前節3発快勝で連勝を3に伸ばした法大。4連勝をかけて昨季王者流経大と対戦した。スタメンには前節途中出場ながら2ゴールを挙げた佐野陸人(現4=清水エスパルスユース)や2戦連続で渡邉綾平(経3=前橋育英)、堀江貴大(社4=昌平)らが抜擢された。
強風が吹き荒れる中試合はスタートした。序盤から試合は相手ペース。風上に立つ流経大はセンターバックの背後を狙うロングボールを多く活用。法大DF陣はこの処理に苦しみピンチを迎えるがキャプテンマークを巻く萩野滉大(現4=名古屋グランパスU18)を中心に集中したディフェンスを見せ、決定機は作らせない。しかし31分、カウンターから右サイドを突破されると中央で待っていた齊藤にフリーでシュートを打たせ先制を許す。その4分後、法大はコーナーキックのチャンスを得る。キッカー佐野が蹴ったボールを大塚尋斗(社4=矢板中央)が頭で逸らすと髙橋馨希(社3=常葉大学付属橘)がダイレクトで合わせすぐさま試合は振り出しに。このまま前半終了かと思われたアディショナルタイム、相手のCBが前線へロングボールを送るとGK近藤壱成(経4=ジュビロ磐田U18)が飛び出しトラップするもボールが足につかず。ミスを突かれ勝ち越しを許し前半を折り返す。
同点に追いつきたい法大であったが、54分左サイドを個人技で突破され痛恨の追加点を許す。2点を追いかける法大は久保征一郎(経3=FC東京U18)や揖斐俊斗(経2=柏レイソルU18)を投入し反撃を図る。すると68分PA付近の右サイドでファウルをもらいFKを獲得。揖斐が左足で蹴ったボールがファーに流れると久保が押し込み1点差に詰め寄る。さらに75分、中盤でパスを受けた揖斐が久保にクロス。GKとの競り合いを制し中央の吉尾虹樹(現3=横浜Fマリノスユース)に頭で落とすも相手の好守に阻まれシュートを打つことが出来ない。攻め続けるも決定機を迎えられずにいた後半アディショナルタイム、PA外でパスを受けた渡邉綾平(経3=前橋育英)が右足を一閃。低い弾道のシュートがネットに突き刺さり土壇場で同点に追いついた。このまま試合は終了。点の取り合いとなった流経大との一戦はドロー決着となった。
渡邉の値千金の同点弾で貴重な勝ち点1を獲得した法大。連勝は3でストップしたが、4戦負けなしと好調を維持。試合後井上監督も「最後に追いつけたのは収穫」と確かな手ごたえを口にした。次節は味の素フィールド西が丘で行われる宿敵明大との一戦。“血の法明戦”を制し、さらに勢いを加速できるか、法大の真価が問われる一戦になりそうだ。
選手コメント
井上平監督
ー試合を振り返って
今日は3連戦の最後、3試合目というところで、4連勝がかかっていました。気持ち的にはすごく高いものを持ってきたはずなんだけど、(ピッチに)入ってみると風もあったし、前半は風下。外から見ているともう1個ボールに対して奪いにいくんだ、攻めるんだという気持ちの部分がちょっと足りなかったんじゃないのというのが見えました。もちろん風もあって、攻め込まれるシーンはありました。後半のところでもうちょっと盛り返していけるかなと思ったけど、流経さんの1年生のフレッシュな動き出しとか運動量とかっていうのでちょっと押されました。やっぱり1年生に良い子たちが多いなという印象があって。最後、しっかりと追いつけたのは収穫かなと思います。
ー前試合シャドーとして使っていた髙橋選手のサイド起用における狙いは
右も左も逆足を置いたのは、結構相手のプレッシャーが来るというところでした。センターバックからウィングに入れた時に逆足で持った方がボールも蹴りやすいと(思って)、そこからの攻撃を組み立てたくて、天然芝と風がある中で普通にやってもらいたかったんだけど、いろいろなプレッシャー、たぶんちょっとネガティブな要素が入ってきた中で自信を持って受けられなかった。そこをもっとやっていかないと、おそらく目標は達成できないよねという話はみんなしていました。そこは意図的にビルドアップしたいところで置いたので、そこは(結果に)出たかといったらあまり出なかったですけどね。
ー序盤相手が背後を狙ってくる場面が多く見られたが、その辺りについてハーフタイムで修正したことは
背後の狙いというのはあるとわかっていたので、そこはしっかり5枚含めてバックしっかりして対応しようねと。やっぱり行かれる時は前から(攻めに)行こうとした時に裏返されちゃうシーンもあったので、後半の方は逆に風上になって。だからあまり背後のところは怖くないので、そこというよりもいかに攻撃の準備をどうするかというところでフォーカスはしましたけど。
ー選手交代が当たった印象がありました
前回勝った順天の前の東京国際(戦)で(試合に出ずに)残った堀江(貴大、社4=昌平)と溝口(駿、経済2=法政二高)とか残った選手の昨日一昨日のトレーニングを見て、(試合に)出したい、また俺を出してくれという印象を受けました。今回も(久保)征一郎(経済3=FC東京U18)と(市川)侑生(現福4=浜松開誠館)とかからもそういう感じを受けて、出したらやっぱり点を取ってくれました。点は自分で勝ち取ったものなので別にこっちはあれなんですけど、そういったトレーニングの中で(意思を)出してくれる選手が勝ち取った点だと思って、本当にそこは素直にうれしいです。
ー前期折り返しとなりましたが、今日の勝ち点1を今後どのようにつなげていきたい
やっぱり粘り強さというのは絶対大事だよと言ってきている中で、最初のところで2失点。2-1から3-1になって、でもそこで追いつけるようになったのはすごくポジティブなところだと思います。しっかり粘り強くやるというのをベースにしながら、攻撃の部分でもっともっと肉付けをできれば見ててもやっていても楽しいサッカーになってくると思います。残り半分、攻撃とかにもフォーカスしながら積み重ねていければいいなと思います。
ー今年の構成として3バックを選んだ理由は
後ろの選手がシンプルに4年生が多いのと、対人に強い選手が多くて。4バックをやっていた時に結構食いついちゃうシーンが多くて、それを3年間やり続けたけどなかなかそれを改善できないところがありました。それだったら、もう3(バック)にしてどんどん食いついていいと。そっちの方が選手の良さが出るのかなと思って、それは変えました。
ー経験のある落合毅人(経済4=新潟明訓)、高嶋修也(経済4=明秀日立)、白井陽貴(スポ4=矢板中央)、今野伊吹(経済3=三菱養和SCユース)がスタメン出場していませんが
日頃のトレーニングで出したいなという選手を基本的には使っています。本来はもっともっと持っているものはあります。だから彼らの能力からしたらまだ足りなくて、まだ体がたぶん活動停止期間が長かったのでそこのばらつきはあるかなと。彼らはこれから戻ってくると思うので、そうなったら普通に出るんじゃないかなと。
渡邉綾平
ー同点ゴールを振り返って
入ってよかったなという感じですね。
ー我慢したい時間での失点もありましたが、チームの状態を見ていて感じたことは
我慢しないといけない時間で失点してしまったというのは、責めるつもりはないんですけどでもやっぱりああいうミスというのは優勝争いを目指しているチームではやってはいけないミスだなと思います。全員が耐えて1-1になってという時に、ああいうミスというのはチームに影響すると思います。ただそこから(2点差にされて)同点に持っていったというのは、今のこのチームの現状だと思います。決してマイナスに捉えるのではなく、次の明治戦で勝ち切れるように全員でまた一体感を持って1週間準備していければいいのかなという風に思います。
ー2試合連続のスタメンですが、調子は上がってきている
いろいろあって出られない試合が何試合かありました。その時にサッカーのこととかサッカー以外のこととかを考えて、すごく多くのものを学べた時間だとは思いました。でもやっぱり自分がいつか試合に絡む、Aチームに戻ると考えた時にAチームに足りないものを自分がしっかり補って、それでAチームの中でも自分がいなければいけないなとみんなが思ってくれるような存在にならないとこのチームには帰れない状況を自分が作ってしまいました。ただそこは、いい意味ですごくいい積み重ねが自分でもできていると思います。サッカーの中でもサッカー外のところでもすごく自分の中で今やらなければいけないことというのを考えられて、充実している時間にはなっています。調子がいいのかはわからないんですけど、自分の中では充実している時間になっているなという風に思います。
ー前期の折り返しを迎えて、獲得した今日の勝ち点1を今後どうつなげていきたい
この勝ち点1というのを絶対無駄にすることなく、次は絶対勝ち点3を狙わなければいけないです。負けというのは考えないで勝ち点3だけを目指して、この勝ち点1がよかったと思えるようにこれからリーグ戦を進めていけたらなと思います。
ー相手の流経大は若いメンバーでしたが、印象は
本当に1年生かなと思うような落ち着きのあるボランチの子とかもいました。FWの子も1年生とは思えないパワーもあったりとかやりづらかったし、普通にうまかったです。
ーそのような相手に最後追いつきましたが
サッカーに年齢は関係ないとよく言いますけど、学生サッカーをやっている以上は1年生と4年生という学年がある中でこっちは4年生も3年生も出ていました。その中で相手は1年生が多かったというので、そういうところで考えたら追いついたというのは相手を上回ったというよりかは追いつかせてもらったという印象の方があります。少し悔しい部分もあるんですけど、でもやっぱり1年間戦っていくリーグ戦なのでそのリーグ戦で1年間、1年生にはまだわからないようなこれから過酷な戦いが待っていると思います。こっちは4年間戦ってきた人とか3年間戦ってきている人がいる中で、1年間で上回っていければいいのかなという風に思います。
久保征一郎
-今季初ゴールのシーンを振り返って
ここ5試合点が取れてなかったので、やっと取れて良かったです。
-途中出場となりましたが監督からどんな言葉をかけられてピッチに入りましたか
途中出場で出る時はいつも監督から「点を取ってこい」と言われるんですけど、今日は結果も出て良かったと思います。
-この勝点1をどう捉えているか
みんな勝利を目指してやってきたので、勝ち点3取れなかったのは悔しいです。でも最後追いついて負けなかったというのは良かったと思います。
-これで前期折り返しとなりました
今日の勝点1を無駄にしないためにもこれから残りの試合全て勝って、優勝を目指しているのでこれからも勝ち続けられるようしっかり準備して行きたいと思います。
ここまでチームトップの3ゴールを挙げている髙橋
フォトギャラリー
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