新型コロナウイルスによる活動停止期間を終え、チーム再始動後の初戦となったこの試合。不完全燃焼で終える形となったアミノバイタル®カップの分までリーグ戦で勝利を積み重ねたい法大は、3位の桐蔭横浜大との一戦に挑んだ。青木俊輔(社会2=東福岡)と揖斐俊斗(経済2=柏レイソルU18)、出場機会を増やす2人の2年生がともにスタメン起用。さらにボランチを担う細谷航平(社会3=サンフレッチェ広島ユース)をCB起用で対応するなど、チーム状況を加味した構成に。ベンチ入りメンバーも普段より少ない6人と、万全とは言えない中でのリーグ戦前期最終戦。厳しい状況ながらも、ここまでで5位につけている法大はより上位で折り返すために何としても勝ち点3をものにしたい踏ん張りどころを迎えた。
試合開始4分。若林龍(現福4=桐蔭学園)が相手守備を引き付け、フリーでボールを受けた渡邉綾平(経済3=前橋育英)のミドルシュートは惜しくもポストに直撃。跳ね返りを受け止めた久保征一郎(経済3=FC東京U18)がすぐさまゴールを狙うも、ゴール上に大きく外れる。さらに6分には青木が右サイドを一気にドリブルで駆け上がり、シュートまで持ち込むも枠を捉えることはできず。その後も一進一退の攻防が続き、スコアレスで折り返しを迎えた。
両者が先制を狙う後半は、相手主導の展開から始まる。その中でもうまくボールを回しながらキープし、チャンスを増やす法大。徐々に守備の隙を突いて前へとつなぎ、相手陣内に攻め入る。後半12分に若林が相手のパスをカットしすばやく攻撃に向かうと、そのままの勢いでゴール前へ。そこから中川敦瑛(経済2=横浜FCユース)のスピードを落としたボールに合わせた髙橋馨希(社会3=常葉大学附属橘)が右端へ押し込み、待望の先制点が生まれる。残り時間が少なくなり、積極的に攻撃を仕掛けてくる相手に対してGK近藤壱成(経済4=ジュビロ磐田U18)や細谷が果敢にクリア。もぎ取った1点を終始体を張った守備を見せたDF陣が守り切り、試合終了。得点を取った後の集中した守備や追加点を奪いにいく姿勢などの切り替えをチームの強みとして見せ、前期を最も良い形で締めくくる大きな1勝をつかんだ。
3位に浮上し、リーグ戦後期に向けて弾みをつけた法大。前期を振り返ると、2度の活動停止期間を過ごし開幕から2連敗と厳しい状況も多くあったにもかかわらずここまで快進撃を続けてきた。変則となった試合日程やその影響で臨機応変なチーム編成など様々な難しさもありながらこれまで戦い抜き、試合ごとに成長している。リーグ戦後期、さらに総理大臣杯を控えるチームの今後の戦いに注目だ。
(記事・山中麻祐子/撮影・二瓶堅太)
選手コメント
井上平監督
―今日の試合を振り返って
締まった非常にいいゲームだったと思います。
―普段ボランチ起用が多い細谷選手をCBで起用しましたが狙いは
どちらかというとチーム事情で使ったんですけど、今週のトレーニングの中で彼の強みとウィークポイントをしっかりと整理しながらやっていたので、今日非常にいいパフォーマンスをしてくれました。やばいなと思った所にスーパーカバーしてくれて、逆にいいところばかり出てきて、良かったかなと思います。
―ゴールキックも前線に蹴らず、後ろでつなぐというシーンが多く見られました
ビルドアップのトレーニングはしていて、相手の所の想定と後ろに(細谷)航平が入った分、技術的に高い選手が後ろにいつもよりいるので、そういった所で運べるかなと思って、運んでいこうとは言いました。結局やるのは選手たちだからそこは自分たちの判断でやってくれて、すごくいいシーンがたくさん出たので良かったと思います。
―今日の勝利で前期を3位で折り返しました
いろいろあった前期だったんですけど、選手がいい変化をその試合ごとにしてくれて、その選手の努力が最後に前期の所でいい結果で出てきたので、そこはすごくうれしいです。
―前期を折り返しましたが改めて監督をやってみて昨年までとの違いなどはありますか
(昨年までと)違いは特にないですけど、Iリーグも含めて全体をしっかりと見るようにはなりました。プレッシャーという意味では少し強くはなりましたけど、自然体でやるというのは心掛けています。
久保征一郎
―今日の試合を振り返って
決定機はあったんですけど外してしまって、チームとして勝てたことはよかったんですけど、個人としては課題が残る試合だったなと思います。
―ボールを収めるところや守備でハードワークするところが随所に見られましたが、自分の物になってきていますか
法政で求められている部分はそういうところなので、まだまだ足りない部分はあります。そこは地道に積み重ねていけば監督や選手からの信頼をさらに得られると思うので、それがチームの勝利に直結できればさらにいいのかなと思います。
―今季はここまで主力としてプレーして、自身の足りない部分など感じていますか
前期終了時点で2点しか取れていないというのはまだまだ物足りなさはあるので、ゴールに向かう姿勢、シュートの技術というのももっともっと質高めていかないと、結果に表れていかないのかなと思います。そこが明確に足りないというのは監督にも言われているので、前期は2点しか取れていないですけど、後期で爆発できるようにまた自分のプレーを見つめ直してやっていけたらなと思います。
中川敦瑛
―今日の試合を振り返って
試合前にみんなで前期最終戦を勝って3位で終わるか負けて次につなげるかという所で、勝って次の後期や大臣杯に向けてやっていこうという中で入りはすごい良かったですし、90分間通して自分たちのサッカーが出来たので良かったかなと思います。
―自身のプレーについては
後半は何本かシュートを打てたんですけど、全部(GKの)正面ということで、今年に入ってからまだ点が取れていないというのが現状なので、そこはやっぱり自分の実力なんだなというのは感じています。
―1年生から活躍し、2年生になった今年はより注目され相手からも警戒されるようになりましたがどう感じていますか
やっぱりここで結果を出さないと、1年目で結果出したのがたまたまだと思われてしまうので、自分には今すごく結果が求められていると思います。次の国士館戦とかは結果を求めてやっていきたいと思います。
―現状足りないと感じている部分は
ゴール前の質です。振り切れないとかシュートが相手に当たっちゃうという所は(監督からも)すごい言われていて、そこの相手をはがす動きだったり、自分にはまだ足りていないから点が取れないのかなとは感じています。
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