【硬式野球】秋季リーグ直前インタビュー⑱~大島公一監督~

大島公一 監督

(以下は8月25日に行いました。都合によりインタビューを2日間にわたって行っております。)
ーー春リーグを振り返って
ある程度結果が出てるので、4位という結果に対して謙虚に反省して、より良いものを今練習しています。

ーー春以降選手にどういった事を伝えているか
もう一度みんなの能力や力を発揮するために正しい競争をしようということです。もうひとつは結果にこだわって細部にこだわっていこう、細かい事を大事にしていこうということです。『競争』と『細部へのこだわり』っていうのは1つのテーマかなと思います。

ーーそのようなことを伝えた上での夏の戦いぶりはどう見てるか
良い面とまだまだな面と、いろいろ絡みあってるなっていうのが現状です。チームとして、まだまだ機能しきれてないことが多いなと思います。でもそういうのが少しずつ明確になってきているので、その課題を潰せるように練習の質を上げていきたいなというふうに思います。

ーーチームの1番の課題はどこだと考えているか
しっかりした守りを固めることと、得点力、勝負強さっていうのがキーポイントかなと思います。守りにしても攻撃にしても、大事な場面でしっかり失点を防げる、大事な場面でしっかり1点が取れる得点力や勝負強さっていうのは大きなテーマかなと思います。

ーーバントやサインプレーなどの戦術は
戦術も含めて、僅差の試合になると予想されるので1点をどう上げるか、1点をどう防ぐかという戦いになると思います。その精度を上げていきたいなというふうに思います。

ーー今の4年生は優勝経験がなく、監督も同じ時期に法政に入ったが4年生に対する思い入れは
私も優勝経験してないですし、優勝を目標にみんなでそこにトライしていこうよ、挑戦していこうよっていうことで、そこの夢の共有はみんなにしっかり出来てると思います。それに対してどう結果に対してこだわったり、細部に対してこだわれるかっていうところだと思うので、そこを毎日毎日積み重ねていきたいなと思います。

ーー4年生以外の選手も活躍しているがそこに関しては
学年を横断してふさわしい選手が1軍にいるべきだと思うので、しっかりした競争の下、私自身が正しい目で選定出来ればなと思います。

ーー秋のキーマンは
みんなキーマンだけど、いろんな意味で篠木健太郎(営4=木更津総合)がキーマンになるのかなと思うし、打線で言えば内海壮太(法4=御殿場西)には期待してます。篠木はJAPANもあったりとか、タイトなので期待はしているところと体は大丈夫かなという心配と複雑な状況ですね。でも頑張って欲しいです。

ーー内海選手の夏のオープン戦での活躍ぶりはどう見てるか
打球も良いものを数多く見れているので、ここでしっかり自分のモノにして、神宮に臨んでもらいたいなと思います。ケガがいつも彼の場合はつきまとってしまったので、故障なく秋のリーグ戦は過ごして欲しいなと思います。

(以下は9月13日に行いました)
ーーオープン戦の序盤勝てない時期もあったが
勝ち負けはね、どうしても選手の使い方に影響しちゃうところがあるので、 あんまり問題がないんだけど、チーム全体としては、やっぱ勝ちにこだわっていこうという話はよくしていました。

ーー関西遠征はアクシデントのあった𠮷安遼哉(法4=大阪桐蔭)に代わり篠木に主将を任せたが
もちろん勝つことに対する執念っていうのは非常に強い選手なので、そういうのをうまく周りに浸透させてくれたらなあと考えていたんだけど、なかなか向こうでも勝てなかったですね。(プロの練習見学、社会人との合同練習を行った意図は)阪神タイガースという伝統あるチームのファームの練習を見たりとか、同年代の人がどういう野球やってるのかっていうのを肌で感じてもらいたかったし、社会人の合同練習は日本生命と大阪ガスという日本一に何度もなっているチームなので、その中で取り組み姿勢であるとか、質であるとか、当然一球の大切さであるとかを少しでも学んでくれたらなと思う気持ちで企画をしました。(選手の変化は)練習が全てなので、基本的な練習をどれだけ積み重ねられるか、些細なことをどれだけ根気よくやれるかっていうことが、 最終的に勝負ごとには必要になってくると思うので。その成果が出てくれたらいいかなと思うんですけど、1ヶ月やって成果が出るほど甘くないので。そういう意味では、些細なことを大切にする、基本を忠実に行うこと、繰り返し、反復練習っていうことが大事だということが身についてくれたらいいなと思います。これは何年もやらないと気づかないものではあるんですが。

ーー監督に就任しこれまでの3年間と指導の上で変えたことは
監督としてのやるべきことはまた助監督とはちょっと違う部分があると思うので。そういう意味では、何をもって厳しさっていうのか分からないけど、僕は取り組む姿勢、練習もこのグラウンドでの熱量をあげたかったので、そういう意味ではここに来てまたちょっと落ちてるよねっていうのが、少し心配な部分ですよね。最終的にあと1週間があるとはいえ、なかなか継続的に暑さもあるんですけど、残り1週間の練習の中で、明日は開会式ということもあって練習はほぼないんですけど、 明後日の試合から1週間の練習っていうものがどういう練習になっていくのかなっていうのを楽しみにしています。

ーー『競争』についてはどのように促したのか
やっぱり1年生にも目を向けて、同じような力であれば、僕は下級生を使いますよっていうことをみんなに伝えましたね。4年生を中心にやってもらいたいんですけどね、それでもある程度は1、2年生もベンチに入るのかなと今は思います。当然、開幕 のメンバーっていうのは、ひとまず今の段階の競争に打ち勝ったということで、それには自信を持ってやってもらいたいですし、当然開幕にベンチに入れない人もまだまだチャンスがあるわけで、チャンスをつかむために、いい準備を、勝つ準備をしてもらいたいし、当然勝つ準備した中で出場機会があれば、自信を持ってやってもらいたいです。

ーー上級生には経験値があると思うが、下級生に期待することは
上級生の経験といってもね、そう1年の経験の違いがどれぐらいのものかわからないけど、大事なことは自分を持ってやってもらうことと、その結果に対して自分のフィードバックしてくれるというか、 練習に跳ね返る。当然完璧じゃないし、ミスもあるし、失敗もあるので。うまくいかないことは多いんだけど、 その失敗に対する対処法っていうことをスポーツの場で学ぶべきだと思うので、それに対してしっかり対処できるか。だから練習では、その試合で起きたことに対してどう練習で跳ね返せるかっていうのが大事かなと思います。

ーーオープン戦では「逆方向にライナー、ゴロ」ということを繰り返し指示していたが意図は
フライアウトというよりはライナーまたはゴロ、またボールの内側打つとか、基本的なことがあると思うので、 具体的に言葉とするならばライナー、ゴロを打とうよっていうことになるかなと思います。

ーー走塁についても試合後のミーティングで長い時間話す場面もあったが
春に点が取れなかったっていうことを考えると、攻撃力は打つだけではないので、バントも含めた走塁は大事になってくるかなと。バントと走塁っていうものに対しての練習時間は春よりは多いのかなと思います。

ーー選手個々についてもお聞きします。まずショートを守る石黒和弥選手(法3=高岡商)の良さは
石黒はコンタクト力、ミート力が高いのでね。出塁率も高いですし、打率もしっかり残しています。1番になるかどうかわからないんだけど、1番の時の方が成績は確かにいいですね。(春の途中にはベンチ外ともなったが)春もねほんとは何度も使いたかったんだけど、うまくタイミングが合わなかったのと、やっぱりショートでは、中津(大和、営4=小松大谷)がほぼほぼショートにちょうどにいたので、そういうことで使う機会、出場機会がなかったんだけど、 春からどっかのタイミングで使いたい選手ではあったので。今のところ期待通りのプレーを見せてくれているし、リーグ戦に入ってみて今後どれだけ体力的に持つかっていうのが心配ではありますね。今年のリーグ戦は9週間と長丁場になるので、 コンディションの維持ってのは難しいと思いますね。

ーー中津選手は再び外野手に戻るが
春にある程度ショートで、それなりのプレーを見せてくれて、ショートもできるなっていうところもあったんだけど、どっちが彼にとって1番映えるかなっていう風に考えると、センターの方が彼にとっていいのかなっていうことで、ショートとセンターを比べた中で、どっちもやった中で、今回はセンターに回ってもらったっていうのが経緯です。(打撃に関しては)まだまだ彼の能力からしたらこんな成績ではないので、 まだまだ足りないものがあるかなと思ってます。どうしてもチャンスの場面でセカンドゴロ、ファーストゴロが多くて、凡打の内容もよくないので。そういうことを踏まえた中でスイング軌道の修正っていうのは取り組んでる現状です。(具体的に監督自身から教えたことは)いや、僕は特にないけど、 いろんな人を参考にしながらやってるのかなと思いますけど、スイングの軌道の修正と打球方向は変わってきてるかなっていうのは感じてます。

ーーキーマンに挙げた内海選手はオープン戦4番を守りましたが
春はコンディション面、けが明けで無理に試合に出てるっていう状況、ほんと試合も出ずに春のリーグ戦で使ってる状況だったんで、非常に難しかったかなと思うんだけど、今は幸いにも春のシーズン終わってから大きな故障もなくここまで来てるので続けてもらいたいなと。彼は故障が多いのと、意外と体が動くので、大きな体を動かすので、故障が大きいですね。なんとか持ってもらいたいです。

ーー中西祐樹選手(法2=木更津総合)は出場機会も一気に増え、期待も大きいのでは
プレーしている姿が献身的だし、一生懸命さがすごい伝わるし、そういう意味ではちょっとチームの雰囲気を変えてくれるキャッチャーかなと。うちには足りないものを持ってるなって思って見てるけど。(篠木選手とは毎回バッテリーを組んでいることについては)𠮷安がボールがぶつかってしまったっていうところがあって、関西遠征の時から2人が組んでること多いんだけど、 すごくピッチングの幅が広がってるなっていうのと、相性が良さそうだなっていうのは感じてます。

ーー打撃に関しては下位打線が想定されるがどう評価しているか
バントもできるし、ヒットエンドランもできるし、バスターとかもできるし、細かいことができるので。そこでしっかり貢献してくれたらいいし。 キャッチャーは守りが先決なので、特徴を活かしてくれたらいいかなと思います。

ーー松下歩叶選手(営3=桐蔭学園)は大学日本代表も経験してレベルアップを感じるが
代表を経験して、一回り成長したなっていうのは感じるし、この代表の経験っていうのもね、 チームに浸透させようという動きをしてるなっていうのは感じてます。これも慢心することなくやってもらいたいなと思います。(代表での経験を還元している様子は)代表の堀井監督から受けた言葉であったりとか、代表の選手の中で感じたことではないかなと思うんだけども、 やはりどんなチームでも、歩みを進めながら、試合をしながら成長しなきゃいけないっていうことかなと思います。だから練習では100点を目指そうねって。試合はなかなか100点にはならないかもしれないけど、練習で100点を目指そうねっていう言葉を最初に伝えてくれたのは記憶があります。

ーー藤森康淳選手(営2=天理)は春は外野として、今夏はファーストが主戦場となっているが
彼の野球に対する姿勢であったりとか、 持ってるポテンシャルっていうものは、レギュラーとして活かしたいっていう僕の気持ちがあって、 彼には本当に申し訳ないなって気持ちでいっぱいなんだけど、今回またファーストっていうところを、挑戦してもらっています。彼はそういうものに対しても、非常に前向きに取り組んでくれますし、どこのポジションでも、 素直に野球に打ち込める、ほんとに『野球小僧』って感じがしますよね。そういうところに対して、僕は非常に期待をしてるんで、どうしても無理に使っちゃいますね(笑)。

ーースピードに関してもチームトップレベルだがそこに関しては
彼のスピードっていうのは、僕はそこまで足が速くなかったんだけど、 彼の持ってるものっていうのはSクラスなんでね。そのSクラスの足を活かしてもらいたいし、大事にしてもらいたいし、故障もしないっていう強さを持ってるんでね。(外野を守ることも想定しているか)どっちかというとセンターが今本職に近くなってきてるのかなって。セカンドよりも、春はセンターで大活躍してくれたんで、 そういう意味では本当だったら外野の方がいいかもしれないけど、今の外野陣を考えてどのポジションかなと思うと、 ファーストしか空いてないのかなっていう考えのもとこうなってるので。彼にとっては大変かなと思うけど頑張ってもらいたいです。

ーー6番に藤森康選手のようなつなぎの選手を入れることが多いが
やっぱり得点圏に、得点圏にっていう試合になるかなと。ロースコアになるので。そういう意味では6番は意外とキーポイントになって、4番、5番の出塁率が高くなるので、そしたら6番で、バントも含めて、いろんな作戦を含めて、そういうのが大事かなと。最終的にどういう形になるのかまだ決めかねてるし、9週間あるので、調子の浮き沈みがあるので、そこをうまく僕が捉えられればなと思ってます。あんまり固定はしないかなと。固定してほしいって思う人もいると思うんだけど、ちょっとうちの状況を考えると、色々変えていった方がいいかなっていうのは思うところがあります。

ーー打順について、春は固定することが多かったが
2試合連続して調子を維持できるっていうことが非常に難しいから、 そういうのはちょっと刺激を入れた方がいいかな、または固定した方がいいかなと。両方の考えのもと、最終的にどうしようかなとどうするかはその時に決めるかなと思います(まだ迷いがあるのか)いろんな打順を試せたので、 最終的にどうするかはもう1週間しっかり考えたいと思います。

ーー副将の西村友哉(法4=中京大中京)、武川廉(人4=滋賀学園)は春は本来の力を発揮できなかったが2人の調子は
西村に関しては、やっぱり肘の問題がなかなか尾を引いてるし、まだまだ万全ではないと。 武川もやっぱりコンディションがちょっと不良になった時期があって、その影響があるので、最終的に開幕は今どうかなっていうところで見てます。まだまだ彼の能力からしたら万全ではないなっていうのが印象です。(長丁場のリーグ戦のどこかでは使う機会もあるのでは)もちろんうちのマンパワーをフルにうまく使えればいいかなと。それくらいの余生メンバーはいっぱいいるので、彼らのコンディションを上手く見極めながら人選ができたらなと思います。

ーー主将の𠮷安遼哉はアクシデントもありながらも調整は順調か
𠮷安は正捕手であるから期待してますし、 普通にやってくれたらいいかなと思います。(春は頑張りすぎてしまうことを懸念していたが)もっと頑張れるかな(笑)。バッティングはもうちょっといいものが出るかなと思っているので期待しています。キャッチャーはどっちにしろロースコアになるので、勝負どころでどうピッチャーと抑えられるか、共同作業できるかっていうところが大事になってくるかなと。 まず守りを固めるっていうことが勝利の条件なのかなと。

ーー投手陣についてですが、まずは右のエース・篠木選手については
難しいと思うよ。チェコからオランダ行って、短期決戦の中で普段あんまりやらない中継ぎっていうポジションやりながらで、帰ってきてからまたUー18との壮行試合があったりとか、(オールスターで)エスコンフィールドに行ったりとか、移動も多かったり。その中でもほんとに順調には来てますね。でもこれもほんとに今順調だっていうことは、長くは続かないこともあるし、調子は波があるから、疲れも出てくるだろうし。そこも見極めながら、彼は無理をさせられないんで、故障させるわけにいかないので、でも彼は本当に投げたがるので、勝ちたがるので、そこを上手くコントロールしてあげたいなと思います。

ーーここ2年間、秋は春よりも成績を落としているが、成長を感じる部分は
それもうまく見極めながらね、やっぱいいものを出せる状況で使ってあげたいなとは思います。(レベルが上がったと感じることは)単純に言うと球数が少なくなってるし、ストライク先行の確率高くなってるし、ボールの高さがちょっと低くなってるよね。なので、そういう意味では力強いストレートまたはカット系のボールっていういい特徴もあるんだけど、一球一球の精度が上がってるなって感じます。

ーー吉鶴翔瑛選手(営4=木更津総合)に関しては
結果が出る時とそうじゃない時と色々あるけど、彼なりに模索しながらやってるのかなと思うので、 1つレベルを上げるためのステップとしていろんなことを試してるっていうのは感じてます。

ーー投手運用は髙村助監督に一任するのか
僕は本当に素人なので髙村助監督にお任せしてるし、 最終的には彼の状況判断に任せます。(春も同様だったか)相談に乗ってもらってる時もあったし、彼の意見で行った時もあったと思うし。春はまだ彼自身もあんまり選手把握できてなかったんで、ある程度私が考えることが多かったかもしれないけど、もう大分全体も見えてるだろうし。そういう意味では僕が見るより彼の目の方が正しいと思うのでお任せするつもりです。

ーー春は安達壮汰選手(営4=桐光学園)がリリーフとして台頭したが
安達も相変わらずね、安定した成績、試合で力を発揮してくれてるんで、大いに期待してます。肩ができるのも早いんでね。いつでも気持ちよく投げてくれるし、立ち上がりが本当にいいんでね。 そういう意味では頼もしく、いつでも変えれるなっていう気持ちで見てますね。(先発の可能性は)もちろん第3戦まであればそれもあるだろうし、状況によっては十分あるんじゃないかなと思いますね。

ーー山城航太郎選手(キャ4=福大大濠)は今秋に懸ける気持ちも強いが
中でも後ろでも、または先発でもどこでも投げてもらうようにしたいです。タフなんでね。そのタフさを活かしてもらいたいなと思ってるんで、 大いに期待します。投手力がうちの看板なのでこの4年生4人には頑張ってもらいたいです。

ーー野崎慎裕選手(営3=県岐阜商)はけがを乗り越えてこの夏素晴らしい投球をみせているが
彼は本当に丸々2年間貢献できてないんだから、 早く貢献してくれよと(笑)。春も大いに期待してたんだけど、ちょっと肩を痛めるところもあったりとかして、「本当にいつやるの」っていう感じで。持ってるものは、元々もう来る時から分かってたわけで、全然そういうのを発揮してくれないわけだから(笑)。早くしないと4年間終わっちゃうよってね。(発破をかけることは)それはないけど、期待されてるのはわかってるだろうし、自分がやんなきゃっていう気持ちはあるとは思いますよ。それなりのものがある人はそれなりを発揮してもらいたいしね。そういう意味では本当にまだまだ足りないね(笑)。

ーー法大は左投手が多いが、右投手では春のリーグ戦で登板した山口凱矢投手(営2=桐蔭学園)はどうか
凱矢は三振が取れるんでね。三振奪取率が高いピッチャーなので、そういう意味ではほんとに 勝負どころでも使えるピッチャーだし、先発もかなり経験してるんだから、長いイニングを投げれると。これも安達同様にすごく頼もしいリリーフ陣です。

ーーオープン戦を通してやりたい野球はどれほどできているか
私の野球をやらすっていうよりは、彼らができることをやるべきなのかなと思うので。 私はやりたいようにやらせてもらっています。今はうまくいかないことが多いので、それは彼らができることをやらせないといけないのに、無理にできないことを今やらそうとしているので。それは細かい野球をやることで、でもこれが必要かなと思ってるので。1点に泣いてるわけなので、最後の1点を取るためには、やはり守備も走塁も大事になってくるし、バントも大事になってくるし、あと1点を上回る野球をやらないけないと思ってるので、そういう意味ではまだまだ彼らに馴染みがない野球をやっていることもあるかなと思いますし、これが大事になってくるかなと。

ーー大島監督、髙村助監督は複数回優勝を経験しているが当時の法大と比較して
野球自体が変わってきてるし、他大学のレベルは相当上がってるんで。 相当上がってるというか、他大学が強いんでね。それは昔とは比べようがないと思いますよ。法政大学野球部の部員はみんないい選手が多いって言ってくれるんだけど、他大学もいい選手いっぱいて、やっぱり強い。相手を強いと認めた上で戦わなきゃいけない、我々も強いかもしれないけど、相手はもっと強い。だからどっちかというと「自分たちは下手くそなんだ」って思った方が僕は賢いような気がしてます。(今春を経験しての考えか)本当に他大学は強い。我々は強くない。でも勝ち方はあるはずなんで。だからやっぱそこをどう認めるかですよね。素直で謙虚で献身的な選手が必要になってくる。それは中西という選手がそういうところがあるのかなと。ただ、そういう選手を多く使った方がいいのではないかなっていう考えは、実際どうなるのかは最終的にわからないけど、ひたむきにやれる人、泥臭くやれる人、ミスしてもそのミスをしっかり練習の場に跳ね返れる人、失敗を活かせる人。そういうのがやっぱり法政大学はまだまだ足りないのかなと、私も含めてなんだけど。そういう人がやっぱりいるわけで、そういう人を上手く僕が使えれば変わっていってくれるかなと。変えたいのは変えたいですし。やっぱり勝ててないわけだから、『強い法政』を取り戻したいですよね。

ーー9月に入り好ゲームも増えていることについては
リーグ戦は競る試合しかないので、1対0、2対1、3対2とかそんな試合になると思うので。そういう経験をたくさんしたいから、今日みたいな試合(9/13東芝戦1-12で敗戦)はしちゃダメなんだと思います。でも今日みたいな試合は実際野球にはあって、私も含めてなんだけど、この今日の試合の出たミスっていうことをどう本人たちが反省できるか。今は普段使ってない人も使えるわけで。だから、実はこういうのにはすごい意味合いがあって、悔しいんだけど、腹が立つんだけど、これをどう自分たちにも活かせるか。日々反省するしかないんで、完璧にならないんで。 もし今日うまくできたからって、そのできたことに満足してしまうと、それで成長止まっちゃうので。みんなで気づけるかな、どうかなっていうのがポイントになってくるかなと思うんだけど。なかなか私の指導が良くなくて、なかなか気づいてもらえないことが多いです(笑)。 マネージャー(黒坂夏希(営4=法政)、藤森創立(法3=五所川原))が(新潟まで)合宿中の応援団の練習を見てきて、応援団がすごい熱量で、すごい汗で練習してきたと。「野球部の部員もバスを出してでもいいから見に行った方がいいですよ」って話してて。だから、我々の熱量は大丈夫かって、神宮で急に熱量が上がったってダメなんですよ。そんなものコントロールできなくなるから。ここ(グラウンド)で熱量が上がらないのに、神宮だと自然と熱量上がるからさ。 そういうのがここから1週間大事になってくるし、シーズンに入ると学校が始まるので、確かに集まらなくなる。だから余計1人1人の自覚が大事になってくる。 それも含めて9週間っていう難しさを体験しながら、1つ1つ積み重ねてできることなら最終的には、天皇杯、優勝したい、勝ちたいですよね。宗山(塁、明大4年)が「法明戦で優勝決定戦ができれば」ってすごいこと言ってくれてたのでそれを実現させたいですね。

ーー春同様に今回も開幕は2週目の立大戦。春の開幕戦は完封負けとなったが
完封されたんだけど、 開幕戦はそういうものですよね。大事なのは、開幕戦をどう生かして次に進むかだと思うので。確かに初戦は小畠(一心、立大3年)に完封されたけど、どっちかというとうまく生かせたのが開幕カードだったと思うので。また今秋の開幕カードも同じように立教は1カード終わった後、うちは開幕カードなので、温度差がありますよね。だからうちはガッチガチになるだろうし、向こうはある程度経験を持ってくるので、その違いはあるんだけど、これをどう活かせるかなっていうところはあって。なかなか2連勝はどこにもできないから、3連戦の中でどう2勝するかっていうのが大事になってくるかなと思います。(3戦目は総力戦になるが)心と体の体力が持つか持たないかってところですよね。だから、できればほんとに2つで勝ちたいけど、どこもほんと強いので、簡単には勝たせてくれないので、それをどうしのいでいけるかっていうのがポイントになるかなと思うのとね、やはり僕の戦術とか采配、または人の使い方、人選っていうのは非常に問題になってくるなと思います。

ーー春はどのようなところで体力不足を感じたか
体力不足っていうか、メンタル的なスタミナっていうところですよね。心揺さぶっちゃうんで、 勝つとなんかちょっと落ち着いちゃうし、負けるとしゅんとしちゃうし。逆だよね。勝てば勝つほど心を緩めない、負ければ負けるほど、もっと闘志を燃やしてこなきゃいけないのに、そういう心の持ちようっていうのは非常に下手だなと思います。技術的なところもいっぱいあるんだろうけど、いい時ほど心構えを緩めない、悪い時ほど熱量上げていく、テンションを上げていくっていうことが大事な要素であるんだけど、そういうのが意外と逆を行きますね。 勝つとなんか落ち着いちゃう、そういう風に言わざるを得ないような練習からの雰囲気でした。でもほんとにそういう一瞬の隙で取り返しがつかなくなる、一瞬の隙で優勝が遠ざかるんだからここをみんな理解してるはずなんだけど、言葉で理解してても、体が理解についてきてないですね。 だからやったことに満足しちゃいけない、当然だけど諦めちゃいけない、気を抜いちゃいけないとか。または勝つっていうことに対して、本当に執念を燃やさないといけないっていうのをやり続けなけらばいけないから、やり続けた人しか勝てないんだから、 そういうのができる人しか勝てない。僕は勝ったことないからわかんないけど、そういうことをやり続けた人が勝っているんじゃないかなっていうのをみんな想像して、そういうのをチームとして浸透させたいなと思います。

ーー最後にファンの方へ一言
いつもいつも本当に応援していただき、大変大きな期待をしていただき、これをなかなか期待を上回れない現状ですけども、 皆さんの期待にがっかりさせないように、一戦一戦、一瞬一瞬を完全燃焼できるように頑張っていきますので、引き続き神宮球場で応援いただければなと思います。

(取材・矢吹大輔)

大島 公一(おおしま・こういち)
1967年6月17日生まれ
東京都出身・法政二高→法政大学→日本生命→近鉄→オリックス→東北楽天

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

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