【硬式野球】秋季リーグ振り返りインタビュー⑳~藤森康淳選手~
藤森 康淳 選手
ーー秋リーグを振り返って
春リーグは自分は結果的には悔しい結果に終わったので、秋しっかり取り返そうと思って、この秋までの期間、必死にいろんなところを改善してやってきました。だからその成果が出たというか、春よりいい数字が残せて自分的には満足いったという言い方はあれですけど、まだ納得いく内容だったなと思います。その中でもリーグ戦は打率よりも得点圏打率、ランナーがいるチャンスでの1本が求められると思うんですけど、チャンスの場面での凡退というのがまだ自分の中では多かった気がして、課題ももっと明確になったので、この冬しっかり取り組んでいきたいかなと思います。
ーー走塁を見てほしいと言っていた中、東大戦では盗塁を決めていました
東大戦以外は自分の足を魅せるところなかったんですけど、外野とか守らしてもらって、自分の足の魅力も見せれたと思います。来シーズンは多分外野に戻るので、もっと盗塁の練習とかを冬は取り入れて、しっかり魅力を生かせるようにやっていきたいなと思います。
ーー各大学のエースと対戦したいと言っていたが、手応えは
春も思ったんですけど六大学エース級のピッチャーはレベルが高くて、その中でも捉えられたとこもあったし、全部抑えられた試合もあったんですけど、今のエース級は3年生が多くて、来年も多分第1先発して投げてくる選手たちなので、この1シーズン通していい経験ができたかなと思います。
ーー伊藤樹(早大、3年)投手には7打数ノーヒットという結果に関して
春は伊藤樹さんから4の2でヒットを打ってると思うんですけど、向こうが素晴らしかったですし、キャッチャーの印出(太一、早大4年)さんのリードが良くて、まんまとやられました。
ーー慶大1回戦のリーグ戦初本塁打は貴重な勝ち越し打となりました。改めて打席を振り返って
9回のノーアウトランナー無しで、(塁に)出ることしか考えてなかったんですけど、セーフティの構えとかもしたりして、なんとしてでも塁に出ようと思って、コンパクトに行こうと思ってました。その中で結構甘く入ってきてくれて、反応で打った感じで自分も全然ホームラン入ると思ってなくて、たまたまで、打ったと思って打ったホームランじゃないです(笑)だけどこの夏必死に取り組んでよかったなというのがあそこで思いました。
ーーホームランボールはどうしたのか
家族にあげました。その日来てたので。いつもお母さんとお父さんだけ見に来るんですけど、慶應戦だけお姉ちゃんもいて全員で来てて、お姉ちゃんが初めて多分自分の大学野球見てたので、活躍してる姿見せれてよかったです。(お姉さんの反応は)もうなんかびっくりこいてました。呆然としてました。
ーー慶大2回戦、5回裏の満塁の場面で併殺打の打席を振り返って
多分2球ぐらい甘い球が来たんですけど、打ち損じてて、1アウト満塁で外野フライをあげたら1点だったので、なんとしてでもというところで、必死に打ちました。でもその最後の球の前に、サードの本間(颯太朗、慶大4年)さんがとショート側に2歩くらい寄って、ちょうどそこに飛んじゃって、「これマジでゲッツならんといてくれ」と思って走ったんすけど、そこではちょっと走力は生かせなかったです(笑)あれは本当にに悔しかったです。でも(ベースに)滑った後、関係者に聞いたら、「あれ駆け抜けたらセーフだよ」と言われて、ちゃんと駆け抜けようと思いました。
ーーそこからどのように切り替えたのか
試合中で起きたことは、試合が終わってから反省するという風にチームで決まってるので、試合の中で反省することはなくて、前のことは考えずに、その先のことか、勝利のことだけを考えてました。一瞬悔しがりましたけど、ベンチに戻って守備に着く頃にはもう切り替えてました。
ーーサヨナラ打を打った打席を改めて振り返ってみて
チャンスで回ってきて、前の打席で倒れてたので、最終回に自分の打席回ってきそうな時ぐらいに自分のとこ回ってきてくれと思ってました。決めたいなと思って。いざ打席立って、前の打席で凡退してる時に、1ストライクと2ストライクと甘い球を仕留めれずにアウトになってたんで、2ボールとかなくて自分が打てる球が来たらもう思い切っていこうと思って、そういう意識で打った結果がいいとこに転がってくれたので、 運が良かったですね。
ーー涙の真意は
春と秋の最初の辺もですけど、チャンスの場面で、自分のせいで凡退して、打撃の面で4年生にいっぱい迷惑かけてしまって、4年生は思い入れもあって、大好きな先輩たちなので、やっと役に立てたなというような感情と、観客の皆さんも多くて1回凡退した時にも「頑張れよ」などの声をかけてくれていたのが耳に聞こえていたので、そういった方たちが挨拶して喜んでくれていた姿を見た時に、なんか勝手に涙ができました。なんかそんなんで泣いてしまって年取ったなと思いました。
ーー周りの反応は
同期からは「お前マジ最高や。ナイス」とか 掛けてくれて、先輩、4年生とかからは「マジありがとう」とかの感謝の気持ちとか、 「ようやった」とか掛けてくれて、そういう言葉聞いても涙が出てしまって、最高のチームメートだなと思いました。
ーー明大2回戦は負けたら4年生は最後の試合となるなかでどのように試合に望んだか
優勝はなくなっていたんですけど、法明戦は伝統のある一戦で、明治から勝ち点をここ数年取れていなかったので、 チーム的にもなんとしてでも勝つという意識で練習に取り組んでいました。自分も4年生と最後なので、勝ちという形で終わりたかったんですけど、簡単な相手じゃなかったなというのが印象ですね。
ーーその試合のタイムリーは初球を捉え取り組んできた逆方向への打球だったが意識は
慶應戦でホームラン打ってたんですけど、今シーズンを振り返ったら、 最後の打席が1番自分の中で納得いく打席だなと思います。打席の中での意識はなかったんですけど、チャンスで、大川慈英(明大、3年)投手はまっすぐで押すピッチャーだったので、まっすぐだけ張ってフルスイングしようと決めてました。無駄な考えを捨てて無心で振りに行ったらアウトコースにきて逆らえずに打てて、1番感触が良かった打席だったので、この夏しっかり取り組んだことが出てくれて率直に嬉しかったです。
ーー侍ジャパン大学代表候補合宿に選ばれた心境は
びっくりしました。自分より格上の選手たちが多いので、 そういった部分ではいろんなことを収穫できるチャンスだと思うので、野球の部分もそうですけど、3日間ぐらいあって私生活の部分も見れると思うんで、上のレベルでやってる選手たちが普段どういった生活してるかとか、そういう部分が1番野球に大切だと思うので、しっかり勉強できたらなと思います。
ーー話を聞きたい選手はいるか
六大学の他のチームの選手です。その他はちょっと自分も名前聞いたことあるんすけど、わからない選手が多くて(笑)あと東都は1番レベルが高いリーグだと思うので、そういったリーグの選手たちです。あと野球面で言ったら、尾瀬(雄大、早大3年)選手の打撃については聞いてこようかなと思います。
ーーゆくゆくはセカンドでスタメンで出たいと言っていたが、今季の熊谷陸(人1=花巻東)選手の活躍を見て感じたことは
世話子世話長というのがあって、熊谷は自分の世話子で1番可愛がってる選手なので、セカンドで1年生ながらベストナイン、首位打者を取ってくれてすごく嬉しかったし、すごいなというのもあるんすけど、 そういう選手がいてくれた方が自分も燃えるんで、来年はまだチーム的に無理かもしれないですけど、4年生になる頃にはもう1回セカンドでスタメンっていう形で頑張りたいなと思ってるんで、いいライバルができたなという感じですね。
ーー同期の中西祐樹(法2=木更津総合)選手を注目の選手としていたが、中西選手の活躍について
あいつ(中西)は自分的にはチームの中1番で素晴らしい選手だと思ってて。技術はまだまだ至らないところが多いと思うんですけど、キャッチャーは試合のまとめ役を任されるんで、チームのまとめ方とか、ガッツのあるプレーとか、 試合中だったら先輩にも全然ガツガツ言うタイプなので、勝ちに貪欲というか、勝ち意識が強くてすごく勝ちたいと思ってるなというのが伝わります。あいつのプレースタイルはすごく好きなので、チームになくてはならない存在になるなと思ってます。
ーー鈴木大照(文4=明徳義塾)選手をお世話になった先輩として挙げていたが、最終戦が終わった後どのような話をしたか
終わった後に神宮で「ありがとうございました」と言ったんですけど、 いろんな感情がこみ上げてきて、涙がこぼれたりしちゃいました。でも向こうは明るく泣いてた中でも明るく接してくれて、「次の代からお前らが引っ張っていかなあかんねんから、頑張りや」という言葉をいただきました。私生活でもすごくお世話になっている先輩だったので、「これからもよろしくお願いしますね」と言いました。
ーー4年生に対する思いは
4年生はレベル高い選手がかなり多くて、競争率というのもすごかったんで、そういった中で揉まれてやる野球はすごい楽しかったし、自分の成長につながったと思うんで、すごくいい先輩たちに恵まれたなと思います。
ーー来年はどのようなチームにしていきたいか
接戦をものにできるチームにしたいなと思います。
ーー応援してくださったファンの方に向けて
今季も応援ありがとうございました。優勝という形で応援してる方、ファンの皆さんに感謝の気持ちを伝えることができなかったんですけど、 来年はなんとしても優勝を奪還できるように、この冬必死で練習に取り組んでいきたいと思うので、来年の春、一緒に優勝して喜びましょう。
(取材:宮下柚華)
藤森康淳(ふじもり・こうじゅん)
経営学部2年・2004年8月10日生まれ
大阪府出身・天理
170cm68kg・右投左打
今季成績:14試合 51打数 15安打 打率.294 1本塁打 4打点 2盗塁
『シュアなバッティングと俊足が武器。内外野をそつなくこなす器用さも兼ね備えており、チームには欠かせないユーティリティ。高校時代には高校日本代表にも選ばれており、11月30日~12月2日に行われる侍ジャパン大学代表候補合宿にも選出された。日の丸を背負った男が目指すは優勝ただ一つだ。』
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