【ラグビー】独占!法大ラグビー部OBインタビュー④・石岡玲英選手 前編 /「人それぞれ」と向き合った4年間

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【ラグビー】独占!法大ラグビー部OBインタビュー④・石岡玲英選手 前編 /「人それぞれ」と向き合った4年間

 

 まもなく開幕する関東大学ラグビー秋季リーグ戦を前に、法大ラグビー部OBで、現在もトップレベルで活躍する選手4名にインタビューを行った。大学時代の思い出や、卒業後の歩み、現在のラグビーへの思いを聞き、現役部員へエールを送ってもらった。全6回にわたって、4選手それぞれの言葉をお届けする。

第4弾は、東芝ブレイブルーパスに所属し、昨年は全19試合のうち17試合に出場するなど、レギュラーとして活躍を続ける石岡玲英選手。

(以下、画像提供:東芝ブレイブルーパス東京)

 高校時代、御所実業高校(奈良)でラグビーに全力を注いでいた石岡選手。全国大会準優勝を経験し、高校日本代表にも選出された。ラグビー選手として輝かしい実績を残す一方、大学進学について当時はそこまで具体的には考えていなかったという。

「高校の時は、自分が大学生活をどうしたいかとか、あんまり考えていなくて。高校のラグビーに気合いが入りすぎていて、その先の人生は、とりあえず何とかなるやろうぐらいで考えていました。」

そんな中、法大の監督陣から声をかけてもらったことが、進学へのきっかけとなった。

 

しかし、入学後に待っていたのは、高校時代とは大きく異なる環境だった。入学したのは、新型コロナウイルスの影響が広がっていた時期。チームとして集まることもままならず、関西に戻って母校で練習する日々も続いた。さらに、高校時代は「みんなが日本一を目指す」環境だったのに対し、法政ではラグビーだけに打ち込む選手ばかりではなかった。

「思ったよりみんなラグビーに本気じゃないというか。いい意味で就活とか、外に矢印が向いてる人もいれば、ラグビーを頑張ってる人もいれば、みたいな。高校の時は、みんなが日本一を目指すチームにいたので、そういうギャップはすごく感じました。」

その違いに戸惑いながらも、1年生から試合に出場していた石岡選手には、「出ている以上は負けたくない」という思いがあった。チームを引っ張ろうとする気持ちも強く、時には上級生に意見することも。

「僕も若かったので、結構調子乗ってて(笑)。」

そんな石岡選手に対して、当時主将を務めていた根塚洸雅選手(現在:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が話を聞く場を設けることもあったという。異なる価値観を持つ仲間と向き合った経験は、後に主将を務める石岡選手のリーダーとしての土台にもなっていった。

 

その背景には、高校時代に受けた教育があった。石岡選手が過ごした御所実業高校では、ラグビーそのものだけでなく、「人としてどう成長するか」を大切にする指導が行われていた。指導者である竹田寛行監督について、石岡選手はこう振り返る。

「ラグビーを頑張っていればいいというわけじゃなくて、人として一人前の大人になっていくための手段にラグビーを使っているみたいな人でした。」

高校時代に「人としてのあり方」を学んだ石岡選手。だからこそ、法大で直面した価値観の違いにも、自分なりに向き合おうとしていた。

3年生の夏から4年生の初めの時期に、大学4年間の中でも特に苦しい経験する。3年生の頃は、上級生の数が少なかったこともあり、チームの中で自分が強く意見する場面が増えていった。「自分がチームを引っ張らなければ」という思いを抱える一方で、それが周囲との衝突につながることもあった。

「自分の中で、法政にいる僕を、この大学生活を、どう過ごしていこうみたいなのを考えたのはそのタイミングでしたね。」

4年生になって主将となった石岡選手が向き合ったのは、チームを一つにまとめる難しさだった。

法大には、ラグビーだけに生活を捧げる選手ばかりではない。就職活動など、それぞれがラグビー以外のことにも時間を使わなければならない。そんな中で、チームとしてどこまで同じ目標を共有できるのか。

「日本一っていうよりかは、もちろん大学選手権に出たい、がみんな多分心で思ってることではあったと思うので。でもその中で就活があったりとか…。僕みたいにラグビーが人生になっている人だけではなく、ラグビーは努力する何かなだけで、仕事とかももちろん決めていかないといけない人たちばっかりだったから。」

高校時代は、全員が日本一という同じ目標を掲げ、そこに向かってひたすら努力することができた。しかし、大学ではそうはいかない。

「まとめるっていうよりも、バラバラにならないようにするっていうのが、自分の中の目標になる、リーダーシップというか、必要なあり方だったんじゃないかな。」

高校時代とは異なる環境の中で、石岡選手は自身のリーダーシップのあり方を模索した。

全員が同じ方向を向き、ついてこられない人を引っ張り上げることが高校時代の主将としての役割だった。一方、法大では、全員の考えや置かれている状況を理解した上で、チームがばらばらにならないように支える必要があった。その違いに悩む中で、石岡選手には一つの不安もあった。

「自分がいる間に選手権を経験してる人が誰もいないのに、ほんまに選手権いけんのかなみたいなことはすごく思う時期があって。」

一人で抱えていた悩みを、同期のリーダーたちに初めて打ち明けた。そこで思いを共有したことで、再び「みんなで頑張ろう」と思えるようになったという。

「まとめる」のではなく、「バラバラにならないようにする」、その違いに向き合った経験は、石岡選手のとってリーダーとしてのあり方を大きく変えるきっかけとなった。

 

大学4年間を経て自身が最も成長した部分について、石岡選手は「人間的な部分の成長」だと語る。

「人間的な器といったら少し横柄なところがありますけど、そういう人との付き合い方とか考え方とかは、すごく成長したなと思います。」

ラグビーの技術だけではない。異なる価値観を持つ仲間と過ごし、時にはぶつかり、悩みながらチームを率いた4年間。その経験が、人との向き合い方や考え方を変えていった。

 

そして、その4年間を振り返る時、苦しかった思い出だけが残っているわけではない。学年での食事や、夏合宿前の決起会、バーベキューなど、石岡選手の記憶に残っているのは、仲間と過ごした何気ない時間だ。

「みんなで集まっている時が一番楽しかったかなと思いますね。」

ラグビーだけではなく、仲間と過ごした時間。その積み重ねもまた、石岡選手にとってかけがえのない大学4年間だった。

 

第5弾の後編では、現在のプロラグビー選手としての生活や、社会人になって直面した壁、そして石岡選手がラグビーにかける想いに迫る。

 

【こぼれ話】

Q, 大学時代のエピソードはありますか

A, 大学生になってパソコンで課題をやるっていうのがすごくうれしくて。パソコンで作業しながら、横にコーヒーを置いてたらかっこいいんちゃうかなと思って(笑)。

多摩キャンパスのエッグドームの3階にあるスペースみたいなところで、みんなで集まって課題をやってたんですけど、そこでセブンのブラックコーヒーを置き始めたんです。そしたらいつの間にか、コーヒーが好きになっていました(笑)。

やっぱり何事も形から入るのが一番ですね(笑)。

 

石岡玲英(いしおか・れい)
生年月日:2001年9月22日生まれ
身長/体重:177㎝/85㎏
学部:社会学部社会学科(2023年度卒)
経歴:御所実業高校→法政大学→東芝ブレイブルーパス東京

(取材:堀川風和里)

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