第74回全日本大学選手権大会準々決勝
2022年8月25日(木)
レクザムボールパーク丸亀
盤石な試合運びで初戦を突破した法大。次なる相手は2回戦で北星学園大をコールド勝ちで撃破して勝ち上がった同志社大。
準々決勝の先発としてマウンドに上がったのは伏見颯真(営4)。持ち味であるスピードのある球で、要所を締めた投球を見せる。しかし3回表、先頭打者に安打を許すと死球と悪送球による失策で無死満塁に。続く打者に犠飛を浴び、先制点を献上。最少失点に抑え、その後は継投でつなぐも初戦で二桁安打を放った打線が相手先発を前に沈黙。何とか好機を作りながらも、得点を挙げることができず。1点が遠く、チームはベスト8で姿を消すことになった。
試合結果
試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
同志社大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 |
法大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 |
(法大)●伏見、藤中、古川端ー澤野
(同志社大)○佐伯ー新居
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 唐橋悠太(経3) | 桐光学園 | 3 | 0 | 0 | 0 |
2 | (8) | 古屋一輝(経4) | 健大高崎 | 4 | 0 | 0 | 0 |
3 | (9) | 鈴木歩夢(社3) | 明星 | 4 | 0 | 0 | 0 |
4 | (3) | 堀尾浩誠(社4) | 報徳学園 | 4 | 0 | 0 | 0 |
5 | (4) | 高橋凌(社3) | 花巻東 | 3 | 0 | 0 | 1 |
6 | (DH) | 和泉直人(文3) | 札幌第一 | 3 | 2 | 0 | 0 |
7 | (5) | 須賀椋也(現2) | 新田 | 3 | 1 | 0 | 0 |
8 | (7) | 関宮楓馬(社2) | 静岡 | 3 | 0 | 0 | 0 |
R7 | 大塚海斗(社1) | 鳴門 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
9 | (2) | 澤野智哉(社3) | 国士館 | 1 | 0 | 0 | 1 |
P | (1) | 伏見颯真(営4) | 帯広緑陽 | ー | ー | ー | ー |
1 | 藤中壮太(社2) | 鳴門 | ー | ー | ー | ー | |
1 | 古川端晴輝(社2) | 花巻東 | ー | ー | ー | ー |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|
伏見 | 5 | 2 | 2 | 1 | 1 |
藤中 | 2 | 1 | 2 | 2 | 0 |
古川端 | 2 | 1 | 4 | 2 | 0 |
戦評
投打の活躍で初戦に快勝し、迎えた同志社大との準々決勝。伏見颯真(営4)が先発を任され、西の強豪との一戦に臨んだ。
初回は三振を奪った後、初安打を許すも落ち着いて併殺に抑える上々の立ち上がり。
一方打線は相手先発のテンポの良い投球に苦しめられ、なかなか本領が発揮できず。
試合が動いたのは3回表。先頭打者に安打を許すと、続く打者を死球で出塁させてしまう。ここで相手の犠打を処理する際に、二塁走者の走塁死を狙った送球が逸れる。痛恨のミスで無死満塁の窮地を迎えると、初球を外野に運ばれ犠飛で先制されてしまう。しかしその後は2者を内野ゴロに打ち取り、流れを渡さず攻撃へ。
同点に追いつきたい法大は、先頭打者の須賀椋也(現2)がこの日チーム初安打で出塁。しかし、後ろが続かず得点には結びつかない。
その後は両投手の粘り強い投球で互いに譲らない展開が続く。
試合を動かそうと、6回表からチームは早めの継投に入る。マウンドに上がったのは、前日に9回を投げ切った藤中壮太(社2)。打者に粘られながらも、気迫のこもった投球で2回を無失点に抑える。
投手陣の頑張りに応えたい野手陣は、6回裏に1死から9番・澤野智哉(社3)がストレートの四球を選んで出塁。上位打線に回り、唐橋悠太(経3)が犠打で得点圏に走者を進める。前日に2本の適時打を放った主将・古屋一輝(経4)につなげるも、相手も簡単には得点を許してくれず。また7回裏には2死から5番・高橋凌(社3)が死球を受け、続く和泉直人(文3)が2本目の安打を放つ。立て続けに1打同点の場面を生むも、好機を生かしきれなかった。
8回表からは3番手・古川端晴輝(社2)が登板。走者を背負いながらも、リーグ戦で何度もピンチを抑えた経験を生かした冷静な投球が光る。2回を抑え、最後の攻撃へとつなげた。
中軸で迎えた9回裏。しかし力を振り絞る相手投手を前に3番・鈴木歩夢(社3)、4番・堀尾浩誠(社4)が倒れてしまう。勝負強い高橋に望みを託すも、快音を響かせることはできず。1-0で試合終了を迎えた。
勝利には一歩届かなかったが、春から一回り成長した姿で熱い戦いを見せてくれたチームにスタンドからは大きな拍手が送られた。
4年生にとっては最初で最後の全日本大学選手権を終え、いよいよラストシーズンへ。再びチーム一丸となって、秋季リーグも突き進んでほしい。
(記事:山中麻祐子/写真:田中さや)
3番手・古川端は2回を無失点に抑えた
選手インタビュー
本間隆洋監督
ー今大会を振り返って
やっぱりリーグ戦と違ってトーナメント戦ということでこういう試合になるとまだまだチームのひ弱さが目立ちました。全国(大会)で連戦を勝ち抜くたくましさというのはコントロールをきちっとして、根気強く練習の中で身につけていかないと勝てないんだなというのが改めてわかりました。
逆に言えば9回まで1点に抑えた、何とか粘れたというのがよかったんですけども、ただ1-0で負けているので。あの1点をやった過程ですよね。やっぱりやってはいけないことが2つ3つ重なって、最後はピッチャーのフィールディングでの送球エラーですね。だから結局やっぱりある程度競った状態で、レベルがある程度のところになるとお互いミスをした方が負けが近づいていくと。本当にいい勉強になった、1-0というスコアの中にあの数字以上のものが詰まっている試合でした。とにかく今日の試合は「スコア含め忘れるな」と、そういう形で最後ミーティングで言いました。
昨日はまさに藤中(壮太、社2)がこれ以上ないというピッチングをしてくれました。あとは藤中という名前が挙がるんですけど、キャッチャーの澤野(智哉、社3)ですね。やっぱり澤野のリードがきちっと藤中のいいところを引き出していたと。ピッチャーだけに光が行きがちなんですけども、藤中・澤野のセットで、このバッテリーで守備を作ってくれたというゲームでしたね。
ある程度学生コーチ含め事前にすり合わせはするんですけど、昨日あれだけ藤中が投げていますので(先発は)不可と。じゃあリーグ戦同様、伏見(颯真、営4)が行きますね。とりあえず連戦で、トーナメントで負けたら終わりなので突っ込んだところまではとにかく勢いよく突っ込んで、だめだったら藤中、あとは古川端(晴輝、社2)で蓋をしていこうと。事前に一応そういうゲームプランは作って臨みました。
固さというよりかはミスをしてはいけないというところがあるので、選手は逆に自然と緊張感を持ってゲームに入っていってくれるというか。その辺は割と勝手な解釈なんですけど、心配していないですね。勝っていくうちに緊張感も勝手に高まっていくという、その辺は割とうちの部員は持ち合わせていると(思います)。
主将でもありますし、実際にプレー面でチームの中心としての役割ですね。本来古屋は2番バッターなので(初戦の3打点は)役割ではないんですけどね、(塁に)出てつなぐ側なんですけど。違う役割になってしまったんですけども、それをうまくリカバーしてくれて昨日4点中3点ですかね。非常に助かりました。昨日は古屋と一応名前挙げておきたいんですけど、関宮(楓馬、社2)ですね。本当に脇役の2人がうまく点数を作って、ゲームを作ってくれたというそういう試合でした。
粘れるチームになってきたというのは間違いないですね。特にピッチャー陣は手薄ですね。藤中、伏見、古川端のほぼこの3人で、それにちょっと中野(颯太、経1)が入るくらいです。(春は)3人で回したので、最初はどうなるかなと思ったんですけどいろいろな意味で試合で踏ん張れるメンバーが少なくなっている分本人たちが自覚を持って割とぐっと苦しい時でも今日もそうなんですけど、古川端も危なかったですけどね、ああいう結果オーライの部分もあるんですけども、結果的には点数をあげずに0で帰ってくるという、野球はそれでいいと思うんですよね。いくら気合いが入っていても点数を取られてしまう人は取られてしまうので気持ちが入った状態でリーグ戦からずっと来ることができたのでその辺の粘れるという成長ですね。
開幕週が東京大学との試合ですね。ここもまず抜かずに1年後の全日本選手権出場を見据えて替えるメンバーは替えて、新しい戦力の発掘もしないといけないですし。より強い法政大学を見せられるように人材発掘に努めて、いいチームを作って2か月後に優勝、連覇を飾れるように部員たちと頑張りたいと思います。
伏見颯真
自分のバント処理がうまくできなかったことに尽きると思います。良くなかったです。
藤中、古川端ともにこの全日に向けて、合宿とか練習とか一生懸命やってきて、上手に調整できていました。実際に試合で投げている2人の姿を見て、やっぱりすごいピッチャーだなと思って見ていました。
自分は「弱小校から日本一」というスローガンでやってきたんですけど、その一つの目標、夢をあと一歩のところで叶えられなかったことが悔しいです。でも、初めて全国大会に出られて、楽しかったというのが1番です。澤野を信じて投げられました。
次は僕が完封するくらいの投球を見せて、優勝します。
澤野智哉
ー今日の投手陣を振り返って
3人とも本当によく投げてくれました。ピッチャー陣は、100点です。
事故が少ないものを選択していこうと意識していました。ピッチャーを信じて、全体的には2、3点はいいかなと思って試合には臨んでいました。
ピッチャーに力があって、(法大)打線は力不足で、という一言に尽きます。
ここを目標にやってきて、優勝したくて。ピッチャーには口うるさく色々なことを言って、何を思われているかわからないですけど、本当によく投げてくれて。打線で点を取ってあげられなくて、申し訳なかったです。
優勝します。