箱根直前インタビュー
2023年12月9日(土)
東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)まで残すところあと4日となった。今大会の目標は、前回大会で惜しくも届かなかった『総合5位以内』。1年間掲げてきた目標に挑む選手たちに、今月9日にお話を伺った。第3回は矢原倖瑛、宮岡幸大、安澤駿空のインタビューをお届けする。
インタビューに応じた宮岡
インタビュー
矢原倖瑛
―エントリー発表の直前ですが、今の心境はいかがですか
エントリーは通過点というか、ここからいよいよ本番だなという感じですね。
―ここまでの今シーズン全体を振り返っていただいていかがでしたか
今シーズンは春先にけががあって全日本予選に出られなかったのですが、そこから夏はしっかり立て直すことができました。継続した練習や質の高い練習をしっかりできて、秋シーズンは10000mやハーフでしっかり箱根駅伝に向けてアピールできたかなと思います。
―夏合宿ではどのような練習をされていましたか
夏合宿で特に行ったのは距離を踏むことで、距離走もそうなんですけど、質の高い練習を重点的に行っていました。
―世田谷ハーフやMARCH対抗戦で得た収穫は何かありましたか
世田谷ハーフでは目標にしていた63分台、MARCH対抗戦でも目標にしていた28分台、両方とも出すことができたので、夏の積み上げであったり、大事なレースで外さないという安定感であったりというのを自分で確認できたのと、チームとしても他校とある程度勝負できるということが分かったので、そういう意味で自信がついた試合だったかなと思います。
―今回の箱根で希望する区間は何区ですか
3区か4区です。
―その理由をお願いします
元々復路を希望していたのですが、世田谷ハーフやMARCH対抗戦で結果を出すことができたので、自分がしっかり前半区間を走ってチームに勢いをつけないといけないなと思うようになりました。
―個人としての目標はどういったところですか
まだ区間は分からないですが、総合5位を狙っているチームとしては往路で区間10番では遅すぎると思うので、往路に回るなら区間5番から7番あたりで走りたいなと思っています。もし復路に回るのであれば区間賞であったり、区間3番以内を意識して走りたいなと思います。
―事前のアンケートではご自身の走りで注目してほしいポイントとして安定感を挙げていましたが、それをどのような形で生かしたいですか
試合もそうですが練習でも基本的に外したことはないので、長い21kmの中で自分はしっかり組み立てることができると思います。そういう面で安定感は生かせるかなと思います。
―最近の練習の中で、特に意識している点はどういったところですか
練習では出し切らないということを意識しています。先週強度の高い練習があって、そこでは7~8割でいったのですが、そこでもしっかり最後は出し切らず、余裕を持って箱根につなげるという形で練習は意識しています。
―チーム内でのご自身の役割はどういったところですか
しっかり走らないといけないなというのがやはり一番なのですが、どこの区間を走っても勢いをつけることができる選手だと自分で思っているので、後ろの選手に少しでも楽をさせることであったり、勢いをそのままつなぐことができたらいいなと思っています。
―現在のコンディションはいかがですか
先ほども言った通り先週に強めの強度の練習を行ったのですが、そこでも結構いい走りができたので調子もいいと思います。
―矢原選手にとって、箱根駅伝とはどのような舞台ですか
やはり大学に入った理由も箱根駅伝に出たいからだったので、夢の舞台です。
―それでは、箱根に向けて意気込みをお願いします
箱根駅伝で総合5位を目標に1年間やってきて、その答え合わせが1月2日、3日に出るので、悔いのない形で終えたいと思います。苦しい練習もたくさんあったのですが、それを結果で晴らせるように頑張ろうと思います。
―最後に応援してくださるファンの方々にメッセージをお願いします
いつも応援ありがとうございます。 箱根駅伝総合5位という目標に向かって1年間頑張ってきたので、その集大成を箱根駅伝で頑張って見せたいと思います。応援よろしくお願いします。
矢原倖瑛(やはら・こうえい)
経済学部2年
2004年1月4日生まれ
出身校:今治北高校
自己記録:28分54秒60(10000m) 、1時間03分38秒(ハーフマラソン)
宮岡幸大
―エントリー発表の直前ですが、今(12/9)の心境はいかがですか
正直、本戦でいかにして戦うかということしか考えていないです。
―改めて前回の箱根を振り返っていただいて、いかがでしたか
良くも悪くも自分の現状というか、レベル感というのを知ることができて、そこはすごくプラスにつながりました。
―ここまでの今シーズン全体を振り返っていただいていかがでしたか
前半のトラックシーズンはけがで一本も(レースに)出ていなくて、秋も立ち上げながらというところだったんですけど、今のところ調子はいいのかなと思っています。
―夏合宿ではどのような練習をされていましたか
けが明けで、段階的に練習(の強度)を上げていったのですが、自分の中で量を消化することを意識してやりました。
―上尾ハーフで何か得た収穫はありますか
単独走を意識していて、実際に単独走になった部分や集団を引いていく部分が多かったんですけど、その中で自分の目標としていた設定タイム内で走れたので、そこはすごく自信になりました。
―今回の箱根で希望する区間は何区ですか
9区です。
―その理由をお願いします
9区だとほとんど単独走になるので、自分のペースで行きたいなと思って9区を希望しています。
―ご自身の走りで注目してほしいポイントとして、事前のアンケートでは粘りという点を挙げていましたが、それをどのような形で生かしたいですか
駅伝だと結構1人で粘らないといけないという部分があるのですが、そこを1人でもしっかり粘り切るという走りをしたいです。
―最近の練習で特に意識している点はありますか
最近の練習はあまりやりすぎずに、とにかく箱根に向けて自分の現状を確かめながら、無理せずやっています。
―チーム内でのご自身の役割はどういったところだと思いますか
自分の強みとして安定感というのはあるので、特に駅伝に関しては絶対外さないという、頼られるような選手だとは思っています。
―現在のコンディションはいかがでしょうか
70%くらいかなと思っています。
―宮岡選手にとって箱根駅伝とはどういう舞台ですか
正月にあるビッグイベントかなと思います。
―それでは、箱根駅伝に向けて意気込みをお願いします
どの区間を走っても区間賞争いができるように頑張ります。チームの総合5位に貢献できるような走りをしたいと思います。
宮岡幸大(みやおか・こうだい)
スポーツ健康学部3年
2003年2月3日生まれ
出身校:宇和島東高校
自己記録:28分57秒69(10000m)、1時間02分07秒(ハーフマラソン)
安澤駿空
ー今年1年を振り返っていかがでしたか
1.2年と思ったような結果が出なくて、苦しかったです。今年はしっかり練習も積めて夏以降も結構良い調子で来ているので、しっかり良い結果で終われるようにしていきたいなと思っています。
ー去年と今年でトレーニングで変えたところはありますか
特に大きな部分で変えたところはないです。継続した練習っていうのを目標に、けがをしないっていうところであったり、途中離脱しないっていう部分も含めて、ケアの部分であったり、食事、睡眠っていう練習以外の部分で意識する部分が変わったのかなって思っています。
ー今のご自身の状態はどうですか
めちゃめちゃ良いかって言われたら、そんなにです。ある程度の調子ではあるので、今のところは6割〜7割くらいのイメージです。
ー初の3大駅伝出場など、初めての経験も多かったと思いますが、その中で得た収穫は
3年目にして初めて三大駅伝を経験させてもらって、全国での大きな舞台っていうのを、箱根駅伝の前に経験できたっていうのは、自分の中で大きなポイントだと思います。大きな大会っていうのもありますし、駅伝の単独走っていうのも今回経験出来たので、それをしっかり箱根に生かしていけたら良いなって思ってます。
ー出雲駅伝後の取材で「後半のキレ、ラストスパートの粘りが課題」とおっしゃっていましたが、どのように克服していきましたか
ラストのキレもそうなんですけど、中盤から後半にかけての粘りっていうところは、練習でもキツくなってくる場面はどうしても出てきます。そういう時に箱根だったり、大きな大会を意識して、苦しい時にどうやって対処したら良いのかっていうのを、練習の時から意識することが出来ていたのかなっていうふうに思います。
ー出雲駅伝より距離が長い世田谷ハーフでは自己ベストを更新しましたが、長い距離を走る上で意識していることはありますか
短い距離だと後半のことはあまり気にせず、初めからガツガツ行くっていうことが出来ます。ハーフなどの20km以上の距離になると、後半のスタミナの面が自分の課題だったので、10km〜15kmまでは余裕を持っていくっていうのは意識していました。
ー今年は箱根のメンバー入りがかないませんでしたが、当時の心境は
昨年度はギリギリあと1人とかのところで落ちてしまったので、結構悔しかったです。来年は16人、特に10人に入ってやろうという気持ちでした。
ー箱根で走りたい区間は
個人的には地元が近いので8区とかを走りたいなと思っているんですけど、走れたら基本的にはどこでも良いと自分的には思っています。どの区間でも自分の力を最大限発揮して、チームの総合5位の目標に貢献できるようにしたいなと思ってます。
ー先日のアンケートで憧れの選手に法大OBの内田隼太選手を挙げていましたが、その理由は
高校からの先輩ということもあります。そもそも内田さんは持っているものも結構すごくて、自分が(法政二)高校に入ろうと思ったのも、内田さんがいたからっていうのも結構大きかったです。高校からずっと憧れの存在なので、挙げさせてもらいました。
ー今でも連絡を取ったりしていますか
そんなに頻繁には取らないです(笑)。出雲駅伝の時とかは連絡しました。ちょっと励ましてもらったり、不安とか緊張が大きかったので、そういうのを話したら、「気楽に頑張れ」みたいな励ましの連絡をもらいました。そういう面では助かってます。
ー箱根駅伝までどのような調整をしていきたいですか
夏にしっかり練習は継続して出来ていると思います。あとはここからコンディションと体調を整えて自分のベストの100%の力を本番で出し切れるように、残り1ヶ月を切っているので、そこら辺は慎重にやっていきたいなと思ってます。
ー箱根駅伝への意気込みを教えてください
今回は第100回大会っていう、すごく貴重な機会に携わらせてもらいます。携わるからにはしっかり10人に入って、箱根を経験して、チーム目標である総合5位を達成して、最後全員が笑って1月3日を迎えられるように頑張っていきたいなと思っています。
(インタビュー・白戸大貴)
安澤駿空(あんざわ・しゅんすけ)
社会学部3年
2002年6月22日生まれ
出身校:法政大学第二高等学校
自己記録:29分26秒95(10000m)、1時間03分58秒(ハーフマラソン)