【サッカー】独占!横浜F・マリノス優勝記念 法大サッカー部OB・永戸勝也選手インタビュー 前編

2022年12月9日(金)
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2月18日に開幕した明治安田生命J1リーグ。昨季2位の横浜F・マリノスは開幕から好調を維持し、首位を独走。11月5日に3シーズンぶり5回目の優勝を決めた。弊会は移籍1年目ながら今季左SBの定位置を確保し、チームの優勝に大きく貢献した、法大OB永戸勝也選手(平29年度卒)にインタビューを敢行。前編では移籍1年目の今シーズンを振り返っていただきました。


リーグ屈指のSBまで上り詰めた永戸選手(写真提供:横浜F・マリノス)

インタビュー全文

―今シーズンを振り返って
F・マリノスに移籍加入してきて1年目は、アタッキングフットボールというなかなか自分が触れてこなかったようなサッカーのスタイルをしているチームだったので、自分のなかでもある程度慣れるまで時間がかかるかなと想定していました。ですが、終わってみたらタイトルを獲ることができたし、自分の想像以上にフィットすることが出来たという意味では、このチームに加入することができてすごく幸せな事だと思います。来年に向けて、もっともっと努力したいなという気持ちが芽生えた一年だったと思います。

―優勝の瞬間、ピッチでどのような思いでしたか
終盤に連敗が無ければだいぶ早い段階で優勝を決められたところがありました。そこで決め切れなかった悔しい気持ちもあったのか、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間はホッとした気持ちが一番で、その後からだんだん喜びが湧いてきた感じでした。

―終盤のホームでの連敗でプレッシャーはありましたか
自分自身は少なからずある程度の緊張感を持ってプレーすることになりましたが、横浜F・マリノスというチームは、ブレない姿勢でずっとやってきていますし、僕もこの1年間やってきて、このチームの良さはブレないところというのは感じていたので、ある程度の緊張感はありましたけど、信じるところがあったので、不安はそんなに無かったと思います。

―ホームで優勝を決めたかったという気持ちはありましたか
やっぱり「これが横浜だったらな」というのも優勝して思ったところもあったので、今年だけに終わらず、来年もタイトルを取れるように頑張りたいと思います。

―個人としてはJリーグの優秀選手にも選ばれましたが
正直、自分自身はあんまり手応えというか「入って当然」というのは全くなくて、このチームでタイトルを獲れたから選んでもらえたと思っているので、嬉しいですけど、チームメイトからベスト11に何人も入っていたり、岩田智輝選手がMVPを獲っていたりというのを見ると、僕もそこに入れるようになりたいなと改めて思いましたし、優秀選手で満足してはいけないということを思いました。

―今季はチームで4番目の出場時間でしたが、加入1年目からこれだけ出場できた要因は
シーズン序盤は、連戦に出ることがなくて、1試合出たら1試合休みという形だったんですけど、その時期では出た試合に集中しようというのは思っていました。なかなかフィジカルやコンディション的なところで自分的にも連戦は厳しいと思うところもあったりしたので、まずは自分が出た試合に集中しようという思いでした。終盤になって監督やコーチ陣とも話して、フィジカルやコンディションが追いついてきた中で連戦に起用してもらえました。シーズン終盤は自分自身のパフォーマンスにもだいぶ満足してきたので、そういうところと比例してきたのではないかと思います。監督が、なかなか自分が上手くいかない時もアドバイスを送ってくれたり根気強く使ってくれたところに対して、恩返しできるようなプレーができたらと思っていたなかで、終盤の方はかなり満足のいくパフォーマンスができたと思います。


歓喜の輪の中心には永戸選手の姿が(写真提供:横浜F・マリノス)

―今季は失点もリーグ最少でしたが、守備の面に関しての評価は
このチームは攻撃に比重を置いている分、後ろの4枚とキーパーを含めて1人で守る範囲が多いなとはプレーしていて思いましたが、やっぱりアタッキングフットボールというのはゴールに向かうことだけじゃなくて、ボールを奪うところだったりプレッシャーをかけるところにだったりにもアタッキング要素が含まれていると僕自身思っています。良い守備から良い攻撃ができていたことが結果に繋がっていると思いました。そこはチームとしてもみんな頑張っているところもあったので、僕もそれに負けないように頑張りたいという思いもあったので、なかなか負担はありましたけど頑張れたところだと思います。

―今シーズンで一番印象に残っている試合は
アウェーの鹿島戦ですかね。チームとしても10年ぶりに勝ったというのもありますし、僕自身が過ごした鹿島というチームに対して恩返しじゃないですけど、勝利できたというのは特別な感情がありました。

―プロで初めてプレーしたベガルタ仙台とも戦ってみたい気持ちはありますか
そうですね。僕が鹿島に移籍してから2回対戦機会がありましたが、1回目は僕がコロナに感染していて出れなくて、2回目はベンチスタートで最後数分だけ出ただけだったので、J1の舞台で対戦できたら良いなという思いは、仙台も好きな街なのであります。

―ACLにも初めて出場しましたが、アジアの舞台で戦って感じたことは
今回に限っては集中開催というのもあったと思いますけど、日本と違う環境でプレーするというのは自分が思っている以上にストレスのかかる事だったと思いますし、対戦相手が日本人じゃないので、Jリーグでは体験できないようなプレッシャーもありました。それは少なからず日本に帰ってきてから自分のプレーにも良い影響がありましたし、良い体験ができたと思います。

―F・マリノスへの移籍を決断した理由は
メディアにも出ていますけど、僕が仙台から鹿島に行く年にもF・マリノスから声を掛けてもらってたこともありましたし、去年鹿島でなかなか最後の方に出場機会がなかった中で、だいぶ早い段階で声をかけてもらったのもあって、自分の環境を変えるという意味でも、数年前に話を貰っていたというのもあって、チャレンジしたいなという気持ちでF・マリノスにはすぐ返答しました。

―加入当初、鹿島とのプレースタイルの違いやSBの役割の違いに戸惑いなどは
まず、プレーの違いに驚いたより先に練習の強度がすごく高くて、そこは鹿島と違うところだなというのは最初の2、3日で実感しました。そこからプレースタイルのところになってくるんですけど、やはり1年間通して練習強度は高かったということは驚きました。

―DFラインではエドゥアルド選手、左サイドではエウベル選手など外国人選手も多く居ますが、コミュニケーションの部分はどのようにしていましたか
エドゥアルド選手に関しては彼はもう日本が長く、ある程度日本語で通じるくらいの語学力を持っているので、あまり問題がなく話せましたし、そういう選手がいるので、エウベル選手とかに僕が言いたいことがあったらエドゥアルド選手を通して言ってもらうこともありました。エウベル選手もちょっとした英語とかも分かるので、そこまで言葉のところで問題はあんまり無かったと思います。

―そういう意味では、加入してきて苦労などはありませんでしたか
このチームはプレーに対してのポジショニングの課題などは、練習映像や試合映像を使って、個人的にすぐフィードバックしてくれたので、だいぶイメージを持った中で練習に臨めていて、それをプレーに反映できるかの問題だったと思います。

―F・マリノスは選手同士の仲が良いイメージがありますが、普段のチームの雰囲気はいかがですか
まずは明るい選手が多いです。みんなオープンマインドな感じなので、練習から良い雰囲気を作れているのが私生活にも繋がっているのかなと思います。あとはベテランの水沼宏太選手とかが雰囲気を作ってくれているので、本当にチームとしては必要な選手の1人ですし、コミュニケーションの部分でも引っ張っていってくれるので、みんなのチームワークが良いところに繋がっています。

―仲が良い選手などは
よく角田涼太朗選手や畠中槙之輔選手とは一緒に練習終わりにいろんな話をしながらジョギングしたりしていました。

―大学出身選手はF・マリノスにも何人かいますが、大学サッカーについての話などは
共通の知り合いは少なからずいるので、そういうところで大学サッカーについても話す事は多かったと思います。

―来シーズンに向けての目標
まずは今年J1リーグのタイトルを獲って、毎年獲りたいなという気持ちがすぐに湧いてきました。来シーズンはJ1リーグのタイトルだけでなく、ACL、カップ戦、天皇杯もあるので、ひとつでも多くタイトルが取れるように僕自身も今シーズンよりもチームに貢献して、良いパフォーマンスで1年間通してやっていけるように今から準備していきたいです。

(取材・二瓶堅太/板倉大吾)


来季も更なる飛躍を誓う(写真提供:横浜F・マリノス)

永戸 勝也(ながと・かつや)
生年月日:1995年1月15日生まれ
身長/体重:173cm/73㎏
学部:スポーツ健康学部(2016年度卒業)
経歴:八千代高→法大→ベガルタ仙台→鹿島アントラーズ→横浜F・マリノス

*後編は後日公開予定!大学での思い出などを伺いました。お楽しみに!

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