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【硬式野球】ミスターフルスイング・姫木陸斗は自分のスタイルを貫き神宮にアーチをかける/春季リーグ特集⑪


2024年3月13日(水)

4月13日に開幕する東京六大学野球春季リーグ戦。下級生から神宮で活躍してきた4年生を中心に、リーグ単独最多47度目の優勝に期待が高まる。春季リーグ特集11回目の今回は、姫木陸斗 外野手(人4=日大藤沢)のインタビューをお届けする。

姫木陸斗 外野手

選手インタビュー

姫木陸斗 外野手

――昨シーズンの振り返りを。ホームランを放った昨春神宮デビュー戦の思い出は
ずっと2年間ケガをしていて、最後にチャンスを頂いて一本打った時は、喜びよりも安心感の方が強かったです。やっとみんなと同じラインに立てたなと思いました。

――安心感が強かったというと
やっとみんなと同じような試合に出ることができて、これからも頑張らなきゃと気が引き締まりましたし、野球ができる安心感もありました。

――誰かから連絡は
色々なところから連絡はきました。中には「生きてたのか?!」という連絡もありましたし(笑)。見てくれている人も多かったので、連絡はたくさんもらいました。

――昨秋に点数をつけるとしたら
半分いかないかな、40点ぐらいです。

――理由は
スタメンで出ていないことはもちろん点数が低い要因ではあります。また、慶大との3戦目、引き分けで終わった試合で、最終回に出場して二塁打を打ったのですが、あの時もう少し力があれば、あと2ミリ、3ミリ下を喰っていればフェンスを越えていたと思うと、勝負強さの無さを自分でも痛感しました。あのカードを取っていたら優勝も見えていましたし、一個一個のプレーに対して、自分のふがいなさや未熟さを痛感するシーズンだったなと感じています。

――秋シーズンに掴んだ手ごたえは
全試合初めてベンチ入りをした中で、リーグ戦に対する慣れは掴めたかなと思います。次の代、自分たちの代を中心にプレーができると考えると楽しみというか、このメンツならやっていけるんじゃないかという風には感じました。この冬は各々が自身の課題に克服に取り組んでこれているので、春へ対する期待はとても大きいです。

――このオフ、どういった部分に重点を置いて取り組んだか
状況に応じたプレーの習得や、プレーそのものの精度向上に重点を置いてきました。短距離のスピードや基礎能力をあげること、精度を上げることを大切に取り組んできました。課題を見つけるというよりかは、毎日練習していたら続々と出てくるので、ひとつずつ潰していくイメージで練習してきました。

――けが対策は
けがを守るときは、自分の出力を下げてプレーしてしまいますが、それだと思い切ったプレーはできません。試合に出場している以上は、怖がらずに思いっきりプレーをしたいので、けがに対しての普段のケアはやっていますが、やったら仕方ないという気持ちでやっています。

――怖さは
怖いな、危ないなという場面はありますが、そこでリミッター掛けたら意味がない。勝てるものも勝てないので、試合中は怖さを捨てて、プレーするようにしています。

――鹿児島でのオープン戦の収穫や、冬に取り組んできたことへの手応えは
プレーの出力はもちろん確認できたのですが、ピッチャーと対峙していく中で、今までの間合いだとずれてしまうという感覚が掴めたことは一番の収穫だと思います。

――フルスイングのスタイルはいつからか
野球を始めた時からです。幼少期で体が小さい中で、投手として三振を獲ることや打者の大きい本塁打は、野球を自分がやっていく中での憧れでした。いかに小さい体で本塁打を打つのかということを考えて野球をする中で、思い切り振らないことには始まらないと思い、野球を始めたときから打席に立てば本塁打を狙うというスタイルでやってきています。

――途中で変わったことは
今のスイングはもともと通用しないよと言われてきたスイングでしたが、現在は柳田悠岐選手(ソフトバンク)や大谷翔平選手(ドジャース)などが出てきて、肯定化されてきている部分も多いと思います。率を残せないと話にならないという考えに基づいた、早いボールに対して上から合わせろという指導者が多いと思いますが、それをひたすら反発しながら自分のスタイルを貫いてきたので、大変ではありました(笑)。

――柳田悠岐や大谷翔平の打撃を参考にすることはあるか
どういった感覚でやっているのかなというのは勉強していますが、自分はメジャーリーグが好きなので、現在だとブライス・ハーパー(フィリーズ)を参考にしています。ただ結局は自分のスタイルが軸になってやっているので、一個の補助材料として参考にしている感じです。自分でやってみて、それをどう自分用に変換していくかが大事だと思っています。

――スイングスピードや打球速度の数値などを気にしているか
数字は勝手についてくるものなのかなと感じています。自分で体作りをして仕上げて思いっきり振れば、おのずと数値はついてくるものだと思っています。あんまり気にしてはいませんが、他の選手にスイングスピードなどは負けたくないと思っています。ただ、数値を上げるための練習はしていません。

――打順のこだわりは
4番としていきたいな、優勝したいなというのはもちろんありますが、それは結果出してから。チームの要として打ちたいのはもちろんありますが、特にこだわりは持っていないです。

――現在のチームの状況はどう見ているか
今のところ、スタメンの内8人が4年生で、4年生主体で動けていることはチームの強みだと思っています。リーグ戦を経験している人が多いこともあって、いい形で進んでいるのではないかと感じています。みんながどう感じているかは分かりませんが、まだ満足できていない人も多いと思います。あとは各々で足りない部分を補いながら、春の開幕を迎えられたらと思っています。

――自分でコツコツ、黙々と練習をすることが多いのか
練習はガヤガヤしているときにやりたくないんです。みんなで情報共有しながらやることももちろんありますが、自分で整えるときは一人でやりたい人間です。

――この春のネクストブレイク候補は
安達壮汰(営4=桐光学園)です。高校から安達と対戦してきて、遥か上にいた存在でした。それが今まであんまり結果残せなくて苦しんできたのですが、この冬安達らしさを取り戻してきているなと感じたので一番期待しています。
野手は西村友哉(法4=中京大中京)です。1年生のころから何かしら勝負をする機会があり、去年の秋はスタメン争いをしていました。西村とは仲がいいですが、ライバルでもあります。最後の集大成として2人で暴れたいと感じています。

――優勝に向けて、チームとして必要な部分は
優勝に向けて必要なのは闘志力、得点力だと思っています。現在、篠木、吉鶴、安達、山城という投手陣を抱えている中で、チームとして4点以上を得点することを目標にやっています。4点以上アベレージとして取れていたら、あの投手陣なら絶対勝てると思っているので、得点力の向上は一番大変なことですが、一番必要なものであるなと感じています。

――この春見てほしいところは
自分の象徴でもあるフルスイングです。

――目標は
個人の目標としては、ホームラン、打点ともにタイトル争いに食い込むことです。また、けがせず元気にプレーしていきたいです。
チームとしては優勝が第一。六大学優勝、そして日本一という目標に対し、自分がどれだけ貢献していくことができるかだと思います。とにかく勝ちます。

――ファンの方々へメッセージを
いろんな方が見てくれている中で、自分が入ってから優勝できていないので、優勝を皆さんに届けられるように日々練習して、結果に結びつけられるよう頑張ります。応援のほどよろしくお願いします。

(取材・野田堅真)


姫木 陸斗(ひめき・りくと)
人間環境学部4年 2002年10月24日生まれ
神奈川県出身・日大藤沢
177cm80kg・左投左打
昨季成績:13試合 23打数 6安打 0本塁打 2打点 2四死球 打率.261
『ド迫力のフルスイングが魅力の左のスラッガー。オープン戦からホームランを量産する大砲が神宮にアーチをかける。』

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

 

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