【硬式野球】「勝負強さ」を磨き13季ぶりの天皇杯奪還へ 大島公一監督が語る春の総括と秋への展望
大島 公一 監督
(この取材は7月31日に対面で行いました)
――春はチームとしては4位だったが、この結果はどのように受け止めているか
出足が良かっただけに、最終的には非常に残念だったと思います。良い面と悪い面が出たなという印象です。
――開幕投手は助川太志(グロ4=茗溪学園)選手だったが、助川選手に任せた理由は
当時、開幕に投げてもらう予定だった選手がアクシデントもあって投げられないとなって。誰に開幕を託そうかと考えた時に、助川が相応しいかなと思いました。もともと3戦目の先発はずっと考えていて、そこは助川かなと思っていましたし、4年生としての助川の思いを買って決断しました。
――東大相手には2連敗で勝ち点を落としたが、勝ち点を落とした要因をどのように考えているか
空き週もあって、コンディションを整えることが難しかったというのと、思った以上に松本(慎之介、東大3年=國學院久我山)くんが打てなかったというところが1つ大きな要因かなと思っています。
ーー藤森康淳(営4=天理)主将も東大戦の勝ち点献上の要因として、空き週の過ごし方を挙げていたが
誘導の仕方を間違えたなと反省しています。
――12季連続で優勝を逃しているが、今季優勝に足りなかったことは
勝負どころの守備というのが重要になってくる中で、そういったところでミスをしたり、点を取りたい時に取れなかったというところが大きかったと思います。全体的に見て勝負強さというところが1つポイントだったかなと思います。
――投手陣は昨年に比べて安心感が増した印象だが、大島監督から見て
ストライクゾーンで勝負してくれたり、四死球の数が減ったというところは、非常に成果が出ていると思います。
――特に助川選手の活躍が光ったが
完投は難しいかなと思っていましたが、11回まで投げたということには大きな成果があったかなと思います。
ーーイニング途中や早めの継投が目立ったが意図は
前半はみんな経験値がなかったので、少しずつ繋いでいく継投ということは意識していました。リーグ戦中は、試合を重ねるごとに少しずつ回を伸ばしていってくれたらなという思いでした。
ーーその中でも1年生の富田櫂成(営1=帝京大可児)選手や、秋田康介(法1=大分舞鶴)選手もかなり積極的に起用していたが
オープン戦や高校時代の実績もあって、苦しい場面でも自分の力を発揮してくれたなと思います。富田は2勝したということで、いい働きをしてくれたと思います。
ーー春のオープン戦では、終盤は決まったリリーフ陣を起用することが多かったが、勝ちパターンを固めるという狙いがあったのか
理想的にはそうだったんですけど、なかなかうまくいきませんでした。思い通りの展開にならなかったなと思います。
――野手はここぞの場面での一本が遠かったが、要因はどのようなところにあるか
相手投手に対して、もう少し攻めていくべきだったと思います。好球必打というところは常にテーマにしていましたが、その精度をもう少し磨くべきだと思っています。
――接戦をものにできない試合が多かったが、勝ち切るために必要なことは
しっかり取れるアウトを取る、無駄な走塁死をしないということが必要だと思います。バッターは泥臭く出塁して進塁をさせていく、ヒットではなくても得点できる時に必ず得点していく、という当たり前のことを当たり前にできることが僅差での勝利の鉄則だと思います。
――今季は14失策とワーストの失策数だったが
限られた人間の失策数が多いということなので、逆に言えば修正はしやすいかなと思っています。
ーー藤森選手はけがの影響もある中でシーズンを戦い抜いたが、主将としての働きをどのように見ていたか
出られるような状況ではなかったかもしれないけど、無理やり出てもらったという部分があって、なかなか辛いシーズンだったかなと思います。そういう意味では体も良くなってきているので、秋は爆発してくれると期待しています。
ーーDH制が導入されて初めてのリーグ戦だったが感想は
ピッチャーも準備しやすいので、継投はしやすくなったと思います。あとは、打順を考えなくて済むので、その印象が強いですね。DHというところはみんな不慣れな中でしたが、井上(和輝、法2=駿台甲府)がある程度頑張ってくれたと思います。
ーー春季フレッシュトーナメントは準優勝だったが、下級生の活躍についてはどう感じているか
秋のリーグ戦に向けて、戦力の見極めの場でもあったので、良いものを出してくれた人はかなりAチームの方に入っているかなと思います。
ーー具体的に印象に残った選手は
けがはありましたが、岩井(天史、人2=滋賀学園)はスーパープレーもありましたし、攻守で躍動してくれましたね。あと只石(貫太、営2=広陵)も良いものを見せてくれました。
ピッチャーは富田が東大戦で7回を投げ切って。力を発揮しているなというところも踏まえて、十分秋のリーグ戦のメンバーかなと思います。
ーー大学日本代表には井上選手、境亮陽(営2=大阪桐蔭)選手が選出されたが、2人のどのような部分が評価されたと感じているか
当然今の実力もそうですが、2年後4年生になった時に代表の中心になってもらいたいという意図があったのではないかなと想像します。
ーー日本代表のコーチを経験して感じたことは
アメリカ、韓国、台湾のプレイヤーも素晴らしいなと感じました。当然日本の選手も素晴らしいし、たくましいなと。そういった高い次元で法政大学も野球をやっていきたいなと思います。
ーー世界一の感想は
選手のおかげで良い思いをさせてもらって。アメリカの先発ピッチャー、2番手のピッチャーは来年のMLBドラフト1位候補と言われるくらい良いピッチャーでした。そのピッチャーから接戦をものにして、日本チームのメンタルの強さだったり、野球の質の高さを示せたのではないかと思います。
ーー井上選手のポジション起用の方針は
右投げ左打ちのキャッチャーというのは、プロ野球でも活躍した選手はあまり多くないと言われています。その中でも、キャッチャーとして日本を代表し、世界で活躍する選手になってもらいたいと思っています。キャッチャーを中心に出場するのかなと思います。
ーー8月の関西遠征で取り組みたいことは
私も1ヶ月チームを離れていたので、具体的なプランはまだありませんが、関西遠征の時にはサマーフレッシュリーグもありますし、武蔵小杉でも試合をやります。7日間で14、15試合くらい組んでいます。そこが競争の始まりだと思っていますし、出場機会がある程度多くの人に与えられると思います。その成績や内容からチームを編成して、リーグ戦に少しずつ向かっていくという流れになるかなと思っています。
ーーリーグ戦までに改善していきたいところは
勝負強さというところが大事になってくると思います。その勝負強さを出すためには、しっかり守りを固めないといけないし、隙のない走塁をしないといけない。そこは必ず整えていきたいなと思います。バッティングの部分はどう一点を取るかなので、チームとしての基本というか、ベースになる戦術というのも確立していきたいなと思います。
ーー秋に向けて成長や活躍を期待する選手は
ピッチャーが出てきてほしいですね。学年関係なしに経験値が全体的にないので、救世主を求めています。
ーー春は左投手の登板がなかったが、左投手に期待する部分はあるか
倉重(聡、営3=広陵)といったところが頑張ってくれたらなとは思います。ただ、こればっかりは競争なので。バランス良く左がベンチメンバーの中に2人くらい入ってくれたら良いなと思っています。
ーー故障選手の復帰については
早くに復帰してもらいたいですが、このタイミングでけがをしてしまうと、なかなかオープン戦で試合ができない、リーグ戦がぶっつけ本番になってしまうというところに非常に難しさがあって。出てきてくれたら良いかなと思いますけど、今元気な現有戦力の中で競争できたらなと思っています。
ーー野手で活躍を期待する選手は
野手は春とあまり変わらないと思います。出てきてほしい選手で言ったら、岩井や小川大地(営3=大阪桐蔭)、野田(泰市、文3=三重)といったまだ出場機会が少ない選手です。どんどん良いものをアピールしてもらいたいなと思います。
ーー秋のリーグ戦に向けての意気込みを
天皇杯奪還、日本一というのを全員で一丸となってやりたいと思っています。引き続き応援していただければなと思います。
(インタビュー:古川千遥、松野要)
大島 公一(おおしま・こういち) 監督
1967年6月17日生まれ
東京都出身・法政二高→法政大学→日本生命→近鉄バファローズ→オリックス・ブルーウェーブ→東北楽天ゴールデンイーグルス
硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。


