【硬式野球】苦しい状況でもチームを鼓舞し続けた主将・藤森康淳 悔しさを胸に夏を乗り越えチームを変える(春季リーグ戦振り返りインタビュー⑱)
藤森 康淳 主将
ーー春のリーグ戦チーム全体を振り返って
まず思っていた結果ではなかったのと、思うように行かなかったなというのが率直な感想です。
新チームが始まって、オープン戦からあまり負けもせず、自分たちのやりたい野球を実際できていました。自信もついてきた中でリーグ戦に入って、前半戦は思い通りに行くことが多く、自分たちのやってきた野球ができたなという部分が多かったです。前半は特にピッチャーがとても頑張ってくれて、ディフェンス中心に試合が作れて、打撃につながりました。
ただ、東大戦からですね。不安にしていた守備と体力面が顕著に出てきたなという部分があったので。野球はディフェンスからなので、守れないと勝機もこないと思います。今の法政大学野球部の現状が明らかになったリーグ戦でした。
ーー今春のターニングポイントは
早大戦あとの空き週の過ごし方ですかね。立大と早大に良い勝ち方をして、チーム的にもいけるぞという、ちょっとしたおごりがあったのではないかと思います。それを薄々感じていましたが、流してしまった自分もいたので、そこは悔いが残るところですね。
ーー良かった点は
勝っている試合はピッチャーがリズムを作ってくれて、全てが先手先手で自分たちのペースでできました。ただ、自分たちのやってきた型に当てはまらない時に、能力が発揮できないので、それが法大の弱いところかなと思います。
ーー東大戦から3週連続の試合は体力的に厳しかったか
特にピッチャーの部分で、センターから見ていても、明らかに東大戦から少し球威が落ちているなと思いました。
ーー主将としてベンチでどのような振る舞いを意識していたか
自分が1番声を出して、みんなが見てついていこうと思うような主将でいようと思っています。その中でも、試合中に良くないプレーがあったら、流さないで試合中でも自分は言いました。それが良かったのか悪かったのか分かりませんが、主将として試合中であっても言わなくてはいけないと思うので。エラーが悪いというわけではなく、全力疾走しないだったり、2死からフライを走らないとかです。
具体的には慶大2回戦ですかね。内野と外野の間にフライが上がって、フライが落ちた場面があったんですが、一塁ランナーが三塁で止まってしまって。あれは多分、野手が捕るだろうという気持ちで走っていました。そういったプレーは試合中でも強く言います。
ーー個人の成績を振り返って
情けない成績でした。打撃の方で言うと、なかなかチャンスで打てなかったり、チームに貢献する打撃ができなかったことが、本当に悔いが残るところです。けがの状態も少しありましたが、その中でも出てる以上は結果を求められる世界なので、もっと工夫ができたかなと思います。
ーー低めの変化球を振らされての三振が目立ったが、下半身のけがの影響はあるのか
左足をけがしていたので、左足がなかなか踏ん張れませんでした。スイングスピードも上がらなくて、早く打とうとなりすぎて、前に突っ込んで低めの球を振ってしまっていた部分はありました。
ーー現在のけがの状態は
リーグ戦中は1週間に1回か2回くらい注射を打って、試合に出ていました。それを今は1回やめて、「痛みがなくなるまでは休め」と監督に言われました。しっかり直して、秋に向けてやっていこうと思います。
ーーその中でも、最後の2カードは盗塁があったが
最初は痛くて、がむしゃらにやろうという感じでしたが、最後は痛みとの付き合い方がわかってきた感じでした。試合中はアドレナリンとかもあるので、痛みというのもそこまで感じずに最後はそれなりにプレーができたかなと思います。盗塁はサインではなく、自分の判断でいきました。
ーー早大2回戦では髙橋煌稀(早大3年=仙台育英)投手から4三振を喫したが
去年と比べて球の質というか、もちろん球速もですけど、直球のスピン量が上がっていて、本当に素晴らしい投手だなと感じました。スプリットみたいなツーシームとスライダーの質も今年は上がっていて、素晴らしい投球をされました。
ーー東大1回戦の松本慎之介(東大3年=国学院久我山)投手の対策は
今年の映像を見てみんなで対策しましたけど、映像を見ていても、去年より明らかに良くなっていると思いました。左のインコースにもしっかり投げきれますし、スライダーも曲がり幅が大きくて、止まる感じなのでゾーンを上げるということを徹底しようと話しました。ただ、焦りからなのか、みんな後手に回ってしまっていたと思います。
ーー東大2回戦に向けての対策は
1戦目負けて、偶然負けたのではなくて、必然の負け方だったので。技術もそうですけど、それ以外のところで、東大に負けないようにしようと話しました。プレー以外の攻守交代であったり、一塁の駆け抜け、凡退の時の全力疾走。そういったところで、負けていたら勝機もこないので、細かい部分で東大を上回ろうという話は全員にしました。
ーー東大2連敗後の1週間、どのように練習に取り組んだか
オフを挟んで次の日の練習は、虚無みたいな感じでした。その日はもう技術ではなく、空元気でもいいから、とりあえず声を出して、雰囲気良く練習しようという話になって。そこからみんなもう1回やろうとなってきました。切り替えるにも切り替えられなかったので、逆に開き直ってという感じでしたね。優勝はまだ残っていたので、自分は「まだ優勝はあるし、リーグ戦はそんなにうまくいくわけない」とみんなに声をかけて、みんなもそんな気持ちでやってくれていました。初日だけは落ち込んでいました。
ーー慶大戦の3試合は3番から2番に打順が変わったが
自分はそんなに長打を打てる選手ではないので、後ろのバッターにつなぐという意識でやっています。打順が変わってもその気持ちは変わりません。
ーー昨季に比べて、前を打つ2番打者が流動的だったが、打席の中で意識に違いなどは
2番が和輝(井上、法2=駿台甲府)の時はちょっと打ちにくいですけど(笑)。ホームランとか敬遠があるので。
ーー慶大1回戦の追加点となる適時打を振り返って
チャンスの場面で全く打てていなかったので、1本出せてよかったです。打席に向かう時は、スタンドの人からの声が聞こえて、「藤森いけよ」や「キャプテンいける」みたいに言ってくれて。すごくありがたくて、人もたくさん入っていて、すごい歓声でなんとかしないといけないなという気持ちでした。
でも、熊ノ郷(翔斗、慶大2年=桐蔭学園)くんの球が本当に早くて。1、2球目振った時に、やばいなと思ったので、3球くらい上を振ろうと思って打ったら、センター前にいったみたいな感じです。全然調子が良くなかったですが、打てて良かったです。
ーー適時打の前のイニングには左中間の打球の好捕もあったが
ピッチャーを助けたいという思いで、チームとしてもなにがなんでも勝たなくてはいけない試合だったので。もう死ぬ気で捕ろうと思って、アドレナリンが出まくっていました。
ーー今季の外野陣の反省から秋に向けて取り組みたいことは
全体的に後ろの打球が弱いのと、内野手との間に上がったフライが難しいので、数をやっていきたいと思います。秋までも時間がなくて、後方のフェンス際の打球を捕る、捕らないというのは大きいと思うので。フライ系のエラーや危ないシーンは結構あったと思うので、そこが課題かなと思います。
ーー渡辺和大(慶大4年=高松商)投手と対戦してみて
全球種の質が上がっていました。コントロールの精度が良くなっていたのと、1番変わっていたのはスライダーの曲がり幅と曲がる場所ですね。手元まで分からないくらい曲がりが遅くなっていて、曲がり幅も去年までは大きくて、見逃しやすかったです。ただ、今年はカットボール気味になっていて、球速も少し上がっていました。
ーー明大と慶大と感じた差は
慶大は投手陣の厚さと守備力も全体的に高いなというのも感じたので、ディフェンスが崩れた方が負けるなというのが印象でしたね。
明大は守備力の差、特に内野陣の差を感じました。あと、150キロ超のボールを投げるピッチャーも何人かいるので、層の厚さというのは感じました。
ーー夏にディフェンス強化をするために、チームとしてどのようなことを取り組んでいくか
もっと緊張感を持って、神宮を想定してやらなくてはいけないと思います。プレッシャーがない中では、能力がある選手が多くいるので、良いプレーはできると思います。ただ、プレッシャーがある中でやらないといけないので、実戦の守備を増やしていきたいと思います。
ーー個人として夏に取り組むことは
まずはけがを万全の状態に直すというのが1番ですね。守備は今回のリーグ戦であまり良くないところはなかったので、今まで通りに練習していきたいと思います。
打撃の方はこういった成績になってしまったので、何かを変えなくてはと思います。リーグ戦のデータを踏まえて、もう1回原点に戻って、質もそうですけど量が大事だと思うので。スイングの量にこだわってやっていきたいです。
ーー内野の守備も継続してやっていくのか
内野の守備練習というのもそうですけど、バッティングとかにつながる何かヒントはあるかなと思うので。体のキレを出すためにも、内野守備とかは入れていこうと思います。
ーーチームとして夏の期間をどのように過ごしていくか
監督が日本代表の合宿でいなくなるので、最初の1ヶ月は自分の課題と向き合っていきたいです。野手であったら、スイング力が課題になったので、スイング力を上げるというのを課題にしてやっています。
守備面は楽なプレーを選んでしまっているので、もっとアグレッシブに攻めていこうという話になっています。今は丁寧さよりもスピードや強さを第一に考えて、その中で丁寧さを求めています。順番で言えばスピード、強さ、丁寧さがくるイメージで練習に取り組んでいます。
ーー大島監督がいない間、野手は誰が見るのか
自分と学生コーチを中心にやっていく感じです。
ーーファンの皆さんへ一言
いつも応援ありがとうございます。春は思うような結果にならなかったですが、秋は4年生にとってラストシーズンになるので、必ず天皇杯奪還できるように、この夏チームを変えて、秋神宮に帰りたいと思います。今後とも熱いご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。
(インタビュー:松野要)
藤森康淳(ふじもり・こうじゅん)主将
経営学部4年・2004年8月10日生まれ
大阪府出身・天理
170cm68kg・右投左打
昨季成績:12試合 49打数 12安打 打率.245 2打点 2盗塁
硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。
【春季リーグ戦振り返りインタビュー一覧(公開次第更新いたします)】


