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【水泳】ジャパンオープン2022(50m)④ 200m平泳ぎで6位の山尾、苦境続くも「一つ一つ丁寧に課題をクリアしていきたい」と前を向く!

ジャパンオープン2022(50m)
2022年12月1日(木)〜12月4日(日)
東京辰巳国際水泳場

大会最終日、200m平泳ぎに出場した山尾隼人(経3)は2分11秒21で6位。自身が設定した目標に及ばず悔しさを滲ませた。それでも4月の日本選手権に向け「最低でもワールドユニバーシティゲームズの代表に入れるように」と気持ちを切り替えた。

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スランプからの復調を目指す

Close Up

山尾隼人

山尾は自らの心と戦っている。世界選手権の代表選考を兼ねる日本選手権まであと約4ヵ月。候補選手が揃った200m平泳ぎで、優勝した花車優(キッコーマン)から2秒以上離されて6位に終わった。「4月に勝負するためには、まだまだ実力不足だと痛感した」。レース後、じっと現在地を見つめた。

先月、インターナショナル合宿に参加し、今年の世界選手権で銀メダルを獲得した花車と共に練習を積んだ。そこで「ベースの部分が全く違うと感じさせられた」という。日数を重ねるごとに練習の質を高めていったメダリストに対し「僕はそれができなかった」。世界を、身をもって知った。

これまで一貫して目標は「日本代表」と宣言してきた。下級生の頃は泳ぐ度に自己ベストを更新。2年時には東京五輪代表選考レースで中盤まで格上の選手らに食らいつき「徐々に世界が手の届くところまで来ている」と確かな手応えを掴んだ。しかしそれ以降、差を縮めることができていない。

10月の試合後「スランプに近い状態」と明かした。今は、新たな泳ぎを模索している最中だ。合宿中、北島康介さんを育てた平井伯昌コーチから助言を受け、「掻き続けるフォーム」から「一瞬ストリームラインを作る」泳ぎへの改良を決めた。定着させるには更なる練習が必要だが、「感覚の割にタイムが早い」と復調の兆しを見せる。21年4月以来遠ざかっている200m平泳ぎの記録更新に向け、「がむしゃらにやっても意味がない。違う角度からアプローチをかけていく」と冷静な目で自分を見つめる。

24年のパリ五輪を最大の目標にしている。だからこそ、焦りも、迷いも既に断ち切った。「一つ一つ丁寧に課題をクリアしていきたい」。その先に、新しい景色が待っていると信じて。(根本 成)

選手インタビュー

山尾隼人

ー 大会を終えて今の心境としてはいかがですか
今回のジャパンオープンはアジア選手権の選考がかかっていて、選考の条件が大学4年生までの中で1位に入ることでした。そこを目指して臨みましたが、順位に関しても、タイムに関しても狙った所からかけ離れてしまい、思い通りにいかなかったなという気持ちです。

ー 前回お話を伺った時はスランプの状態と仰っていました
11月に3週間ほどインターナショナル合宿に参加して、北島康介さんを育てた平井伯昌先生にご指導を受けました。また、今年の世界選手権で銀メダルを獲得した花車優選手とも練習をしました。合宿中に泳ぎの面でアドバイスをいただいて、自分の中でしっくりくる泳ぎができるようになりました。改善の方向性が見出せたので、収穫のある合宿になりました。

ー 合宿を通して気づいた点はありますか
花車選手と一緒に練習をして、ベースの部分が全く違うと感じさせられました。ウエイトトレーニングが週4回ありましたが、僕は体がもたなくて途中で腰を痛めてしまいました。また水中練習で花車選手は、合宿の日数を重ねるごとに質を高めていました。僕にはそれができませんでした。彼に比べると僕はまだまだベースが低いことが分かりました。

ー 今大会では記録としてはどれくらいを狙っていましたか
コンディションからしてベストが狙える状態ではなく、100mでは1分00秒5、200mでは2分10秒5を狙っていました。ベストまでは行かなくともより近いタイムで泳ごうと考えていました。

ー 100mのレースを振り返っていかがですか
100mに関しては良かった点がなくて、終盤テンポを上げた時に泳ぎがはまっていない感覚がありました。焦ってしまったのが反省点です。

ー 200mのレースを振り返っていかがですか
正直、前半の100mは1分02秒台で入りたかったです。でも現状からして妥当なのかなとも思います。良かったことは、ラップを4つに分けた時の後ろの3つが33秒台で揃えられたことです。僕は最後のラップが落ちてしまうことが多かったので合宿の成果が出たのかなと思います。ただ、トップの選手と戦うにはもう一段高いレベルで揃える必要があります。花車選手は32秒台で上がってくるので、ベースの部分の強化がこの冬は大事になってきます。

ー 200m平泳ぎで記録更新のために大切になってくることは何ですか
今は自分の持ち味である攻めの泳ぎが出せていなくて、磨きもかけられていません。がむしゃらにやっても意味がないので違う角度からアプローチをかけてやっていこうと考えています。

ー 合宿ではどういった取り組みをしましたか
僕の泳ぎは動きを止めないように、ずっと掻いているようなフォームだったのですが、平井先生から掻き続けるのではなく、一瞬ストリームラインを作ることを意識し、ストローク数を減らすようにしてみたらとアドバイスをいただきました。それが自分の中でしっくりきていて、感覚の割にタイムが意外に早いと感じています。今はその泳ぎを定着させるために取り組んでいます。

ー 4月には日本選手権が控えています
4月に勝負するためには、まだまだ実力不足だと今回痛感しました。ここからの3ヵ月が強化期間になりますが、焦っても仕方ないので一つ一つ丁寧に課題をクリアしていきたいです。ベースの部分の強化もそうですし、ドローインの状態をキープできず、キックが入らないことも課題なので一つ一つ潰していきたいです。

ー 4月に向けて意気込みをお願いします
4月は最低でもワールドユニバーシティゲームズの代表に入れるようにしたいと考えています。僕は遠征に行ったことがあまりないので、海外の経験を積むためにも何が何でも代表権を獲りたいです。

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