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【硬式野球・クローズアップ】「初回から全力で」左のエース・吉鶴が大一番でみせた自己最長8回129球の熱投

2024年5月22日(水)

各カードのMVPを紹介する『クローズアップ』。早大戦は吉鶴翔瑛 投手(営4=木更津総合)を選出。2回戦に先発し、8回2失点で負け投手も尻上がりに調子を上げていき今季1番と言える投球をみせた。

吉鶴翔瑛

進化をみせた自己最長8回129球

前日の1回戦を逆転負けで落とし、吉鶴は負ければ即優勝が消滅する大一番の先発を任された。前日負け投手となった右のエース・篠木健太郎(営4=木更津総合)の無念を晴らすべく、「もう1回、健太郎を投げさせてやろう」と意気込み、マウンドに上がった。

前週の東大戦ではストライクを取りに行く変化球をホームランにされるなど精彩を欠き7回4失点と悔しい投球。そこから1週間を空け、この日は「初回から全力で抑えに行こうと思って投げていった」とエンジン全開だった。

しかし立ち上がり、いきなり先頭の尾瀬に追い込まれてから逆方向に安打を浴び出塁を許すと、4番・印出に先制打を浴びてしまう。「尾瀬に投げた1球目で、もう自分的に調子いいなって思った」と語るも、昨日の流れそのままに先手を許す結果に。その後は尻上がりに調子をあげていき2回から7回までスコアボードに0を並べていく。8回には打ち取った打球が内野安打となり追加点を許すも、自己最長の8回、自己最多の129球を投じ、チームは敗れたものの先発としての役目を全うした。

昨秋は篠木の故障離脱もあり5度の先発を任されると、投球回を上回るリーグ最多の35奪三振と気を吐いた。その後の侍ジャパン大学代表候補合宿にも初選出されるなど充実のシーズンも、1年を通して痛打される場面も目立った。オフには球速ではなく、『球の強さ』のレベルアップに努め、「真っすぐも去年よりは強くなってると思いますし、 勝負できる変化球が多くなったので、そこは痛打されないことに繋がってる。昨年と違って、今年は狙った時に三振取れてる。」と成果を感じている。

チームは2連敗で勝ち点を落とし優勝は潰えたが、5敗のうち4度は1点差の敗戦。チーム防御率は早大に次ぐ2位の1.77も、野手陣の不振もあり援護に恵まれず投打がかみ合っていない。明日から始まる法明戦については「順位を上げるために2連勝して、(入学してから)明治から勝ち点取れてないんで何としても」と最後に意地をみせる覚悟だ。

(取材、記事・矢吹大輔)

気迫の投球をみせる吉鶴

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