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【硬式野球】東京六大学野球2023秋季リーグ戦 慶大4回戦 松下、西村の連続適時打で一時は勝ち越すも手痛い逆転負け 勝ち点を落とす

東京六大学野球2023秋季リーグ戦 慶大4回戦
2023年9月26日(火)
神宮球場

4回戦までもつれ込んだこのカード、勝ち点の行方を占う大事な1戦が幕を開けた。4回には法大の大砲・内海貴斗(人4=横浜)の1打で先制するも、すぐさま追いつかれる。勝ち越しを許して迎えた6回、安打と2つの四球で満塁とすると松下歩叶(営2=桐蔭学園)、西村友哉(法3=中京大中京)の連続適時打で3点を奪い逆転。しかし、その直後に本間颯太朗の2点適時打で逆転を許した法大。4-5のまま試合を終え、4日間に及んだ激闘は勝ち点を落とすこととなった。


一時逆転となる適時打を放った松下(右)

試合結果

トータル試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
法 大 0 0 0 1 0 3 0 0 0 4 8 0
慶 大 0 0 0 1 1 3 0 0 × 5 10 1

(法大)尾﨑、●塙、吉鶴、篠木—𠮷安
(慶大)竹内、小暮、小川琳、渡辺和、○谷村ー宮崎
[本塁打]
法:
慶:

打撃成績

打順 位置 選手 打率 出塁率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (5) 武川 4 0 0 .200 .286 三振 三振 右飛 二飛
2 (8) 中津 4 1 0 .333 .375 左飛 右飛 三安 三邪
3 (6) 今泉 4 1 0 .300 .462 中飛 左安 左飛 右飛
4 (3) 内海貴 3 2 1 .167 .259 右安 中安① 四球 遊飛
5 (9) 3 1 0 .391 .458 遊ゴ 遊飛 四球 左安
R 藤森康
9 鈴木照 .000 .000
6 (4) 松下 4 2 2 .400 .400 左安 三振 中安② 左飛
7 (7) 西村 4 1 1 .316 .350 遊併 三ゴ 左安① 遊ゴ
8 (2) 𠮷安 3 0 0 .227 .320 二ゴ 四球 中飛 左飛
9 (1) 尾﨑 1 0 0 .000 .000 投ゴ
H 大沢 1 0 0 .000 .000 投併
1
1 吉鶴 .000 .000
H 姫木 1 0 0 .143 .143 三振
1 篠木 .000 .000
H 高原 1 0 0 .083 .154 二ゴ
33 8 4 .240 .313

 

投手成績

球数 打者 防御率
尾﨑 4 85 20 4 2 5 1 3.55
1 2/3 35 9 5 0 0 4 4.50
吉鶴 0 1/3 17 17 1 0 0 0 0.00
篠木 2 37 7 0 1 2 0 2.53
8 174 38 10 3 7 5 2.89

 

ベンチ入りメンバー

10 今泉颯太(法4=中京大中京) 32 中西祐樹(法1=木更津総合) 35 浜岡陸(法2=花咲徳栄)
1 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) 3 内海貴斗(人4=横浜) 2 鈴木大照(文3=明徳義塾)
11 山城航太郎(キャ3=福岡大大濠) 5 真鍋駿(文4=広島商) 9 浦和博(キャ4=鳴門)
13 塙雄裕(法4=常総学院) 6 高原侑希(法4=福井工大福井) 33 西村友哉(法3=中京大中京)
17 武冨陸(営4=日大藤沢) 23 品川侑生(文2=三重) 34 姫木陸斗(人3=日大藤沢)
18 篠木健太郎(営3=木更津総合) 24 武川廉(人3=滋賀学園) 36 中津大和(営3=小松大谷)
21 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) 26 藤森康淳(営1=天理) 39 大沢翔一郎(法3=上尾)
22 田所宗大(キャ3=いなべ総合) 28 石黒和弥(法2=高岡商)
27 吉安遼哉(法3=大阪桐蔭) 29 松下歩叶(営2=桐蔭学園)

戦評

法慶戦4戦目。勝ち点を取るためにも負けられない一戦だ。両者疲労がある中でどれだけ全力プレーを出し切れるかが勝負の分かれ目となった。

先発は尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)。ここまで完全に調子が上がってきてはいない中でなんとか投げ抜いている。初回から四球と安打により満塁のピンチを背負うも力のこもった投球で先制を許さない。

試合が動いたのは4回表の法大の攻撃。3番の今泉颯太(法4=中京大中京)がレフトにヒットを放つと、盗塁をし、1死二塁のチャンスとなる。続く4番・内海貴斗(人4=横浜)はここまでを「4番らしい活躍ができていない」と振り返る。それでも意地を見せ、「チームのために頑張れた」と1打席目に続く安打で見事先制とした。

待望の先制点は4番のバットから!

貴重な1点を守り切りたい尾﨑だが、先頭の水鳥遥貴に四球を与えると、続く斎藤快太に犠打で送られる。慶大が送り込んだ代打・小川尚人に同点適時打を許した。その後は抑えるもの、尾﨑にとっては悔いの残る苦い内容となった。
5回裏、2番手で上がったのは塙雄裕(法4=常総学院)だ。リリーフとしてチームを助けてきた塙。淡々と2アウトをとったように思われたが、宮崎恭輔に三塁打を浴び、齋藤來音の内野安打で逆転される。しかし塙は落ち着いていた。2塁走者の齋藤來を見事牽制アウトとし、最小失点で切り抜けた。

なんとしてでも逆転したい法大は、2番・中津大和(営3=小松大谷)が内野安打で出塁すると、内海貴、浦和博(キャ4=鳴門)が四球を選び、満塁となる。ここで好調の松下歩叶(営2=桐蔭学園)。どんな形でも点を取ると打席に立ち、監督の思いを見事形とし、逆転適時打を放つ。法大ベンチは大歓喜をあげた。しかしここで止まらず、7番・西村友哉(法3=中京大中京)も低めの球を左方向に持っていき、ダメ押しのタイムリーとなった。

逆転の本塁を踏んだ内海貴

2点リードで迎えた6回裏も塙。なんとかリードを守りたいところだが、慶大打線に捕まる。連続安打を浴び、1点を失い、悔しくもここでマウンドを降りた。その後を任されたのは今季安定したピッチングを見せる吉鶴翔瑛(営3=木更津総合)だ。ところが盗塁で2死二、三塁のピンチとなり、3番本間颯太朗に右適時打でまたもや逆転された。
これ以上の失点は避けたい法大は、4番手に篠木健太郎(営3=木更津総合)が上がった。篠木は前日150球以上を投げ、疲労が心配されたが、流石の篠木は気迫のピッチングで7、8回を無失点に抑えた。

ついに迎えた最終回ここで点を入れなければ負けが確定してしまう。しかし西村、吉安遼哉(法3=大阪桐蔭)は打ち取られ、代打・高原侑希(法4=福井工大福井)がバッターボックスに立つ。終わらせないと必死にボールに喰らいつくも叶わずセカンドゴロで試合終了。頭から滑り込むも、アウトとなった高原。1塁塁上で立ち上がれず悔しさを見せた高原であった。

高原の執念も実らなかった

法大はこの混戦を惜しくも落とし、勝ち点獲得を逃した。チームとしては痛い敗北であるが、選手たちは前を向いていた。来週は空き週であるため「その間にミスをなくして、東大戦に臨みたい」と主将の今泉は語った。
悔しさが残るもここで終わりではない。残りのカードを全勝し、悲願のリーグ優勝へ。選手たちの思いは変わらない。

(記事、写真:高橋芽唯)

クローズアップ:内海貴斗『復調の4番!2安打に先制打で存在感を示す!』

実に15打席ぶりの安打だった。2回、先頭で打順が回ってきた内海貴斗(人4=横浜)は慶大の先発・竹内丈に対して1ボールからの2球目を捉える。快音を残して打球は一二塁間を破った。試合後、久しぶりの安打に「ここまで打てない自分を応援してくれるチームメイトや信じ使い続けてくれた監督に感謝しています」と感謝の言葉を口にした。

この日は1安打に留まらない。4回の第2打席では前を打つ今泉颯太(法4=中京大中京)が安打で出塁すると、すかさず2球目に二盗を決める。さらに送球が外野へ逸れる間に今泉が三塁へ到達し、願ってもない先制の好機が生まれた。慶大はここで守備のタイムを取った。内海貴も一度ベンチへ戻り、加藤重雄監督と言葉を交わす。
「信じてるから好きなように頑張れ」。この期待に応えるかの如く、高めに浮いた速球を中前へとはじき返して待望の先制点をもたらした。

6回には四球を選ぶと、松下歩叶(営2=桐蔭学園)の適時打で二塁から激走し、逆転の本塁を踏むも、試合はその後逆転負け。しかし、4番の複数安打から見える復調は明るい兆しだ。「一戦も落とさず勝ちきります」。もう1戦も落とせない厳しい戦いにはなるが、4番の打撃は必ず頼りになる。

(皆川真輝)

選手インタビュー

今泉颯太 主将

―今日の試合を振り返って
悔しいです。

―試合前にはどういった話を
「勝っていい形で東大戦に臨もう」という話をしていました。

―勝ち点を落とす結果となってしまいました
悔しいです。

―空き週に取り組まれたいことは
得点力向上と細かいミスをなくす事です。

―東大戦以降への意気込み
一つも落とせない一戦が続くのでここから6連勝します!

内海貴斗 選手

―今日の試合を振り返って
勝ち点5が目標だったので悔しいです

―今日の調子は
調子は分からないですが、がむしゃらに頑張りました

―第1打席では安打がありました
ここまで打てない自分を応援してくれるチームメイトや信じ使い続けてくれた監督に感謝しています

―4回には先制の適時打がありました
チームのために頑張りました。

―適時打の前に何か監督さんから言われたことは
信じてるから好きなように頑張れと言われました

―次戦以降への意気込み
一戦も落とさず勝ちきります

松下歩叶 選手

―4戦目で疲れがある中でどう試合に臨まれましたか
疲れは相手もあるので、勝ちたい気持ちだけは負けずに試合に臨みました。

―6回二、三塁のチャンスでは何を思って打席に
とにかく点が欲しい場面だったので、どんな形でも点をとる気持ちで立ちました。

―その打席では何がチームメイトから声をかけられましたか。
監督さんから頼むぞと言われました。

―逆転適時打を放った感触は
感触は良くなかったんですけど、落ちてくれてよかったです。

―試合を振り返って
悔しいです。

―次戦に向けて
もう負けられないので全勝します。

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