【硬式野球】秋季リーグ振り返りインタビュー⑫~姫木陸斗選手~
姫木 陸斗 選手
ーー秋リーグ終えての心境は
4年間は早かったというのが1番の感想です。優勝を1回も経験していないことへの悔しさも強いです。
ーー高校時代と比べて成長したと感じる部分は
高校の時は優勝できるチームだと思っていませんでした。大学に入ってから、戦力的にも優勝できると言われることが増えて、勝てそうで勝てないことに悔しさが残りやすいと感じました。勝ちたいと思う気持ちは、絶対成長したと思います。
ーー優勝に届かなかったことについて
守備力、攻撃力は野手全体を通して、誰につなげたら必ず得点できるという勝ちパターンが足りなかったと思います。早大はここでだれにつなげたら得点になる、というのが明確でした。
ーー得点力不足を解消することの成果は
全体的に打率は上がりました。でも、ここぞという時の1本や長打が出ませんでした。残塁も多かったと思います。成果であり、新たな課題でもあります。
ーー立大との開幕戦について
春シーズンはこてんぱんにやられたので(6打数1安打2三振)、どうしてもやり返したかったです。立教戦にかける思いは人一倍強かったので、上手くやれたと思います。でも、その次のカード(早大)で(勝ち点を)落としてしまった。同じ熱量を持って1、2ヶ月前から準備できていたら、もう少し違う成績になったのではないかと思います。
ーー小畠一心投手(3年=智辯学園)への具体的な対策は
フォークがどのラインからきたら見逃すか、スライダーの軌道はどの角度で来たか、というのを再確認しながら練習しました。真っ直ぐはこの辺から叩けば当たる、ということも練習していました。(ボール球を振らないという意識か)そうですね。
ーー印象に残る試合は
早稲田との引き分けた試合と逆転された試合の2試合が印象に残っています。(勝ち点を)取れた試合でした。もし2連勝していたら、法明が優勝決定戦になっていたので、そこがターニングポイントだったと感じます。
ーー戦って感じた早稲田の強さは
投手力があるところです。7回くらいまで伊藤樹(3年=仙台育英)が投げて、安田虎汰郎(1年=日大三)、香西一希(2年=九州国際大付)、田和廉(3年=早実)がいて…序盤で取り切らなきゃいけないのに、2巡目くらいまで樹に完璧に抑えられてしまいました。宮城誇南(2年=浦和学院)の時も、そこそこ抑えてくる印象があります。後ろがいるからこそ、ピッチャーも前半から飛ばしていけるのだと思います。
ーー個人成績として春・秋ともに規定に乗り、打率3割乗ったことについて
うれしい気持ちはあります。でも、最終的に.325まで落ちてしまって。何試合か休んだこともあり、規定もギリギリだったので、もう少しチームに貢献できたと思います。
ーー出られない試合があったのはけがの影響か
そうですね。早稲田の時に腰やってしまいました。そこは色々調整しながら監督に相談しながらやっていたのですが、悔しいです。(試合中か)伊藤樹のチェンジアップを空振りした時に腰を初めてやってしまって、体をだましだまし調整しながら試合に出させてもらいました。(対処は)薬とコルセット、テーピングという感じです。
ーー安打数は増えたが、長打については
ホームランが出なかったです。秋は風もあるので伸びないこともあります。でも、ホームランや会心の当たりが出なかったです。内野安打が多かったです。
ーー三振率が減ったことについて
高校の時はあまり三振はしていなかったです。秋に向けて2ストライクバッティングは練習しました。ちょこんと当てたり、内からという意識があったので三振は減りました。
ーーけがに苦しんだ大学生活だったと思うが遍歴は
1年生の夏に、シートバッティングの時に右のハムストリングス肉離れ、同年9月のフレッシュ2週間前に同じハムストリングスを肉離れ。2年生の春のシートノック中に、左の広背筋を肉離れして、秋のフレッシュ前々日くらいに、左のハムストリングスが完全に肉離れ。3年の冬、鴨川キャンプ前の1月に右の有鈎骨骨折。(このけがはどうしてか)(篠木)健太郎(営4=木更津総合)とシートバッティングで対戦して後ろにファウルを打った時です。2打席立って、1打席目は吉鶴(翔瑛、営4=木更津総合)に福岡大真さん(令和6年卒)にもらった新品のバットを折られて、「もう折れるもん手首くらいしかないよ」って言ったら手首が真っ二つに折れました(笑)。リハビリ込みで復帰までに2,3か月かかりました。
ーー高校時代の時からか
高校時代はけがしたら、代わりがいなかったので融通がきいて、例えばDHで出してくださいって言っても出してくれました。法大に入ってからはマックスでやらなきゃ絶対にスタメンを取れなかったので焦りもあったし、無駄に出力上げちゃったなって感じですね。
ーー西村友哉(法4=中京大中京)が姫木選手を見た時に「プロに行けるよと」口にしていたみたいだが
1年生の時の仲良くなってからの話ですね。最初は阿部(巧雅、文4=上田西)と(中津)大和(営4=小松大谷)が寮の同じ2階の部屋で仲が良くて、正直西村が1番仲が悪かったです。同じ外野で、お互いに意識していて、お互いに刺さること言い合っていて、バチバチでしたね。フレッシュの時に、自分と西村だけフレッシュ組のAに上がって、もう西村と話すしかなくなって、そこから話してみて、毎日一緒に練習するようになって仲良くなりました。
ーー法大に入学した経緯は
高校の同級生に牧原巧汰(現・ソフトバンクホークス)がいて、本当は青木さん(久典、前々監督)が牧原のことが欲しかったみたいで。その時に自分はピッチャーもやっていて。ピッチャーとして欲しいと声をかけてもらいました。日大藤沢の時はクローザーとして後ろで投げていました。(最速は)144キロでした。青木さんに球の回転が横(シュート回転)だったので、縦回転にしたら化けるんじゃないかなと言われて。でバッティングもいいから二刀流もできちゃうねって、3年夏の面談の時に言われました。その時の面談で(山城)航太郎(キャ4=福大大濠)は野手でプロに行かせると言われてました。でも加藤さん(重雄、前監督)に代わって、自分と航太郎は便乗して好きな方に行きました(笑)。
ーー同期の安達壮汰(営4=桐光学園)とは同じ神奈川県出身で、高校時代に対戦も
高校2年の夏に横浜スタジアムで安達から先制タイムリー打ってます!
ーー3年春の東大2回戦では初打席初ホームランでした
同期で1番最初にAチームに上がったのが、自分、篠木、𠮷安遼哉(法3=大阪桐蔭)、西村で。けど自分はけがをして出られず、3人は1秋にデビューしました。みんなどんどんデビューしていった中で、結局最後の方のデビューでした。(初打席の緊張は)めちゃくちゃ緊張しました(笑)、そのシーズンの最終戦で、失うものがなかったとは言え、前日の夜6時、7時くらいにベンチにも入ったことないのに、いきなり明日スタメンって言われて。もしかしたらとかも言われていなくて、結局今季もだめだったわって思っていた時でしたね。
ーーデビュー戦も今と変わらずライトの守備
東大戦というよりは、次の秋の立教の時に守備につくのが一番緊張しました。東大戦は尾﨑完太さん(令和6年卒=セガサミー)が完封した日で、打球が飛んでくる気がしなかったですけど、神宮のライトは太陽の位置が低くて、フィールドがキラキラして、バッターが見えなくなって、インパクトも見えなくなるので本当に難しかったです。
ーー期待する後輩は
池田惟音(法3=静岡)、菅野樹紀(法3=土浦日大)ですね。誰かもっと長打枠になる外野手が出てきて欲しいです。惟音は背番号9を背負うと思うので、頑張って欲しいです。
ーー大島公一監督に対する思いは
感謝しています。色々納得いかないこともありましたが、自分を尊重してくれていたと思います。練習も付き合ってもらいました。(監督は)自分と違って守備とか走塁の人なので、その立場の意見を聞けることが面白かったです。
ーー髙村祐助監督については
とても好きです。人のことをよく見てる方でした。短気で真っすぐでゴリ押す系のピッチャーが研究家なのがすごく面白くて。短気だから口酸っぱく色々なことを言われてきているはずで、だからこそ自分が言われてきたことを自分たちに言えて、短気なことしている人にそれはダメだと怒れると思います。あとはすごく相手投手の動画を見て研究しているんですけど、聞かれないと答えてくれない面もあります。ネタを持っているから引き出したくなりますね。引退してもし指導者になる機会があれば、髙村さんと一緒にやりたいと思います。
ーー六大学で1番衝撃を受けた投手は
大川慈英(明大3年=常総学院)ですね。真っ直ぐが強いです。自分は半速球や変化球を打つバッターですが、この4年間みんなに真っ直ぐが強いと思われていました。自分の中ではカーブやスライダーを打っていると感じます。スライダーとかフォークを空振ってしまってそのイメージが無いかもしれないのですが、安打は外丸(東眞、慶大3年=前橋育英)、藤江(星河、明大4年=大阪桐蔭)などコントロールが良くて反速球を投げるタイプの投手が多いです。社会人になってからは真っ直ぐの球威がある投手をどう打つかを考えてやっていきたいです。
ーーオープン戦を通しては
日本ハムの田中正義です。ツーシームの回転だと思い、ファウルにしたら154でした。あの時はたまに入る、打てる気しかしないゾーンに入っていたのですが捉えきれなくて、やっぱり違うなと思いました。
ーー法政大学野球部に入って良かったことは
みんなに会えたということが1番です。自由にやらせてもらえたことも良かったです。大学の仲間は今後一生関わっていく仲間だと思います。色々なところに就職して、色々なつながりができていくと思います。大学で人間関係が上手くいかないとしんどいと思いますが、仲が良かったことが良かったです。これからも関わっていけると思うとうれしいです。
ーー今後の目標は
日本一です。野球をやっている間に日本一になりたいです。勝てる選手になるのが目標です。
ーーファンの方に一言
4年間、応援してくださりありがとうございました。今後も色々楽しみな選手がたくさんいるので、これからも引き続き法政大学野球部のことをよろしくお願いします。
(取材・矢吹大輔)
姫木 陸斗(ひめき・りくと)
人間環境学部4年 2002年10月24日生まれ
神奈川県出身・日大藤沢
177cm80kg・左投左打
今季成績:13試合 40打数13安打 0本塁打 4打点 4四死球 打率.325
『法大のミスターフルスイング。今秋は開幕カードでいきなり9安打を放つ大爆発をみせ、打線の軸として活躍した。4年間で経験した幾多のけがをこれからの成長の糧に。強豪社会人でも個性を貫き通す。』
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