【硬式野球】東京六大学野球2022春季リーグ戦 第5週 明大3回戦 明大先発・蒔田の前に3安打完封負け。『血の法明戦』は第4ラウンドに突入へ

東京六大学野球2022春季リーグ戦 第5週 明大3回戦
2022年5月9日（月）
神宮球場

明大との3回戦。勝利で勝ち点を獲得したい法大のマウンドは塙雄裕（法3=常総学院）は、3回に2点を失い、序盤から明大に主導権を握られる。打線は4回に満塁の好機を作るも、無得点に。以降は明大先発・蒔田稔の前に好機を作ることができず、散発の3安打完封負けを喫した。これで明大との対戦成績は1勝1負1分けとなり、第4戦に突入する。

打線が沈黙し、完封負けを喫した

戦評

昨日の引き分けから一夜明け、確実に勝ち切りたい『血の法明戦』第3戦。選手たちからも並々ならぬ気迫が感じられる中始まった。

先発は今季、中継ぎとして幾度となくピンチを救い、日に日に信頼が厚くなっている塙雄裕（法3=常総学院）。先発としてまっさらなマウンドに上がるのは今季初である。注目の初回は、今季、ここまで首位打者と絶好調の宗山に安打を許すも、後続を打ち取り無得点に抑える。

先発・塙は上々の立ち上がり

しかし3回裏。相手先発・蒔田を先頭打者に迎えると、10球粘られ安打を許す。さらに安打と申告敬遠で満塁となると、迎えた4番・上田希由翔に中前適時打を許し2点を失う。

先制を許すも4回表。法大はすかさず好機を演出する。先頭打者の宮﨑秀太（営4=天理）が二塁打を放ち、続く2番・高田桐利（営4=広陵）は犠打を試みる。これが明大の野選を誘い、無死一、三塁に。この絶好の好機にクリーンナップを迎えるも、3番・齊藤大輝（人4=横浜）は三ゴロ、続く4番・浦和博（キャ3＝鳴門）は四球を1アウト満塁に。しかし5番・今泉颯太（法3=中京大中京）、6番・海﨑雄太（文4=埼玉栄）が続けて空振り三振に終わり、絶好の好機を生かせなかった。

満塁の好機だったが、今泉のバットは空を切った

その流れのまま相手先発・蒔田の圧巻の投球を前に、その後は好機すら作ることができず、3安打完封負け。4回表に取り切れなかった部分に悔しさが残る結果となった。

1勝1敗1分で迎える4回戦。もう後がない。しかし投手陣の力投や、8回裏の今泉の好守備、昨日同点に追いつかれた武冨陸（営3=日大藤沢）が無失点に抑えるなど、次につながる良いプレーも多く見られた。その分連投による投手陣の疲労などに懸念が残るが、そんな投手陣を助けるように法大打線の持ち味を存分に発揮し、必ず勝って、優勝への望みをつなぎたい。

昨日のリベンジを果たした武冨

（記事：伊藤朱音　写真：大井涼平）

クローズアップ：石田旭昇『追加点を許さない好救援！連投が続く投手陣、そしてチームの救世主へ！』

2点を追いかける展開で継投に入った法大。立大2回戦以来久しぶりの登板となった石田旭昇（文4=東筑）は、3番手としてマウンドに向かった。先頭打者に対してボールが先行するも、持ち前の制球力で一ゴロに打ち取る。続く打者に対しても、低めに集める投球で一ゴロに。「テンポの良い投球を」と最後はわずか2球で打球を詰まらせて三ゴロに仕留め、三者凡退に抑える。その姿はまさに『旭日昇天』。石田の座右の銘であるこの言葉を表す、朝日が登るような勢いのある好投だった。

先週の劇的な試合から一変、ここ2戦は試合をものにできず悔しい結果となったチーム。2戦先勝制での勝ち点制になった今季、投手の疲労問題から切っても切り離せない。終盤に向けてもう一度流れを呼び込むために、投手陣が踏ん張れるかどうかが勝利のカギを握っている。

これまで体作りからコントロールまで、学年が上がるごとに自分に対して多くの課題を課してきた。成長を重ねた石田にも、ついに集大成の1年が訪れた。入学時に思い描いていた「自分を起用すれば勝てる選手」へ。今季の登板はまだ2試合にとどまっているものの、今日のような安定した投球があれば今後チームを救う大きな力になるのは間違いない。石田の好投とともに、今季後半戦の道筋に光が差すだろう。

（記事・山中麻祐子）

選手インタビュー

齊藤大輝 主将