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【硬式野球・クローズアップ】『世界の松下』半端ないって! 松下歩叶が2戦連続の決勝打で立大撃破!

2024年4月26日(金)

各カードのMVPを紹介する『クローズアップ』。立大戦は松下歩叶 内野手(営3=桐蔭学園)を選出。第2戦では決勝打、第3戦では勝ち越し3ランを放ちチームの勝ち点獲得に大きく貢献した。

勝ち越し3ランの松下歩叶

『世界の松下』半端ないって

『世界の松下』の愛称で親しまれている松下歩叶(営3=桐蔭学園)は立大戦で『半端ない』活躍をみせ、今季初の勝ち点獲得に大きく貢献した。

開幕戦では立大先発の小畠一心の力強い真っすぐとピンチになってからギアを上げる巧みな投球に苦戦し完封負け。再三チャンスをつくるもあと一本が出ず松下も「周りの人に比べて緊張しない方だがすごく緊張してました。なかなか初球を振りにいけなかったりっていうのがチャンスの場面であったのですごく悔しかったです。」と振り返るように2度の好機で凡退していた。

試合後の神宮球場では悔しさを露わにしていたものの、寮に戻ってからのミーティングでは「やるしかない」と気持ちを切り替えた。大島監督からも「緊張があった中、体が固まったりだとかで自分たちのプレーができてなかった。もう負けられない。試合でやるしかない。」とみんなで前を向いた。

2戦目ではリーグ戦ではもちろん、この春のオープン戦でも務めたことがない『1番』を任された。「どんな形でも1打席目は出塁したいなと思っていた」との言葉通り初球を振り、当たりは良くなかったものの気迫の内野安打で出塁。しかしこの試合も4回までチャンスをつくるも得点入らず嫌な流れだった。5回には好投の吉鶴が自らのバットで待望の先制打を挙げるも、エラーからすぐに追いつかれてしまう。そして迎えた7回の第4打席に2死二塁の勝ち越しの好機で打席が回ってきた。「ファーストストライクを強く振る事だけを考えて打席に入った」と語るように初球を振り、打球は三遊間を破る決勝打となり今季初勝利を挙げた。

1勝1敗で迎えた負けられない第3戦。同点の5回に前打者の篠木健太郎(営4=木更津総合)が右肘へ死球を浴び激昂する中、松下はネクストバッターズサークルでその様子を見つめていた。「(篠木さんが)気合入ってるなと思ってみてました。そのあとにタイムがかかってそこで自分の気持ちはちょっと冷静になれたかなと思います。」と落ち着いた様子で打席に向かった。相手投手は塩野目、2死一、二塁と一打勝ち越しの場面だった。「甘いボールとかストライクをとにかく強く振ろうと思ってて。外野が前にいたので、強く振ったら抜けてくれるかなって思ってたんで。」と2球目を振りぬくと外野の頭を越えレフトスタンドに突き刺さった。本人も「まさか入るとは」と驚きの一発はチームの勝利を大きく手繰り寄せた3ラン本塁打となった。

ホームランを放つ松下

ライバル木本圭一の存在

松下にはどうしても負けたくないライバルがいる。悔しい敗戦となった開幕戦の日の第1試合・明大対東大戦でホームランを打った明大3年の木本圭一だ。中学、高校と同じチームで切磋琢磨してきた2人は同じ東京六大学の名門にそれぞれ進んだ。

お互いがベンチ入りをして初めての対戦となった昨春の明大1回戦は漫画のような試合となった。4-3と1点リードで迎えた8回裏に吉鶴翔瑛(営4=木更津総合)が代打・木本に逆転2ランを浴びると、9回2死で松下が代打に送られた。しかし最後は明大・石原(現ヤクルト)の前に見逃し三振に倒れ痛恨の敗戦を喫した。

以前のインタビューで野球人生で一番悔しかったことに「木本にホームランを打たれた瞬間ですかね。打たれた瞬間も悔しかったんですけど、その試合の最後のバッターが自分でその時に三振して、その時は結構メンタルに来ましたね。」とこの場面を挙げるほどだった。

アップ中にライブ配信で今回の木本のホームランを見ていた松下は「やられたなと思った」悔しさもあったが、試合後にはLINEで「ナイスバッティング」と称えた。そして第3戦では今度は松下がホームランを放ち木本から「ナイスバッティング」と送られてきたという。定期的にLINEで野球のことを話すほどの仲でもある次の対戦は1か月後の最終カードである。今季は互いに中軸として迎える2人の対戦に熱視線を送りたい。

(取材・記事、矢吹大輔)

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