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【水泳】「自分の居場所はここだった」女子主将・森田眞心の覚悟と歓喜の集大成/インカレ事後インタビュー&幹部インタビュー

インカレ事後取材③

法政大学水泳部・女子主将としてラストイヤーを駆け抜けた森田眞心。ラストインカレの50メートル自由形では悔しさを味わったが、仲間とつないだ4継では悲願の3位表彰台、そして法政レコード更新を成し遂げた。チーム目標の達成には届かなかったものの、主将として厳しさと強い責任感を持ち、組織の土台を支え続けた1年間。インカレの激闘から1ヶ月後、佐賀で行われた短水路日本選手権の50メートル自由形では自己ベストを更新し、堂々の2位で有終の美を飾った。スポホウでは、主将として走り抜けた激動のシーズンと、最高の仲間たちと駆け抜けた4年間を振り返る。

記事

女子主将として、強い覚悟を胸に挑んだ最後の夏。主将としての思いを背負い、森田は学生最後の大会となるインカレの舞台に立った。今大会、森田は50メートル自由形と4×100メートルフリーリレー(4継)に出場。個人種目では半フリに絞って勝負に挑み、決勝進出を果たして7位入賞を飾った。
しかし、レース後の表情に晴れやかさはなかった。「フリーに絞ってやってきた中で、個人のところで出し切れなかったところが、悔しかった」。主将として、そして本来の専門種目での代表落選など、思い描いていた道のりは決して平坦なものではなかった。それでも、主将として挑んだ学生最後の舞台で、背中で引っ張り続ける姿を後輩たちにしっかりと焼き付けただろう。

今大会、法大勢で最も注目を集めたのが4継だった。「法政レコード更新」「昨年の雪辱を果たす」の2つの目標を掲げ、春の六大学対抗戦から力を入れてきた種目だ。ラストイヤーとなる森田、そしてエース・岡村梨香の圧倒的な泳ぎと勝負強さに大きな期待がかかった。
4泳者として飛び込んだリレーでは、まさに「全員でメダルを取る」という強い執念を感じさせるレース展開を見せ、最高学年としての意地と誇りを体現した。結果は決勝3位で表彰台に立ち、悲願の法政レコード更新を達成。昨年度インカレでは惜しくも4位で、あと一歩届かなかった表彰台。昨年流した悔し涙を歓喜の涙に変えて、ラストイヤーで目標を完遂することができた。「みんなの『表彰台に行きたい』っていう気持ちが強かったので、それが結果として現れたのかなって思います」。全員の思いが一つになって結実した、まさに最高の瞬間だった。

一方で、チームとして掲げた「女子総合2位」の目標は、総合4位と昨年度から順位を上げることはできなかった。「全員が120%の力を出せば狙える」と本気で挑んだだけに、「自分たちの思い通りにはさせてくれないのがインカレだなっていうことを改めて感じた」と、勝負の厳しさを痛感させた。
チーム目標には届かなかったものの、最後のレースを戦い抜いた同期たちの姿は、胸を熱くさせた。ともに4継を戦ってきた岡村梨香を「『やっぱりエースだな』と思った」と信頼を寄せる。さらに、この1年間をともに主将として引っ張ってきた男子主将・齊藤優太の引退レースには、「ちゃんとやり切った顔をして帰ってきてくれたのがうれしかった」と、重圧を分かち合った仲間の奮闘を温かいまなざしで振り返った。
学校練の仲間にはレースで、練習拠点は違えど同じ法大チームとして戦うクラブ練の仲間には熱い声援で送った。森田はレースでも、サポート面でも主将としての背中を最後まで見せ続けた。

「女子主将として、一番言わないといけない立場になった」。そう振り返る1年間、森田自身が最も腐心したのは、競技成績そのもの以上に生活面の徹底だった。「靴を揃える」「ゴミを分別する」といった当たり前の規律をあえて率先し、妥協することなく組織の土台を整え続けた。「うるさいなと思った人もいたかもしれないけど」と振り返った。
主将としての苦労を問うと、「自分はもともと人に興味がないタイプで。自分のことだけでなく、周りのことも見ないといけないのが今までと違って大変だった」と本音もこぼれる。「主将として楽しかったことは特にないですけど」と前置きしつつも、福岡の強豪クラブから法大に入り、自分よりもレベルの高い仲間たちと切磋琢磨できた学校練の日々が、何よりもかけがえのない財産だったと振り返る。

インカレの激闘から1ヶ月後、舞台は佐賀へと移り、短水路日本選手権が開催された。九州出身であり、短水路が得意な森田にとって、ここが正真正銘の引退レース。「この舞台に決めた」と臨んだ50メートル自由形では、見事に自己ベストを更新し、堂々の2位でフィニッシュ。地元の温かい歓声の中、自分のすべてを出し切った最高のフィナーレとなり、有終の美を飾った。

大学4年間を「居心地がよく、自分の居場所だった」と振り返る。1年生の頃は、優しく引っ張ってくれる先輩たちの背中を追いかけ、最高学年になってからは「このチームを強くする」という強い意志を持つ同期たちと走り抜けた。苦楽を共にした仲間たちと駆け抜けた4年間は、彼女の人生においてけっして色褪せない財産となった。
「後輩たちには厳しく言った部分もあったけど、しっかりついてきてくれてありがとうと伝えたい」。法政大学水泳部で過ごした濃密な日々の思い出は鮮やかに胸に残っている。主将として厳しくとも強い責任感と覚悟でチームを支え続けたその背中は、間違いなくこれからの法大水泳部を継ぐ後輩たちへと受け継がれていくだろう。

(記事:山鳥優里)

水泳部の写真につきましては スポーツ法政新聞会公式インスタグラム よりご確認ください。(青字をクリックしていただきますと移動いたします。)

 

インタビュー

森田眞心

ーーインカレの総括
チームとしてはその目標達成はできなかったんですけど、ベストもそんなに出てない中ではありましたが、やっぱちゃんと決勝に残るとか、点数を取る所とかは、しっかりみんながやってくれて。インカレに向けて、いい練習できてた組も、ちゃんと結果を出してくれたりとかしてたので。チームとしては、その目標には届かなかったんですけど、裏の部分から見たときは、よくやってくれたかなって感じです。
個人としては、本当にフリーに絞ってやってきた中で、個人のところで出し切れなかったところが、悔しかったなって感じです。

ーー総合2位の目標を掲げてのインカレで、今季度4位となったが
総合2位の目標を立てたのは、しっかりみんながベストを出して自分の力を、120%出せばできるっていうのを、チーム始まったときに立てた目標でした。やっぱり1年もあれば周りもレベル上がってくるので、自分たちの思い通りにはさせてくれないのがインカレだなっていうことを改めて感じた試合でした。

ーー4継では目標にしてた法政レコードの更新、メダル獲得となったが
去年4位で、本当に悔しい思いをして、六大学対抗戦からいい流れで来ていたと思ってたので、確実に表彰台は狙えるっていうのは、インカレ前すごく思っていて。だけど、予選とか見ると、やばい位置にいるなって思って、それでもみんなの「表彰台に行きたい」っていう気持ちが強かったので、それが結果として現れたのかなって思います。

ーー気持ちの面と言っていたが、具体的にどのよつな部分で結果につながったのか
関カレで1位になって、そのメンバーで行くのかなと思いましたが、4日間戦う上でチームが一番点数を取れる形にしようってことで、予選は、岡村(梨香)がその日にフリーがありましたし、予選は梨香抜きで決勝は行けるだろうってことで、(山本)千晶と(園部)ゆあらを選びました。
(予選のメンバーから)1人絶対に変えるっていうことは決まってたことなので。梨香を入れるということは決まっていたので千晶を変えることになり、千晶の分までみんなで頑張ろうっていうのは、決勝前にも言ってましたし、絶対にメダル取り、「千晶が予選を泳いでくれたおかげで取れたよ」ではないですけど、千晶のためにという気持ちはすごくありました。

ーーチーム内で掛け声などは
4継は5人の中から4人が泳ぐっていうのは、もう前々から言ってたことなので、5人で予選ちゃんと突破して、5人で表彰台取りに行くっていうのは、ずっと言ってきことだったので。誰が入れ替わっても、いけるメンバーって言ったら嘘になりますけど。千晶もこれから3日目、4日目が残って、最後は8継もあったので。腰の状態もなんか痛そうだったので、残りタフなレースが続くと思い、千晶の分まで頑張るからとか、そういう感じで持って行きました。亀井(彩華)も前日のフリーの個人で速く泳いでくれたりとか、ゆあらも初めて(のインカレで)緊張するはずなのに結構いいタイムで泳いでくれたりとか、梨香は2フリの勢いのまま帰ってきてくれたので、最後はやっぱ自分がやるしかないなと思って、飛び込べたのかなって思います。

ーー最後のインカレ、同期たちとのレースは
1番は梨香の2フリ優勝したっていうのもありますけど、学校練で一緒に練習する機会はありませんでしたが、結構学校連に来てくれる方で。本当に練習からすごくて、速くて調子は良さそうだったのでやってくれるなってのはあり、「やっぱりエースだな」と思いました。
あとは主将の齊藤(優太)くんかな。1年間チームをまとめるって立場になって、辛い時期とか頼りすぎたこともありましたが、それでも自分の泳ぎとかがわかんなくなっちゃったときでも、どうにかしようっていうのをみんなに聞いたりして、積極的に自分からいい方向を探していたので。タイムの面ではあれでしたが、その面では、ちゃんとやり切った顔をして帰ってきてくれたのが嬉しかったです。

ーースポホウのインタビューでは後輩から森田選手の名前がよく挙がり、慕われていた印象がありました。後輩に関してなにか思いはあったか
慕ってくれてというか、(インタビューで)言ってくれるだけかもしれないんで分かんないですが。
それ言ってくれてるだけでもありがたいので、1年間やってきてよかったなってのは思いますし、亀井とか園部ゆあらとかはこれからの法政を引っ張っていくキーパーソンになってくると思うので、これからも頑張って欲しいなと思います。

ーー今回のインカレで、4年生、主将として後輩たちにどのような姿を見せられたか
学校練の子たちは本当にわかってると思いますが、50フリー寄りの練習ばっかしてて、本当に100を3回、トータルで3回も泳ぐところを4年生のその雰囲気と意地をちゃんと見せられたのかなって思います。リレーの中で1フリー泳ぐ中で練習してない部分が出てると個人的には思ってるので、そこそこのタイムでは泳げて最低限の仕事はできたから、そこは学校練の子たちはちゃんと見てくれてたら嬉しいなというか、見てくれたかなって思いますね。
クラブ練の子たちに関しては、応援とかでは結構前のほうに出て参加できるときは、自分の中では引っ張っていってたつもりなので、そこは見てくれてたかなって思います。

ーー主将としてこの1年間を振り返って
チームとしては、やっぱ一番言わないといけない立場になった中で、個人的に大切にしてきたことが、やっぱ生活面で靴揃えろとか、お弁当のゴミ分別しろとか、結構スポホウさんのインタビューでも言ってきたと思いますが、結構みんなが積極的にやってきてくれて。始めてから、「うるさいな」と思った人も多分いると思いますが、やってきてくれたかなって思います。

ーー主将としてその苦労した部分は
基本的に自分は、あんまり人に興味がないっていうか、自分さえ良ければいいっていうタイプだったので、本当は良くないですが、チームを見るってなると、自分だけのことではなくて、周りのことも見ないといけなくて、それが今までと違うところで大変だったかなと思います。

ーー主将として、法大での競技生活で楽しかったことは
主将として楽しかったことはまあ、本当に特にないんですけど、法政に入ってよかったなとか思ったことは自分元々福岡のクラブで練習してたので、クラブの中でもレベル高い方でやってきましたが、大学、学校練になってからは、自分よりもレベルの高い人と一緒に練習できるってのが、一番楽しかったです。

ーー今回女子の主将に伊藤ななみ選手がなったが、就任の経緯などは
同期で話し合って決めたんじゃないかなって思います。自分たちは、アンケートは取りましたけど
そこに関しては、ノータッチですね。一応、意見は言うけど、3年生主体ですね。アンケートがGoogleフォームで取られて、誰がいいのか、理由を書いて出してみたいな感じでしたね。

ーー新主将の伊藤選手、吉良皓稀選手に期待していることは
期待していることはやっぱ、男子も女子も、自分たちが抜けた分新入生が入ってくるのが強力なスケットだと思っていてそこをうまくしっかりまとめてもらって、今年よりも強い法政を来年のインカレや他の試合で見せて欲しいなっていうのはあります。

ーー新主将に重点的に頑張って欲しいことは
自分は生活面を言ってきましたが、競技に直結してるとは言いづらいし、みんなも思いづらいので、やりたがらないっていうか、見落としてしまいがちなところなので、そこはもう別に今年の流れのままそこそこできていればいいのかなって感じです。本当に結果を出すことが一番だと思うので、みんなが結果を出せるように考えていくのが主将の役割でもあると思うので、困った人には優しく手を差し伸べてやったりとか、時には厳しくすることも大切だと思うので、そこのメリハリをうまくつけてもらって、3年生は2人を筆頭に、全員で引っ張っていってくれたらなって思ってます。

ーー今回短水路世界選手権で岡村選手が代表に選ばれたが
もううれしい、最高の一言です。短水路日本選手権が終わってから、実は自分の実家に来てくれて遊んでたんですよ。その時に発表があり、みんなで正式発表出たあとに、ちゃんとお祝いできたのが、本当嬉しかったです。

ーー同期が世界の舞台に行くことは
同期が世界に行くってことは、本当にすごいことですし。1年生、2年生、のときに、三井愛梨が世界水泳、パリオリンピックに出てましたし、愛梨はずっとそのクラブ練で一緒に練習する機会なかったので、仲は良かったですが、梨香ほど親しくする関係ではなかったって言ったら失礼ですけど、そんな感じだったので。梨香が代表に入ってくれて、もう本当に尊敬度が一気に上昇しました。

ーー法大在籍していた4年間は
居心地はよかったですし、1年生で入ったときも先輩方が優しくしてくれたりとか練習でも引っ張ってくださる先輩方ばっかりだったので、この人たちについて行こうとモチベーションが結構上がって練習をすることができました。自分たちが上になってからも、「このチームをみんなで強くしていくんだ」っていう思いが強い同期たちのが集まりだったので、タイムの速い遅いは人それぞれですが、雰囲気作りっていうのは、全員で徹底してきました。やっぱり法政に入ってよかったなというか、自分の居場所はここだなあって思いました。

ーー4年間過ごしてきて一番の思い出は
最後の1年で主将になって、思うように練習とかできなくなったりしましたが、昨年12月の短水路関カレで男女総合優勝ができたことかなって思います。

ーー苦労した経験などは
それはもうケガ一択です。1年生の秋くらいに1回肘の手術して、そこからリハビリやっててって感じで。昨年の1月とか2月とかもほとんど泳いでない状況でした。

ーー競技を引退して約2週間が経ったが
朝は目覚ましなしで10時前後くらいに起きて、昼間は授業もないのでダラダラして、本当に競技してた人とは思えないくらいに、ニート生活を楽しんでいます(笑)。今はまだ楽しめているので、水泳してない大学生だったら、こんな感じになってたのかなっていう、ちょっと絶望感はあります(笑)。

ーーこれからやってみたいこととかは
やってみたいことはそんなに無くて。本当に、まずは卒論を完成させることが1番だと思うので、とりあえず頑張りたいなって思います。

ーーともに戦ってきた同期やこれからも法大スイマーとして戦う後輩たちに向けて
後輩たちは結構厳しく言った部分もたくさんあったので、その中でもしっかり1年間ついてきてくれてありがとうっていうのを伝えたいです。これから先、水泳を社会人になってもやる人、やらない人は出てくると思いますが、大学4年間での水泳部での活動は、濃い4年間だったっていうのは、まだ引退して2、3週間ですけど感じているので、それを思いっきり楽しんで頑張ってもらいたいなっていうのは伝えたいです。あと、同期たち梨香と白戸(亮太)は多分競技を続けるのかな。それ以外は、水泳をやめてそれぞれ社会人になると思いますが、白戸と梨香には頑張ってもらって、ほかの同期で試合を応援しに行けたらうれしいなっていうのは伝えたいです。

(インタビュー:山鳥優里)

 

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