【硬式野球】東京六大学野球秋季リーグ戦 対早大展望
東京六大学野球秋季リーグ戦 対早大戦
2015年10月17日(土)~
神宮球場
3カードを終えいまだ勝ち点1。優勝の望みが断たれてしまった法大は、春の覇者・早大との顔合わせとなる。早大との対戦成績は現在6連敗中と分が悪い相手ではあるが、リーグ最多優勝回数44度で並ぶ宿敵に対し、法大の意地を見せたいところだ。
展望
前カードの立大戦で勝ち点を落とし、優勝の望みが断たれてしまった法大。秋季リーグ戦4カード目に対するは、今春圧巻の強さで完全優勝を果たした早大だ。しかし、春秋連覇を狙う王者もここまでは本調子とは言えない戦いを強いられている。開幕カードの東大戦では苦しみながら勝ち点を奪うも、明大戦では粘り切れず連敗。連覇の可能性を残しながらも苦しいリーグ戦となっている。
切れ目のない打線でチーム打率.312という圧倒的な数字を残した春から一転、猛打の原動力となった強力クリーンアップに元気がない。首位打者を獲得した4番丸子達也と、丸子に次ぐ打率2位の3番茂木栄五郎は、ここまで共に打率1割台と不振にあえでいる。そんな中で孤軍奮闘を続けているのが重信慎之介だ。打率は4割を超え、不動のトップバッターとして好機を演出し続けている。不振とはいえ、一発長打を秘める中軸は脅威。リードオフマンの出塁を抑え、走者をいかに背負わずに打席に迎えられるかが鍵となる。
先発には昨季4勝、最優秀防御率を獲得した大竹耕太郎の復帰が有力視される。前カードでは中継ぎながら好投を見せ、復調をアピール。春の優勝へ導いたエースが本来の場所に帰ってくる。続く投手にも左腕の小島和哉、アンダースローの吉野和也といった多彩な面々が並び、投手陣は盤石だ。
法大の先発には熊谷拓也(キャ2)、菅野秀哉(キャ1)の顔ぶれが予想される。菅野は1年生ながら立大戦では1回戦に先発、2勝目を挙げた。熊谷も徐々に本来の投球の取り戻しつつある。玉熊将一(法3)は立大戦で復調の兆しを見せたものの、ここまで不安定な投球が目立つプルペン陣。火曜に行われた立大3回戦から早大1回戦まではわずか中3日と先発投手のコンディションも心配されるだけに、中継ぎ陣の奮起は不可欠だ。
打撃面では「決定打不足」が懸念される。敗れた立大2、3回戦では共に10本の安打を記録しながら奪った得点はわずか2。開幕から全試合で安打を放ち、打率.371と好調の畔上翔(キャ4)を筆頭に、打率3割超えの選手はリーグ最多の5人。好機がつくれていないわけではない。ここぞの一打で神宮球場を沸かせるシーンは見られるだろうか。
「法政大学野球部として、上の順位を狙おう」。立大3回戦後、指揮官がナインに掛けた言葉だ。悲願達成を逃したとはいえ、まだシーズンが終わったわけではない。今年は創部100周年のメモリアルイヤー。法大のプライドにかけ、このまま終わるわけにはいかない。(川畑あかり)
予想オーダー
早大
打順 | 位置 | 選手(学年=出身校) | 率 | 本 | 点 |
1 | (9) | 重信(4=早稲田実) | .409 | 1 | 2 |
2 | (4) | 河原(4=大阪桐蔭) | .261 | 0 | 3 |
3 | (5) | 茂木(4=桐蔭学園) | .150 | 1 | 4 |
4 | (3) | 丸子(4=広陵) | .136 | 1 | 3 |
5 | (6) | 石井(3=作新学院) | .158 | 0 | 2 |
6 | (2) | 道端(4=智辯和歌山) | .364 | 0 | 2 |
7 | (8) | 中澤(3=静岡) | .095 | 0 | 1 |
8 | (7) | 川原(4=掛川西) | .133 | 0 | 0 |
9 | (1) | 大竹(2=済々黌) | .000 | 0 | 0 |
法大
打順 | 位置 | 選手(学年=出身校) | 率 | 本 | 点 |
1 | (4) | 若林(4=桐蔭学園) | .308 | 2 | 3 |
2 | (8) | 大西千(1=阪南大) | .308 | 1 | 4 |
3 | (9) | 畔上(4=日大三) | .371 | 1 | 4 |
4 | (5) | 金子凌(3=日大三) | .233 | 1 | 5 |
5 | (3) | 柴田(3=東邦) | .258 | 1 | 4 |
6 | (7) | 蔵桝(4=広陵) | .333 | 2 | 6 |
7 | (6) | 佐藤竜(4=作新学院) | .207 | 0 | 3 |
8 | (2) | 森川(3=桐蔭学園) | .310 | 0 | 6 |
9 | (1) | 菅野(1=小高工) | .300 | 0 | 1 |
主な投手陣
早大
選手(学年=出身校) | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 振 | 防 |
大竹(2=済々黌) | 3 | 0 | 1 | 11 | 5 | 2.45 |
小島(1=浦和学院) | 5 | 1 | 0 | 13 2/3 | 11 | 1.32 |
吉野和(3=日本文理) | 2 | 1 | 0 | 14 | 4 | 3.21 |
竹内(3=松阪) | 3 | 0 | 0 | 8 | 6 | 4.50 |
北濱(2=金沢桜丘) | 2 | 2 | 0 | 6 | 4 | 0.00 |
吉永(4=日大三) | 1 | 0 | 1 | 2 1/3 | 3 | 3.86 |
法大
選手(学年=出身校) | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 振 | 防 |
菅野(1=小高工) | 4 | 2 | 1 | 23 2/3 | 18 | 2.28 |
熊谷(2=平塚学園) | 6 | 1 | 3 | 27 1/3 | 15 | 3.95 |
青木勇(4=智辯和歌山) | 6 | 0 | 0 | 11 2/3 | 8 | 3.86 |
浅野(4=中京大中京) | 5 | 1 | 0 | 8 | 10 | 4.50 |
玉熊(3=北海) | 5 | 0 | 1 | 7 | 6 | 11.57 |
川名(4=安房) | 2 | 0 | 0 | 1 1/3 | 1 | 0.00 |
上條(1=市立川越) | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | — |
※記録はいずれも10/13現在の成績です
フォトギャラリー
- 復活を遂げたエース大竹
- 開幕投手を務めた吉野和
- ルーキーながら先発に定着した小島
- 好守でけん引する主将の河原
- リーグ2位の高打率を記録する重信
- ドラフト上位指名も濃厚な茂木
- 不動の4番を担う丸子
- 5番に座る石井も長打を秘める