【サッカー】関東大学サッカーリーグ 第5節 対順天堂大 残り10分の逆転劇!去年3位の順大を撃破
JR東日本カップ2015 関東大学サッカーリーグ戦1部
第5節 対順天堂大
2015年4月26日(日) 横須賀リーフスタジアム
勝てば降格圏脱出、敗れれば最下位降格と、絶対に負けられない一戦となったこの試合。開始後から両チームしっかりと守備を固め、攻めあぐねる展開が続いたものの、後半開始直後PKを与えてしまい失点。1点ビハインドのまま後半35分を経過し、このまま試合終了かと思われたが、終了間際に2得点。劇的な逆転勝利で横須賀リーフスタジアムを沸かせた。
試合結果
トータル試合結果
1 順天堂大学 |
0 | 前半 | 0 | 2 法政大学 |
---|---|---|---|---|
1 | 後半 | 2 |
得点とアシスト
時間 | 大学 | 得点者 | アシスト |
---|---|---|---|
52分 | 順天堂大 | 松島奨真(PK) | |
84分 | 法政大 | 白石智之 | |
90分 | 法政大 | 永戸勝也 | ディサロ燦シルヴァーノ |
メンバー
順天堂大学 監督: 堀池巧 |
法政大学 監督: 長山一也 |
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1 | GK | 志和大貴 |
1 | GK | 富澤雅也 |
2 | DF | 坂圭祐 | 2 | DF | 山田将之 |
4 | DF | 矢部純也 | 4 | DF | 柳沢拓希 |
5 | DF | 新井一輝 →宮本(HT) |
9 | DF | 永戸勝也 |
12 | DF | 原田鉄平 | 22 | DF | 田代雅也 |
8 | MF | 新里涼 | 8 | MF | 青島拓馬 →ディサロ(79分) |
6 | MF | 青木翼 | 10 | MF | 西室隆規 |
7 | MF | 進藤圭介 →小島(63分) |
14 | MF | 白石智之 |
10 | MF | 長谷川竜也 | 7 | MF | 鈴木貴大 →上田(75分) |
11 | MF | 米田隼也 | 23 | MF | 黒柳駿 |
23 | FW | 松島奨真 →毛利(75分) |
18 | FW | 日影健太 →高田(61分) |
サブメンバー | |||||
21 | GK | 池田隼 | 12 | GK | 林翔太 |
3 | DF | 吉永哲也 | 6 | DF | 伊藤航希 |
13 | DF | 宮本和輝 | 30 | MF | 奥村宣彦 |
27 | MF | 杉田真彦 | 15 | MF | 上田慧亮 |
14 | MF | 毛利駿也 | 20 | MF | 鈴木歩 |
17 | FW | 小島凌 | 11 | FW | 高田一輝 |
31 | FW | 名古新太郎 |
31 | FW | ディサロ燦シルヴァーノ |
※(カッコ内)は、選手の学年、および交代した時間を表示しています。
戦評
この日の試合は両チーム慎重な入りを見せ、膠着した試合展開。互いに守備ブロックを築き、相手に攻める隙を与えない展開が続いた。そんな展開の中で主にボールをキープしたのは法大。簡単には前に出ていかせてもらえず、DFラインと中盤のスペースが広く開いていたこともあり、後ろでボールを回す時間が続いた。そんな中でゴールの兆しを見せたのは怪我から復帰した鈴木貴大(経4)やこの日キレキレの白石智之(経4)らのドリブル突破。この二人に永戸勝也(スポ4)を加えた左サイドの3人で順大ゴールに迫り、前半だけで7本のCKを得たが得点にはつなげられず。両チーム無得点のまま前半を終えた。
後半は開始直後から法大がチャンスを作る。47分には西室隆規(現4)のFKに柳沢拓希(経3)が合わせるも枠外。49分には白石の突破から西室がミドルシュートもこれもゴールならず。このまま法大が優位に試合を進めるかと思われたが、50分にPKから失点。思わぬ形で失点してしまう。
この失点で順大を勢いに乗せてしまう。10分、MF米田にドリブルで持ち込まれミドルシュートを打たれるが、これはGK冨澤雅也(経4)のファインセーブで難を逃れる。続く13分にはパスミスをカットされMF長谷川にGKと1対1の場面を作られるが、ここも冨澤がブロック。こぼれ球からシュートを打たれたが、柳沢がゴールに入りクリア。集中力を切らさず失点を許さない。守備面では安定した戦いを見せたが、失点後から前掛かりになり中盤とDFラインの間が空き始め、うまくボールが回らない時間が続く。
この状況を打開する為、長山監督はドリブルでの仕掛けを得意とする上田慧亮(現2)を投入。上田のドリブルでの積極的な仕掛けは相手守備陣を翻弄。法大が相手ゴールに迫る機会が増える。
そして83分、CKからのこぼれ球を最後は白石が頭で押し込み、待望の同点ゴールが生まれる。同点に追いついたことで完全に流れは法大。逆転にむけ相手ゴールに迫り続けた。そしてついに90分、逆転に成功する。上田が右サイドからドリブルで切れ込み、ボールを受けた高田一輝(スポ3)がシュート。一度はGKにはじかれるも、それを拾ったディサロ(経1)が永戸に渡し、永戸がミドルシュートを叩き込んだ。ロスタイムも集中して守りきり、貴重な勝ち点3を手にした。
試合後に白石が語った通り、最後まであきらめない姿勢がギリギリでの逆転勝利をもたらした。この勝利はただの1勝というだけでなく、チームに自信をもたらす1勝となるだろう。首位との勝ち点差は4。この調子で勝利を重ね、目標のリーグ優勝を目指して欲しい。(安部雅人)
コメント
長山一也監督
-今日の試合の総括を
今日も立ち上がりからしっかり戦えていました。それは開幕戦以外はできていたんですが、今日は特に選手中心になって自分たちでゲームの運び方や立ち上がりの入り方のところを話し合いながらプレーしていました。それはピッチの外から見ていてもそういうコミュニケーションは取れていたので、そういうところが見れてすごく成長したなと思いましたし、それが今日勝てた要因だったかなと思います。
-前半は後ろでボールを回す時間が多かったが、それは選手同士で話し合って狙いがあってか
もう一個前のところで仕掛けられるような状況があれば良かったんですけど、ボールは持っているけど3分の1までは入っていけないという感じでした。相手も集中して守っていましたし、それは狙いがあってというわけではないですけど、もうちょっとシュートの意識が強ければもう一個前のところまで行けてたかなと思いますし、そこはうちの課題だと思います。
-それは前節から言っていた「攻めの姿勢」の話にもつながるか
そうですね。「行こう」という気持ちはあるんですけど、最後にシュートを打って終わるのと打たないで終わるのではまだ違うと思いますし、シュートの打てるところにポジションを取っていたりとかそこにパスを通したりとかっていうところの質がまだまだ低いので、それはまだまだ上げていく必要があると思います。
-前半に両サイドハーフがオフサイドラインギリギリまで張っていたのも選手たちで話し合った結果だったのか
試合前のスカウティングでサイドバックへのアプローチを意識させていたので、その後のプレーも含めて常に高い位置にいたとは思います。それは守備の部分で意識させていた部分で、攻撃のところでも高い位置でアプローチをかけた影響でその後のプレーも高い位置になっていたと思うので、それは狙いを持ってやっていたことですね。
-鈴木貴大選手が復帰し、良いプレーを見せたいたが
肩の手術をして、前から復帰はしていたんですけど、コンディションがもう一つ上がってこない状況でこれまでサブに入れていました。その中で体も少しずつ動いてきたので、今日はスタートから行ってもらいました。もちろん能力がある選手ですし、バイタルエリアで仕掛けたり繋いでくれるような選手なので、もっとゴールへの意識を出してプレーしてほしいですけど、今日アクセントにはなっていたので、評価できるプレーだったと思います。
-次節に向けて一言
まだ今年連勝していないので、連勝することによってまたリーグ戦の上位にあがっていく流れを作ることができると思うので、まずは相手どうこうではなく連勝を目指す戦いをして勝ち点3を取りたいと思います。次から3連戦なので、チーム一丸となってしっかりと戦えるように準備していきたいと思います。
MF白石智之
-今日の試合の総括を
スカウティングをみんなでしっかりして、相手が後ろで回している時に全員で守備に行けばボール取れると思いましたし、負ける相手ではなかったと思います。とにかく今日は始まった時からの守備というのをキーワードにやっていました。
-今日の試合は選手同士の話し合いで進めていたと聞いたが
そうですね。失点した時に「絶対にチャンスは来るから」という話をしていて、これまでの試合だと慌てちゃってたんですけど、今日は慌てないでやれました。それがああいう形になったので次も続けていきたいです。
-守備面以外に決め事などは
点があまり取れていないので、もっとシュートを打てということを前線の選手は言われていました。
-今日は白石選手のサイドからの崩しが多かったが、自身のプレーは
隆規(西室選手)と勝也(永戸選手)と貴大(鈴木選手)が良い距離感にいるので、左サイドは自分たちの強みだと思っています。そこから最後の質をどう上げるかというのがこれからの課題だと思います
-今日の得点でリーグ戦2得点目だが、白石選手の中で去年に比べ得点の意識というのは上がっているのか
そうですね。やっぱりスカウトの人などを常に意識して試合に臨んでいるので、結果にこだわってやってる部分はあります。
-得点の場面を振り返って
セットプレーが自分たちにとってはチャンスなので、そこで常にこぼれ球を狙っています。自分はヘディングは得意ではないですけどこぼれ球を意識していれば良いところにボールが転がってくる可能性は高いので、ゴール前のポジショニングは意識しています。
-両チーム全体的にボールコントロールのミスが多かったが、今日の会場はやりにくかったか
ずっと1部に上がってから天然芝でやってきたので、今日人工芝が初めてで感覚は少し違いましたね。
-次節にむけて一言
連勝がまだ無いので、次節しっかり勝って連勝して、勢いに乗って上位にいきたいと思います。
フォトギャラリー
- 終了間際に逆転し喜びを爆発させる選手たち
- 逆転弾を決めた永戸はMOMを獲得
- ケガから復帰し攻撃をけん引した鈴木貴
- 黒柳も後方からの組み立てた
- 田代を中心とした堅守はこの日も健在
- キレのあるドリブルを見せた白石
- 途中出場で攻撃を活性化させた上田
- 積極的にシュートを狙った高田