2023年7月29日(土)
JR東日本カップ2023第97回関東大学サッカーリーグ
第12節 法大-中大
中央大学多摩キャンパスサッカー場
優勝を掲げる法大がまさかの下位に沈んでいる。この窮地を救うヒーローは現れるのか。
勝負の後半戦、最初の相手は中大。前期は4-2で完勝を飾るも、「アミノバイタル®」カップでは1-2で敗戦を喫した。白黒つけるべく、八王子ダービーに挑む。
前半開始1分、まさかの失点で早々に先制点を許すも、前半のうちに松村、石井のゴールでリードして前半を折り返す。
後半、セットプレーからモヨにも今季初ゴールが飛び出し、3-1と突き放す。しかしまさかの立て続きに失点を喫し、3-3で試合終了。
リーグ戦6試合未勝利の法大。この窮地を救うヒーローを探すべくアウェー6連戦に挑む。
スタメン起用に答えた石井
試合結果
トータル試合結果
3
法政大学 |
2 |
前半 |
1 |
3
中央大学 |
1 |
後半 |
2 |
試合スタッツ
時間 |
経過 |
大学 |
選手名 |
得点経過 |
1分 |
得点 |
中大 |
星野創輝 |
0-1 |
7分 |
得点 |
法大 |
松村晃助 |
1-1 |
27分 |
得点 |
法大 |
石井稜真 |
2-1 |
58分 |
交代 |
法大 |
中村翼→溝口駿 |
|
|
交代 |
法大 |
石井稜真→小湊絆 |
|
59分 |
得点 |
法大 |
モヨマルコム強志 |
3-1 |
63分 |
得点 |
中大 |
田中幹大 |
3-2 |
72分 |
交代 |
法大 |
松村晃助→青木俊輔 |
|
77分 |
得点 |
中大 |
湯谷杏吏 |
3-3 |
88分 |
交代 |
法大 |
中川敦瑛→小池直矢 |
|
スターティングメンバー
背番号 |
ポジション |
選手名 |
学部・出身校 |
1 |
GK |
中川真 |
スポ4・徳島市立 |
6 |
DF |
梅津龍之介 |
経済1・鹿島アントラーズユース |
7 |
DF |
松岡迅 |
経済4・前橋育英 |
17 |
DF |
今野息吹 |
経済4・三菱養和SCユース |
26 |
DF |
モヨマルコム強志 |
現福4・東福岡 |
8 |
MF |
渡邉綾平 |
経済4・前橋育英 |
11 |
MF |
中川敦瑛 |
経済3・横浜FCユース |
14 |
MF |
吉尾虹樹 |
現福4・横浜F・マリノスユース |
23 |
MF |
溝口駿 |
経済3・法政二 |
25 |
MF |
中村翼 |
経済3・横浜F・マリノスユース |
19 |
FW |
小湊絆 |
スポ1・青森山田 |
サブメンバー |
21 |
GK |
中川真 |
スポ4・徳島市立 |
3 |
DF |
渡邉光陽 |
経済3・尚志 |
16 |
DF |
大迫蒼人 |
経済2・FC東京U-18 |
18 |
MF |
林航輝 |
現福4・清水エスパルスユース |
4 |
MF |
溝口駿 |
経済3・法政二 |
22 |
MF |
小池直矢 |
現福1・前橋育英 |
24 |
MF |
中村翼 |
経済3・横浜F・マリノスユース |
29 |
MF |
浅野直希 |
経済2・G大阪ユース |
27 |
FW |
小湊絆 |
経済4・FC東京U-18 |
試合後順位表
順位 |
大学名 |
勝点 |
試合数 |
勝-分-負 |
得点/失点 |
得失点 |
1位 |
筑波大 |
27 |
12 |
8-3-1 |
33/11 |
22 |
2位 |
流通経済大 |
20 |
12 |
6-2-3 |
21/19 |
2 |
3位 |
東京国際大 |
18 |
12 |
5-3-3 |
15/13 |
2 |
4位 |
日本大 |
17 |
12 |
4-5-2 |
16/11 |
5 |
5位 |
明治大 |
16 |
12 |
6-4-1 |
19/12 |
7 |
6位 |
東洋大 |
16 |
12 |
5-1-5 |
22/17 |
5 |
7位 |
桐蔭横浜大 |
13 |
12 |
3-4-4 |
22/19 |
3 |
8位 |
拓殖大 |
13 |
12 |
3-4-4 |
15/26 |
-11 |
9位 |
法政大 |
12 |
12 |
2-6-4 |
20/24 |
-4 |
10位 |
東海大 |
9 |
12 |
2-3-6 |
10/18 |
-8 |
11位 |
国士館大 |
7 |
12 |
1-4-6 |
9/20 |
-11 |
12位 |
中央大 |
5 |
12 |
1-2-8 |
12/24 |
-12 |
試合スタッツ
節 |
日付 |
対戦校 |
結果 |
会場 |
1 |
4月2日 |
東洋大 |
〇2-1 |
非公開 |
2 |
4月8日 |
国士館大 |
△2-2 |
国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場 |
3 |
4月15日 |
東海大 |
△2-2 |
東海大学湘南キャンパスサッカー場 |
4 |
4月29日 |
拓殖大 |
△2-2 |
相模原ギオンスタジアム |
5 |
5月13日 |
筑波大 |
●1-5 |
味の素フィールド西が丘 |
6 |
5月27日 |
中大 |
〇4-2 |
法政大学城山サッカー場 |
7 |
6月3日 |
日大 |
△1-1 |
法政大学城山サッカー場 |
8 |
6月10日 |
明大 |
●1-2 |
法政大学城山サッカー場 |
9 |
6月17日 |
東京国際大 |
△1-1 |
法政大学城山サッカー場 |
10 |
7月15日 |
流通経済大 |
●1-2 |
法政大学城山サッカー場 |
11 |
7月23日 |
桐蔭横浜大 |
●0-1 |
ニッパツ三ツ沢球技場 |
12 |
7月29日 |
中大 |
△3-3 |
中央大学多摩キャンパスサッカー場 |
13 |
8月5日 |
筑波大 |
- |
筑波大学第一サッカー場 |
14 |
8月12日 |
流通経済大 |
- |
流通経済大学龍ヶ崎フィールド |
15 |
9月30日 |
日大 |
- |
スポーツ日大 アスレティックパーク稲城 サッカー場 |
16 |
10月7日 |
拓殖大 |
- |
拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場 |
17 |
10月14日 |
東京国際大 |
- |
東京国際大学坂戸キャンパス第一グラウンド |
18 |
10月22日 |
明大 |
- |
AGFフィールド |
19 |
10月28日 |
東海大 |
- |
法政大学城山サッカー場 |
20 |
11月4日 |
桐蔭横浜大 |
- |
法政大学城山サッカー場 |
21 |
11月11日 |
国士舘大 |
- |
法政大学城山サッカー場 |
22 |
11月18日 |
東洋大 |
- |
埼玉スタジアム2002 第2グラウンド |
マッチレポート
今節は「アミノバイタル®」カップ5位決定戦以来となる中央大学との”八王子ダービー”。
前節からのスタメン変更は2人。左サイドハーフに松村晃助(経1=横浜F・マリノスユース)、1トップには石井稜真(経3=アビスパ福岡U-18)が入った。
前半開始早々、いきなり試合が動く。1分。フリーキックの流れから、左サイドを崩され、自陣深くからクロスを上げられると、中大FW星野に押し込まれ、先制点を献上してしまう。いきなり嫌なムードが流れたが、そのムードを変えたのは松村だった。6分。ゴールキックを石井が競り合い、相手DFがクリアしたこぼれ球をペナルティーエリア外から左足一閃。見事な弧を描いたボレーシュートが、ゴールに突き刺さり、同点に追いつくことに成功する。しかし、その後は中大の組織的な守備に対して、ボールを前に運ぶことができず、苦しい時間が続く。14分、15分、22分と立て続けにゴールを脅かされるが、中川真(スポ4=徳島市立)の好セーブもあり、同点のまま試合は進んでいく。その後は一進一退の攻防が続いたが、試合を動かしたのは法大だった。27分。ペナルティーエリア手前の中央でフリーでパスを受けた中村翼(経3=横浜F・マリノスユース)からの落としを受けた石井が、右足でコントロールシュートを放つ。これが見事にゴール右上に決まり、逆転に成功する。勢いそのままに、38分には、中村とモヨマルコム強志(現4=東福岡)、43分には吉尾虹樹(現4=横浜F・マリノスユース)が、シュートを放つ。これらは惜しくもゴールとはならなかったが、法大は良い流れのまま前半を折り返した。
中村にも今季初の得点に絡む数字が記録された。
後半も法大が押し込む時間が続く。3分には今野息吹(経4=三菱養和ユース)が左サイドを駆け上がり、クロスを上げると19.石井稜真(経3=アビスパ福岡U-18)が頭で合わせるも惜しくも枠の上。攻勢を強めていく法大はさらに多くのチャンスを創り出す。7分には、松村のパスを受けた石井、9分にはドリブルで相手を交わした、モヨ、12分には右サイドからのクロスを受けた中村がゴールを狙うも、枠の外に外れてしまう。ここで法大は石井に代えて、小湊絆(スポ1=青森山田)、中村に代えて、溝口駿(経3=法政二)を投入する。その直後、法大がまたも試合を動かす。14分、渡邉綾平(経4=前橋育英)のコーナーキックをモヨが頭で合わせ、待望の3点目を奪う。ベンチメンバーも含めて、全員で歓喜を分かち合ったのも束の間。18分。一瞬の気の緩みからディフェンスラインの裏を取られ、ペナルティーエリア内で相手を倒し、PKを献上してしまう。これを冷静に決められて、1点差に詰め寄られる。その後も流れを変えられない法大は、32分に同点弾を献上してしまう。相手のコーナーキックを大きくクリアする事が出来ず、ゴール前で混戦となり、最後はヘディングで押し込まれ、試合を振り出しに戻されてしまう。息を吹き返したい法大は、35分、42分とコーナーキックを得るが、どちらもチャンスには至らず。アディショナルタイムには、溝口が、左サイドでボールを受け、ゴール右隅を狙ったシュートを放つも、ネットは揺らせず。その後は、一進一退の攻防を繰り広げるも、両者決め手を欠き、3ー3で試合終了。
リーグ戦6試合勝ちなしとなり、上位追撃に向けて、痛い引き分けとなってしまったが、下を向いている時間はない。次節の相手は、首位・筑波大学戦。その先には総理大臣杯がある。苦しいチーム状況ではあるが、法大の選手たちなら必ず、この壁を乗り越えてくれるはずだ。
(取材:白戸大貴、石橋知花、中田沙羅 撮影:大草拓馬)
松村の思い切りの良さが、暗雲を払拭した。
試合後インタビュー
井上監督
ー試合を振り返って
攻撃と守備がうまく噛み合わなかったなと思います。攻撃が点を取れる時に守備が我慢しきれないし、前節は守備が最小失点に抑えている時に攻撃が点を取れなかった。今日は入りから少し集中していなかったところもあって、あまり上手く入れなくて、その中で逆転したからすごく良かったけども、要所要所で今のチームの雰囲気を表してしまっているなという感じの試合でした。
ーFW石井 リーグ戦で久しぶりのスタメン
相手の守備に対しての攻撃のところで、2CBが1トップに対してぼかしがちなところがあったから、石井稜真は足も速いし背後への抜け出しも上手なので、そこで1発いけるだろうなと思って彼を選択した。まあ点を取った時はそうではなかったけど(笑)
でもあそこのシュート技術を持っていたところと、あと日頃からシュート練習の努力を、(試合に)出られない時もずっと続けていたから、そういったところでの信頼を勝ち取った、そういった意味で出しました。
ーMF松村 怪我で途中交代
まあ一応歩けてはいたのでそんなに大きくはないのかなとは思いますけど、ゲームは出来ないくらいの痛さではあったという感じ。心配ではありますけど大丈夫だと思います。
ー前節に続く松岡、梅津のCBコンビについて
攻撃のことを考えると、今回もボールをもう少し保持できると思っていたから、そういった意味ではこの2人が1番良いチョイスだと思って選びました。
ー後ろで回す時間も長かった試合。監督は前線で顔を出す選手を求めることはあるか
前半の途中に(松岡)迅が2本くらい縦パスがあまり上手くいかなかった状況があって、なんでかなと思って映像を確認すると、ボランチ脇のところから顔を出す選手がいなくて…多分(渡邉)綾平がいつも多分フリーマンではいたと思うのでそこにどう入れるのかっていうことが1つビルドアップからの大事なところかなと思って、そこは修正したら(中村)翼から綾平へ前に入ったシーンもあったんだけどね。あとは両サイドの選手の特性で、(松村)晃助とノブ(中川敦)のところが、縦で背後を狙うことがあまりない。やっぱり人で綺麗に運ぶって中々難しいから、逆に言ったらそこ(サイド)にそういった(背後を狙う)選手を置いたら、多分何本か裏で取ってもう少し全体が前進しやすい状況にはなっていたのかなと思います。
ーMF溝口以外にサイドで裏に欲しがる選手は
サイドでとなるといないかもね。翼も今日はどっちかと言えば落ちていく感じで、あまり連続性がないな、大丈夫かなと思っていたけれど、背後のところに上手く抜け出してくれる選手は翼くらいかな。あとはFWでは稜真とかもいるけど、サイドでとなると確かにあまりいないです。
ー後半にかけて勢いがなくなったように感じた試合
今は相手に対して戦術的にというよりも、そういう元気というか、勝っているからポジディブにいこう、なんとか勝ち切ろう、みたいな空気感がね…3点取ったら全部喰らっちゃっていたよね。勢いを喰らってしまうのは、まあ(小湊)絆が入ると、あいつは結構(ボールを)キープ出来そうだから、多分少しロングボールが多くなって前向きになった瞬間にそれを奪われてカウンターっていう感じ。そこをもう少し整理してあげれば良かったシーンもあったね。サイドハーフのところを全部行かれていたから、サイドハーフにまずはセカンドボールを拾えと言った方が良かったかな…
ー3失点目のCKに繋がったプレー(サイドハーフの場所が空いた場合のスライド)について
おそらくあそこを助けられるのはFWの選手だと思うんだよね、絆かな、誰かな。「(青木)俊輔のところを戻せ」って言ったけど、体力的なのか何なのか中々(戻せなくて)…あそこを気づいて戻せる選手がいると、すごく助かるんだけどね。あそこをガーッてあっち(逆サイド)まで行ったらああなりやすい(スペースが空いてピンチを迎える)よね、確かにね。
セットプレーのところも昨日自分たちでああしようこうしようって言って、コミュニケーションを取っていた。俺は今までセットプレーの練習を20〜30分くらいしかやっていなかったんだけど、やっぱりセットプレーでの失点も多いし、学生コーチに任せて、ずっと選手主体ですごく良い感じでやっていたんだけどね…雰囲気がそうさせてしまったのかなと思います。
ー次節、筑波大戦に向けて
もう明日からどう立て直すかということ、1日1日どう過ごしていくかでしかないと思います。勝ってしっかりと大臣杯に行けるように、日常をどう前向きに変えていくか。勝っている時間帯はあるので、その時間で終われるような声掛けと雰囲気が出来るように、日常を少しずつ変えていきながら、筑波に勝って総理大臣杯に向かって行けるようにしていきたいです。