【準硬式野球】第37回関東地区大学・社会人準硬式野球王座決定戦1回戦 対三井住友海上火災保険 藤口の一発と末次の完投で僅差のゲームを制す!「関東王者」へ準決勝進出!
第37回関東地区大学・社会人準硬式野球王座決定戦 1回戦 対三井住友海上火災保険
2015年11月1日(日)
法大多摩グラウンド
各リーグ優勝校と社会人チームが入り乱れて、「関東王者」の称号を争う関東王座。
初戦の相手は三井住友海上火災保険となった。
初回、藤口の2点本塁打で先制すると、その後はエース末次の粘投で最少失点に抑え、辛勝。
準決勝へ駒を進めた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
三井住友海上 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 |
法 大 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | × | 3 | 7 | 0 |
(三井住友海上)●小林、佐伯ー金子
(法大)○末次ー佐藤
本塁打:藤口(1回)
二塁打:萩原(1回)、前川(4回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 萩原幹斗(社2) | 報徳学園 | 3 | 2 | 0 | 1 |
2 | (4) | 藤口帝(社2) | 遊学館 | 2 | 1 | 2 | 2 |
3 | (6) | 橘廉(社4) | 花巻東 | 4 | 1 | 0 | 0 |
4 | (9) | 小野慶典(経3) | 静岡 | 3 | 1 | 1 | 0 |
5 | (DH) | 前川祐樹(社3) | 報徳学園 | 4 | 2 | 0 | 0 |
6 | (7) | 中村聖弥(経3) | 藤代 | 3 | 0 | 0 | 0 |
7 | (2) | 佐藤裕太(経4) | 藤代 | 2 | 0 | 0 | 1 |
8 | (3) | 永田直(経3) | 桐蔭学園 | 3 | 0 | 0 | 0 |
9 | (8) | 甲本裕次郎(社2) | 鳴門 | 3 | 0 | 0 | 0 |
投手成績
選手名 | 出身校 | 回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 |
---|---|---|---|---|---|---|
末次慶一郎(社3) | 佐賀北 | 9 | 6 | 8 | 0 | 1 |
戦評
今年最後の大会が始まった。4年生にとっては負ければ大学最後の試合。「関東王者の称号を手にして有終の美を飾る」。チーム全員の気持ちは同じところを向いている。
試合は初回から動く。1番萩原幹斗(社2)が右中間への二塁打で出塁。早速舞い降りたこの好機、打席に立ったのは藤口帝(社2)だった。5球目を力強く引っ張ると打球はレフトスタンドへ。「つなぎ役」に徹することの多い2番打者から飛び出した一発。わずか7球で2点を先制した。
本塁打を放ち、ベンチから祝福を受ける藤口
初回から援護をもらった先発の末次慶一郎(社3)。経験で上回る相手打線を圧倒する。相手をあざ笑うような外角へのスライダーにバットはことごとく空を切り、圧巻の奪三振ショー。3回は3つのアウト全てが三振だった。
しかし好投を続ける4回。たった一球で点差を詰められる。1死走者なしから相手4番に投じたボールが甘く入り被弾。ここまで完璧な投球を続けた末次のたった一球の失投を見逃してはくれなかった。それでも常に落ち着いた投球を見せる末次は崩れない。その後は持ち味の打たせて取るピッチングで凡打の山を築き、これ以上の失点を許さず。すると4回、普段は代打で起用されるも今大会ルールの指名打者として出場する前川祐樹(社3)が二塁打で出塁。その後2死一、三塁の好機を作り、ここで勝負強い永田直(経3)が打席に立つ。しかしここは中飛に倒れ、無得点。6回も前川が右翼ポール際に大飛球を放つも判定はファール。1失点で粘る末次をなかなか援護できない。
それでも8回、藤口が四球で出塁すると、続く橘の右前安打の間に俊足を飛ばして三塁へ。1死一、三塁と追加点の好機を作り出して、4番小野慶典(経3)の打席。思い切り振り抜いた打球は高く打ち上がり左翼手のところへ。定位置より前の浅いフライで、三塁走者藤口もタッチアップを狙わない素振りを見せていたが、左翼手がボールを掴むと一気に三塁ベースを蹴り、本塁に突っ込む。相手の油断した隙をついた好走塁で貴重な追加点を奪った。
最終回もマウンドに立った末次。最後まで打たせて取るピッチングを続け、わずか5球で2死とすると、最後は平凡な右飛に抑え試合終了。エースの完投勝利で初戦突破、準決勝へ駒を進めた。
決勝戦への切符を賭けて次に戦うのは東京海上日動火災保険。社会人王者が相手だが、頂点を狙う法大はこんなところでは負けられない。4年生の「有終の美」を飾るため、狙うは勝利ただ一つだ。(今井惇基)
監督、選手コメント
本間隆洋 監督
ー今日の試合を振り返って
正直、苦しい試合でしたね。
ー初回に2点を先制しましたが、それ以降なかなか追加点が奪えませんでした
若干試合感覚が鈍っていたという部分はあると思います。その中で普段使っているボールと違うボールで、ちょっと攻撃が雑になりましたね。試合後のミーティングでも話しましたが、やはり大振りして飛ばすのではなくてコンパクトに力強く打った方がミートの精度が上がるよと。大振りすることはちょっと違うよとは言いましたが、今日はまさにそのような感じの試合になってしまいました。自分たちで自分たちの首を絞めた様な試合でしたね。その中で末次と佐藤のバッテリーが締めてくれたのでこのゲームをものにできたと思います。
ー社会人チームとの対戦はあまりないですが、難しさはありましたか
特にそういうものは感じなかったですし、選手もそれはないと思います。やはりいろいろな経験を積んでやって来てますので、やることは変わらないです。その中で少し気持ちが踊ってしまったのか雑になってしまっただけで、やる野球自体はあまり変わらなかったと思います。
ー負ければ今シーズン終了という中での試合ですが
1回でも負ければそこで終わってしまうという気持ちは選手の中にもあると思いますが、大会に出た以上はとにかく決勝まで行って良い形で優勝したいです。そこまで4年生に野球をさせてあげたいですね。
ー選手のお話を聞いていると、やはり中央大学を意識していることが感じられますが
春の関東大会や夏の全日本でなかなか勝てていないので、来年につなげるという意味でも、とりあえず中央大学戦までうちが残って、きちっとした形で中央大学に勝ちたいなと思っています。
ー次の準決勝に向けて
東京海上日動さんは大学の硬式、準硬式をやってきた選手たちが集まってきているので強いことは確実ですね。今日のような試合をしていると勝てないでしょう。それでも何とか勝てるように頑張りたいと思います。
末次慶一郎(9回1失点で完投勝利)
ー今日の試合を振り返って
完璧でした。(笑)
ー約二週間ぶりの登板でしたが、どのような調整をされてきましたか
実戦練習というか、紅白戦を何回かしてきて、試合感覚を鈍らせないようにしていました。
ー初対戦の相手でしたが、試合をしていかがでしたか
ガンガン初球から振ってきて、タイミングや相性が合うとまずいなと思っていました。
ーランナーも毎回のように背負っていました
先制点を2点取ってくれて、なんとか逃げ切ろうと思っていたので、耐えることができて良かったです。
ー4回の本塁打については
失投ですね。完璧に打たれましたね。置きにいった球が真ん中に入って完璧に捉えられてしまいました。
ー次の登板は勝ち進んだ場合の決勝になりますか
まだそこは分からないらしくて、2回戦になるかもしれないので、そこに向けてやっていきたいです。
ー9ブロックの代表にも選ばれましたが
9ブロックの代表は初めてなのですが、去年の全日本選抜があって、そこで一緒になった先輩たちもいるみたいです。周りのレベルが高いので、しっかり技術など良い部分を習って、自分のものにできたらいいなと思っています。
ー次の試合に向けて
今日のようなピッチングをしたいですね。
藤口帝(全3得点に絡む活躍)
ー今日の試合を振り返って
接戦で勝てたので、次の試合も勝てるように頑張っていきたいと思います。
ー自身の本塁打が決勝点となりました
つなぐ意識で打席に立っているんですけど、インコースにきたら思い切って引っ張ろうと普段から心掛けているので、それが今日出せたかなと思います。
ーこの本塁打は久しぶりで、全日前のオープン戦以来ですね
やっぱり気持ちよかったですね。
ー8回の犠牲フライでの走塁が見事でした
行く素振りを見せなかったら相手も油断すると思ったので、その隙をうまく突けた走塁だったと思います。
ー次戦にむけて一言
やることは変わらないと思うので、どこが来ても勝てるような準備をしていきたいと思います。
フォトギャラリー
- 決勝点となる2点本塁打を放つ藤口
- 初回、先頭から二塁打で出塁した萩原
- 自身も「完璧」と評価するピッチングだった末次
- 佐藤の好リードも末次の好投を支えた
- 指名打者としてマルチ安打を記録した前川
- 甲本は自慢の守備力で外野の広い範囲をカバーする
- 橘の安打が3点目を引き寄せた
- 貴重な追加点となる犠飛を打ち上げる小野