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【水上スキー】「戸谷だけは、キャプテンだけは」 4年間日本一を目指し続けた主将 悔しさと歓喜が交錯した最終日【後編】

第71回 桂宮牌 全日本学生水上スキー選手権大会 特集企画

「戸谷だけは、キャプテンだけは真面目に聞いてくれた」

1日目、清水陽仁(理工4)がそう教えてくれた。

アベック優勝が難しくなった最終日。

主将・戸谷圭太(グロ4)は男子ジャンプ最後の滑走者だった。

 滑走の様子 戸谷圭太(グロ4) 

最終日の早朝

9月とはいえ秋田の朝は随分寒い。半袖で凍えた。

陣地では、ヘッドコーチが声を張り上げ、チームを鼓舞している姿が見えた。

女子団体が総合優勝

残るは男女ともにジャンプ競技。

女子団体は総合優勝を掴める位置にいた。荒井聖奈(経4)、そして峯苫萌(営4)がジャンプを終え、結果が出た。

見事総合優勝だった。

私がヘッドコーチと話している中で、「優勝おめでとうございます」と言った。ずっと明るかったコーチが、その時だけ言葉に詰まったように見えた。

喜びをあらわにする峯苫萌(営4)

チームの根底にあるもの

男子ジャンプが始まり、関野佑平(営2)が飛んだ。滑走後、悔しさを滲ませた。

この時点で男子団体は総合2位以下が確定。厳しい勝負を部員たちは理解していたはずだ。それでも関野へ大きな声が届いた。

「佑平飛んだぞ!」「佑平みせたぞ!」

1日目から響いたエールは、さらに勢いを増した。

状況が良いから強いエールが飛ぶ。そんなチームではなかった。
苦しいからこそ、いつも以上に味方を元気づける。挑んだ勇気をたたえる。

チームの本質が見えた気がした。

悔しさを見せた関野佑平(営2)

苦しい状況の中で

最後のジャンプの前に、部員たちが滑走者の戸谷にエールを送った。

戸谷は部員だけでなくOB、OGにもグータッチをした。

「俺のジャンプで勝つぞ」

先ほどの関野へのエールの際、戸谷が放った言葉だ。迷いのない口調だった。

難易度の高いダブルカットでジャンプ台へ進むと勢いよく飛び上がった。

エールを送る部員たち

好記録でも

部員とOB、OGが一箇所に集まった。戸谷が陸に上がると先ほどまで声を張り上げていた部員たちの間に、静かな時間が流れた。

涙を流す部員もいた。
戸谷からは部員たちへの感謝を伝える言葉が出た。

38.4メートル、全体2位。それでも慶大、福大に届かず男子団体は総合3位だった。

部員には涙が溢れる姿も

歓喜と悔しさ

ヘッドコーチから部員たちへ言葉が贈られた。

「女子は19年ぶりに優勝」「強すぎる」

声を張り上げ快挙をたたえた。それから

「でも、悔しいな」

先ほど言葉を詰まらせたヘッドコーチの姿が頭に浮かんだ。

このチームはなによりアベック優勝を目指していた。女子団体の総合優勝を喜ぶ一方で、男子団体が届かなかった悔しさもあった。

それでも最後にはこう言った。

「本当に感動をありがとう」
「1番嬉しい、楽しい、最高のインカレでした」

戸谷は部員たちへ感謝を伝えた

チームを作った1年間

すべて終わったあと戸谷は「すごく悔しいです」と一言。
それでも「みんなやり切って楽しんで、インカレを終えられた」と振り返った。

「周りの方もたくさん背中を押して、応援してくださりました。そのおかげで1年間、主将として駆け抜けることができました」

OB、コーチらは「いいチームを作ったな」と戸谷に伝えた。

1日目、清水が言っていたことを思い出した。

「このチームをここまで作ったのは間違いなく戸谷です」
「4年間365日ずっと日本一を一緒に目指し続けてきた主将なので、本当に感謝しています」

その後ろには、部員からのメッセージで埋め尽くされた応援幕があった。

前編はこちらから

(記事:山田竣矢)

水上スキー部の活躍はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

大会結果はこちらから ※法政大学公式HPに遷移します。

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