箱根直前インタビュー
2023年12月9日(土)
東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)まで残すところあと6日となった。今大会の目標は、前回大会で惜しくも届かなかった『総合5位以内』。1年間掲げてきた目標に挑む選手たちに、今月9日にお話を伺った。第1回は大島史也、行天晴虹、野田晶斗のインタビューをお届けする。
インタビューに応じた野田
インタビュー
大島史也
ー今季全体を振り返って
大きなけがもなく継続して練習を続けられて6月の全日本予選から始まったシーズン、夏合宿もほぼパーフェクトにこなすことができ三大駅伝の出雲駅伝を走らせていただいて。結構順調な流れで来れたという印象はありました。最後は疲労があり何本か変わらないレースを11月、12月でしてしまいましたが、全体で見てみたら自分としてはいい流れを持って行けたかなと思います。
ー今のご自身のコンディションは
9月、10月あたり合宿が終わり、その時期は本当に自分としては状態が良くて。5000mのセカンドベストぐらいで走れるほど良かったんです。そこから練習がもう一段階上がり、箱根を走りたいという気持ちで自分で無理してやりすぎてオーバーワーク気味になり、若干調子を落としてしまったんです。けど、今の調子としては悪いわけではなくて、しっかり上げられていて(箱根の)1ヶ月前として見れば今は自分としてはいい状態なのかなと思います。
ー箱根駅伝まで残り1ヶ月を切りました 今の心境は
箱根駅伝まで1ヶ月を切ってやっぱり箱根駅伝を走るという気持ちでずっとやってきたのでまず出走したいという気持ちが大きくて、その中で1年間で1番良い調子を本番に持っていけるようにここからしっかり調整していきたいなというふうに感じます。
ーこの1年間、練習や生活面で意識的に変えた部分は
去年は、生活が悪いわけではなかったんですけど、やっぱり上手く走れなくて故障を繰り返してしまって。そういったところから色々自分の中で変えてみようという意識で睡眠だったり食事、練習の質、色々変えてみて、朝起きてから寝るまでの意識は全てが変わったかなと思います。
ー食事での意識というのは
少しでも量を取ろうという意識で、米はもちろんなんですけど決められた寮食プラス一品付け加えたりというのは絶対やるようにしています。
疲労回復ももちろんですけど、食べた分はエネルギーになるので。
ー9月24日に行われた絆記録会では13分50秒97をマークしました。その記録の要因は
夏合宿終盤はオーバーワークで自分の限界を超えた練習をしていたので調子としては結構ガタがきていて。その合宿は9月の半ばくらいまでやっていたんですけど、合宿から解放されて練習としても落ち着いたので積み上げたものが一気に結果として出てくれたのが絆記録会だったのかなと思います。
ー出雲駅伝での走りを改めて振り返って
去年けがをを繰り返してシーズン初め、最終目標としては箱根駅伝だったんですけど、その中で全日本予選を落としてしまって。箱根の前には絶対三大駅伝を走りたいという気持ちと走らないといけないという気持ちで夏合宿は絶対メンバー入るぞ、という気持ちでやってきたので、その舞台に立てたというのはすごく嬉しいことでした。
ー上尾ハーフでの結果について
それまで10000mで何本かレースを重ねて、その前も練習の強度としては上げてやっていたので、調子は良かったんですけどいざ走ってみると後半、足の今までの疲労というところで終盤粘りきれなくて自分の走りが全然できなかったなというふうに思います。
ー上尾ハーフでの一年生の活躍を見て刺激はありましたか
野田君なんですけど。新入生として入ってきた時は最初から5月、6月の10000mのレースを見てて本当に粘り強くて(笑)。粘り強さでは勝てないな、というその根性を見習いたいなと感じてて。一緒に走るレースは多かったんですけど上尾ハーフでの彼の粘り強さを見れてやっぱりすごいな、と感じました。
ー出雲駅伝後の取材で、坪田智夫駅伝監督が大島選手を箱根駅伝のキーマンとして挙げられていました
自分は去年のシーズン初めは走りこめていなくて周りからも出遅れてしまっていて。距離走とかも全然対応できなかったんですけどその中でも坪田さんは期待して下さって見捨てずに夏合宿も見てくれたので期待に応えたいなとすごい感じます。
ー箱根駅伝の希望区間は
往路としては3区、復路は7区を走りたいなって思っています。
ーその理由は
区間として最初が下り基調でスピードに乗っかっていける区間なので。自分はどちらかというと後半型ではなくてハイペースで入って押していくというタイプなので自分の走りの持ち味を生かせるのかなと思ったからです。
ー1年前の自分と違うところを教えて下さい
気持ちが強くなったかなと思います。練習が苦しいところとかで逃げずに、去年だったら逃げていたと思うんですけど、しっかり負けないで強気で練習できるようになったところだと思います。
ー箱根駅伝に向けて意気込みを
箱根駅伝、2年目でやっとメンバー争いに絡めるようになって、ここまで苦しい時に支えて下さったトレーナーさん、スタッフ、家族、仲間に感謝の言葉を伝えたいんですけどやっぱり走りで恩返しができたらなと思っています。
(インタビュー・艶島彩)
大島史也(おおしま・ふみや)
社会学部2年
2003年7月19日生まれ
出身校:専修大学松戸高等学校
自己記録:28分53秒14(10000m)、1時間5分23秒(ハーフマラソン)
行天晴虹
-今年1年を振り返って
1年生のときは調子が良くなくて、走れていなかったので、今年は箱根駅伝のメンバーに絡めるような感じで来て、いい感じできています。
-去年の1年目を踏まえて変わった意識はありますか
箱根駅伝のメンバーに絡めるようになって、箱根駅伝が身近というか、本当に走れることが現実的になって、近くなった感じがあります。
-去年より成長したところは
走るのが速くなりました。
-現在のコンディションは
状態も上がってきていて、箱根駅伝に向けていい感じだと思います。
-11月の世田谷ハーフとMARCH対抗戦の走りを振り返って
世田谷ハーフはけが明けで1週間位の練習で合わせる感じだったんですけど、その中で結構ひどくなるかなと思ったのですが、最低限の65分くらいでまとめられたのが良かったです。しかし、その次のMARCH対抗戦では練習不足が出てしまって外してしまったのがダメだったなと思いました。
-今の4年生に対する思いは
色々お世話になってきたので、走りで恩返しできたらいいなと思います。
-他大学意識する選手やライバルは
特にいないですね。
-法政の中では
誰がという感じではなく、みんなですね。
-箱根駅伝までの期間に取り組みたいこと
特別なことをしないで、いつも通り1日1日練習をやっていけたら結果につながると思うので、そうしていきたいです。
-ご自身の走りの強みは
最後まで諦めないことです。
-箱根駅伝にかけると思いは
小さい時からの夢で走りたいと思っていたので、本当に走れたらいいと思います。
-箱根駅伝で走りたい区間は
10区ですね。
-その理由は
1番テレビに映るかなって感じです。
-箱根駅伝の目標は
チームの総合5位に貢献する走りをすることです。
-応援してくださる人に一言
応援してくれる人にしっかり結果で恩返しできるように頑張ります。
(インタビュー・宮下柚華)
行天晴虹(ぎょうてん・はるく)
経済学部2年
2003年7月22日生まれ
出身校:小豆島中央高校
自己記録:29分25秒26(10000m)、1時間04分57秒(ハーフマラソン)
野田晶斗
ー今年一年を振り返って
今年は入寮したのと同じタイミングで怪我をしてしまったのと、寮生活に慣れることで疲れが溜まってしまったことで、うまく結果が結びつくことはなかったですね。夏合宿の時も再びけがをしてしまったんですけど、それ以降は本当に順調に練習につながっていて、試合でももう少し行きたかったというのは正直上尾ハーフとかでもあるんですけど、最低限の結果を出してくることはできたと思います。
ー現在の脚のコンディションの方は
夏のけが以降は、全くけがはなく練習も続けられていて、脚にも力がついてきたなというのは自分でも実感しているので、今の脚の状態はとてもいいです。
ーご自身の強みは
ある一定のペースで走っているとキツくなってくるとは思うんですけど、キツくなってからの粘り強さは周りの人以上にはあると思います。
ー最近の練習で意識していることは
駅伝では集団走ではなくて、自分が任されるのであれば単独走になると思うので、もし単独走になった場面でも、自分のペースで押していけるようにということを意識しています。
ー1年生ですが、箱根駅伝のエントリーメンバーに入りたいという気持ちは強いですか
しっかり一年目からしっかり結果を出したいという気持ちは強いですし、出身が関西なんですけど、陸上を頑張るということで上京してきているので尚更ですね。
ー希望区間は
多くはなってしまうんですけど、今のところは3、4、7区あたりを考えています。
ーその理由は
正直、1区とか2区とかはまだ自分には力が足りないですし、あと、山というのも自分には向いていないかなというのもあって。単独走を自分が得意にしていて、その強みを発揮できると思うからです。
ー6月に行われた全日本予選から、「ここは成長した」と言えるところは
そのレースでは、最初から弱気になってしまっていた部分があって、それが最初の出だしの走りにも出てしまって。後半のペースアップについて行くだけの力はなかったんですけど、今では積極的な走りをするというのは心掛けているところではあります。後半のペースアップというところでも、日体の記録会ではラスト1kmを少し上げていくことはできているので、そういった部分は以前と比べると力がついてきていると言えると思います。
ー陸上部の中での注目選手は
同学年にいる5000mのタイムが学年トップの星野泰地選手です。最近まではけがをしていたのですが、練習を詰めるようになっていたり、走りがとても軽かったりするので、しっかりと練習がつながれば、強い選手になってくるなと感じています。今シーズンはだめでも、来シーズンはカギを握るような選手になってくるのかなと思います。
ー本番への意気込みを
もしエントリーメンバーに選ばれたのであれば、どの区間であっても総合5位という目標を達成するような走りを見せたいです。また、走るのであれば自分の強みであるキツくなってからの粘り強さというのには周りの選手以上に自信があるので、1年生ではありますが他の選手に負けないような力強い走りを見せたいと思います。
(インタビュー・齋藤凌)
野田晶斗(のだ・あきと)
社会学部1年
2005年3月3日生まれ
出身校:京都産業大学附属高等学校
自己記録:28分56秒53(10000m)、1時間03分49秒(ハーフマラソン)