東京六大学野球2023春季リーグ戦 早大2回戦
2023年5月8日(月)
神宮球場
雨による順延を得て8日、運命の2回戦が行われた。法大は初回、早大先発の清水大成の不安定な立ち上がりを攻める。内海壮太(法3=御殿場西)の適時打で1点を先制すると、3回にも内海壮の適時打でさらに2点を加える。5回には中津大和(営3=小松大谷)、𠮷安遼哉(法3=大阪桐蔭)の2人に本塁打が飛び出すなど、一挙5得点で突き放した。早大の反撃を許す場面こそあれど、6回途中からリリーフした塙雄裕(法4=常総学院)が最後までリードを守り切って勝負あり。勝ち点に逆王手をかけた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 1 | 0 | 1 | 1 | 5 | 1 | 0 | 1 | 0 | 9 | 13 | 1 |
早 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 6 | 9 | 0 |
(法大)○尾﨑、丸山、塙—𠮷安
(早大)●清水大、鹿田、ユエン、齋藤正ー印出
[本塁打]
法:中津(5回3ラン、鹿田)、𠮷安(5回2ラン、鹿田)
早:中村将(5回2ラン、尾﨑)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 武川 | 5 | 3 | 0 | .400 | .489 | 左安 | 左安 | 遊ゴ | 左安 | 右飛 | |||||
2 | (4) | 藤森康 | 2 | 0 | 0 | .000 | .333 | 三ギ | 三ギ | 死球 | 二ゴ | 中飛 | |||||
3 | (7) | 内海壮 | 4 | 2 | 2 | .320 | .320 | 中安① | 左安① | 遊併 | 四球 | 遊ゴ | |||||
7 | 伊藤勝 | 0 | 0 | 0 | .000 | .000 | |||||||||||
4 | (3) | 内海貴 | 3 | 0 | 0 | .270 | .372 | 左飛 | 三振 | 中2 | 投ギ | 中飛 | |||||
5 | (6) | 今泉 | 4 | 1 | 0 | .243 | .349 | 中安 | 三ゴ | 四球 | 三振 | 中飛 | |||||
6 | (8) | 中津 | 3 | 1 | 4 | .303 | .395 | 遊安 | 四球 | 右本③ | 右3① | ニゴ | |||||
7 | (9) | 西村 | 2 | 1 | 0 | .167 | .167 | 投ギ | 三ギ | 右安 | 二飛 | ||||||
1 | 塙 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | ||||||||||
8 | (2) | 𠮷安 | 4 | 2 | 3 | .235 | .297 | 三振 | 左安① | 右本② | 三振 | ||||||
9 | (1) | 尾﨑 | 1 | 0 | 0 | .000 | .111 | 二飛 | 投ギ | 四球 | |||||||
1 | 丸山 | 0 | 0 | 0 | – | – | |||||||||||
9 | 福岡 | 1 | 0 | 0 | .333 | .333 | 二ゴ | ||||||||||
計 | 32 | 13 | 9 | .250 | .323 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
尾﨑 | 5 | 117 | 24 | 4 | 9 | 5 | 2 | 1.84 |
丸山 | 0 1/3 | 22 | 5 | 3 | 1 | 1 | 3 | 81.00 |
塙 | 3 2/3 | 46 | 14 | 2 | 3 | 1 | 0 | 1.80 |
計 | 9 | 184 | 43 | 9 | 13 | 7 | 5 | 2.25 |
ベンチ入りメンバー
10 | 今泉颯太(法4=中京大中京) | 27 | 吉安遼哉(法3=大阪桐蔭) | 28 | 石黒和弥(法2=高岡商) |
1 | 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) | 2 | 鈴木大照(文3=明徳義塾) | 29 | 松下歩叶(営2=桐蔭学園) |
11 | 丸山陽太(スポ2=成東) | 3 | 内海貴斗(人4=横浜) | 37 | 内海壮太(法3=御殿場西) |
13 | 塙雄裕(法4=常総学院) | 5 | 真鍋駿(文4=広島商) | 7 | 伊藤勝仁(文4=常葉大菊川) |
17 | 武冨陸(営4=日大藤沢) | 6 | 高原侑希(法4=福井工大福井) | 8 | 福岡大真(法4=筑陽学園) |
18 | 篠木健太郎(営3=木更津総合) | 9 | 浦和博(キャ4=鳴門) | 33 | 西村友哉(法3=中京大中京) |
21 | 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) | 23 | 品川侑生(文2=三重) | 36 | 中津大和(営3=小松大谷) |
12 | 久保田碧月(営4=高川学園) | 24 | 武川廉(人3=滋賀学園) | ||
22 | 田所宗大(キャ3=いなべ総合) | 26 | 藤森康淳(営1=天理) |
戦評
ここまで3連敗と苦しい状況の法大。ここから再浮上なるか、大事な早大2回戦が行われた。
早大の先発は清水大成。昨季は投打にわたって立ちふさがった相手、リベンジの時がやってきた。
法大打線は清水大に初回から襲い掛かる。武川廉(人3=滋賀学園)が三遊間を破り出塁すると、ボークと犠打でいきなり三塁へ。この日3番に入った内海壮太(法3=御殿場西)は逆らわずにはじき返した。二塁手の横を破る適時打を放ち、待望の先制点を手に入れる。
先制の本塁を踏んだ武川
さらに法大打線が清水大に襲い掛かる。3回も武川が安打を放ち出塁すると、リーグ戦初出場の藤森康淳(営1=天理)が2つ目の犠打をきっちりと決めた。初回、2回に引き続いて作った好機。この場面で打席は先制適時打の内海壮に。3球で追い込まれるも、そこから必死に食らいつき、最後もしぶとく左前へ運んだ。際どいタイミングではあったが、武川が本塁へ頭から滑り込んで2点目をもぎ取った。
内海壮のこの日2本目となる適時打でさらに1点を追加
4回にもさらに1点を入れた法大、早大の投手が鹿田泰成に代わった5回、さらに牙をむいた。2死ながらも二塁打と四球で作った好機、「ファーストストライクを狙い、思い切っていった」と中津大和(営3=小松大谷)が完璧な一発を放ってみせた。さらに、西村友哉(法3=中京大中京)が安打で続くと、𠮷安遼哉(法3=大阪桐蔭)にも待望の神宮初本塁打が。この回打者一巡となる猛攻で5点を獲得。続く6回、中津が今度は三塁打を放ってさらに1点を加えて6回までに打線は大量9得点を挙げた。
𠮷安も本塁打を放った
しかし、ここまで好調の早大打線も黙ってはいなかった。5回3失点(自責2)で降板した尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)の後を受け、丸山陽太(スポ2=成東)が登板したが、好調の上位打線に連続適時打を浴びて2失点。奪ったアウトは1つのみ、回の途中での降板とリーグ戦初登板は悔しい結果に終わった。1死一、三塁と厳しい場面で登板したのは塙雄裕(法4=常総学院)。精一杯腕を振りぬき、勢いに乗る早大打線の反撃をここで阻んだ。
7回、8回とピンチらしいピンチも招かず、3点差を保って迎えた9回。この回もマウンドに塙が向かった。しかし、ここから早大も意地を見せる。先頭の熊田任洋に安打で出塁されると、5番の吉納翼にも安打を打たれて一発が出ると同点のピンチに。この場面、加藤重雄監督は塙を最後まで信じぬいた。「頼むぞ」の言葉に応えるかのように最後まで守り抜いた。
塙、𠮷安の2人に指示を送る加藤監督
打線が爆発し、連敗を止めた法大。勝ち点獲得へ、一丸となって突き進む。
(記事:皆川真輝、写真:高橋芽唯)