• HOME
  • 記事
  • 硬式野球
  • 【硬式野球】仲間に愛され、重圧を背負い続けたエース・野崎慎裕 逃げられない立場で貫いた覚悟を胸に刻み、新たな舞台へ挑む(秋季リーグ戦振り返りインタビュー④)

【硬式野球】仲間に愛され、重圧を背負い続けたエース・野崎慎裕 逃げられない立場で貫いた覚悟を胸に刻み、新たな舞台へ挑む(秋季リーグ戦振り返りインタビュー④)

野崎 慎裕 投手

――今季チームとしては3位だったがこの結果を振り返って
やっぱりリーグ優勝というのを目指してずっとやってきたので、悔しい結果ではありましたけど、やってきたことが成果として出たのは良い終わり方だったかなと思います。

――今季のご自身の成績を振り返って
今季は一応4勝で、防御率も3点台という形で終わったんですけど、数値で見るよりも、そこまでいい結果は残せなかったかなという気持ちです。

――慶大2回戦では延長戦から登板し、1回戦の借りを返すような投球だったが、同点の場面でどのような意識でマウンドに上がったか
前日の悔しさがあったというのと、その日助川(太志、グロ3=茗渓学園)がすごく頑張ってくれていたので、ここで頑張らなきゃダメだなと思ってとにかく1イニング1イニングを抑えようという気持ちで投げました。

――この試合では11回裏を抑え、試合が終わった際に感情があふれ出していたが
前日のこともあったので、いつもよりも気持ちが出たかなと思います。

――慶大4回戦、立大1回戦とご自身の投球がなかなかできなかった中で、立大3回戦は先発で6回無失点の好投だったがどのように立て直したか
結構もうメンタルがきちゃってて、しんどいなっていう中だったんですけど、チームのみんなが「野崎に先発させよう」ということで先発させてくれたので、みんなの支えがあるという気持ちで投げることができました。そこから立ち直ることができたのかなと思います。

――早大1回戦では8回から登板され、9回に1死一、三塁のピンチから併殺に打ち取ったがあの場面を振り返って
あの時はヒット2本でピンチを作ってしまったんですけど、球自体は良かったのできっちりやることをやれば抑えられるなと思いましたし、気持ちで負けていなかった部分が良かったかなと思います。

――早大3回戦でも8回から登板し2点差を守り抜き、23年春以来となる勝ち点獲得となったが
やっぱり早稲田に勝ちたいという気持ちでチーム全体としてもやってきて、それが叶うかどうかというところだったので、3連投目で疲れはあったんですけど今まで以上に気持ちを入れて投げようと思って投げました。

――明大2回戦は先発で7回2/3を投げ自責1の好投だったが振り返って
負ければ優勝がなくなるという状況で、とにかく自分がもう1回チーム立て直せるようにという気持ちで投げました。

――東大2回戦では最後の登板になる可能性が高い中で、どのような気持ちで投げたか
後半ずっと調子は良かったので、絶対に抑えられるという自信を持って投げることができたのが良かったかなと思います。

――結果的にご自身の最後のマウンドで初完投初完封だったが、投げ終えた際の気持ちは
自分の代は零封した試合がないというのをずっと意識していたので、その試合をどこかで作らないといけないという思いが自分の中にあって、最後の最後でそれを体現できてよかったかなと思います。

――東大3回戦はブルペンで最後まで準備していたが投げたかったか
最初はもうみんなの応援をできたらいいかなという感じだったんですけど、やっぱり最後の最後で投げたくなっちゃって、結構準備していたんですけど来ませんでした。

――期待していると話していた丸山陽太(スポ4=成東)選手と終盤は2枚看板だったが
けが明けで丸山には申し訳ないことをしたなと感じているんですけど、あんまり不安を感じさせないというか、リーグ戦中は丸山がすごく頼もしかったなと思います。

――先発、中継ぎとフル回転の起用の中で意識していたことは
先発する時は自分がチームの流れを作ろうという意識があって、リリーフで行くときは大体ピンチの場面で相手の流れを止めなきゃいけないというところだったので、先発とリリーフで気持ちを完全に変えるというところをリーグ戦途中で意識してやってみました。

――野手陣に比べ、投手陣は4年生が中心だったが、来季の投手陣の展望は
来季も山床(志郎、文2=高鍋)、助川、槙野(遥斗、営1=須磨翔風)の3人は軸として投げなきゃいけないと思うんですけど、そこに対して新4年生がきっちり入ってきてくれれば、今年と同様優勝を目指せる位置にいけるかなと思います。

――特に活躍を期待する投手は
やっぱり針谷(隼和、営3=桐光学園)を挙げたいです。本当に針谷が投げられないと優勝は無理だなと思いますし、最上級生として引っ張っていく立場の選手が絶対に必要だと思うので、そこのピースに針谷が上手くはまってくれると思います。それだけの実力だったりとか、練習姿勢というのはしっかり持ってると思うので、自信を持ってやってもらいたいなと思います。

――来季以降の優勝のために必要なことは
チームをまとめていたキャプテンがいなくなったので、康淳(藤森康淳、営3=天理)、片山(悠真、文3=八王子学園)あたりの試合に出てた選手がきっちりまとめてくれたらいいんじゃないかなと思います。

――今までの試合で1番印象に残っている試合とその理由は
今シーズンの立教3戦目ですかね。自分のメンタルが結構きていたのをチームのみんなが知っている中で、「野崎に投げさせよう」となって託してくれて、試合中も勝ちをつけようと野手が頑張ろうとしてくれていました。結果としては負けましたけど、チームメイトのありがたさを改めて感じることができた試合だったので、野球で学べるようなことをたくさん学んだ試合だったかなと思います。

――3年生の秋から登板した中で、今年18番を背負って過ごした1年間はどうだったか
本当にしんどいの一言で。何を言われるにしても「18番を背負ってるんだから」とか「法政の18番です」とかの紹介があるので、逃げたくても逃げられない状況でした。今までの先輩方のすごさを改めて感じましたし、18番がより自分を成長させてくれた1年だったなと感じます。(嬉しかった瞬間はあったか)監督が18番を僕に渡しただけで、チームメイトからエースとして認められたいなという気持ちでずっとやっていたので、好投した後に「さすがエースやな」とか、最後の東大戦で松下(歩叶、営4=桐蔭学園)に「頼もしいエースです」とか、そういった言葉をかけてもらった時に良かったなという気持ちになりました。

――4年間を振り返って印象的だったことは
投手会が1番印象的かなと思います。投手がすごく弱いと言われてきた代だったんですけど、その中でも投手会を結構開催して、多分7、8回くらいやったかなと思います。年の終わりとか事あるごとにちょくちょく開いたりして、投手陣のみんなで頑張ろうとなれたことが、4年間続けてこらこれた1つの要因だと思うので、投手会が印象的だったと思います。

――4年間の寮生活も終わってしまうが寂しさは
初めての寮生活で常に友達が近くにいる環境で、ずっと寂しい思いはしていないので、1人暮らしとかになった時に寂しい気持ちになりそうで不安です。

――前任の加藤監督も含め、大島監督や高村助監督など指導者の方々への思いは
加藤監督とはちゃんとした思い出を作れていないんですけど、けがをしていた時に加藤監督にすごく励ましてもらっていたので感謝したいなと思います。大島さんも自分が調子悪い時に励ましの言葉だったり、期待をたくさん込めてくれていたので感謝したいです。高村さんはエースを背負った方なので、自分の苦しみにすごく寄り添って高村助監督の方からたくさん話しかけてくれたので支えになりました。

――同期の4年生へメッセージを
本当にたくさん支えてもらったなと、試合中も終わった今でも感じているので。一生大切にしていきたいなと思います。

――主将の松下選手がドラフト1位でヤクルトへ指名された際、とても喜んでいるのが印象的だったが
松下が頑張ってきた姿も見てきましたし、苦しみも喜びも一緒に分かち合ってきた仲間だったので。あいつよりも嬉しかった自信がありますね、泣きそうでした。

――特に仲の良かった後輩の選手とメッセージを
中西(祐樹、法3=木更津総合)と土肥(憲将、キャ3=鳴門)はやっぱり長いことブルペンでも受けてもらいましたし、このリーグ戦中もバッテリーとして苦しみを分かち合ったので。来年も大変なことが多いと思うんですけど、あの2人がバッテリーを引っ張っていってほしいなと思います。

――今後の進路は
社会人野球で続けます。(目標は)都市対抗で優勝できるように頑張ります。

――法政大学の野球部のファンの方々に一言
いつも熱い応援をしてくださって、本当にありがとうございました。法政のファンの方々のおかげで頑張れた4年間だったので、今後とも法政大学に熱い応援をお願いします。

(インタビュー:古川千遥)

野崎慎裕(のざき・のりひろ)
経営学部4年・2003年7月21日生まれ
岐阜県出身・県岐阜商
172cm72kg・左投左打
今季成績:10試合 4勝 2敗 31奪三振 11四死球 13自責点 防御率3.41

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

【秋季リーグ振り返りインタビュー一覧(公開次第更新いたします)】

松下歩叶(営4=桐蔭学園)主将 ・ドラフト振り返りインタビュー
【硬式野球】「息の長い選手に」 “世界の松下”がプロの舞台へ飛び立つ 東京ヤクルトスワローズ 1位指名・松下歩叶ドラフト振り返りインタビュー – スポーツ法政
・秋季リーグ戦振り返りインタビュー
【硬式野球】「とても長い1年間だった」 主将&4番の重責を担ったヤクルトドラフト1位・松下歩叶 リーグ通算14本塁打を放った強打者が見せた”執念”の集大成(秋季リーグ戦振り返りインタビュー①) – スポーツ法政
赤間梢吾(キャ4=法政二) 【硬式野球】進化を続けた“二高の星”赤間梢吾は防御率0.00と有終の美を飾りラストイヤーを締めくくった(秋季リーグ戦振り返りインタビュー②) – スポーツ法政
永野司(営4=倉敷商) 【硬式野球】悔いと感謝を胸に仲間と歩んだ永野司の最終章 けがを乗り越えた先で新たな舞台へ駆け上がる(秋季リーグ戦振り返りインタビュー③)– スポーツ法政
野崎慎裕(営4=県岐阜商)
丸山陽太(スポ4=成東)
助川太志(グロ3=茗渓学園)
山床志郎(文2=高鍋)
井上和輝(法1=駿台甲府)
今泉秀悟(キャ2=石見智翠館)
中村騎士(営2=東邦)
品川侑生(文4=三重)
浜岡陸(法4=花咲徳栄)
片山悠真(文3=八王子学園八王子)
藤森康淳(営3=天理)
境亮陽(営1=大阪桐蔭)
鶴丸紘 (スポ4=都城東)学生コーチ
平尾聡一郎 (文4=海星)学生コーチ
大島公一 監督

 

関連記事一覧