東京六大学準硬式野球春季リーグ戦
対立大戦
2022年5月15日(日)
早大東伏見グラウンド
立大との1回戦は、両者が主導権を譲らない展開に。同点で迎えた8回裏に適時二塁打で2点を失い、追い詰められた9回表。2死二、三塁から主将・古屋一輝(経4)の適時打で同点に追いつく。さらに延長10回、5番・高橋凌(社3)が今季3本目のリーグトップとなる本塁打で勝ち越し。これが決勝点となり、終盤から試合をひっくり返して初戦をものにした法大。立大を相手に、勝ち点獲得へと王手をかけた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 5 | 10 | 1 |
立大 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 10 | 1 |
(法大) 藤中、古川端、○伏見-澤野
(立大) 竹生、●川瀬-小松
二塁打:唐橋(3回)
本塁打:高橋(10回)
盗塁:唐橋(5回、9回)、古屋(7回)、家木(9回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 唐橋悠太(経3) | 桐光学園 | 4 | 3 | 1 | 1 | .444 |
2 | (8) | 古屋一輝(経4) | 健大高崎 | 5 | 1 | 2 | 0 | .316 |
3 | (9) | 鈴木歩夢(社3) | 明星 | 5 | 0 | 0 | 0 | .302 |
4 | (3) | 堀尾浩誠(社4) | 報徳学園 | 5 | 2 | 0 | 0 | .250 |
5 | (4) | 高橋凌(社3) | 花巻東 | 4 | 2 | 2 | 1 | .395 |
6 | (5) | 中井雄也(社4) | 済美 | 3 | 0 | 0 | 0 | .200 |
PH5 | 須賀椋也(現2) | 新田 | 2 | 1 | 0 | 0 | .296 | |
7 | (7) | 関宮楓馬(社2) | 静岡 | 2 | 0 | 0 | 1 | .148 |
PH | 福本陽生(経3) | 星稜 | 0 | 0 | 0 | 1 | .000 | |
R | 家木優輔(スポ2) | 国立 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | |
7 | 森涼太(1) | 三重 | 1 | 0 | 0 | 0 | .111 | |
8 | (1) | 藤中壮太(社2) | 鳴門 | 2 | 1 | 0 | 0 | .300 |
1 | 古川端晴輝(社2) | 花巻東 | 0 | 0 | 0 | 0 | .571 | |
PH | 小原捷平(社1) | 仙台育英 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
1 | 伏見颯真(営4) | 帯広緑陽 | 0 | 0 | 0 | 1 | .200 | |
9 | (2) | 澤野智哉(社3) | 国士館 | 4 | 0 | 0 | 1 | .196 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
藤中 | 7 | 7 | 5 | 1 | 1 | 1.88 |
古川端 | 1 | 3 | 0 | 0 | 2 | 2.60 |
伏見 | 2 | 0 | 2 | 1 | 0 | 2.42 |
戦評
ここまで順調に白星を積み重ねている法大が、最終週で対戦するのは立大。混戦となっている今季のリーグ戦で、このカードの戦い方によっては優勝が見えてくる大事な試合を迎えた。
先制点を奪いたい法大だったが、3回裏、先発・藤中壮太(社2)の暴投と、適時内野安打で立大に2点を先制される。しかし4回表、1死三塁から、このリーグ打撃好調の5番・高橋凌(社3)の適時打が飛び出し、すぐさま1点を返す。また5回表にも得点圏に走者を置き、1番・唐橋悠太(経3)の適時打で同点に追いつく。
藤中は走者を背負うも、粘り強く7回2失点の好投を見せる。8回から2番手の古川端晴輝(社2)がマウンドに上がったが、クリーンナップに連打を浴び、ピンチを作る。ここで続く打者に勝ち越しの2点適時打を浴び、リードを許す。このまま万事休すかと思われた9回表。2死二、三塁の場面で、ここまで無安打の2番・古屋一輝(経4)の放った打球は狭い一塁線を抜ける同点の2点適時打。「絶対に抜けてくれと思った」と、古屋のその思いが伝わった起死回生の一打だった。そして10回表、5番・高橋の放った左翼への大飛球は、柵を軽く越える完璧な本塁打で、1点を勝ち越した。
その裏、チームの思いを背負った伏見颯真(営4)はいつも以上に気持ちのこもった球を投げ込み、まったく危なげない投球で立大打線を圧倒。最後は空振り三振とこの回を三者凡退で締め、試合終了。
開幕カード以来となる連勝での勝利となったこの一戦は、まさにチーム一丸となってつかんだ貴重な1勝となった。
(記事/写真:脇野剛/山中麻祐子)
高橋は勝ち越しの本塁打を放った
選手インタビュー
古屋一輝
―試合を振り返って
バッテリーが試合を作ってくれて、守備面では今回のリーグ戦は安定しているので、チームの持ち味を出せました。打撃面では逆に2番、3番、4番が機能しなかったので、そこが今日の試合が少し苦しくなった要因だと思います。ただ最後の打席で、なんとか1本打つことができて楽に試合を運べたので、今日の勝ちは大きいと思います。
―9回1打同点の場面で回ってきましたが、どんな気持ちで打席へ
後がない状況で、前の打者の唐橋(悠太=経3)選手がデッドボールで出塁したときに、彼から「任せた」と声をかけてくれたので、この場面は絶対自分が決めるという気持ちで打席入りました。今日打ててなかったので、絶対打つという執念で打った1本だったと思います。
―打球が抜けた瞬間は
とにかく集中していて、本当に「抜けてくれ」と思いました。二塁走者が唐橋選手だったので、抜ければ絶対に返ってきてくれると思っていて、抜けた瞬間は本当に嬉しかったです。
―チームが一丸となってつかんだ勝利だが、チームの状態は
先に先制点を取って、ずっとリードしている状態で試合を運んでいくのがうちの必勝パターンなのですが、今日は先制点を取られて、追いつくもののリードできず、そして8回に勝ち越されてという局面を作ってしまいました。普段のチーム状態ならこのまま負け試合のパターンだったのですが、他のチームに比べて一戦一戦で修正を加えられるのがうちの強みだと思っています。そういったところで、今日勝ち切れたのはチームとしてもこれからの財産になると思います。
―次の試合へ向けて
2連勝できれば次週の慶応と明治の試合にもよっては勝率の関係で慶応と試合をやる前に優勝が決まるので、なんとしても2連勝したいです。今日の勝ちは絶対チームに流れを持ってきたと思うので、なんとか明日は打線が機能して、初回からリードを保ってピッチャーを楽にさせたいです。今日みたいにハラハラする試合というより、楽に見てもらえるような試合にしていきたいと思います。
高橋凌