関東大学リーグ戦1部
対立正大
2022年11月13日(日)
足利ガスグラウンド
前節、まさかの大量失点で痛い2敗目を喫した法大。絶対に勝利が欲しい今節の相手は今シーズンの台風の目・東洋大。先制トライが欲しかった法大だが、前半序盤から2トライを奪われてしまう。28分に1トライを返すも終了間際にトライを許し、前半を8-19で折り返す。後半も相手に先にトライを許すが、石岡と竹部のトライで4点差まで追い上げ、一気に逆転ムードに。しかし東洋大の粘りの守備の前に1トライが遠く、22-26で惜敗となった。
試合結果
トータル試合結果
22 法大 |
8 | 前半 | 19 | 26 東洋大 |
---|---|---|---|---|
14 | 後半 | 7 |
ポイント詳細
1/2 | T | 3/1 |
---|---|---|
0/2 | G | 2/1 |
1/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:熊田、石岡、竹部 G:熊田2 PG:熊田 |
※前半/後半、得点者は法大のみ記載
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 石母田健太 | 4 | 國學院栃木 |
2 | HO | 井口龍太郎 | 4 | 静岡聖光学院 |
3 | PR | 河村龍成 | 4 | 明和県央 |
4 | LO | 竹部力 | 3 | 大分舞鶴 |
5 | LO | 細川幹太 | 1 | 國學院久我山 |
6 | FL | 吉永昴生 | 4 | 東福岡 |
7 | FL | 山下武準 | 3 | 法政二 |
8 | NO.8 | 佐々木康成 | 4 | 大分舞鶴 |
9 | SH | 小山田裕悟 | 1 | 桐蔭学園 |
10 | SO | 熊田経道 | 3 | 大阪産業大附属 |
11 | WTB | 小高巧 | 4 | 目黒学院 |
12 | CTB | 金侑悟 | 2 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 高城喜一 | 3 | 金光藤蔭 |
14 | WTB | 坂田龍之介 | 4 | 東海大仰星 |
15 | FB | 石岡玲英 | 3 | 御所実業 |
16 | Re | 徐和真 | 4 | 大阪朝鮮 |
17 | Re | 中野一樹 | 3 | 國學院栃木 |
18 | Re | 渡辺明志 | 2 | 佐賀工業 |
19 | Re | 渡部創太郎 | 3 | 桐蔭学園 |
20 | Re | 寺前琉達 | 2 | 報徳学園 |
21 | Re | 北川拓来 | 1 | 昌平 |
22 | Re | 北川直宏 | 2 | 桐蔭学園 |
23 | Re | 椎葉脩嗣 | 3 | 日向高校 |
戦評
大量失点でまさかの敗北を喫した立正大戦から2週間。大学選手権出場に向けて後がなくなった法大の今節の相手は台風の目・東洋大。29年ぶりの1部昇格ながら開幕戦で東海大を倒すなど、今シーズンの大学ラグビー界を賑わしている。東洋大の特徴はなんと言ってもFW陣。リーグ屈指の体格を誇り、両校の今節のスタメンFWの平均体重を比較すると、10キロ近くも差がある。フィジカルを武器に挑んでくる相手に、法大がどこまで自分たちのラグビーをできるか。スクラムなどのセットプレーが勝利へのひとつのカギとなる。
そんな法大のスタメンは立正大戦から4人を入れ替えて臨む。FWではルーキーのLO細川幹太(1)が4試合ぶりに先発出場。これまでLOとしての出場が主だった佐々木康成(4)はNo.8での出場となった。BK陣では、WTBの小高巧(4)とCTBの高城喜一(3)が今シーズン2度目の先発出場となった。また、徐和真(4)が今シーズ2度目のベンチ入りをし、吉永昴生(4)との共同主将が揃った状態で重要な一戦に臨む。
寒空の中キックオフの笛がなると、序盤からスコアが動く。6分、東洋大に自陣深くまで攻め込まれると、ラックから守備が手薄になった外側へ一気に展開されそのままトライを許す。その後も相手のテンポの早く勢いのある攻撃の前に守備に追われる。19分にはフィジカルを活かした攻撃で攻め込まれ、インゴール中央付近にトライを決められる。なんとか反撃したい法大も徐々に敵陣で攻撃を組み立てていく。すると28分、フェーズを重ねながらジリジリと敵陣ゴール前まで攻め込んでいくと、SOの熊田経道(3)がパスするふりをしながら持ち込み、最後は相手のタックルを受けながらもインゴールに手を伸ばしトライを奪う。しかし前半終盤の38分、22mライン付近でのスクラムでペナルティーを取られると、相手にタップキックでリスタートされ、そのまま一気にラインブレイクを許しトライを奪われる。法大も前半ラストプレーの45分に熊田のセンターライン付近からのロングPGで3点を返すも、8-19でリードされて試合を折り返す。
果敢な攻めを何度も見せた高城
後半、逆転に向け早い時間にトライを取りたい法大だったが、56分、体格で上回る外国人留学生に1人でラインブレイクされ、トライを許す。CKも決められ点差は18点に。しかしここから法大の反撃が始まる。64分、自陣5mラインで熊田が左サイドにロングパスを通すと、それを拾った坂田龍之介(4)が走り出し、高城喜一(3)とのパス交換で一気にセンターライン付近まで攻め上がる。ラストは最後方からサイドを駆け上がっていた石岡がパスを受け、相手選手を1人かわしながら50m以上を走り切ってのトライを決める。さらに78分、敵陣5mラインでの法大ボールのスクラムを起点に最後は竹部力(3)が相手のタックルを受けながらもトライをねじ込む。CKも決まり点差は4点に。1トライで逆転できる点差まで追い上げ、会場は法大の逆転ムードに。81分、敵陣22mライン付近でラインアウトを獲得するも、タイミングが合わず相手にスティールされてしまい、絶好のチャンスを逃す。その後も東洋大の粘り強い守備を崩すことができず、無情にもノーサイドのホイッスル。終盤に脅威の追い上げを見せるも、あと一歩及ばず22-26で惜敗となった。
連携から見事なトライを決め切った石岡
あと一歩というゲームだった。一時は点差を18点まで広げられるも、粘りのプレーで4点差まで追い上げ、一気に流れを手繰り寄せた。しかし、あと1トライが遠かった。新宮孝行監督も「あそこであの流れは逆転できる流れだったにも関わらず、出来なかったいうのは力不足」と語るように、終盤に獲得したラインアウトのチャンスでのミスが敗戦に繋がってしまった。
法大はこの試合の結果、最終戦を残して5年ぶりの大学選手権出場を逃すかたちとなってしまった。
今シーズンのリーグ戦も残すところあと1試合。法大の最終戦の相手は好調・流経大。今シーズンここまで1敗しかしておらず、東海大に次ぐ2位につけている難敵だ。しかし春季大会で対戦した際には38-29で法大が勝利しており、相手へのイメージは悪くない。
4年生にとっては大学ラストゲームとなる次戦。4年間の集大成を勝利で飾り、来シーズンへと繋がる試合をしてもらいたい!
(記事・写真:板倉大吾)
記者会見
新宮孝行監督、吉永昴生(4年・FL・東福岡)、石岡玲英(3年・FB・御所実業)
—試合を振り返って
新宮監督:10月31日にコロナが発生してうまく練習が出来なく、今週の火曜日から再会をしたんですけど、そんなに甘くないなというのは率直な気持ちです。やっぱりきちんと準備をしていないとなというのは凄く感じました。ただその中でいくつかチャンスがあったんあですけど、まず前半は自分たちのミスで得点をされたということで、後半の逆転するムードのところで細かいミスをした、ラインアウトですね。そういうところはまだまだウチの強くないところかなと思います。あそこであの流れは逆転できる流れだったにも関わらず、出来なかったいうのは力不足かなと感じています。
吉永:コロナの件もあった中でも1週間今まで以上に良い準備をしてきたと思っていたんですけど、今日の試合でそれが100%出せたかと言われるとそうじゃないし、やってきたことはしっかりやれたつもりなんですけど、ラインアウトとかそういうところで上手くいかなかったことで試合の流れが悪くなったりだとか、そういう時に修正できなかったのがウチの弱いところかなと思いました。ラストの流経戦に向けて修正できるところは修正して、勝ってシーズンを終われるようにしたいと思います。
石岡:勝つための準備をしてきて、最後の最後まで勝てるという状況を作ったままゲームを持ってこれたというのは準備してきた通りだったんですけど、その中でどのタイミングでどの準備してきた部分を出すかというところで東洋大学さんの方が一枚上手だったのかなと。慢心していた訳ではないですけど、準備してきたことのみで勝負しようとしてしまって、その場の状況で判断したりとか、臨機応変な部分は競ったゲームを勝ち取ってきた東洋大学さんの方が上手で、その部分で負けてしまったのかなという感じはあります。良い学びになったのかなとは思うので、次の試合、来年、再来年というふうに若く出ている選手が次に繋げられる良いゲームにはなったんじゃないかなと思います。
—ラインアウトでスティールされた要因は
吉永:ラインアウトでいうと東洋さんは身長が高かくて上げるスピードも高いところで、自分たちが低いラインにやってきたスピードというところで上回られて取りやすいところに投げてしまって、そこでやられてしまったのかなと思います。
—自身のプレーの評価は
石岡:前半キックゲームのところで自分のミスから自陣に入られることが多くて、細かいミスから最後スコアで終わられてしまうのが目立ったので、そこはFBとして出場させてもらっている以上してはいけないことをしてしまったなというふうに受け止めているので、次の試合に向けてこれから修正して、マイナスな部分だけじゃなくて自分のキックでエリア取れたとこもあればランでゲインしたところもあったので、良いところ悪いところしっかり判別つけて、終わりではないので次に繋げていけるようもう1回いちから練習していかないとなと思います。
—スクラムでは勝つ部分も見られましたが
吉永:夏合宿の時は東洋さんにスクラムにところでコテンパにやられてしまったんですけど、今回自分たちで修正できて東洋さんにリベンジっていう形で勝つことができたことが強みになったというか、来年にも良い経験をすることが出来たんじゃないかなと思います
—後半最初にトライを取られた後の選手同士の話し合いは
石岡:トライ取られた後に何かをするとなった時、たくさんのことは出来ないので 、1週間時間がなかった中で勝つために準備してきたところを見直すためのトークをしていました。「ちょっとでも前に出よう」とか「内側に寄ってしまって逆を突かれているから外側に立とう」とか自分たちが勝つために準備してきたキーワードのところだけをしっかり振り返って、いっぱいいっぱいになるんじゃなくて頭をクリーンにしてやる事を明確にするトークをしていました。