東京六大学野球2021秋季リーグ戦 第4週 立大2回戦
2021年10月10日(日)
神宮球場
前日の開幕戦で黒星発進となった法大。連敗を避けるべく左のエース・山下輝(営4=木更津総合)は7回2失点と好投を見せる。しかし、打線が4回の村上喬一朗(法3=東福岡)の適時二塁打でしか得点を挙げることができず、敗戦。2連敗で開幕カードを終えた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
立 大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 4 | 10 | 0 |
法 大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0 |
(法大)●山下輝、篠木、古屋敷—村上
(立大)荘司、○野口、島田、池田陽、宮—黒岩
[本塁打] 東2号ソロ(4回=山下輝)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (9) | 西村 | 4 | 2 | 0 | .375 | 三振 | 四球 | 遊安 | 投飛 | 右安 | ||||
2 | (7) | 宮﨑 | 4 | 1 | 0 | .429 | 遊ゴ | 遊ゴ | 三犠 | 中安 | 中飛 | ||||
3 | (8) | 岡田悠 | 5 | 1 | 0 | .111 | 一ゴ | 右飛 | 中安 | 三振 | 一ゴ | ||||
4 | (4) | 齊藤大 | 3 | 1 | 0 | .286 | 右安 | 四球 | 右飛 | 遊ゴ | |||||
5 | (3) | 浦 | 3 | 0 | 0 | .143 | 中飛 | 三振 | 三振 | ||||||
H | 小池 | 1 | 0 | 0 | .000 | 中飛 | |||||||||
1 | 古屋敷 | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
6 | (5)6 | 今泉 | 3 | 1 | 0 | .333 | 一邪 | 四球 | 左安 | 三振 | |||||
7 | (2) | 村上 | 4 | 1 | 1 | .286 | 捕邪 | 左2 | 右飛 | 二ゴ | |||||
8 | (6) | 海﨑 | 2 | 0 | 0 | .000 | 二ゴ | 中飛 | |||||||
H | 諸橋 | 1 | 0 | 0 | .333 | 三振 | |||||||||
5 | 中原 | 1 | 1 | 0 | 1.00 | 遊安 | |||||||||
9 | (1) | 山下輝 | 2 | 0 | 0 | .000 | 三振 | 一ゴ | |||||||
H | 野尻 | 1 | 1 | 0 | 1.00 | 左2 | |||||||||
R | 木下 | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
1 | 篠木 | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
3 | 松田 | 1 | 0 | 0 | .000 | 一邪 | |||||||||
計 | 35 | 9 | 1 | .286 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
山下輝 | 7 | 90 | 28 | 7 | 12 | 1 | 2 | 2.57 |
篠木 | 1 | 17 | 6 | 2 | 0 | 1 | 2 | 18.00 |
古屋敷 | 1 | 20 | 5 | 1 | 1 | 1 | 0 | 3.00 |
計 | 9 | 127 | 39 | 10 | 13 | 3 | 4 | 6.35 |
ベンチ入りメンバー
10 | 三浦銀二(キャ4=福岡大大濠) | 42 | 吉安遼哉(法1=大阪桐蔭) | 3 | 小池智也(営4=八戸学院光星) |
15 | 石田旭昇(文3=東筑) | 2 | 中原輝也(人4=尽誠学園) | 7 | 諸橋駿(法4=中京大中京) |
18 | 古屋敷匠眞(営4=八戸工大一) | 4 | 齊藤大輝(人3=横浜) | 8 | 宮﨑秀太(営3=天理) |
19 | 扇谷莉(営3=東邦) | 5 | 松田憲之朗(キャ3=龍谷大平安) | 25 | 野尻幸輝(営3=木更津総合) |
21 | 山下輝(営4=木更津総合) | 6 | 海﨑雄太(文3=埼玉栄) | 33 | 西村友哉(法1=中京大中京) |
26 | 篠木健太郎(営1=木更津総合) | 24 | 高原侑希(法2=福井工大福井) | 37 | 浦和博(キャ2=鳴門) |
47 | 武冨陸(営2=日大藤沢) | 35 | 今泉颯太(法2=中京大中京) | 38 | 木下将吾(文3=静岡) |
20 | 是澤涼輔(現3=健大高崎) | 36 | 高田桐利(営3=広陵) | ||
27 | 村上喬一朗(法3=東福岡) | 1 | 岡田悠希(人4=龍谷大平安) |
戦評
他5大学から3週遅れての開幕となった法大は、1回戦で11安打を放ちながらも3得点に終わり黒星発進。迎えた2回戦の先発を昨季2勝を挙げ、防御率でリーグ3位の左のエース・山下輝(営4=木更津総合)に託した。
山下輝は3回に一死から初安打を許すと、連打で一死一、三塁のピンチを背負うも、ここは後続を打ち取り快調な滑り出しを見せる。打線は3回まで1安打と攻撃の糸口をつかめずにいると、試合が動いたのは4回表。立大の4番・東怜央の右越え本塁打で先制を許す。その後も山下輝はピンチを背負うが、連続三振で切り抜け、最少失点で切り抜けた。
援護したい打線は直後の4回裏。四球で出塁した4番・齊藤大輝(人3=横浜)が盗塁と暴投で二死三塁のチャンスを作ると、6番・今泉颯太(法2=中京大中京)も四球でつなぐ。7番の今季開幕スタメンマスクを勝ち取った村上喬一朗(法3=東福岡)が、左中間を破る適時二塁打を放ち、すぐさま同点に追いついた。
5回裏にも1番・西村友哉(法1=中京大中京)と3番・岡田悠希(人4=龍谷大平安)の安打で二死一、三塁の得点機を作るが、続く齊藤大は初球を打ち損じ右飛に倒れ追加点は奪えない。
グラウンド整備で中断直後の6回、ここまで5安打1失点と粘投を続けてきた山下が、この試合初めてとなる連打と犠打で一死二、三塁のピンチを迎えると、右犠飛で再びリードを許してしまう。
6回裏にも、得点圏まで走者を進めたが、4回に適時二塁打を打った村上、昨日本塁打を放ち好調の代打・諸橋駿(法4=中京大中京)が続けて凡退し同点機を生かせない。
1点差で迎えた8回、「スライダーが良かった」と7回2失点、自己最多の12奪三振と好投の先発山下輝からマウンドを引き継いだのは、高校の後輩でもある篠木健太郎(営1=木更津総合)。
神宮初登板ながら最速150㌔と攻めの投球を披露するも、二死一、二塁から痛恨の2点適時三塁打を浴び、点差は3点に。
篠木は1回2失点のホロ苦デビューも、150㌔を記録するなど大器の片鱗を見せた
追いつきたい法大は、最終回に先頭の中原輝也(人4=尽誠学園)が内野安打で出塁するなど、最後まで粘りを見せるも無得点で試合終了。
試合を通して、実に5度も得点圏まで走者を進めるも、あと一本が出ず。9安打を放ちながら1得点に終わる結果となった。
悔しい連敗となったが下を向いている時間はない。変則日程の今季は、中1日で早大との戦いが待ち受けている。第3週には東大相手に42得点と波にのる早大に対し、法大投手陣がどこまで封じることができるか、打線はチャンスをいかにものにできるかが勝負の鍵を握る。
(記事:山田陸斗、写真:東夏紀)
クローズアップ:村上喬一朗
昨季は第3捕手だった男が、正捕手として『覚悟』の一打を放った。
1点を追う4回、2死一、三塁で迎えた打席。「山下(輝)さんが粘りのピッチングをされていたので、なんとかしようという気持ちでした」。村上喬一朗(法3=東福岡)は立大先発・荘司康誠の直球を左中間へと運ぶ同点二塁打を放つと、二塁ベース上で白い歯を見せた。前日の試合では1安打するも、「少し(体の)開きが早かった」と打撃を修正。加藤重雄監督からも「努力家」と評されるその練習へ取り組む姿勢が結果につながった。
昨季は第3捕手としてリーグ戦ベンチ入りも、出場はわずか1試合。舟生大地(文4=日大山形)や大柿廉太郎(法3=健大高崎)からスタメンマスクを奪うことができなかった。しかし、社会人練習に参加するなど、キャッチングや送球といった技術面を猛特訓。捕手として守備のレベルを大きく上げると、「送球が安定している」と加藤監督から信頼を掴み取り、夏季オープン戦では多くの試合でスタメンマスクを被った。新型コロナウイルス集団感染により一時は活動停止となったがその信頼は揺るがず、9日は開幕スタメンで出場。開幕スタメンが決まった際には「夢でも見ているのかと思いました」。憧れの舞台で戦えることを喜んだ。一方で合計12失点となったこの2試合を「リード面で打たれてはいけない場面で打たれてしまった」と冷静に振り返った。
12日から始まる早大戦に向けて「勢いをつける守備、投球をしてバッテリーで勝ったという試合を展開できたら」と村上。第3捕手から正捕手へと駆け上がった小さな正捕手・村上喬一朗のサクセスストーリーが始まる。
(五嶋健)
選手インタビュー
三浦銀二 主将
ー今日の試合を振り返って
チャンスで一本が出ず、流れも掴めずに悔しい試合でした。
ーブルペンで投球練習もされていましたが、登板する可能性もあったのでしょうか
勝っていたら可能性はありました。
ー篠木選手の投球をどうご覧になっていましたか
26番ということもあり、自分のデビュー戦と重ねて見てました。
ー明日はドラフトとなりますが、現在のお気持ちは
緊張してます。
ー次の試合に向けてひとことお願いします
しっかりチーム一丸となって勝てるように頑張ります!
山下輝 投手
ー今日の投球を振り返って
悪くはなかったかなと思います。
ー活動停止になってから今日まで実戦での投球の機会が限られていたと思います。その事での不安などは
不安でしたが、割り切って投げられました。
ー明日はドラフト会議ですが、その事を意識はしていましたか
しないようにと思っていても、していました。
ー自己最多の毎回の12奪三振の要因はどのような所ですか
スライダーが良かった所です。
ー昨季に比べると右足を上げるときのタメが長いように思えました。それは意識的に行っていたのでしょうか
かなり意識しています。
ー7回の降板時には監督からどのような言葉をかけられましたか
代わろう、ナイスピッチング!です。
ー高校の後輩でもある篠木投手の投球はどのように見ていましたか
リーグ戦初登板であの球を投げられるのは凄いことです。ナイスピッチングでした!
ー次戦へ向けての意気込みをお願いします
次は勝ちます!
古屋敷匠眞 投手
ー今日の試合を振り返って
ピンチを作ってしまいましたがなんとか無失点で抑えることができてよかったです。
ーマウンドで意識していたことは
相手に流れがいってしまっていたので、最終回に逆転できるようこっちに少しでも流れを持ってくることを意識していました。
ー夏のオフから取り組んでこられた落ちる球の精度はいかがですか
タイミングをずらし少し前に出したできているので手応えはあります。
ー短い投球機会の中で理想の投球はできましたか
理想の投球とは程遠いですが、抑えられたことに関しては良かったとおもいます。
本当はもっと力を入れてスピードにもこだわりたいです。
ー特別なシーズンを迎えましたが、体の状態は
言い訳にはしたくありませんが正直まったくよくありません。試合で投げて試合数を重ねていくうちに良くなると思います。
ー明日ドラフト会議を迎えますが、現在のお気持ちは
すごく不安で怖いです。
ですが、今日までやれることは全部やりました。
後悔はありません。
ー次戦に向けて一言お願いします
次こそは勝ってファンの方々に喜んでいただけるように頑張ります。
篠木健太郎 投手
ー今日の試合を振り返って
力みすぎてしまいました。タイムリーを打たれた球のように高く浮いてしまい、要所での制球が甘かったかなと思っています。
ーブルペンでの調子はいかがでしたか
ボールは悪くなかったと思います。
ー春季は出遅れてしまいました。フレッシュトーナメントなどで活躍する同級生たちを見て焦りなどはありましたか
焦りなどはあまりありませんでした。出遅れてはしまいましたが、それをプラスにできるようにしたいなとは思っていました。
ー初球は死球。緊張があったのでしょうか
緊張もありましたし、力みが強くなってしまいました。
ー宮﨑選手に3ボールとなってから監督に声をかけていただいていましたね
ゆっくり時間をかけていいからまず1つずつアウトを取っていこうという話をいただきました。
ー球速も150㌔をマークされていましたが、スピードにこだわりは
まず、しっかりと0で抑えてチームに貢献できるようにと思っています。
ー次の登板に向けての意気込みをお願いします
今日投げたことを生かして、チームの勝利に貢献できるような投球をできるように頑張ります!
村上喬一朗 捕手
ー今日の試合を振り返って
今日の試合を振り返り、打たれてはいけない場面で打たれてしまったという印象です。野球は流れのスポーツですので、その流れを正しく読み、要所をきっちりと抑えることができれば勝ちにつながるのかなと思います。
ー4回、適時打を放った打席に入る際に意識されたことは
チャンスの場面で緊張したのですが、山下(輝)さんが粘りのピッチングをされていたのでなんとかしようという気持ちでした。また、スタンドの方を見るとたくさんの人がいて、この中で野球ができていることがとても幸せだなと思いました。そう思うと自然と緊張がワクワクに変わったなという感じがしました。
ー昨日の試合から打撃面で修正した事があれば教えてください
昨日は少し(体の)開きが早かったので、意識的には逆方向を狙いました。そのおかげかタイムリーの時は体が開かずにミートする事ができました。
ー昨日、今日とスタメン。開幕スタメンが決まった時の心境は
夢でも見ているのかと思いました。東京六大学野球で野球をすることは小さい頃からの夢だったので、とても嬉しく思いました。
ー捕手として立大との2連戦を振り返って見つかった課題は
やはりリード面。打たれてはいけない場面で打たれてしまった。攻撃との噛み合わせも悪かった。次の早稲田戦からは、勢いをつける守備、投球をしてバッテリーで勝ったという試合を展開できたらいいなと思います。
ーご自身のアピールポイントは
肩の強さ、スマイルです!!
ー次の試合に向けて意気込みをお願いします
応援してくださる方に勝利を届けられるように頑張ります。チームは昨春と雰囲気も違うので新生法政の風を吹かせられるように頑張ります。
西村友哉 外野手
ー昨日に続き、今日も1番打者でした。どのような気持ちで打席に向かっていますか
とにかく出塁してチャンスメイクしようと思って向かいました。
ー守備面では上級生と守りに就いていますが、何か意識していることは
守備位置の確認であったり、しっかりコミュニケーションをとるようにしています。
ー初のマルチ安打と1つの四球。自身の今日の結果を振り返って
大事な場面でのバントミスがあったので最悪でした。打撃内容としてもいいヒットではなかったので、次はしっかりとらえられるようにしたいです。
ー連敗という形になってしまいましたが、今後巻き返しを図るためにどのようなことを意識していきますか
結果は変えられないのでしっかりと切り替えて次の早稲田戦に望みたいと思います。
ー次戦の早大戦への意気込みをお願いします
次は連勝できるようにチーム一丸となって頑張ります。