東京六大学野球2023春季リーグ戦 対早大
2023年5月6日(土)、5月7日(日)
神宮球場
開幕から2カードで勝ち点を2つ獲得し、順調かに思えた。しかし、3カード目の明大戦は2連敗で勝ち点を落とした。主将の今泉颯太(法4=中京大中京)は明大戦を終えて「初回の入りから試合終了までの粘り強さを追求して取り組みます」と早大戦に向けての準備はもう始まっている。その早大はここまで4戦4勝と絶好調。勢いのある打線と巧みな投手起用で確実に白星を重ねている。波に乗る相手から勝ち点を獲得して再浮上のきっかけへ。優勝へもう1つも落とせない。法大の「粘り強さ」が発揮されるのはここからだ。
今季リーグ戦日程、結果
明 | 早 | 慶 | 立 | 法 | 東 | |
明大 | ―― | 5/13 5/14 |
△0-0 ○5-1 ●4-5 ○5-2 |
5/20 5/21 |
○5-4 ○3-0 |
○3×-2 ○6-3 |
早大 | 5/13 5/14 |
―― | 5/27 5/28 |
○8-2 ○11-3 |
5/6 5/7 |
○9-1 ○14-1 |
慶大 | △0-0 ●1-5 ○5-4 ●2-5 |
5/27 5/28 |
―― | 5/13 5/14 |
●0-10 ○3-2 ●1-4 |
○11-3 ○3-0 |
立大 | 5/20 5/21 |
●2-8 ●3-11 |
5/13 5/14 |
―― | △1-1 ●1-2 ●3-4 |
5/6 5/7 |
法大 | ●4-5 ●0-3 |
5/6 5/7 |
○10-0 ●2-3 ○4-1 |
△1-1 ○2-1 ○4-3 |
―― | 5/20 5/21 |
東大 | ●2-3× ●3-6 |
●1-9 ●1-14 |
●3-11 ●0-3 |
5/6 5/7 |
5/20 5/21 |
―― |
早大戦展望
『血の法明戦』は2連敗で終わった。しかし、もう次のカードはすぐ近くに迫っている。
第5週の相手は早大。ここまで2カードを終えて勝ち点2、しかも4戦4勝と勢いに乗る相手だ。
好調の要因はなんといっても打線。プロ野球でも多くの選手を育成し、その理論に定評のあった金森栄治氏を今季から助監督に招聘すると、その効果が早くも表れる形となった。チーム打率は.374と六大学で唯一の3割越えと打者陣の好調が躍進を支えている。中でも、上位打線を担う尾瀬雄大、中村将希、熊田任洋、印出太一の4名がリーグ打率上位を独占しており、3番の熊田は打率.533で首位打者に立つ。さらには下位打線にも山縣秀や小澤周平といった力のある打者が並び、上位から下位打線まで一切切れ目のない打線が作り上げられている。
絶好調の熊田に要警戒だ
その強力打線を封じ込められるか。法大が誇る左右の柱に期待がかかる。左の柱である尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)はここまで主に第1先発として起用されてきたが、ここ数試合早い回でマウンドを降りる場面も見られた。今一度力強い直球とブレーキの利いた変化球のコンビネーションによる快投が待ち望まれている。右の柱・篠木健太郎(営3=木更津総合)はここまで主に第2先発として起用され、勝ち点のかかった第2戦などで好投してきた。早大相手には昨春に9回14奪三振と圧巻の投球を披露しており、再びの奪三振ショーに期待がかかる。
篠木の投球で勝利に導く
早大に息づく教えである「一球入魂」。それを体現するかのように手堅く、確実に1戦1戦を戦ってくる。そして法大は“今泉世代”の下、「一球にこだわるチーム」を掲げるように、両校ともに勝利を目指し、貪欲に1球に食らいついてプレーを繰り広げる。選手の全身全霊が詰まった「1球」を見逃すな。
(皆川真輝)