約1か月半遅れでスタートした今シーズンもついに最終節を迎えた。引き分け以上でインカレ出場権を獲得できる今節は、同じく最後の一枠を争う6位東洋大との直接対決。スタメンにはGKに中川真(スポ3=徳島市立)、ワントップには石井稜真(経2=アビスパ福岡U18)が起用された。
ファーストシュートは法大。1分、ボールを受けた若林龍(現4=桐蔭学園・SC相模原内定)がスペースに走りこんだ石井にスルーパス。石井がシュートに持ち込むも相手DFのマークもありミートせず。5分、左サイドから若林がドリブルでボックス内に侵入。狙いすましたシュートは惜しくもゴール右に外れる。さらに12分、再び若林が角度のない位置からシュートを放つもポストに阻まれ、再三の好機を生かせない。すると24分、一瞬の隙を突かれ抜け出されると、技ありのループシュートを決められ先制を許す。同点に追いつきたい法大はその2分後、若林のグランダーのクロスに吉尾虹樹(現3=横浜F・マリノスユース)がダイレクトで合わせるも相手DFがブロック。その後はなかなかチャンスを作れず1点ビハインドで前半を折り返す。
何としても1点が欲しい法大であったが52分、相手の最終ラインから前線に送られたボールを中川真が飛び出して処理。しかし、プレスをかけてきた相手FWにボールを奪われると無人のゴールに押し込まれ痛恨の失点。2点ビハインドと窮地に追い込まれた法大は渡邉綾平(経3=前橋育英)や髙橋馨希(社3=常葉大付属橘)らを投入し攻撃の活性化を図る。60分、堀江貴大(社4=昌平)からのロングボールを受けた中村翼(経2=横浜F・マリノスユース)が相手を交わしシュートを放つもゴール左に外れる。徐々に攻撃の形が生まれ始めた73分、途中出場の渡邉綾のセンタリングに中川敦瑛(経2=横浜FCユース)が頭で合わせ1点を返す。この1点を契機に流れは法大に傾く。75分、相手GKのクリアミスを見逃さず髙橋がロングシュートを放つもわずかに枠を外れる。81分、高嶋修也(経4=明秀日立)からのロングフィードに若林が抜け出す。角度のない位置から放たれたボールはポストに当たりゴールに吸い込まれる。インカレ出場権を手繰り寄せる若林のスーパーゴールで同点に追いつく。引き分けでは終われない東洋大は勝ち越しを狙い、より攻撃に圧力をかける。守備陣は何度もピンチを迎えるも集中を切らさず勝ち越しを許さない。試合も終了に近づいた後半アディショナル、CKのピンチを迎えると相手GKも参加し、東洋大は勝ち越しを狙う。体を張ったディフェンスでボールを跳ね返すと、こぼれ球を中川敦が拾いドリブル。センターマーク付近で無人のゴールへと落ち着いて流し込み遂に逆転に成功。3-2で東洋大との死闘を制した法大は、シーズンを5位で終えインカレ出場権を獲得した。
選手コメント
井上平監督
―試合を振り返って
背後の所はケアしようと話していて、立ち上がりの守備でも狙い通り蹴らせて奪ったシーンもあったし、攻撃のところも結構チャンスはあって、決まらないから嫌だなという感じもあったけど、背後一発を気を付ければと思っていました。(失点シーンは)相手の抜け出しと蹴った場所もよかったと思うんですけど、今日は何があっても信じるとみんなに言っていて、ある程度想定はしていたので、こういうこともあるなと。2日前に4年生がまた陽性になって、濃厚接触者で今日壱成とかが出られなくて、お前らは結局コロナで始まりコロナで終わるのかと。こういうこともあったからなんかあるなとは思っていたんだけど、それでも冷静に2失点目は無しでって言ってたんだけど、最初の失点もそうだし2点目も(中川)真は気持ちが出ちゃうと前に出ちゃうんだよね。結局背後のシーンも出ないで、普通に対応できていれば、スパーシュートじゃなければ止めれていたかもしれないし、そこは彼の自分のメンタリティをもっとコントロールしながらやらなきゃいけないよね。でも、最後逆転したのはみんなの力だし、信じてよかった!
―ゴールシーンを振り返って
ボールがなかなか動かなくて、航平は狭い空間で前を向いたりというのが苦手で、ちゃんとボールを動かさないとなとは言っていて、そこから少しボールが動くようになってきて。(若林)龍のは良く入ったよね。気持ちが出たよね。
―同点で終わらなかったというのも次につながりますね
ノブ(中川敦瑛)は90分走った後にちゃんとあそこで合わせて、ボールを蹴れる体力と技術はすごいなと思って。だけど、もっともっと違いをもっと見せられる選手だと思うから、そこはもう一つ上を目指してもらいたいなと思います。
―インカレ出場権を争う東洋大との直接対決となりましたが意識するところは
絶対あったよね。入りの所はうちの方がチャンス多かったけど、失点してからはやっぱり硬くなってさ、上手くいかないシーンはいっぱいあって。特に左サイドの所なんてタカ(堀江貴大)が前にスペースあるんだけど、タカと龍とノブの所でいい関係性が作れなくて、リズムが出なかったよね。やっぱりちょっと修正を加えながら、こういう緊張感とピッチコンディションの中で自信を持ってプレーできないとだめだよね。そこはまだまだ課題だね。
―インカレに向けて修正する点などは
うちらの弱さは守備の所なので、2失点してるとなかなか勝てないと思うし、守備の部分はもっと粘り強くできる状況をもう一回作る。だけど点を取らなきゃいけないという所で攻撃の面ではどう人数をかけていくのかというのをチャレンジし始めて、後期の国士戦の後から5試合連続複数得点取れたり、今日も3点取れて、そこの修正は出来たから、攻守ともに合えば行けるんじゃないかなと思います!
萩野滉大
―今日の試合を振り返って
いろんな状況があって、コロナとか怪我人とかも多くて、スタメンが違ったと思うんですけど、その中でもやろうっていう中で最初自分達のミスで失点してしまって、後半も失点して、チームの雰囲気はあまり良くなかったかもしれないですけど、全員が勝つことを信じていて、そこだけはあったと思うので、それが最後勝利につながった要因かなと思います。
―一時2点リードされた状況でしたが、守備はどう感じていたのか
正直チャンスらしいチャンスはそれほど作らせていなくて、自分達のミスだけだとは話していたので「しっかり締めよう」、「もう1回ちゃんとやろう」というのを後ろで話して、前なら取ってくれることは信じていたので、前の人に助けられた結果ですけど、本当に勝てて良かったです。
―ハーフタイムに修正したポイントは
狙いを合わせるというところで、前半だったら守備が取ったボールをすぐ裏に蹴ってしまって相手ボールにしてしまったりとかがあったので、まず自分達がどうしたいのかとかクロスの狙いがあった中で取ったボールをしっかり繋ぐとか、サイドから侵入していくことを考えたというところですね。あとは後半の途中から(渡邉)綾平が入ってくれたので、しっかり落ち着いてボールを回すことも出来たし、綾平のサイドチェンジのボールからチャンスを作れていたので、それは相手には嫌だったポイントかなと思います。
―引き分け以上でインカレ出場が決まる中で勝ち越せたというのは
2-2に追いついてからも自分達は落ちることなく、引き分けで良いとは思っていなかったのでそれが結果的に勝利に繋がったし、この1年間積み上げてきたものが最後何かしらの形で表れたのかなと思ったので、1年間やってきたことが無駄じゃなかったということは証明できたと思うので、インカレに向かっていきたいと思います。
―インカレに向けて
開幕前に「五冠」という目標を掲げたんですけど、結局まだ一冠も取れていなくて、大臣杯も一回戦で負けてしまいましたし、本当悔しい結果でしかないので、最後僕中心に4年生が結果見してインカレを取れるように、ここから1ヶ月の準備期間をより充実したものにできるように頑張っていきたいと思います。
若林龍
―試合を振り返って
勝たないとインカレに行けないと思っていたので、0-2になった時は多分全員信じれなかった部分はあったと思うんですけど、「90分通して勝つ」という平さんが仰っていたことを全員が行動につなげられたかなと思います。
―前半から何度かチャンスを作れていたが
いつも自分のサイドからチャンスを作るというのを心掛けていますけど、今シーズンの結果で見たら2ゴール1アシストという不甲斐ない結果で、最後の質というところにこだわって毎日トレーニングをしてきたので、前半得点はできなかったんですけど、後半に得点というかたちで平さんに恩返し出来たのでよかったなと思います。
―インカレを懸けた直接対決でしたが、意識した部分は
今年自分達の初勝利した相手も東洋大学だったので、すごく良いイメージで試合に臨めましたし、チームとしても1週間質の高い積み重ねができたと思うので、そこが0-2になった状態でもブレずにできたと思うので、良かったかなと思います。
―自身のゴールシーンを振り返って
(高嶋)修也から裏で受けて中川(敦瑛)が中にいたので、そこにインサイドにクロスを上げようとしたんですけど、トラップをミスってしまって、ひらめきでアウトサイドで出そうとしたらそのままシューターみたいな形になって入ったという感じなので、正直狙ってはないですけど、毎日の積み重ねがたまたまに結び付いたのかなと思います。
―インカレに向けて
チームの「五冠」という目標に対して、五冠は取れなかったですけど、最後日本一という最高の形で後輩たちにプレゼントするという意味では、必ず日本一を取らないといけない組織だと思いますし、そのために毎日を積み重ねてきている自負があるので、初戦から気を抜かずにやっていきたいと思います。
死闘を制し、いざインカレへ!
フォトギャラリー
試合の写真は、スポーツ法政新聞会の公式ツイッター、また公式インスタグラムに掲載いたします。