前節筑大に5失点と大敗を喫した法大。3戦ぶりの白星を目指す今節は早大を相手に迎えた。ここ3試合で12失点と守備陣の立て直しが求められる中、GKに中川真(スポ3=徳島市立)、3バックには萩野滉大(現4=名古屋グランパスU18・FC岐阜内定)、堀江貴大(社4=昌平)、細谷航平(社3=サンフレッチェ広島ユース)が起用された。
ファーストシュートは法大。1分右サイドでCKを獲得すると、渡邉綾平(経3=前橋育英)が蹴ったボールに久保征一郎(経3=FC東京U18)がダイレクトで合わせるも大きく枠を外れる。11分にはCKの流れからカウンターを受けるも堀江が落ち着いた対応を見せチャンスは作らせない。19分、ゴール前で堀江が相手からボールを奪うと前線へスルーパス。久保が抜け出しシュートを放つも惜しくもサイドネット。徐々に得点の匂いがし始めた23分。素早いパス回しで相手を翻弄すると吉尾虹樹(現3=横浜F・マリノスユース)が前線の中村翼(経2=横浜F・マリノスユース)にスルーパス。相手DFに阻まれシュートに持ち込めないがこぼれ球を中川敦瑛(経2=横浜FCユース)が押し込み待望の先制点を挙げる。37分、中盤でボールを奪われるとカウンターを浴び大ピンチを迎える。相手が放ったシュートはゴールラインを割るかと思われたが、堀江が直前でボールをかきだし大ピンチを切り抜ける。さらに44分、PA外から強烈なシュートがゴールを襲うが中川真が好セーブを見せゴールは割らせず。1点リードで前半を折り返す。
後半も最初にチャンスを作ったのは法大。47分、渡邉のマイナスのクロスに久保が頭で合わせるも惜しくもポストに阻まれる。その後は攻め込まれる我慢の時間が続く。しかし、中川真の好セーブやDF陣の体を張った守備もあり得点は与えない。すると76分、途中出場の青木俊輔(社2=東福岡)が左サイドを突破すると中央へグランダーのクロス。走りこんだ久保がダイレクトで合わせ試合を決定づける2点目を奪う。その後も守備に回る時間が続くが最後まで集中力を切らさず、試合終了のホイッスル。ここ数試合影を潜めていた粘り強い守備が復活し、後期リーグ戦再開後初のクリーンシートを達成した。次節は中2日で迎える順大戦。インカレ出場権獲得のためにもまだまだ負けられない戦いが続く。
選手コメント
井上平監督
―試合を振り返って
前半の戦い方は狙い通りにいけた部分があって、最近入りがすごく良い試合がずっと続いていて、今日の入りも良くて、でも俺らの課題はそこからだよって言って、我慢できるところは我慢できたので、今日の試合前にモチベーションビデオというものをマネージャーが作ってくれていて、そこに去年の卒業生の(松井)蓮之と田部井(涼)と中井(崇仁)のコメントがあったみたいで、そういうのもすごく奮起してやってくれたんだろうなって。後半のところは課題がたくさん出ましたけど、本当に複数得点ゼロでというのを後期やりたかったことなので、よかった。
―久々のクリーンシートの要因は
今日だったら守備のところでウイングバックをあんまり出さなかった。今日の狙いとしてはうちのシャドーのところがサイドハーフ逆になるのかな。センターバックを外から切ってセンターバックとサイドバックを1人で2枚見るような状況を作って、ウチのウイングバックは基本的にはあまり出ない。そうなるとやっぱり後ろ3枚もスライドしなくて済むし、体力的にも我慢できて最後のところで力を使うというところを準備してきて、それももちろんありながら最後は気持ちの部分であったり、ちゃんと身体張るとか、そこが出来ていたから勝てたというのもありと思うんだけど、両方が合わさって出来たんじゃないかなと。
―良い時間に先制し、良い時間に追加点を奪いましたが
取った時間帯は良かったのかもしれないけど、後半45分の中で押し込まれちゃったという所で、要所要所で「やり切れば良かったのに」とか「ちゃんとキープすれば良かったのに」というのが2、3あったのを結局全部取られちゃって、そこを改善する、プレーの判断のところを、若さに任せて行けそうだから行くんじゃなくて、今はこういう流れだったから保持しながら体力を回復させようという判断が出来れば、逆にうちらが押し込める時間帯もあったんじゃないかなという反省もすごくあります。
―久々に出場したGKの中川真選手も当たっていましたが
日頃から本当にブレずに声を出し続けて、しっかり居残り練習も最後までいつもやっているし、出したいんだけど(近藤)壱成もいいから中々出る時間はキーパーだから難しんだけど、いろんなタイミングがあって今回やっぱり日頃の取り組みが大事なんだなというのを理解したし、彼には本当におめでとうと言いたい。
―久保選手もゴールやポストプレーで存在感を見せましたが
まだまだやっぱね1点しか取れなかったし、あれも取らしてもらったようなもんだしね。ヘディングで何本かフワッとしたのをポスト行っちゃったなていうのをバチンと叩けるようになったり、入り方とか色々な問題あると思うんだけど、そこをもっと改善しなきゃいけないのと、これからJに行くにあたって守備もやらなきゃいけないので、守備を上手にならないと、本当に毎試合点が取れるなら使ってくれると思うんだけど、そこは彼は課題が残っているかなと。
―次の試合も中2日ですが、そこに向けて
順天も強いからね。選手の個は強いし上手いし、そこに対してちゃんと2日でリカバリーして、選手はなかなか今替えが、Iリーグとの新人戦と全部やっているから替われなくて。本当にこの二日間リカバリーしながら上手く選手を使いながらやらないと、本当に3連戦の最初の2つ絶対に落とせないから、まずひとつ次の準備をねチーム全体、サブも含めて準備していきたいなと思います。
久保征一郎
―今日の試合を振り返って
インカレが懸かっている中での試合だったので、みんな絶対に負けられないという気持ちが全面に出た試合だったのかなと思います。
―ゴールシーンを振り返って
前半入り良くて後半押し込まれている中で、絶対ワンチャンスくると信じていたので、その中で最後青木選手がアシストしてくれて、あとは流し込むだけだったので、勝利を決定ずける2点目を決められたのは良かったなと思います。
―ポストプレーでも存在感を見せていましたが
ワントップということで自分がまず起点になって、そこからボランチに預けて前に出ていくというのを意識していました。最後こだわるのはゴール前のとこなので、そこは上手い選手たくさんいるので、みんなにまず収めて預けて、そこから前に出ていくというのは監督からも言われているで、そういった中でしっかりと最後ゴール前で仕事ができたのは良かったかなと思います。
―嫌な流れを断ち切る勝利でしたが、どう繋げていきますか
みんなで変えよう変えようと言っていた中で、無失点さらに複数得点で勝てたのは凄いチームにとって良い影響を与えられたのかなと思います。まだ連戦は続くので、この勝利で勢い付けてインカレ出場に向けて全員で取り組んでいきたいなと思います。
―今日のゴールでチームトップの6点目となりましたが
トップではあるんですけど、そのゴールもみんなが繋いで自分のところに転がってきたみたいなボールばっかなので、そこはチームメイトに感謝したいですし、まだ4節残っているので、そこで全試合ゴール決めて、トップに食い込めるようにやって行けたらなと思います。
中川真
―今日の試合を振り返って
シンプルに勝てて嬉しいです。久しぶりの試合でアミノバイタルカップぶりで出ることが先日決まって凄い色々な思いがあって、この試合に賭けるためにここまでやってきて、試合は自分のセーブで1本助けて、ゼロで終われて本当に嬉しいです。
―ここ最近は失点が多かった中で、どのように臨んだか。
壱成くんが出ていて結構失点が多くて、キーパーのせいではないですけど、次キーパー変わってもし俺が来たら絶対ゼロで、1点でも取られたらダメだなと本当に思っていたので、ゼロへのこだわりは言葉に出して「俺は絶対ゼロに守る」と独り言を呟いていて、言葉にしたことが現実になったので、思いが現実になって本当に良かったなと思います。
―後半入りは守る時間が多かったですが
法政の良さは粘り強さという認識で、自分たちは持たれてるというよりかは持たせてるというメンタリティーでやろうという中でやっていたので、持たせていることに「持たれる時間帯だな」という思いはなかったですけど、次チャンスになったら取りに行こうというメンタリティーでいたので、全然大丈夫でした。
―久々の先発でしたが、試合勘などは
本当にこのために、この1試合に懸けてここで人生変えてやるという思いでずっとやってきたので、緊張とかではなくて、試合出るぞと決まったら凄い楽しみで仕方なかったです。今の流れ悪い状況を変えてやるという気持ちでやっていたので、今日セーブでチーム勝たせられて本当に嬉しいです。
―今後に向けて
まずは絶対に勝たないと4年生のためにもインカレ絶対でれなかったら、ここで4年生とお別れになっちゃいますし、俺たちはここ最近はずっと2、3年生が出ていて、俺だけじゃなくて2、3年生が4年生支えようという気持ちでやってきていますし、4年生は凄いチームのために背中で見せてくれていますし、その4年生のために俺たちがどれだけやれるかなと思っているので、あと4試合含めて本当にチーム全員で全部勝って、インカレに向けて良い準備して行きたいと思います。
久々の出場ながら好セーブでチームを救った中川真
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