる前に、相手にスライスで取らせるボレーをたくさん打つという作戦で動いています。

ー次の試合への意気込み
守屋: 第1シードだということは忘れて、自分たちらしく強気でいきます。2人ともかなり声を出すタイプなので、たくさん声を出して頑張っていきたいと思います。

大田: 1シードに入ってしまい、今日は気合が抜けていたので、守屋さんが言ったように気合を入れて6-0、6-0で倒すくらいの気持ちでやり切りたいと思います。

矢島淳揮、大田空 ※2回戦で同校対決

ー試合を振り返って
矢島:相手がかなり固くて、自分からリスクを負わなくてもポイントを取ることができたので、楽な心理状態でゲームを進めることができました。

大田:最初からもう少しリードしたかったですが、かなり固くなってしまいました。ただ、ファーストセットは3-4から取ることができて、セカンドセットも離されずに取ることができたので、調子が悪いにしては良かったかなと思います。

ー本戦がいよいよスタートしました
矢島:僕たちは王座がなかったので、夏関やインカレインドアのある今の時期にピークを持ってきていました。なので、精神的にはいい感じだと思います。

大田:僕は二次予選でシングルスがあったので、大宮の雰囲気も1ヶ月前に経験したばかりですし、そんなに試合だと意識せずに臨めました。

―次戦に向けて一言お願いします
矢島:次当たるのが大田なので、同士討ちにはなってしまいますが、先輩の意地を見せて、勝ちたいと思います。

大田:なんか言ってますけど、ぶっ倒します!笑

猪川結花

ー今日の試合を振り返って
実力がある選手だと知っていたので、負けても勝っても自分のベストを尽くせたらいいなと思い試合に入りました。自分も集中してできたのでスムーズに勝てたかなと思います。

ー今大会の目標は
とりあえず一つずつという感じですね。夏関は人数が少なく、本戦はみんなレベルが高いので、とりあえず一つずつ勝っていきたいです。

ー次の試合への意気込みをお願いします
自分のベストを尽くして、負けても勝っても思いきりやれたらいいなと思っています。

上伊倉理子

―試合を振り返って
対戦相手が高校の時の先輩ということもあり、粘るタイプの相手であることは分かっていました。なので、なるべくミスをしないようにしたのですが、大事なところでゲームをとり切れなかったです。

―ファーストセットは中盤から粘って追い上げを見せました
最初リードされてしまいましたが、ボレーから得点できることが多かったので、ラリーを内側で出来るようにしました。後半は長いラリーで最後に得点できるような展開も増えてきました。攻めている中でもミスが減ってきたのは良かったです。

―セカンドセットの最後は非常に悔しい展開となりました
決められるところまではいくのに、ミスをしたり、早く行き過ぎて決められなくなってしまうので、そこの精度を上げないと、勝てないのかなと思いました。

―次の試合に向けて
今回は春関の時と比べて内容的にも良かったですし、成長した部分もありました。悔しい結果となりましたが、もう一度練習に励んで、新進などで結果を出せるように頑張ります。

山﨑京花・鵜飼日南乃ペア

―試合を振り返って
山﨑:出だしが悪く、なかなか波に乗れず、相手の流れになってしまいました。セカンドセットは内容的には競っていたのですが、大事なところを取り切れず、結果として1-6、2-6のスコアになってしまいました。

鵜飼:最初の段階でいい形で入れず、焦りが出て余裕がなくなってしまいました。もっと早く、開き直ってプレーを変えるべきだったのに、躊躇してしまい自分のプレーをできず、悔しい気持ちです。

―勝ちきれなかった一番の要因は
山﨑:先に相手に展開されていた、仕掛けられていた部分です。もっと早く自分たちから仕掛けられたら結果が変わっていたのかなと思います。

鵜飼:ストロークだけで戦おうとしてしまいました。自分たちはストロークだけでなく、ボレーも混ぜて戦うのが強みですが、それを出せなかったことが一番の敗因です。

―試合で得た課題は
山﨑:この大会で初めて組んだペアなので、もっと自分たちの引き出しを増やしていきたいと思います。

鵜飼:思い切りが足りないというところはコーチにも言われましたし、自分たちでも感じているところです。

―次に向けてどのような練習をしていきたいか
山﨑:自分たちの得意とするボレーの展開にできるように、ボレーを練習していきたいです。

鵜飼:ボレーももちろんですし、ストロークで少しでも相手と互角に戦えるように練習したいと思っています。

猪川結花・上伊倉理子ペア

―今日の試合を振り返って
猪川:自分たちはストロークメインで打ち込んでいくプレースタイルですが、相手もストロークメインのタイプだったので、打ち合いになり、相手に先にポーチに入られて終わることが多かったです。最後までずっと取り切れない状態で終わってしまいました。

上伊倉:ストロークの打ち合いになった時にポーチに出られなかったです。どうしたらポイントが取れるのかがあまりつかめず、大事なところでミスをすることが多かったと思います。

―勝ちきれなかった要因は
猪川:ゲームポイントには先になるのですが、その後ポイントを取れず、デュースになり、そのまま落とすという展開が多かったです。

上伊倉:大事なところで、ストロークだけで押していて、ポーチに回れなかったところです。

―今試合で得た課題は
猪川:ストロークメインという形から、ボレーを混ぜてダブルスっぽい形にしたいです。又、コーチにも言われたのですが、ストローカーが自分の打ちたい場所に打つのではなく、ボレーを打つ人のことを考えて打つべきだと考えました。

上伊倉:クロスでのストロークがメインになってしっているので、もう少し、ロブやストレート使いたいです。

―シングルスに向けて意気込みをお願いします
猪川:一回戦目から相手が強い選手なので、確実に一試合ずつ勝っていってシードは守りたいと考えています。

上伊倉:今回が初めての本戦で、一回戦目から強い相手なので、自分のテニスを失火瑛できるようにしたいです。

 

(取材・岩田かおり/溝口真央/東夏紀)

男子シングルス2回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
同校対戦 矢島淳揮 2-1(4-6,6-2,10-3) 大田空
佐藤太耀 1-2(7-6(5),3-6,8-10) 倉持英希(中大)

男子ダブルス2回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
中川舜祐・村田雄飛 2-1(7-6(8),2-6,10-8) 古藤崇大・権藤卓巳(亜大)
高清水研人・矢島淳揮 2-1(6-7(4),6-4,10-7) 山口駿・植木海音(駒大)
守屋達貴・大田空 2-0(6-3,6-4) 今鷹洸太・林航平(慶大)
佐野有佑・加藤木塁 1-2(6-7(3),6-2,5-10) 山口柚希・吉野郁哉(早大)

女子シングルス2回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
猪川結花 2-0(6-0,6-3) 千原菜歩(山学大)

佐藤太耀

少し緊張した面持ちでシングルス2回戦に登場した佐藤太耀。ファーストセット。いきなりブレイクを奪われるも、すぐに返し一進一退の攻防を見せる。その後は緩急をつけたショットでラリーを次々と制す。試合は第13ゲームまでもつれ込むも、冷静にポイントを重ねてこのセットをものにした。続くセカンドセット。粘り強くラリーを続けてデュースを制し、第1ゲームをブレイクしたものの、なかなか波に乗れない。試合が動いたのは第7ゲーム。相手の鋭いショットに見事な対応力を見せたが、徐々に追い詰められる展開となり、このセットを3-6で落としてしまう。勝負のファイナルセット。幸先よく3ポイント連取するもすぐに取り返され、試合は膠着状態に。最後まで攻めきるも、相手の勢いに押され8-10で試合は幕を閉じた。

中川舜祐・村田雄飛ペア

ダブルス2回戦に進出した中川・村田ペアはファーストセット、互いにキープを続け、一進一退の攻防を見せる。流れを掴んだのは第12ゲーム。ブレイクを果たすと勢いそのまま第13ゲームも奪取し、このセットをものにした。続くセカンドセット。このまま試合の主導権を握るかのように思えた中川・村田だったが、第3ゲームから立て続けにゲームを奪われてしまう。その後も強気な姿勢で攻めていくが、セカンドセットを落としてしまう。なんとしても取りたいファイナルセット。なかなか流れに乗れない中でも、勝負強さを発揮し、見事10-8でベスト8進出を果たした。

佐野有佑・加藤木塁ペア

ファーストセット序盤から両者一歩も譲らぬ展開を見せる。2人は巧みな連携プレーで幾度となくブレイクを重ねるが、相手も負けじと応酬。結局第13ゲームまで試合はもつれ込ることに。粘り強いプレーをするも攻めきれず、結局6-7でこのセットを落としてしまう。続くセカンドセット。先程の流れとはうってかわり、試合は佐野・加藤木のペースに。得意のサーブと力強いショットで相手を翻弄し、4ゲームを連取。6-2でこのセットをものにする。試合は運命のファイナルセットへ。気迫のこもったプレイを見せるも、なかなか勝負どころで決め切れない。最後は相手の勢いに押され、5-10で試合は幕を閉じた。


ファイナルセットの末に惜しくも敗れた佐野(左)・加藤木ペア

選手コメント

佐藤太耀

ー試合を振り返って
勝たなければいけない試合でしたが、守りに入ってしまった部分がありました。その中でも頑張れたところもあったので、次につながる試合になったと思います。

ー頑張れたところとは具体的に
結果的に負けてしまいましたが、大事な場面で最後まで攻めきれたところです。その姿勢がとても大事だと思うので、そういうところは良かったと思います。

ー本日の敗因は
相手のボレーに合わせすぎて、自分から打つことがなかなかできませんでした。そこを攻め込まれたところがあったので、自分がもう少しスライスを打つ相手に対しても、より前に入りながら打つことが大切だと思いました。

ーインカレインドアに向けて一言
インカレインドアでは爆発して、全部勝つので応援よろしくお願いします!

中川・村田ペア

―試合を振り返って
村田:1回戦と違って前に詰めてくる相手と分かっていたので、苦戦するとは思っていました。ファーストはタイブレークで取り切れて、セカンドは僕の調子が悪く、ずるずる行ってしまいましたね。ファイナルは、一本ずつやれば大丈夫、という話をして、最終的には勝てたので良かったです。
中川:雄飛と組むと緊張するんですけど、勝ててよかったです(笑)。ここまで、ファイナルに行ってしまう試合が多いので、そこまでに勝負を決められるといいと思います。

―勝因は
村田:大事なところで、僕らのテニスの形に持って行けたところです。僕が前で打って、舜さんが後ろで決めるという形ですね。
中川:ファーストもファイナルも、タイブレークをとれたことです。集中するところで集中して、攻めの姿勢を忘れずに行けたことだと思います。

―ペアを組んでみていかがですか
中川:村田くんのサーブが入らないんですよ(笑)。1回戦から通算で2回しかキープできていないので、サーブを入れてほしいですね。
村田:僕は楽しいなという気持が一番です。1年生の時に新進で組んだ時は、頼りっぱなしでしたが、今回は僕自身も仕事をして、2人でやっていくぞ、という気持ちが大きいです。

―次戦への意気込みをお願いします
村田:サービスキープします。
中川:僕はもう仕上がっているので、村田君がサービスを入れてくれれば大丈夫です。


2年前の新進以来の組み合わせとなった中川(右)・村田ペア

佐野有佑・加藤木塁ペア

ー本日の試合を振り返って
佐野: 本番前の段階で言うと、2人であまり練習を合わせられていなかったのが正直なところです。ですが、互いにそれぞれ練習はできていたので1回戦は自分たちの強みを出せていたと思います。今日は相手が早稲田ということもあり、自分たちの強みであるサーブだけでは押せなかったです。あと、やっぱり重要なのが安定感。それが2人ともなかったのかなと。特に勝負どころで互いにサーブもリターンも入らなくなって、崩れてしまいました。そこでもう少しギアを上げて、勢いに乗っていくことができれば、ファーストも取れたかもしれないし、勝てたかもしれないと思います。

加藤木: 佐野さんとほとんど同じです。競った場面で自分たちから攻撃して、ポイントを取っていく。それが少し足りなかったと思います。

ーペアの強みはサーブ?
佐野: サーブですね。今回塁と組んで思うのは、サービスキープがしやすいなと。サービスゲームの安心感が強かったです。

ー敗因はどういった部分にあると思いますか
佐野: 敗因はチャンスを取りきるのに時間がかかってしまったところです。早いうちに1本とってブレイクをしておけば、ファーストセットもタイブレークまで行かなかったし、ファイナルも出だしから勢いに乗れたのかなと。やはり大事なところを1本で取れてるか取れていないかだと思います。

加藤木: 大事なところでセットポイントやブレイクポイントを決めきれないところですかね。

ーペアを組んでみていかがでしたか
佐野: サーブが強いので、前衛として少しビビリながらプレーしている僕にとって頼もしさがありました。あとは僕が現役の時に見てた時よりも、きちんと返せるようになっていたので、僕がミスをした時も塁がきちんと粘ってくれたのでやりやすかったです。

加藤木: すごく組みやすかったです。安心感がすごくあって、ストロークも安定してるし、サーブも強いし、ボレーもできるし。佐野さんが現役の時でも組みたかったなと思いましたね。

ーインカレインドアに向けて
佐野: 先輩としてしてあげられることは結果を出して来年度につなげることです。そうした今回果たせなかった役目を果たせたらいいなと思います。

加藤木: インカレインドアまで2週間ちょっとなので、やることはできるだけやりたいです。ペアは守屋さんに戻り、また佐野さんとは違った戦い方になると思うので頑張っていきたいと思います。

ーこれから2週間の具体的な取り組みは
加藤木: 主にボレーをやっていきたいです。今日もボレーを決められなかったので、しっかり決められるところは決められるように練習していきたいです。

(取材・岩田かおり/溝口真央)

男子シングルス3回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
矢島淳揮 2-0(6-3,7-5) 倉持英希(中大)

女子シングルス3回戦

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
猪川結花 0-2(3-6,4-6) 鈴木渚左(明大)

矢島淳揮

主将として初めての大会を戦う矢島。相手は1回戦で加藤木、2回戦で佐藤を倒した中大の倉持。「自分が倒さなければというプレッシャーがあった」という中で、勝負の1戦が始まった。ファーストセット。序盤から試合の流れを掴んだ矢島は第2ゲームを早速ブレイク。しかし相手も負けていない。相手のネット際のプレーと矢島のミスショットから第5ゲームをブレイクされる。しかしそこは新キャプテン。しっかりとブレイクバックすると、そのまま安定したプレーをみせ6-3でファーストセットをものにする。続くセカンドセット。積極的なプレーで第1ゲームをブレイクするも、ここから両者一歩譲らない戦いとなる。タイブレークへ突入すると、「大事な場面でいつもの積極的なプレーができた」と試合後語ったように、根気を求められる試合の中でも着実にポイントを重ね、相手のミスを引き出すようなプレーを展開。見事、自身初となるベスト8進出を果たした。

猪川結花

女子で唯一勝ち残っている新主将・猪川結花。「ものすごく苦手なタイプの相手だった」と試合後語ったように、序盤からいつもの猪川らしいプレーを展開することができない。苦しい中でもキープを続け、試合が動いたのは第6ゲーム。相手に隙を突かれ、ついにブレイクを許してしまう。そこからどうにか挽回を図ろうとするも虚しく3-6でファーストセットを落とした。続くセカンドセットは徐々にペースを取り戻し、持ち味である力強いショットを放つ。しかし、ブレイクするまではいかず、キープ続きで試合は進む。第7ゲームでは、ミスショットが重なってしまいブレイクされるも、直後第8ゲームですぐにブレイクバック。しかし再び相手の戦法に飲み込まれ試合終了。ストレート負けでベスト16で姿を消すこととなった。

選手コメント

矢島淳揮

―今日の試合を振り返って
正直総合的にみるとそんなに良くない試合でした。対戦相手の子(倉持)が1回戦、2回戦と法政の選手に勝っていて、この大会のシングルスで残っているのはもう僕だけなので、絶対負けられないなという思いから緊張して体が固くなってしましました。でも、初めてのベスト8進出を決められて素直にすごく嬉しいです!

―どんなところで体が固いなと感じましたか
自分のプレースタイルはどんどん打ってポイントを取りにいくスタイルなんですけど、今日はそういうプレーよりも消極的というか、相手のミスに期待しながらプレーしてしまったという部分で感じました。

―相手はどのようなテニスを展開してくるイメージでしたか
基本はミスらずゆっくりのボールで繋いできて、たまに前に入ってフォアのストレートを打ってから展開してくる、というのを昨日負けた佐藤から聞いていました。対策はしていたんですけど、思ったよりもボールの質が良くて対応できてなかったなと思います。

―その中で最終的に勝利につながったポイントは
4-3とかデュ―スとか、大事なポイントの時だけは積極的にプレーができたことですね。そこで強気にいけたから、競りながらも勝てたのかなと思います。

―新チームの主将に就任しました。主将として活動し始めていかがですか
正直キャプテンになる前までは、チームのことももちろん考えてはいたんですけど、それよりも自分が自分がっていう部分のほうが大きかったと思います。キャプテンになってチームのことも考えないといけないので、後輩の育成とかをしつつ、自分のテニスの時間も割かないといけないところがとても大変です。でもとてもやりがいはあるなと感じます。

―キャプテンとしてどのようなチームを作り上げていきたいですか
目標としているのは、周りから見たときに誰がキャプテンか分からないくらい部員全員が主体的に動いているチームです。もちろん僕がキャプテンとして一番にチームのことを思って、チーム力向上のためにやっていかないといけないとは思っているんですけど、それだけじゃなくてみんなが積極的にチームのために活動できるようになりたいです。

―今のチームに足りないと感じるものは
危機感ですかね。今きつい練習とかも僕から促してやっているんです。それをどうやったら自らやってくれるかなって考えたときに、必要なのは危機感を持つことだと思います。チーム目標である『王座優勝』を今のレベルじゃ達成できないから頑張ろうっていう危機感を教えるのが僕の役目なのかなと思って注力しています。

―具体的にどのように伝えていきたいですか
言葉で伝えつつも、結果を残して背中でも見せていきたいです。やっぱり結果を残していなかったら説得力が足りないじゃないですか。こういう練習をしたら強くなるからっていうのを、僕が練習メニュー組んで教えつつ、結果を出。この2つをセットにしないとみんなの意識は変えれないのかなと思っています。

―夏関ベスト4に進むためにどのように戦っていきたいですか
先ほどもいったように、今日はどちらかというと消極的なプレーをしてしまいました。でも次は消極的なプレーをすると、相手に打たれてポイントを獲ることが難しいと思います。いつもの自分らしく積極的にアグレッシブにポイントを獲りにいくっていう姿勢をみせれれば勝機はあるんじゃないかなと思います。

猪川結花

―今日の試合振り返って
自分の苦手なタイプの相手でした。私は素直に打ってきてくれる人が好きなんですけど、今日の相手はスライスとか浅いボールを打ってきたり、自分が気持ちよく打てるボールをくれなかったので、自分の調子は全然悪くないのにすごくやりにくかったです。

―試合後コーチや監督に言われたことは
監督には仕方ないというか、相性が悪かったねと言われました。でも、積極的にミスしてもボレーに出ていて良かったとも言われました。コーチには私のボールを向こうが利用して打ってきていたから、そうじゃなくて自分から打ちやすいボールが来るように作らなきゃダメだと言われました。

―夏関全体を振り返って
第4シードと高いシードだけあって、最初はプレッシャーもありました。夏関は出場者が少なく60人しかいないので、春関とかと違って1回戦からインカレに出ている強い相手と当たります。シングルスは3試合しかしていないのに疲労感がすごいです。

―新キャプテンに就任しました
キャプテンにはなったんですけど、特に気持ちの変化とかはないですね。私自身、主将っていう柄じゃなくて、後輩たちもキャプテンっていう感じでもなく普通に友達みたいな感じで接してくれます。関係性も主将になったからといって変わらないので、テニスでチームを引っ張っていけたらなと思います。

―インカレインドアへ向けての意気込みは
去年は本選の初戦で負けてしまったので、一つでも多く勝ちたいなと思ってます。

(取材・鳥越花音/溝口真央)

フォトギャラリー

試合の写真は、スポーツ法政新聞会の公式ツイッター、また公式インスタグラムに掲載いたします。

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