東京六大学野球2023春季リーグ戦 立大3回戦
2023年4月18日(火)
神宮球場
篠木健太郎(営3=木更津総合)の魂の129球で先勝した法大。勝ち点獲得のかかる大事な一戦が始まった。中1日で先発した尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)は3回に2本の本塁打を浴びて3回3失点でマウンドを降りる。しかし、2番手で登板した武冨陸(営4=日大藤沢)が立大打線の追加点を阻む。5回、中津大和(営3=小松大谷)が自身神宮初本塁打となる本塁打で反撃開始。点差を詰めると、7回には2度にわたる暴投もあり、同点に追いつくと、武川廉(人3=滋賀学園)の適時打でついに勝ち越し。最後は塙雄裕(法4=常総学院)が3回を無失点で抑えて勝負あり。立大から実に2019年秋以来となる勝ち点獲得した。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 4 | 9 | 0 |
立 大 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0 |
(立大)●池田、渡部太、吉野、沖—戸丸
(法大)尾﨑、○武冨、塙ー𠮷安、久保田
[本塁打]
立:齋藤大(2回2ラン、尾﨑)、菅谷(2回ソロ、尾﨑)
法:中津(5回ソロ、池田)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 武川 | 4 | 2 | 1 | .364 | .517 | 三振 | 三振 | 右安 | 左安① | |||||
2 | (7) | 鈴木照 | 4 | 1 | 0 | .192 | .192 | 左飛 | 左飛 | 左飛 | 右安 | |||||
3 | (6) | 今泉 | 4 | 1 | 0 | .304 | .407 | 三振 | 遊ゴ | 右安 | 中飛 | |||||
4 | (3) | 内海貴 | 4 | 0 | 0 | .348 | .444 | 遊ゴ | 中飛 | 投併 | 遊ゴ | |||||
5 | (4) | 高原 | 3 | 0 | 0 | .227 | .292 | 一飛 | 三振 | 四球 | 三ゴ | |||||
6 | (8) | 中津 | 4 | 2 | 1 | .200 | .304 | 三振 | 中本① | 右安 | ニゴ | |||||
7 | (7) | 内海壮 | 4 | 3 | 0 | .300 | .300 | 左2 | 左安 | 左安 | ニゴ | |||||
7 | 西村 | 0 | 0 | 0 | .000 | .000 | ||||||||||
8 | (2) | 𠮷安 | 2 | 0 | 0 | .158 | .273 | 遊飛 | 三振 | |||||||
H | 浦 | 1 | 0 | 0 | .154 | .214 | 三飛 | |||||||||
2 | 久保田 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | |||||||||
9 | (1) | 尾﨑 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 投ゴ | ||||||||
1 | 武冨 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | ニゴ | |||||||||
H | 福岡 | 1 | 0 | 0 | .333 | .333 | 三振 | |||||||||
1 | 塙 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | |||||||||
計 | 35 | 9 | 2 | .241 | .328 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
尾﨑 | 3 | 54 | 13 | 4 | 2 | 1 | 3 | 1.33 |
武冨 | 3 | 39 | 12 | 2 | 4 | 1 | 0 | 0.00 |
塙 | 3 | 48 | 10 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.08 |
計 | 9 | 141 | 35 | 7 | 7 | 2 | 3 | 1.26 |
ベンチ入りメンバー
10 | 今泉颯太(法4=中京大中京) | 27 | 吉安遼哉(法3=大阪桐蔭) | 28 | 石黒和弥(法2=高岡商) |
1 | 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) | 2 | 鈴木大照(文3=明徳義塾) | 29 | 松下歩叶(営2=桐蔭学園) |
13 | 塙雄裕(法4=常総学院) | 3 | 内海貴斗(人4=横浜) | 37 | 内海壮太(法3=御殿場西) |
17 | 武冨陸(営4=日大藤沢) | 5 | 真鍋駿(文4=広島商) | 7 | 伊藤勝仁(文4=常葉大菊川) |
18 | 篠木健太郎(営3=木更津総合) | 6 | 高原侑希(法4=福井工大福井) | 8 | 福岡大真(法4=筑陽学園) |
19 | 一柳大地(人4=星槎国際湘南) | 9 | 浦和博(キャ4=鳴門) | 33 | 西村友哉(法3=中京大中京) |
21 | 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) | 23 | 品川侑生(文2=三重) | 36 | 中津大和(営3=小松大谷) |
12 | 久保田碧月(営4=高川学園) | 24 | 武川廉(人3=滋賀学園) | ||
22 | 田所宗大(キャ3=いなべ総合) | 25 | 山根滉太(文4=小松大谷) |
戦評
先に1勝をもぎ取り、勝ち点に王手をかけて臨んだ立大3回戦。法大・尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)、立大・池田陽佑がともに中1日で先発のマウンドに上がった。
両者ともに1回、2回を抑える上々の立ち上がりを見せる。先に得点圏へ走者を進めたのは法大。3回、このカードから先発出場を続ける内海壮太(法3=御殿場西)が放った当たりは左翼線際への安打に。打った内海壮は二塁へと頭から滑り込み、いきなり無死二塁の好機を作り出す。しかし、ここからが続かない。8番・𠮷安遼哉(法3=大阪桐蔭)は遊直となって走者を進められない。続く尾﨑も投ゴロで内海壮は二塁にくぎ付け。最後は武川廉(人3=滋賀学園)が池田の前に見逃し三振に倒れてこの好機を生かせない。
直後の3回裏、尾﨑が先頭の池田に四球を与える。雲行きが怪しくなってきたところで、立大が取った作戦は犠打。しかし、これが投手前に転がり、尾﨑は二塁へ送球。二塁こそ封殺するも、一塁は間に合わず、走者が一塁に残って打順は1番に返って齋藤大智。フルカウントとしてからの6球目に投じた変化球が浮いた。齋藤大はこれを見逃さずに捉えてボール際に飛び込む2点本塁打に。後続を断ちたい場面、続く菅谷真之介にも本塁打を浴びて3点差となった。
序盤は我慢の展開となった
2番手で上がった武冨陸(営4=日大藤沢)が力投を続け、立大打線の追撃を阻む中、打線は池田の前に手を焼く。それでも5回に中津大和(営3=小松大谷)が「思い切って行けました」と直球を振りぬいて本塁打を放って反撃の烽火を上げる。6回にも池田から2安打を放ち得点圏に走者を進めるなど、じわじわと追い詰める法大打線。すると7回、ついに待望の時が。高原侑希(法4=福井工大福井)が四球を選ぶと、前の打席で本塁打を放った中津がバットを折られながらもしぶとく右前へ運ぶテキサス安打を放ち無死一、三塁。ここで今日2の2と当たっている内海壮に打順が回ると、池田に狂いが生じた。池田がこの日投じた99球が暴投となって三塁から高原が生還。内海壮が三塁手の横を破る安打を放つと、立大ベンチを動かした。
2番手で吉野蓮が登板すると、法大は代打攻勢に打って出る。しかし、浦和博(キャ4=鳴門)、福岡大真(法4=筑陽学園)が打ち取られてあっという間に2死。それでも打席に立つ武川は冷静だった。武川の打席で吉野も暴投してついに同点に追いつくと、武川は高めに浮いた変化球を思いっきり引っ張った。打球は三塁手の頭上を越え、外野でバウンド。三塁走者の内海壮が勝ち越しの本塁を踏んだ。
武川の一打でついに逆転した
逆転に成功した法大は、7回からリリーフエースとも呼べる存在の塙雄裕(法4=常総学院)をマウンドに送る。「いい気持ちでマウンドに上がれました」と塙。この回からマスクをかぶった久保田碧月(営4=高川学園)と息を合わせて立大打線を封じ込める。最後は途中出場の桑垣秀野を空振り三振に切って取って試合を締めた法大。2つ目の勝ち点を獲得した。
塙が1点のリードを守り切った
「今年のチームの強みはまとまりがある」と主将の今泉颯太(法4=中京大中京)は語る。空き週を挟んで相対するのは宿敵・明大。ここまでチーム防御率1.26と圧巻の成績を残す投手陣を軸に、チーム一丸となって宿敵撃破へ突き進む。
(記事:皆川真輝、写真:大草拓馬)