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【応援団】伝統の継承と新時代への変革 第101代リーダー長・有田勇翔の語る『闘志』の応援

第七十三回六旗の下に 特別特集

1947年に結成された東京六大学応援団連盟。1953年から毎年開催され、73回目を数えた六旗の下に。普段は体育会の各部活で戦う選手たちを『応援』する応援団。そんな彼らが主役となる数少ない舞台。その一つが六旗の下にだ。中でも、近年変革の時代を迎える法大リーダー部。今年度リーダー長を務める有田勇翔(経4=東京成徳大高)は、伝統をつなぎながら、新たな時代の応援団をつくろうとしている。

「住みよい応援団に」101年目の変革

「住みよい応援団にしなくちゃいけない」。こう語るのは、1925年に創設された法政大学応援団で101代目団長を務める有田勇翔(経4=東京成徳大高)だ。
法大応援団は、先頭に立って指揮を執るリーダー部、壮麗さと力強さを併せ持ち応援を盛り立てる吹奏楽部、ステージに華やかさを添えるチアリーディング部の3パートから構成される。その中でも、近年特に厳しい状況に置かれているのがリーダー部だ。「応援団は正直時代に合わない」と有田が語るように、近年のコンプライアンス意識の高まりや応援団特有の厳しさを忌避する学生が増えたことで、入部者数は減少している。

「伝統をつなげられる存在に」

小・中・高校まで3つの競技を経験し、大学入学後はワンダーフォーゲル部で活動していた有田。これまでの人生で応援団とはほとんど関わりがなかったが、1年次の冬に前十字靭帯を損傷する大けがを負った。そんな折、友人と新宿を歩いていた際、当時の4年生リーダーと偶然遭遇する。友人が声をかけたことをきっかけに応援団の練習に参加したが、その後も残ったのは有田だけだった。101代目のリーダーが不在という現状を知り、「101年の伝統を102年目につなげられる存在になれるという気持ちが日に日に強くなった」と振り返る。

伝統をつなぐサイクル

これまでの練習で、最も過酷だったと言うのは夏合宿だ。特に3年次の合宿では、4年生が求める応援の姿と、それに応えきれない2年生以下との板挟みに悩まされた。「会社で言えば中間管理職じゃないですか。自分は1、2年の後輩を引っ張るのが苦手で。自分がこれでどうですかと先輩に(後輩の応援を)見せて。それでまた先輩から怒られて、また試行錯誤して」という日々を回顧する。それでも辞めなかったのはなぜか。自身の応援にはすべて良いものだったという自負があるとした上で、こう語ってくれた。「六旗とかが終わった後に先輩がすごく褒めてくれるんです。良し悪し関係なくやり切ったって言ってくれるし、そんな先輩が好きだから続けてきました。」
有田は、そのサイクルを未来へつなぎたいと考えている。「3年生は4年生が好き。2年生は3年生が好き。1年生は2年生が好き。」――この好循環こそが、法大の伝統を紡いでいくのだ。

魂の結晶『六旗の下に』

変わりゆく時代の中で、法大、そしておよそ80年の歴史を持つ東京六大学応援団連盟には「守らなくてはならない伝統」があると有田は言う。「各校のステージがつないできたものやテクの動き。法大で言えば、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍ぶという押忍の精神。それはずっと何年も前の先輩から受け継がれているもので。それだけは時代が変わっていく中でも残さなくちゃいけないもの」だからだ。
その魂の結晶が、合同演舞演奏会『六旗の下に』である。1953年の東京六大学応援団祭から歴史を重ね、今年で73回目を数えた。「今年も1年生の後輩が不慣れなことが多くても一生懸命やってくれていて、そういう姿を見て、やっぱりこの伝統は守っていかなくちゃいけない」。さらに有田は言葉を続ける。「今年のステージを見た後輩が、絶対に自分はこれを越えたい。それをまた下の後輩が越えたいと思う。そういうのが応援団で200年、300年続いていけば、守りたいものは守れると思えるんです」。

闘志を燃やす

有田にとって、応援とは『闘志』だという。法大応援団が掲げる三原則は「礼儀・節度・闘志」。「礼節をわきまえ、節度を持って行動し、闘志を持って応援する。闘志が法政大学の1番の売り」だと言い切る。 今春の東京六大学野球リーグ・慶大3回戦。8回裏の攻撃時点で10点差を追いかける絶望的な状況だった。月曜日ということもあり限られた人員での応援だったが、「みんな気合いしかなくて。最後まで選手を信じて、闘志を燃やしてやってきた」。その言葉には、彼らが応援に懸ける感情のすべてが凝縮されていた。

仲間という原動力

時代の変化の中で伝統を守る――。有田は「自分がどんなに昔のOBに『それは違う』と言われても、団体を残していく上で矢面に立って応援団を変えていかなくてはいけない」と強い決意を語る。
今後の目標を尋ねると、厳しい表情で「法大応援団とは何か。これだけは守りつつ各学年5人で20人。」と掲げた。直後、今度は明るい表情に戻り、「あとはもう、自分が堅苦しくっちゃダメなので。最高の仲間とやり切るだけですね」と笑う。有田の原動力であり、インタビュー中に何度も口にされた二文字。最後は噛みしめるように言った。「やっぱり仲間ですよ」それこそが、彼にとっての応援団のすべてなのかもしれない。

世界は激動の時代を迎え、社会は変革の時を迎えている。リーダー部のあり方もまた同じように。それでも、変わらないもの、そして変えてはならないものがそこにはある。全国に800近くある大学の中で、わずか6校だけが感じられる誇りとプライド。その歴史と伝統を胸にリーダーたちはテクを振るのだろう。
(記事:篠﨑勇希)

第七十三回六旗の下にの写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

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