東京六大学野球2023秋季フレッシュトーナメント 3-4位決定戦 明大戦
2023年11月3日(金)
神宮球場
今季最終戦として臨んだ明大との3位決定戦は1-1の引き分けの両校3位で大会を終えた。初回に川上陸斗(キャ2=福岡大大濠)の犠飛で先制するも、2回に先発の古川翼(キャ1=仙台育英)が同点に追いつかれる。3回からは2番手・針谷隼和(営1=桐光学園)が登板しテンポの良い投球で流れを呼び寄せるも、打線はあと一本が出ず規定により7回打ち切りで試合終了となった。
好救援をみせた1年生右腕の針谷隼和
試合結果
トータル試合結果
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
計 |
H |
E |
法 大 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
8 |
0 |
明 大 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
7 |
0 |
(法大)古川、針谷、永野ー土肥
(明大)菱川、松本直、郷原、毛利—福原、中村
[本塁打]
法大:
明大:
打撃成績
打順 |
位置 |
選手 |
打 |
安 |
点 |
打率 |
出塁率 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
1 |
(6) |
石黒 |
3 |
2 |
0 |
.500 |
.545 |
一安 |
|
四球 |
|
右飛 |
|
中安 |
2 |
(8) |
浜岡 |
2 |
0 |
0 |
.200 |
.200 |
三振 |
|
三振 |
|
|
|
|
|
H |
佐藤拓 |
1 |
1 |
0 |
.200 |
.200 |
|
|
|
右2 |
|
|
R8 |
宮原 |
1 |
0 |
0 |
.000 |
.000 |
|
|
|
|
三振 |
3 |
(7) |
片山 |
3 |
1 |
0 |
.143 |
.125 |
左安 |
|
一飛 |
|
一ゴ |
|
|
4 |
(2) |
土肥 |
3 |
2 |
0 |
.667 |
.667 |
左安 |
|
右邪飛 |
|
|
左2 |
|
5 |
(D) |
川上 |
1 |
0 |
1 |
.000 |
.000 |
犠飛① |
|
|
一ゴ |
|
投ギ |
|
6 |
(9) |
内山 |
3 |
0 |
0 |
.143 |
.143 |
遊ゴ |
|
|
三振 |
|
ニゴ |
|
7 |
(4)5 |
増田 |
3 |
1 |
0 |
.250 |
.333 |
|
左安 |
|
三ゴ |
|
二飛 |
|
8 |
(3) |
菅野 |
3 |
1 |
0 |
.333 |
.333 |
|
中飛 |
|
|
三振 |
|
右安 |
9 |
(5) |
品川 |
1 |
0 |
0 |
.143 |
.143 |
|
三振 |
|
|
|
|
|
|
H5 |
山下 |
1 |
0 |
0 |
.000 |
.625 |
|
|
|
|
四球 |
|
三併殺 |
|
4 |
藤森康 |
0 |
0 |
0 |
.500 |
.667 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
計 |
25 |
8 |
1 |
.216 |
.294 |
|
|
|
|
|
|
|
投手成績
|
回 |
球数 |
打者 |
安 |
振 |
球 |
責 |
防御率 |
古川 |
2 |
43 |
12 |
6 |
1 |
1 |
1 |
4.50 |
針谷 |
4 1/3 |
65 |
15 |
1 |
5 |
1 |
0 |
0.00 |
永野 |
0 2/3 |
13 |
3 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0.00 |
計 |
7 |
121 |
30 |
7 |
7 |
3 |
1 |
1.29 |
ベンチ入りメンバー
13 |
赤間梢吾(キャ2=法政二) |
20 |
土肥憲将(キャ1=鳴門) |
6 |
石黒和弥(法2=高岡商) |
17 |
永野司(営2=倉敷商) |
32 |
川崎広翔(営1=日大三) |
23 |
深谷謙志郎(文1=東海大相模) |
19 |
藤森粋七丞(キャ2=青森山田) |
33 |
佐藤拓斗(スポ2=日大山形) |
24 |
金谷竜汰(法1=東海大菅生) |
14 |
針谷隼和(営1=桐光学園) |
36 |
浅倉大聖(法1=日大三) |
7 |
池田惟音(文2=静岡) |
15 |
伊藤要(法1=平塚学園) |
26 |
藤森康淳(営1=天理) |
8 |
宮原一綺(文2=常総学院) |
47 |
古川翼(キャ1=仙台育英) |
1 |
山下陽輔(営2=智辯学園) |
9 |
内山陽斗(文2=天理) |
4 |
川上陸斗(キャ2=福岡大大濠) |
2 |
浜岡陸(法2=花咲徳栄) |
37 |
片山悠真(文1=八王子) |
25 |
菅野樹紀(法2=土浦日大) |
3 |
品川侑生(文2=三重) |
マネ |
栁澤諄(現2=磐城) |
27 |
中岩隼一朗(経2=法政二) |
25 |
増田凜之介(社2=春日部共栄) |
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戦評
Bブロックを1勝1敗の2位で突破し、迎えた3-4位決定戦の相手は明大。ここまでの2試合でわずか1得点、15イニングで8安打と鳴りを潜めている打線の奮起に期待がかかる。
初回いきなり法大打線が、明大先発の菱川一輝を攻め立てる。先頭・石黒和弥(法2=高岡商)の捉えた当たりは一塁手が好捕するも投内連携が乱れ出塁。1死となるも3番・片山悠真(文1=八王子)、4番・土肥憲将(キャ1=鳴門)の1年生が連打で続き満塁のチャンスをつくる。ここで今大会初出場の川上陸斗(キャ2=福岡大大濠)がライトへ犠牲フライを放ち1-0と先制する。
4番・捕手でスタメンの土肥憲将
法大の先発はリーグ戦での登板もあった、左腕の古川翼(キャ1=仙台育英)が務めた。先頭の友納周哉に左中間を破られる二塁打で出塁を許すと、2番・吉田匠吾の犠打は投手と三塁手の間に転がり内野安打に。無死一、三塁のピンチを背負い3番・宮田知弥に左飛を打たれるも、片山の好返球で走者を釘付けに、4番も打ち取り2死とする。5番・今井英寿には死球を与え満塁も、続く打者は見逃し三振に打ち取り同点許さず。
リーグ戦も経験した先発・古川翼
2回表の攻撃では、先頭の増田凜之介(社2=春日部共栄)が2ボールから積極的に振り左前安打も、盗塁失敗や惜しい当たりもひと伸び足らず追加点を奪えない。
2回裏の古川は連打を許し、無死一、二塁のピンチを迎え、続く9番・福原聖矢が初球に犠打の構えで空振りし、2塁走者が飛び出したところを、捕手・土肥が刺す好プレーで1死。しかしその福原に中前安打を浴び3連打となり、またも一、二塁。1番・友納は平凡な二飛で二死までこぎ着けるも、吉田の打球は一塁手の頭を越え適時打となり同点を許す。
強肩も魅力の土肥
古川は2回被安打6も粘りをみせ1失点でマウンド降り、3回からは2番手・針谷隼和(営1=桐光学園)が登板。先頭打者を投手強襲の内野安打で出塁を許し、犠打で1死二塁と得点圏に走者を背負うも、後続を冷静に打ち取りピンチを脱出する。
2番手で登板した針谷隼和
4回は両チーム無得点で迎えた5回表の攻撃。1死から9番・品川侑生(文2=三重)が四球を選ぶと、石黒は凡退も、代打・佐藤拓斗(スポ2=日大山形)が初球を思い切り振りぬき、打球はライト線に落ちる二塁打となり二、三塁。ここで昨日決勝犠飛の片山を迎えるも一邪飛に倒れる。
さらに6回には先頭土肥がレフト線への二塁打で出塁し、川上が初球で犠打を決め1死三塁の勝ち越しのチャンス。6番・内山陽斗(文2=天理)の打球は前進守備の二遊間を抜けそうになるも、明大・二塁手・友納が飛び込み好捕。そのまま一塁へ送球し走者動けず、またしても好機を逃す。
代打で初球を安打にした佐藤拓斗
針谷は4回は四球で走者を許すも無失点で切り抜けると、5回、6回は3者凡退と強力明大打線を封じ込める。
7回の攻撃は3番手・毛利海大から菅野が右前安打で出塁するも、代打で途中出場の山下陽輔(営2=智辯学園)が三ゴロ併殺で2死に。石黒が3試合連続となる中安も、宮原一綺(文2=常総学院)は外角いっぱいの直球に手が出ず同点のまま7回裏の守備へ。
針谷は7回も続投し、先頭打者のボテボテの遊ゴロを遊撃手・石黒が前へダッシュしランニングスローでアウトにする。ここで針谷から3番手・永野司(営2=倉敷商)に交代。制球を乱す場面も見られたが思い切りよく投げ込む左腕は得点を許さず、規定により7回打ち切りで引き分けに。
今大会初登板の3番手・永野司
明大を上回る8本の安打を放つも1得点とここぞの一打は生まれず。針谷の好救援も見られたが、3位で今大会を終えた。
(記事:矢吹大輔、写真:嘉藤大太)
クローズアップ:針谷隼和『覚醒間近! 1年生右腕が明大から5奪三振無失点の好救援で3位に導いた』
神奈川の名門・桐光学園出身。足を高くあげる投球フォームが特徴の右腕は、最速147キロの直球が武器だ。同級生の先発・古川からバトンを受けて、3回から登板し明大打線に果敢に立ち向かった。
先頭打者を追い込むも、打球は自らのグラブを弾き内野安打でいきなり出塁を許す。さらに犠打を決められ二塁に走者を進められる。しかしここからギアをあげ、続く打者を力強い直球で捕邪飛、次の打者は得意球と語るチェンジアップで空振り三振に打ち取りピンチを脱出する。
さらに4回にもピンチを背負うも粘りの投球で勝ち越しを許さず。5回は3番・宮田知弥から始まるクリーンナップを空振り三振、一飛、そしてリーグ戦でもスタメン経験のある今井英寿に粘られるも、最後は140キロの直球で空振り三振を奪った。
6回はわずか8球で3者凡退、7回にも遊撃手・石黒の好守もあり1死としたところで降板。4 1/3回65球1安打5奪三振無失点と安定感抜群の投球は堂々としたものだった。前半は互いに安打が飛び交う乱打戦の様相をみせるも見事に試合を落ち着かせ緊迫の投手戦にした。
「打線を勢いづけるようにテンポ良く投げることを心がけました。」と語るようにストライク先行の投球で流れを呼び寄せ、何度も打線の好機につなげた。今後の目標を「春のリーグ戦で投げれるように頑張ります。」と設定した1年生右腕が法大の未来を担う投手として名乗りを挙げた。
(矢吹大輔)
選手インタビュー
土肥憲将 選手
ー試合を振り返って
ピッチャー陣が頑張って粘ってくれたので締まった試合が出来ましたが詰めの甘さを痛感した試合でした。
ーマルチ安打という好成績でした
自分のスイングで積極的に振ることができてヒットという結果に繋がったので今後の自信にもつながりました。
ー6回の走塁はどのような判断を
抜けてからスタートという指示だったがあの場面でスタートをきれなかった詰めの甘さで勝敗を左右してしまいました。今日の試合は自分に責任があるので今後二度とないように走塁意識をもっと高めないといけないと思います。
ー投手陣が踏ん張りました。どのようなリードを
テンポをよくして絶対に引かないように攻めるように意識しました。
ー今後への課題は
1球、ワンプレーの重みを感じながらここぞという場面でチームに貢献できる選手になることです。
ー2023年シーズンを総括して一言
なかなか自分の思うような結果が出ずにリーグ戦もベンチに入ることが出来なかったのでとても悔しいシーズンになりました。来シーズンは絶対にチームの力になりたいです。
針谷隼和 選手
ー明大打線を相手に4回1/3を投げて5奪三振無失点の投球でした
同点だったので無失点に抑えることと、打線に勢いづけるようにテンポ良く投げることを心がけました。
ー今大会初登板となりましたが
いつでも投げれるような準備をしていたので、理想的なピッチングができました。
ー同学年の土肥選手とのバッテリーでしたが、二人で話し合ったことは
3イニング目から、球種を増やしたりして球種を絞られないようにすることを話しました。
ー同級生の古川選手からの継投でした。交代時のやり取りは
打者の特徴など聞きました。
ー今後に向けて意気込みを
一冬越して大きく成長できるよう考えて練習に取り組んでいきます。春のリーグ戦で投げれるように頑張ります。